森光蘭/天堂地獄(烈火の炎)

登録日:2011/08/13(土) 19:48:05
更新日:2019/12/28 Sat 02:49:45
所要時間:約 3 分で読めます






子供の頃からそうだった

欲しい食べ物が欲しい女が欲しい金が欲しい家が欲しい絵画が欲しい

何かが手に入れば次の物次の物

満たされる事など味わった事が無い

永遠に尽きない欲望

そして考える

どれだけ金を集めても宝石を集めても

死んだら意味を成さない


永遠の命が欲しい

漫画烈火の炎の登場人物。
CV:納谷六朗

●目次


【概要】

本作の実質的なラスボス
主人公である花菱烈火の異母兄でありライバルである紅麗の養父。

COCOM財団という財団の総帥で、表向きは募金活動をするなど慈善事業家として知られている。
しかし実態は裏社会の首領であり、「裏武闘殺陣」の元締めでもある。


【人物】

際限無き欲望の持ち主であり、性格は極悪非道で鬼畜そのもの。
幼少の頃から欲しいと思ったものはすべて手に入れ、やりたいと思ったことは何が何でも実行してきたというほどである。
他人の事は己の欲望のための道具としか思っておらず、それは妻である月乃ですら例外ではない。

飽くなき欲望を満たすため、不老不死を求めていた。
そして水鏡との戦闘で重傷を負った烈火を癒しの力で治療する「治癒の少女」を、自分の求める不老不死の鍵だと確信。
養子の紅麗を使い、拉致することを目論む。
結局が自分の不死のキーとなるので(演出上仕方ないが)恐るべき直感を披露している。
ストーリー序盤で、時空流離の術により不老不死になってしまった陽炎という前例があるため、多くの読者は的外れな推測だと思ったことであろう。
実際、紅麗も時空流離の副作用を聞いて、それが森光蘭の求めるものの正体かと誤認している。


一方で森自身は無尽蔵とも言うべき欲望以外は特に戦闘力のない一般人である。
単純な戦闘力こそ皆無であるが、文字通り下衆な悪意と肥大化した欲望だけで超人と多種多様な変態がワンサカ居る烈火の炎のラスボスを最後まで務めたある意味執念の男とも言える。

【海魔】

CV:秋元洋介(ゲーム版)
戦国時代に虚空と共に魔導具を製作した鍛冶師。
但し魔導具を作った目的が虚空は「人を守る為の魔導具」を作ったのに対し海魔は「人を殺す為の魔導具」を作り出した。
敵の使った魔導具の殆どが海魔が作成したものである。
その人格は物凄いサイコパスで自分の作った魔導具をテストとして里の子達を殺しまくった。
もはや海魔を危険と見なし虚空達によって鍛冶場に追い詰める。
後が無くなった海魔は天堂地獄を起動しようとしたが、その直前で殺害される。
しかし海魔の魂は天堂地獄に宿ってしまったので火影忍軍は天堂地獄を誰の手に渡らぬように封印の地に厳重に封印した。

【魔導具:天堂地獄


属性:不明

狂気の魔導具製作者・海魔が、死ぬ間際に海魔自身の意思を注入した最後の作品であり最凶最悪の魔導具。
自ら意思を持つタイプの魔導具で、魔導具自身が使用者を選ぶ。
海魔が魔導具「縛呪」を作り出した時に自分の願望である「永遠の殺戮」を望む為に「自分の魂を魔導具に注入し、自分が選んた者と融合し、永遠の殺戮を楽しむ」ことを思い付き作成した。

素質を持たぬものが触れると呪われ、死ぬこともできず永遠に苦しみ続ける。
覚醒初期段階は大小さまざまな大きさの浮遊する眼球。
海魔自身が魔導具の意志決定を務め、森が所有者となった後は森の肉体と融合し活動を開始する。

魔導具では珍しく覚醒後は生物のように成長する性質を持ち、以下の形態を見せる。


不完全体

森と融合してすぐの状態である天堂地獄。
外見は全身に無数の眼球が浮かび上がった奇怪な人型。
細切れになってもその肉片がプラナリアの如く別々の天堂地獄へと再生・変化する驚異的生命力が特徴。
分裂した天堂地獄の肉体形状はコントロールできる他、分裂体にも森や海魔の意識が宿るため統率も簡単。
単純な戦闘力でも、口から放つレーザーや人外の怪力で敵を圧倒できる。

ただし欠点として攻撃を受け分裂すると分裂した分だけ力も細分化されてしまうため、むやみに攻撃を受け続けるとやがてその辺の昆虫以下の存在に成り下がって無様に永遠を生きることになる。
単純に分裂体が集まって復元ということはできず、損傷分と同じだけの人間を食うか、治癒の力を取り込むしか再生方法がない。
そのため再生の余地すらないほど肉体を焼き尽くして消滅させてしまう炎術士の力はこの段階の天堂地獄にとって天敵と言える。
劇中では、天堂地獄の圧倒的な力と再生力に溺れ「俺TUEE!!」を満喫していた森だったが、海魔の助言がなければそのまま虫以下の下等生物になりかねなかったという中々の綱渡りを見せている。

物語後期では天堂地獄の驚異的な生命力を持つ細胞を移植し、身体の欠損を補ったり即死レベルの傷を負っても再生する森の配下が登場するようになる。
ただし天堂地獄の細胞の力が強すぎるため、細胞を移植した者は最終的に自我を失いゾンビと呼ばれる獣同然の化け物になり果ててしまう。

  • 分裂体
その名の通り本体から分裂した天堂地獄の端末。
破壊されたり千切れた肉片が新たな分裂体を生むため理論上際限なく増えていく尋常ならざる生命力が売り。
ただし不完全体の弱点は引き継がれているため分裂=弱体化と同義。
おまけに知性も低く、劇中では専ら戦闘員の雑魚扱い。
体の何処かに森や海魔の顔があるのが特徴だが、見た目はどれも人型から掛け離れた化け物ばかり。

  • 山千、海千
上記の分裂体の中でも特に力の強い2体。
山千には森の意思が、海千には海魔の意思が強く宿っている。
天堂地獄本体の直接分離体であり、生命力、分裂能力、戦闘力共に通常の分裂体を凌駕する。
知性も高く、劇中では裏麗の指揮及び、天堂地獄本体覚醒までの間の天堂地獄の意志決定役、分裂体の統率を務める。


本体(完全体)

これが新しい我か、悪くない

天堂地獄の中枢を成す存在であり天堂地獄の完成系。
完全に覚醒するまでの間は巨大な繭となって眠り、覚醒と同時に「戦闘体」と「吸収体」の2体が誕生した。

  • 戦闘体
CV:風間勇刀(ゲーム版)
天堂地獄完全体を構成する1体。
外見は山羊を思わせる下半身と美青年のような三つ目の成人男性の上半身で、顔の造形は紅麗がモチーフのイケメン。
ただし欲望が昂ぶると森や海魔を彷彿とさせる下卑た醜悪な笑みを浮かべる。

森とも海魔とも異なる第3の人格を獲得し、1人称が「我」に変化。ただし性根は下劣な下衆そのもの。
自分の思い通りにならないとすぐにキレるなど小物臭さも微塵も変わっていない。
この形態でもダメージは受けるが、不完全体とは異なり分裂体を吸収することでダメージを回復できるようになったのが最大の特徴。
そのため無数の分裂体を「復元用の予備電源」と称して回復アイテム扱いしている。
戦闘力は凄まじく、瞬間移動じみた驚異的な速さの跳躍や身体の構造を組み替えて手を伸縮させるといった行為が可能。
肉体そのものが最上級魔導具でもあるため、敵の魔導具を真っ向から受け止めて物理的に粉砕するパワーを見せる。

  • 吸収体
戦闘体と対を成す天堂地獄完全体を構成する1体。
見た目は全身に無数の目玉が浮かび上がった巨大な蛇。
捕食した相手が持つ能力を戦闘体に流して、流した能力を戦闘体に与える能力を持つ。
地中を掘り進んで移動することも可能で、不意を突いた奇襲に活用できる。
ただし知性の類は見受けられない文字通りの怪物であり、基本戦闘体に使役されている。


究極体

柳の魂を吸収し、不老不死となった天堂地獄の完全形態。
再生能力がより強化され、無敵の存在になったが……


【作中での行動】

時空を超えて現代に流れてきた炎術士である紅麗を育て、幼少の頃からその力を利用してきた。
命令に逆らわないように、人間としての心も殺させてきたのだが、本当に心を殺しているかテストするために紅麗の他に養女として引き取っていた紅という少女を引き合わせる。

案の定紅麗と紅は愛し合うようになり、紅麗が自分に逆らうとどうなるかという見せしめのためだけに紅を殺害。

紅麗の心に大きな傷を残し、そして炎である「不死鳥」を覚醒させ、紅を己の炎ヘと取り込む事件となった。

一方でこのとき見せた強大すぎる紅麗の力には恐怖しており、いつ反逆されるのかと夜も眠れないときもあるほどであった。
そのために「自分に絶対に逆らわない紅麗」を作るため、幻獣朗に命じて紅麗と紅の細胞を掛け合わせたクローンたちを量産させた。
裏麗の死四天・はこの過程で生まれたクローンの一人。

そしてついに成功作である炎術士「煉華」が誕生。裏武闘殺陣で麗(紅)が敗北し、烈火との死闘で満身創痍となった紅麗を裏麗のメンバーと闇討ちし、大会の本当の目的が「紅麗暗殺」であることを告げる。

またこの時に永遠の命と強大な力をもたらすという究極の魔導具「天堂地獄」の封印された地を発見し、紅麗を暗殺(実際には未遂)したあとは本格的に動き出す。


封印の地の最奥地に辿り着き、執念と欲望を見込まれて「天堂地獄」に選ばれ、体内に取り込み所有者となる。
この時点で「人間」であることを捨てており、複数の目や異形な腕を持つ化け物と化す。
調子に乗って暴れるも、天堂地獄の製作者・海魔からこのままでは不完全だと告げられ、分身を紅麗と烈火によって悉く燃やされて消滅させられたことから危機感を覚え、撤退する。

撤退後は自らの体を癒すため、「食事」に専念する。
この「食事」というのはただ物を食べることではない。天堂地獄を取り込んだ時点で森は人間の三欲である睡眠欲が消失、残りの性欲と食欲は同一に感じるようになった(性的欲求を伴った食とのこと)。
つまりどういうことかというと、人間の女を食べることで食欲も性欲も解消するのである。
何人もの女性が食われてしまい、劇中では森邸のメイドが食われる様が描写された。
ある人はトラウマに、ある人は多大にお世話になった。




葵を烈火たちの高校に潜入させ、うまい具合に柳の拉致を成功させる。
治癒の力を持つ柳を取り込むことにより、天堂地獄は完全無欠の不老不死と化すためである。

しかしこの段階では柳を取り込むことはできず、むしろ反作用で体を傷つけるだけであった。

葵の魔導具で柳の記憶を消させ、からっぽになった柳を取り込むことで完全体になることを目論む。

また紅麗や火影の襲来を予期し、体を戦闘形態に変えるために繭と化す。
なお繭と化した「本体」以外にも、森や海魔の顔をした天堂地獄の分身たちがいるが、これは本人の魂が投影された海千・山千という分身体であり、森や海魔本人ではない。

土門風子たちが辿り着いた時に覚醒。顔は紅麗に対する皮肉を込めた、紅麗に似た美形の青年。姿そのものは西洋の「悪魔」をモチーフにした化け物に変貌し、圧倒的な力で土門、小金井、風子らを一蹴、烈火には苦戦するも、煉華を吸収し炎に対する耐性と炎も得て、ついには柳を吸収し究極体へと進化する。
…かと思いきや、天堂地獄に吸収される寸前に烈火が柳の魂を火竜に変えたことで究極体への進化は失敗。
火竜となった柳と共に立つ烈火に対抗すべく自身も吸収体に己を喰わせることで吸収体と融合。
竜に酷似した形態に姿を変え火影達を皆殺しにしようと目論む。


馬鹿め!! 今の我に炎など無意味だと何度…言えば…ああ!?

燃える!!? 壊れる!!?
馬鹿な!!?
不死の我が!! 天堂地獄が!!?


あなたがその体を造るために奪ってきた人達の命を癒します。
成仏する魂と共にあなたが奪った全ての力が消える!

終わりです。天堂地獄!



しかし裂神の力で炎となった柳の「癒しの炎」を受けたことで、今まで食らい糧にした人間たちの魂、命が癒されたことで身体が崩壊。



イ…ヤだァ!!

いやだぁああ―――っ!!

死ぬのは嫌だぁああぁああぁ!!


消えろ。



吸収体は崩壊し、残った戦闘体も紅麗の追撃で崩壊、最終的に天堂地獄は核である目玉状の球体(これに森と海魔の顔が貼り付いている)だけになった。



永遠の…殺戮……

永遠の…欲望……



見るも無残な姿に弱体化しても尚、自分達の願望である殺戮と欲望が尽きない2人だったが、烈火の拳を受けたことで天堂地獄が崩壊。



うぁあぁああぁあぁぁあああぁああああああ!!!!



恐怖の断末魔を上げながら森と海魔の魂は砕けゆく天堂地獄と共に完全消滅した。
永遠の欲望と殺戮を追い求め、幾多の命を踏みにじって化け物にまでなった男達の末路は、その魂を「永遠の無」に帰すという自業自得ながらも哀れな最期を迎えたのであった。



お…わる



永遠が…
終わる…

作者からの評価

最後に、作者が森光蘭について述べたコメントをまとめる。これらをどう思うかは読者一人一人に委ねよう。

  • 「最初は紅麗が天堂地獄に取り憑いてラスボスになる予定だったんですよ。でもそんなことしたら誰も報われない。紅麗は勿論、烈火も陽炎も音遠も雷覇も。そして読者も自分も。誰一人。」(文庫版あとがき)
  • 「彼は自分の欲望に正直。良心と自制心が欠落してるだけで。彼自身が言っていた何かを得るためには、それ相応の犠牲が必要だこれもある意味では真理」(単行本前書き)
  • 『こんなクズ見たことない』 そう思わせるように書きました。当然読者にはめちゃくちゃ嫌われましたよ。でも僕は森光蘭が好きですね。 逆説的な意味で 」(文庫版あとがき)
  • 「ある意味では烈火の炎に出るキャラ すべてと対極に当たる 存在なんです」

追記・修正は自制心を持ってお願いします。

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