登録日:2012/05/18 Fri 04:21:12
更新日:2025/05/21 Wed 11:07:15NEW!
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【概要】
水木しげる原作の妖怪漫画「
ゲゲゲの鬼太郎」は2019年までに「墓場」を含めて七度アニメ化されたが、
本項ではそのうち二度目に放映されたアニメシリーズについて扱う。
1971年10月7日から1972年9月28日までフジテレビ系列で放映された。アニメーション制作は東映動画(現・
東映アニメーション)。
各シリーズの項目はこちらを参照
1960年代に放映されたアニメ第1期の続編的な立ち位置。
ただし、メインキャラの性格の微妙かつ確かな差分・猫娘の容姿・「劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!」の同時上映作品「ゲゲゲまつりだ!!五大鬼太郎」では本作の鬼太郎はエンドクレジットでは「二代目鬼太郎」となっている点など、本当につながっているのかどうかは怪しい部分もある。
とはいえ当時の作風的にそれぞれのエピソードは一本に繋がっておらず、設定が話数ごとに安定しておらず、前期との差異そのものがご愛嬌とも言えるのも事実。
つまるところ本作を「直接的な続編」ととるか、「新シリーズ」ととるかは個々の感性に委ねるのが妥当。
少年漫画然とした第1期と異なり、当時の社会背景を反映した、ハードかつ陰鬱な作風や、視聴者に教訓を投げかけるエピソードが多いのが特徴。
それぞれのエピソードのメッセージ性が強く、普通に鬼太郎が妖怪をやっつける回の方が印象が薄くなることもしばしば。
当時としては大人にも向けられたようなメッセージ性の強い作風は、ルパンと同じくさぞ子供人気がなかったと思いきや、妖怪ブームが下火となっていた時期のわりには結構ヒットはしていたようである。
しかし怪獣ブームのそれに押されたこともあり、今で言う「覇権」を取るには至らず。作中で怪獣めいた妖怪を何度か出すなどしたものの、結局は盛り返せなかった。
本家TVシリーズとしては最も製作話数が少なく、しかもいくらかは本放送中の再放送で占められている。何故再放送が多かったかは不明。
本作がより脚光を浴びるのは本放送よりも再放送であることも多く、これが後の第3期製作への足がかりになったとも言われている。
現在ではおなじみのヒロイン格になったねこ娘の初レギュラー化も含め、その後のアニメ展開の基盤を作ったと言っても過言ではない。
ただし鬼太郎ファミリーといえるほどの出番はなく、配信サイトのスチールではファミリーが揃っている場面が使われていたりするが、ぶっちゃけそういう状況になる方が稀。
鬼太郎ファミリーという概念が本格的に根付くのは第3期からとなる。
第2期のみのエピソードが、後発のシリーズでリメイクされたり、ネタが採用されることも多く、当時の視聴者にはかなりのインパクトを与えている。
【登場人物】
声:
野沢雅子
ご存知、「まれに見る正義の人」。
これまでの生活を捨てて俳句を詠み干物を作る晴耕雨読の日々を過ごしていたが、現代社会の毒が妖怪を活性化させていると知り、立ち上がらざるを得なくなる。
世界を股にかけて人間に害をなす妖怪と戦うのが仕事だが、妖怪よりも醜悪な心を持つ人間たちと戦う機会も増えた。
要人や探検隊のボディガードに駆り出されたり、大企業の社長から「無気力な息子を立ち直らせてほしい」と頼まれたりもする。
声:田の中勇、大竹宏(代役:第4話)
鬼太郎の父。クレジットでは「父親」で、第2期の時点でも今のような名前は定着していない。
このためまだこの時点では名前自体がなく「鬼太郎の親父」「親父さん」と呼ばれることが多かった。
博識な人格者であるところは他のシリーズと共通だが、ねずみ男に対しては辛く当たる事が多い。
原作エピソードで目玉親父が活躍する話が多く採用されたことから、妖術で活躍する話が多く見られた。
声:
大塚周夫
「努力せずに金を儲ける」がモットー。第2期においては主人公のような活躍をする話も多く、前期以上に意地汚くなっている。
口八丁手八丁で数々の商売を行い、鬼太郎を利用する事も往々にしてある。
自殺志願者に「往生際の悪い奴だね。」と平気で言ってのけたり、兵器会社の株を急騰させるために第三次世界大戦を起こそうとしたり、かなりえげつない言動も。
演じる大塚周夫が自分以外は出来ないとすら豪語した演技は第1期と比べてさらに完成度を高めている。
先の血も涙もない良識感ゼロなキャラクター性を、愛嬌と憎たらしさを織り交ぜた演技は必見。
声:小串容子
前述のように、本作から準レギュラー化。第1期でゲスト出演した時の猫娘とは同一人物とされている文献もあるが、その時とは別人のようなデザインと性格である。
よって現在では同一人物説は怪しいとされていることも多い。(原作ですら猫娘は1個体でないと見られる描写もある。)
敬語を使うなど礼儀正しいが、女だてらにアクティブな性分でもあり、鬼太郎とともに真っ向から戦う事もある。
ねずみ男とは仲が悪いが、彼の死を普通に悲しんだり、ねずみ男にそそのかされて余計なことをしたり、他のシリーズと比べると驚くほどに仲良し。
含蓄のある台詞を言うことも多く、第37話で口にした「あたしたち、自己満足のためにしてるのね。」は有名。
第1話から出演しているが、第3話、第9話、第16話、第20話、第21話、第36話、第44話は未登場で、第5話は前半のみ登場。
よって厳密には準レギュラー止まりといったところか。
声:山田俊司
基本的に全く喋らない。第14話で喋ったが、かなり口が悪い。
第2話、第3話、第8話、第13話、第14話、第19話、第25話、第26話、第27話、第29話、第31話、第33話、第34話、第41話、第43話のみに登場。
声:小串容子(第2話)→山本圭子
前作では出てくるたび姿が違っていたが、今回は目以外はなんとか安定するようになった。
妖怪アパートを経営しているが、家賃の滞納が多いことには嘆いている。
本作では珍しく「人間嫌い」という設定が徹底されており、第13話では鬼太郎の危機を感じ取り嫌々人間界に出向いたりしていた。
また、第33話ではほとんど妄想で人間のことを長々と罵倒し続けていた。
第2話、第3話、第13話、第19話、第24話、第25話、第26話、第27話、第29話、第30話、第31話、第33話、第34話、第43話のみに登場。
声:矢田耕司、代役:永井一郎(第19話)、兼本新吾(第21話)、はせさん治(第29話)
言動はやわらか気だが、事あることに砂かけばばあと揉めることがある。
第2話、第3話、第13話、第19話、第21話、第24話、第25話、第26話、第29話、第30話、第31話、第34話、第43話のみに登場。
声:山田俊司
基本的に全く喋らない。セリフを発したのは初登場の第2話だけ。また同話ではやたら可愛い口があり、かなり愛嬌ある見た目をしている。
第2話、第8話、第19話、第25話、第26話、第34話、第42話、第43話のみに登場。
声:神山卓三
初登場時は鬼太郎を倒そうとたくらんだが、それ以降は魂収集のノルマに追われる「地獄のサラリーマン」。後のぬらりひょんの先駆けとなったキャラ。
生活のため、様々な妖怪と組んで人間の魂を集めるための悪事を働くがいつもうまくいかない。
最後には地獄の掟を破り、自らの手で人を殺す事で魂を得ようとするが……。
初登場時以外の元ネタは水木漫画「サラリーマン死神」の主人公。準レギュラーとして、第30話、第34話、第38話、第42話、第45話に登場。
【有名なエピソード】
- 第12話:やまたのおろち(1971年12月23日放送)
- 第2期には数少ない妖怪退治エピソードの一つ。解放石の中の幻想的な世界が印象的。
- 第22話:地獄の水(1972年3月2日放送)
- 水神が登場する回。元は水木短編だが墓場鬼太郎時代のエピソードを彷彿とさせる内容。
- 第35話:イースター島奇談(1972年6月22日放送)
- 下記の足跡の怪と並び称される恐怖エピソード。正義感を燃やして言葉に容赦がなくなる鬼太郎は必見。
- 第37話:地相眼(1972年7月13日放送)
- 劇場版として再編集されたことでも知られる。一言で言うなら救いのない白山坊回。
- 第38話:隠れ里の死神(1972年7月20日放送)
- 6期でもリメイクされた名エピソード。最後のシーンはいろいろと考えさせられるものがある。
- 第42話:死神と貧乏神(1972年8月24日放送)
- 死神シリーズの一つ。冒頭から結構エグいことをしているのが特徴。
- 第43話:足跡の怪(1972年9月7日放送)
- 本作と言えば真っ先に話題に上がる最恐エピソード。第6期でリメイクされたが実は第5期の三年目にリメイクされる予定があった。
【水木短編作品からの流用】
原作のストックが不足した事により、中盤以降「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズではない水木しげるの短編漫画からモチーフを持ってくることが多くなる。
実はこれは第1期の第62話と第63話からすでに始まっていた。
鬼太郎シリーズとは異なる作品を原作にしたエピソードは以下の通り。
+
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一覧 |
第6話:死人つき
第7話:猫又
第8話:マンモスフラワー
第10話:アンコールワットの亡霊
第12話: やまたのおろち
第14話:怪自動車
第16話:南からの招き
第17話:縁切り虫
第18話:幸福という名の怪物
第21話:心配屋
第22話: 地獄の水
第34話:死神とサトリ
第35話:イースター島奇談
第36話:妖怪屋敷
第37話:地相眼
第38話: 隠れ里の死神
第39話:妖怪水車
第40話:原始さん
第41話:霊形手術
第42話: 死神と貧乏神
第43話: 足跡の怪
第44話:雨神ユムチャック
第45話:死神のノルマ
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全45話中、実に23話を短編原作のエピソードが占めている。
そして、これらのエピソード。
回を重ねるごとに、社会派ドラマと恐怖ドラマに二極化していくのである。
特にタブーを侵した事によって神の怒りに触れ、破滅していく人間の末路を克明に綴った「イースター島奇談」「足跡の怪」は、
アニメ鬼太郎史上最大級のトラウマエピソードとして名高い。
文明社会に破壊された自然を甦らせるために現れた精霊が人間に失望して去っていく「原始さん」は、今こそ語られるべき物語だろう。
【オープニング】
歌:熊倉一雄
曲は前作と同じだが、下駄がねずみ男に落ちる場面とカラスが飛び立つ場面で、オープニング内でSEが使われているのが最大の特徴。
正確には、第1期や第4期などでも冒頭には風やカラスのSEが使われている。
【エンディング】
歌:
加藤みどり、コロムビアゆりかご会
加藤みどりは前作から引き継ぎだが、背後のコーラスは新規録音らしい。背景はやたら柔らかいリモコン下駄が多用されている。
この項目をご覧になられたあなた、是非ともレンタルショップに足を運んでみてはいかがだろうか。
色々とアナーキーな作品だが、観て損はない。
特に「足跡の怪」、あれは一度観たら必ず忘れられなくなるだろうから。
- 地獄の水って一応鬼太郎シリーズじゃなかったっけ? -- 名無しさん (2014-01-10 18:32:02)
- ↑「鬼太郎夜話」とか「ムーン大王」に同種のモチーフが出てくるけど、初出は貸本時代の短編だったはず -- 名無しさん (2014-01-10 18:47:27)
- 墓場鬼太郎にも出てきたね。ちなみに水神使いは「水神様の秘密を知った者は水神様の餌食にならなければならない」とか言ってたが、冒頭で矛盾した事をしている。 -- 名無しさん (2014-05-27 15:18:51)
- ねずみ男と猫娘が2人揃ってトラブルを起こした回もあるなど、ねずみ男と猫娘がトラブルメーカーとなった事もある。 -- 名無しさん (2014-11-10 18:43:50)
- イースター島奇談見てきた。鬼太郎でさえ冷や汗を流すほどの地獄の処罰…… -- 名無しさん (2015-02-03 21:50:49)
- トラウマにして神回(マジな意味)が結構多い。 -- 名無しさん (2015-03-23 21:44:18)
- ↑✖︎5墓場鬼太郎以前に「地獄の水」 -- 名無しさん (2015-11-14 22:04:38)
- 失礼、↑✖︎5水木先生は「墓場鬼太郎」以前に「地獄の水」という作品を描いている -- 名無しさん (2015-11-14 22:06:10)
- 放送禁止用語とかDVDではピー音とか入ってるのかな? -- 名無しさん (2018-04-04 22:54:01)
- イースター島奇談の項目も欲しいな。足跡の怪と並ぶ鬼太郎屈指の恐怖エピソードだし -- 名無しさん (2018-04-10 23:22:22)
- ピー音ははいってなかったはず -- 名無しさん (2018-08-20 08:43:20)
- SNSで話題になってる心配屋の項目も作成してほしい -- 名無しさん (2021-08-04 17:50:40)
- ここでは1.2期が長期休止という情報はどこにもないと書いているが、「ゲゲゲの鬼太郎マニアックス」でプロデューサーの斎藤侑氏が「原作が追いつかなかったからこの辺で一度休むのも良いんじゃないか、ということになった。東映もフジもなるべく早く再開したい気持ちはありました」と言ってるし、DVDBOXのブックレットでも声優陣に「一旦しばらくお休み。必ず再開します。」と伝えてあったらしい。つまりもともと2期やる前提で1期終了したって事。日本爆裂で2代目扱いされてるのは単にモノクロとカラーの違いだけじゃないかな?もしくはスタッフがわかってなかっただけとか。 -- 名無しさん (2022-06-30 08:37:18)
- なぜかこのシリーズだけ納谷六朗さんとたてかべ和也さんが出ている -- 名無しさん (2023-10-12 12:02:24)
最終更新:2025年05月21日 11:07