コードギアス 亡国のアキト

登録日:2012/09/02(日) 20:16:44
更新日:2024/10/24 Thu 10:57:54
所要時間:約 5 分で読めます






壊れた世界で、僕らは夢を見る



『コードギアス 亡国のアキト』は、アニメ『コードギアスシリーズ』の劇場アニメ作品。


【目次】





【概要】


TVアニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』及び『R2』の外伝作品。
時系列は両者の間にあった空白の一年間に当たる。
本編でほとんど描かれなかった欧州方面での戦いを描いており、TV本編は勿論、同じ外伝作品の『双貌のオズ』などとも繋がっている。
また、後年連載された『白の騎士・紅の夜叉』も本作を考慮した設定が登場する。

監督は赤根和樹で、その他のスタッフの多くも原作TVシリーズとは異なる。
そのせいか全体的にやや鬱々としたシリアス強めの演出が為されており、娯楽性の強かった原作TVシリーズとはかなり雰囲気が異なる作品となっている。まぁその分ピクチャードラマやドラマCDなんかはギャグ全開だったりするけど
KMF戦はフルCG化され、スピーディーかつダイナミックな戦闘シーンは本編からさらにパワーアップされた。

ストーリー的にはTVシリーズとの関連は薄い。まぁ、いくら舞台が北半球の裏側とはいえ大幅な設定の変更は出来ないので仕方ないが。
なので総合的に見るとTVシリーズとは全く異なる趣きの作品になっていると云える。


劇場でのイベント上映という形で公開され、一話約50分~60分。
当初は全4章構成の予定だったが色々あって製作が長期化し、全5章構成に変更された。
現在、全5章のDVD&Blu-rayが発売されている。



【主題歌】


「モアザンワーズ」歌:坂本真綾――1~3章のED主題歌。

「アルコ」歌:坂本真綾――4、最終章のED主題歌。



【ストーリー】


皇暦2017年。
日本が神聖ブリタニア帝国の植民地「エリア11」となってから7年。
敗戦国となった日本はブリタニアによって支配され、多くの日本人は国籍を奪われた「イレヴン」としての生活を強いられていた。
そんな中、仮面のテロリストによる大反乱が引き起こされ、その波紋は世界中に新たな戦乱の兆候をもたらしていた。

そしてそれは、エリア11から遠く離れたヨーロッパでも。
日本から遠く離れたユーロピアに亡命した日本人たちもまた、国籍を持たぬイレヴンとして、ゲットーで隔離された生活を強いられていた―――



各章のストーリー(クリックで展開)








【用語】


  • ユーロピア共和国連合
ヨーロッパ諸国の集合体でありブリタニア、中華連邦と並び世界を支配する三大勢力の一つ。通称「E.U.」。
市民革命を成立のルーツとしており、ナポレオン・ボナパルトを処刑し民主制を念頭とする政治体制を確立してきた。
しかし現在では政府が民衆の機嫌を損ねないようにするあまり改革に対しては消極的で、硬直化しきっている。*1
軍部も積極性に欠け、危険な任務をイレヴンに押し付けようとするなど、中華連邦とは別の弱さが目立つ。
現在はユーロ・ブリタニアと交戦しているが、その体質やKMF技術が未発達なことから苦戦を強いられている。

ちなみに、略称は同じだがTV本編では「Euro Universe(ユーロ・ユニバース)」なのに対し本作では「Europia United(ユーロピア・ユナイテッド)」となっている。

  • wZERO部隊
E.U.が編成した特殊部隊。
実働部隊はゲットーに収容されているイレヴンから志願者を募っており、E.U.正規軍の代わりに危険な戦地に送り込まれる。
上層部から消耗品扱いされているが、志願した兵士が戦果を挙げたり死亡したりすれば血縁者にはE.U.の市民権が与えられるため、志願者は少なくない。
アレクサンダを駆る実働部隊は「ワイヴァン隊」と呼称されている。
深い森の中にある古城・ヴァイスボルフ城を改装した基地を拠点とする。

  • イレヴン
旧日本人・日系人の俗称。
E.U.でも敵性外国人とされゲットーに入れられる等差別対象となっている。
一方、黒の騎士団の存在などもあって日系人を恐れる風潮もある。

  • ユーロ・ブリタニア
神聖ブリタニア帝国のヨーロッパ方面軍。
かつてヨーロッパを追われた王侯貴族の血を引くブリタニアの貴族が中心の組織であり、本国に劣らぬ戦力を保有しているとされる。
ヴェランス大公を中心に「聖ミカエル」「聖ラファエル」「聖ウリエル」「聖ガブリエル」の名を冠した「聖四騎士団」から成る。
各騎士団長の実力はラウンズに匹敵するとされ、皇族やエリア総督と同等の権限が与えられている。
一応同盟的な関係だが、旧英国王室を起源とするブリタニア本国とは若干思想的違いがある。



【主要登場人物】


ユーロピア共和国連合(E.U.)


◆日向アキト
CV.入野自由
本作の主人公。
イレヴン出身者の少年。紺色の髪と三つ編みが特徴。
wZERO部隊に所属するE.U.軍兵士で、物語開始時の階級は少尉(冒頭の作戦から生還後中尉に昇進)。
普段は無口かつ無表情であるが、口を開くと歯に衣着せぬストレートな皮肉が飛び出すことが多い。
しかし、仲間と認めた者に対しては(皮肉交じりではあるが)情を抱き、戦死した者に対しても気を掛けている。
生身・KMF戦を問わず優れた戦闘技術の持ち主であるが、なんらかのギアスを掛けれているようで戦闘中には狂喜に取り付かれたように敵を殺そうとする。
一方で「死ぬために戦っている」と語り、兄シンとの間にも何らかの因縁があるようだが…?


◆レイラ・マルカル
CV.坂本真綾
本作のヒロイン。
金髪碧眼ナイスバディな美少女。
wZERO部隊の参謀、後にwZEROの司令に任命される。
元々はブリタニアからE.U.に亡命してきた貴族だが、幼い頃に両親と死別しマルカル家に引き取られた。
イレヴンを差別せず、人格的にも能力的にも優れているため部下や周囲の人間からの信頼は厚い。
しかしお嬢様育ちのため家事スキルは壊滅的。
幼い頃に出会った「森の魔女」に何か「呪い」をかけられたようだが…?

因みに紐パン。だってキムタカだもん。


◆佐山リョウ
CV.日野聡
E.U.に住まうイレヴンの青年。
マフィアや地下組織と取引し、互いを利用しながら武器や資金を手に入れてきた。
戦う理由は祖国と国籍を失った自分達の居場所を得るため。
一見ガラの悪いチンピラだが、仲間であるアヤノとユキヤの事は大切にしている。


◆香坂アヤノ
CV.日笠陽子
リョウのグループのメンバー。白いフードコートを被り、小刀を扱う。持ち歩いている小太刀は祖父の形見らしい。
気の強い少女だが、常識的であるが故か、周りの行動に振り回される苦労人兼イジラれ属性気味。
レイラにも劣らない程の、ナイスバディの持ち主。後に着用した制服も着崩して、ノーブラでいつポロリしてもおかしくない巨乳を披露した。


◆成瀬ユキヤ
CV.松岡禎丞
リョウのグループのメンバー。
情報収集や爆発物の扱いを担当している。以前収容所で同じイレヴンにリンチされた経験から他人を信用していないが、リョウやアヤノには心を開いている。
アキトにヘタレ扱いされたが、自分の命をなんとも思わないやり方をするアキトに興味を抱く。



ユーロ・ブリタニア


◆シン・ヒュウガ・シャイング
CV.松風雅也/皆川純子(少年時代)
聖ミカエル騎士団の騎士。
イレヴン出身であるが騎士団内でも高い地位にあり、後に団長となる。
その姓名からアキトの血縁者であることが匂わされていたが、後に実の兄と明かされる。
詳細は不明だがギアス能力者であり、幼少期にアキトに対してギアスをかけたようである。
長身の美男子で物腰は優雅だが、その表情には時折狂気が見え隠れする。
劇中では自身に好意的だったマンフレディ卿をギアスで自決させミカエル騎士団を乗っ取るという非常にインパクトがある登場を果たし、その後敵としてアキトと再会する。


◆ジャン・ロウ
CV.伊瀬茉莉也
シンの副官を務めるミカエル騎士団の騎士。
シンに忠実であるが、シンのやろうとしていることが本当にシンの為になるのか分からずにいる。
男性のように振舞っているがホントは女性。


◆アシュレイ・アシュラ
CV.寺島拓篤
ミカエル騎士団でアシュラ隊を率いる赤毛の青年騎士。
かつては狼に育てられており、現在もかなり好戦的な性格。
「戦場で必要なのは運だ」と豪語しており、暇つぶしに自分や部下にロシアンルーレットを行う等ちょっとアレな人。
しかし部下に対してちゃんと情は持っており、部下からの信頼も厚い。
とある事情からアキトを狙う。


◆ミケーレ・マンフレディ
CV.三宅健太
聖ミカエル騎士団団長。
明るい性格の偉丈夫で、かつてはナイトオブツーの地位にあったが自ら志願してユーロ・ブリタニアの騎士となった。
シンの素質を見出し取り立てた人物だったが、シンのギアスで自殺させられてしまう。



神聖ブリタニア帝国


枢木スザク
CV.櫻井孝宏
ご存じナイトオブセブン。
ジュリアスのお目付け役としてユーロ・ブリタニアへとやって来るがジュリアスに対しては厳しい視線を向けている。
KMF数機に囲まれても生身で切り抜けるなど、相変わらず人間離れした身体能力の持ち主。


◆ジュリアス・キングスレイ
CV.福山潤
ブリタニア本国から派遣された軍師。
スザクと同年代の青年だが、歳に似合わぬ冷徹な策謀と横暴な態度を見せる。
左目を大きな眼帯で覆っていることを除けばどっかのシスコンと瓜二つであり中の人も同じ。
衣装もどことなく仮面のテロリストに似ている。


その他

C.C.
CV.ゆかな
幼いレイラが迷い込んだ森で出会った「森の魔女」。
レイラと猶予付きの契約を交わしたようだが…?


◆時空の管理者
CV.工藤晴香
スマイラスの前に現れシンの命を差し出すよう以来した謎の女性。
ギアスの紋章が描かれた服を着ており、人外めいた空気を纏っている。



【メカニック】


E.U.軍

アレクサンダ
wZERO部隊に配備されている可変式KMF。
純白のカラーリングでマシンガンやピッケル状に変形するトンファーをメインに使用しているが、手首の部分に仕込み刀が隠されている。
登場時は虫のような形態《インセクトモード》でカサカサと高速移動していたがこの形態は開発者の趣味によるもの。
運用データをフィードバックした多数のバリエーション機が存在する。

◆パンツァー・フンメル
TV本編にも登場したE.U.軍の現行主力機。
火器を多く装備しているが機動力や汎用性に欠ける。

◆ガルドメア
警備用として使われている小型機。
KMF擬きといった感じの機体だが、耐弾性はそれなり。


ユーロ・ブリタニア軍

ヴェルキンゲトリクス
聖ミカエル騎士団団長用に用意されたワンオフ機。シンの乗機。
黄金の装甲と人型形態から人馬形態への変形機構を持つ。

◆グラックス
ミカエル騎士団所属の銀色のKMF。サザーランドに似ている。
ジャンの乗機。

◆グロースター・ソードマン
グロースターの改修機。
ユーロ・ブリタニアでは部隊長機として運用されており所属によって装飾が異なる。

サザーランド
TV本編に登場するものとほぼ同型。グロースター同様部隊ごとにカラーリングが異なる。

◆アフラマズダ
聖ミカエル騎士団の新型KMF。
ブレイズルミナスを纏えるシュロッター鋼製の赤い装甲、両腕に三連ガトリング砲などを装備した重武装機。
ちなみにナイトオブフォー、ドロテア・エルンストの専用機「バロミデス」はこの機体の系列機にあたる。


神聖ブリタニア帝国

ランスロット
TV本編でも登場する第七世代チートKMF。
フルCG化に伴い全体的にアレンジが加えられている。




【小ネタ】


第二章の予告ではスザクとC.C.が登場するが、この時のスザクが列車に乗っていたため、「ラウンズは電車通勤なのか?」というネタが挙がった。


本来は『双貌のオズ』のオルドリン達が所属するグリンダ騎士団が派遣される予定だったが、オルフェウスとの戦闘が発生しダメージを受けたため、シュナイゼルによりスザクが代わりに派遣されたと推測される。
また、この派遣には当初からユーロ・ブリタニアの動向の監視という極秘任務も与えられていた。





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  • 一体何ーシュ・ヴィ・ブリタニアなんだ…
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最終更新:2024年10月24日 10:57

*1 『反逆のルルーシュ』でも「衆愚政治と揶揄されている」