コードギアス 奪還のロゼ

登録日:2025/03/02 Sun 10:32:58
更新日:2025/05/29 Thu 19:53:11
所要時間:約 66 分で読めます





画像出典:コードギアス 奪還のロゼ 2024年6月21日配信開始 ©SUNRISE/PROJECT G-ROZE Character Design©2006-2024 CLAMP・ST ALL RIGHTS RESERVED.


俺たちは……ナナシの傭兵だ!



皇サクヤは俺たちで助ける




コードギアス 奪還のロゼ』とは、2024年に公開された劇場アニメ。






概要

2020‪年頃に発表された『コードギアスNext 10years Project』として制作が開始したコードギアスシリーズの映像作品の新作。
当初は『コードギアス 奪還のゼット』として製作されていたが世界情勢を受けてタイトルを変更、『奪還のロゼ』と改題して2024年5月から正式に公開された。

本作は全四部構成だが、『亡国のアキト』のような全4話のOVAではなく、全12話アニメを3話ずつ2024年6月から毎月先行公開という形式(つまり『宇宙戦艦ヤマト2199』や『アイドルマスターミリオンライブ!』と同じ)。
このため一本の映画の中でオープニングとエンディングが3回ずつ流れ、更に各話ごと1回ずつアイキャッチが挟まる
他、時流に合わせてか毎話毎話めちゃくちゃ気になる所で引きというクリフハンガー式のエピソード構成が取られている。そのためTV本編とは異なり「大団円」と呼べる幕引きは最後の最後までお預けとなっている。
また今回はネット配信プラットフォームであるDisney+にて独占配信となっており、地上波・BSなどでのテレビ放送は2025年現在は予定されていない。またDVDやBlu-rayといった物理媒体も2025年現在販売されていない。

戦闘シーンは手描きで描かれていた『復活』とは異なり本作のKMFはごく一部のシーンを除き全て3GCG。
また空中戦が主になったTV本編終盤に対し、本作は『復活』同様一部の例外を除いて地上戦が主体となっている。

コードギアス 復活のルルーシュ』から5年が経過した光和7年が舞台となる本作は本編の主要キャラはほとんど登場せず、ランペルージ兄妹やスザクに代わる新たな兄弟達による新たな戦いが描かれている。
とはいえコードギアスはコードギアス。いきなり無残に殺害されるモブワイヤーで飛び跳ねローラーで地を爆走するKMF突然のお色気清涼剤的にたまに挟まるギャグパートと、コードギアスの原風景と言えるものが出迎えてくれることだろう。
また本編やこれまでの外伝のキャラクターも度々ゲスト出演しており、前作までとの繋がりが断片的に描かれている。

『復活』から本作までを繋ぐミッシングリンク作『コードギアス 新潔のアルマリア』も製作されており、こちらは小説版が月刊ホビージャパンで、漫画版がカドコミに掲載されている。



あらすじ

光和7年、合衆国日本の「ホッカイドウブロック」は、神聖ブリタニア帝国の後継国家を名乗る「ネオ・ブリタニア帝国」により占拠され、現地の日本人は再びイレヴンとして手酷い弾圧を受けていた。
北海道を取り囲む「シトゥンペの壁」により超合集国参加国を守護する黒の騎士団も思うように手を出せずにいる中、現地のレジスタンス組織「七煌星団」「ナナシの傭兵」と名乗るブリタニア人兄弟ロゼアッシュに接触する。

七煌星団は自らの国を、ブリタニア人でありながらもネオ・ブリタニアに反抗するロゼとアッシュは――
それぞれの奪われたものを取り戻すための「奪還」の物語が幕を開ける。



用語

  • ネオ・ブリタニア帝国
TV本編までの「神聖ブリタニア帝国」は最終話で解体され『復活』では「ブリタニア公国」を始めとしたいくつかの中小国に分裂、更にシュナイゼルの手で本作までに「ブリタニア共和国」に再統合され超合集国に改めて加盟したが、
本編の4年前に当たる光和3年(つまり『復活』の1年後)にブリタニア再編に応じなかったノーランド率いる「リューネベルグ」とその武装勢力がホッカイドウを占拠、建国した。
関連用語や関連人物に北欧神話やドイツ語系の単語や人名が多く見られる辺り、おそらくはユーロ・ブリタニアの系統と考えられる。

「国家」としての体制はかつての神聖ブリタニア帝国そのもの。
「皇帝」を頂点に置き、更に「貴族」が臣民を支配し、そして最下層の植民地民(ナンバーズ)(この場合は「日本人(イレヴン)」)には人権など無く好き放題に弾圧、時に虐殺すらされている。
しかし実のところかつての神聖ブリタニア帝国でも深い理由も「深い理由付け」も無く植民地民を殺戮することなど無く、
例えばクロヴィスによるシンジュクの虐殺は「C.C.に関する機密保持の為の口封じ」、コーネリアによるサイタマの虐殺は「テロリスト(レジスタンス)の掃討兼テロリストが居るのに通報しなかった事に対する制裁(という表向きの理由でシンジュクと同じ状況を作り出し「ゼロ」を誘き出す)」という、少なくとも当人の尺度に於ける「仕方ない理由」や明確な目的意識の下で実行しており、娯楽のつもりでナンバーズを虐殺していたのではない。
またユーフェミアによる特区日本での殺戮劇は国外は元よりブリタニアからもスキャンダルとして扱われている。
そもそも植民地民は労働力なので必要以上の虐待や殺戮で数を減らすのはブリタニアにとっても得策ではないのである。その点、彼らの悪辣さはかつてのままどころか悪化していると言えよう。
おそらくは、ルルーシュによる唐突なブリタニア帝国の路線変更やそれに追従するナナリー・シュナイゼルに不満を持つかつての貴族らの中でも特にブリタニア至上主義・覇権主義思想の持ち主が集まっている面もあるのだろう。
要は不法占拠にして不当な実効支配なのだが、後述の「シトゥンペの壁」のせいもあって超合集国及び黒の騎士団としても手をこまねいたままでいることを余儀なくされている。

なお、本作の時代ではかつてのブリタニアによる暴虐の反動によるものであろうブリタニアバッシングが世界的に発生、ブリタニア人に対する報復行為や時には一般市民への攻撃にまで発展していることが語られている。
神聖ブリタニア帝国の建国から200年以上*1、特にシャルルが皇帝就任後にブリタニアが築いた屍の数々を思わば遺憾ながら当然とも仕方ないとも言え、実際「ブリタニアバッシング」の存在が言及された際の視聴者からの驚きの声はほぼ皆無、かねてより予想されていた事象の実在に納得さえされている
「ブリタニアバッシング」やその被害者(・・・)「そんなにブリタニアが悪いんですか! ブリタニアの人間だからって根絶やしにされなくちゃいけないんですかッ!!」「女子供10人ぽっち虐殺しただけで…血も涙もねぇ!!」などとネタにされることもあるが、
しかし「ブリタニア人であること」を罪と見做し「ブリタニア人という理由だけで十分だ!」とばかりに一般市民にまで危害を加えればそれはヘイトクライム以外の何物でもなく
そこまで行けば「仕方ない」で済まされるものではないことも、かつて黒の騎士団が掲げた「正義の味方」に反する行いであることも、ナナリーらの目指す融和とは程遠い姿であることもまた言うまでもない。
心情的なあれこれはどうであれ「かつて虐殺を働いた国の国民であること」そのものは「虐殺されても仕方ない」という正当性や免罪符とは決してなり得ないのである。ましてや無辜の一般市民、無知かつ無力な新世代に対しては尚更である。
ネオ・ブリタニアは上述のような「ブリタニアが他国(民)を組み敷いていた頃を忘れられないバカ貴族の楽園」ばかりではなく、逆差別を受けたブリタニア人の避難所という側面も持ってしまっており、何とも皮肉と言える。
また平和な世界を作り上げるためのルルーシュとスザクの文字通り決死の行為とそれを受け継ぐナナリーの尽力を経て尚、未だ世界には課題が残っている事も窺わせる。


  • アインベルク
ネオ・ブリタニア帝国皇帝直属騎士団。早い話が「ネオブリタニア版ナイトオブラウンズ」。

戦略面を得意とするヴァイスリッター6名と、実戦面を得意とするシュヴァルツリッター5名の計11名が所属している。
それぞれチェスの駒の名を冠した階級と専用機・領地・騎士団が与えられており、「白のクイーン」「黒のルーク」などと呼び分ける。リーダーは「白のキング」ノーランド。
ラウンズとは異なり非戦闘員が混ざっていること、リーダーたるナイトオブワン以外は同格のあちらとは異なりメンバーに序列がある点は独特と言える。

白と黒の全6階級で他の階級が二人ずついるのに対し、キングのみノーランド一人しかいないのはおそらく『自分と対等となる黒のキング』など邪魔になるため。
また『R2』第1話でルルーシュと勝負した、「兎狩り」でバニーガールを漁り取っていたブリタニア人貴族の「黒のキングさん」と被るためかもしれない。いたらいたでネタにされただろうが。

「アインベルク(Einberg)」とはドイツ語で「一つの山」の意味。


  • シトゥンペの壁
「シトゥンペバリア」とも。
ホッカイドウブロックの沿岸部を取り囲むように設置されている「シトゥンペタワー」から発せられるエネルギー障壁。発振器の部分は巨大な目のように見え、そこから紫色の光波が放たれている様子はなんとも不気味。
元々は皇歴2017年(アニメ1期)以降に実用化されたもので、元々は対ブリタニア装備だったがゼロレクイエムにより世界が平和になったことで使用されず放置されていたものだが、皮肉にも今やネオ・ブリタニアが黒の騎士団の攻撃を防ぐ盾に利用している。

バリアはサクラダイトの活動を抑制する効果があり、触れれば完全に活動を停止させる。またバリアの内側でもエナジーを激しく消耗させる。
ありとあらゆる動力源にサクラダイトを使用したモーターが用いられているコードギアスの世界に於いて、これは「KMFを含む兵器や乗り物でバリアを通過したらその瞬間に機能停止する」「バリア内部ではKMFは大きなエネルギーを消耗する装備の使用に大きな制限が出る」ことを意味する。
ただしあくまで「触れたら動力が停止するフィールド」であって物理的な障壁ではないので通過するだけなら可能。
サクラダイトの活動を抑止する技術といえば本編にも登場した「ゲフィオン・ディスターバー」があるが、あちらは『R2』の時代では既に対策法が確立されているのに対してこちらは稼働開始から4年を経てなお対抗策が見つかっていない辺り全く別の技術と見られる。
ロイド&セシルとラクシャータが両方居る黒の騎士団が4年かけても解決できない辺り余程厄介な技術なのだろう。

メタ的には『R2』や『復活』でインフレの極まったKMFのスペックを一旦引き下げ、そして空中戦に移行した戦闘シーンの主体を地上に文字通り引き摺り下ろすための舞台装置。
「シトゥンペ」とはアイヌ語でキタキツネに対する敬称・雅称。


  • 七煌星団
ホッカイドウブロック最大のレジスタンス組織。リーダーは黒戸剣成。
ネオ・ブリタニアに抵抗活動を行っており、ロゼ・アッシュが事実上身を寄せることになる。


  • 超合集国
『R2』後半にゼロが立ち上げた超巨大連合国家。
本作の舞台となるのは合衆国日本のホッカイドウブロックである。
かつては敵対していた神聖ブリタニア帝国改めブリタニア共和国も今や超合集国の一員であり、殺し合いではなく対話に基づく平和な世界の実現に尽力している。
具体的な言及や描写は無いが、『復活』で衝突したジルクスタンとも関係は改善されている模様。

超合集国としては当然ながらネオ・ブリタニアの行為を認めてはいないが、状況が状況故に積極的な行動には出られずにいる。


かつては神聖ブリタニア帝国に対するレジスタンスとして設立され、現在は超合集国と契約する国際軍事組織。
超合集国の守護を担う者としてホッカイドウブロック奪還に向けて活動を続けているが、過去二度に亘る直接的な武力行使は二回とも防がれていることと国際的な軍隊故に構成国の事情が絡み合っていることから現在は積極的な攻勢作戦に出られず睨み合い状態になっている。

「八戸基地」は潜水艦を利用して物資やKMF、人員の提供という形で現地レジスタンスを支援している。



登場人物

主要人物

  • ロゼ
CV:天﨑滉平
主人公。ブリタニア人兄弟「ナナシの傭兵」の弟の方に当たる細身な少年。オレンジ色のメッシュとチョーカーが特徴的。
優れた戦闘能力を持つアッシュに対してこちらは頭脳に秀で、作戦立案や指揮、コンピュータのハッキングに長ける。
交渉術に優れ、何分様々な意味で信用されにくい身として欠かせない能力の持ち主と言える。ブリタニア側に潜り込ませたモールを含めホッカイドウブロック各地に協力員も持っており幅広い人脈を有している。

陽気で人当たりの良い人物で、軽妙な語り口と自信満々な態度を常に保つ。

+ 実は……
皇サクヤが命じる

その正体はアバシリ強制収容所に捕らえられているはずの皇サクヤ本人
囚われているのは彼女に成り代わった瓜二つの親友、春柳宮サクラである。
金髪碧眼に見えるのはかつらとボイスチェンジャー付きのチョーカー型装置で偽装したもので、本来は黒髪の長髪かつ赤紫色の瞳をしている。

交渉術や協力員も実際にはL.L.から与えられた絶対遵守のギアスで都度操ることで協力させているのが実態。
彼女のギアスはライのものに近く「肉声を直に聞かせること」を条件に発動する他、発動時は「月に代わってお仕置きよ」に似たポーズを取る。

彼、もとい彼女が傭兵として活動しているのは、身分を隠しつつ自分に代わり囚われの身となったサクラを奪還するため。
差し当たり、偶然遭遇したアッシュにギアスをかけ、自分を「アッシュの最愛の弟」と認識させることで「ナナシの傭兵」兄弟となったのである。
そして然る後に父、重護の仇であるアッシュの殺害を目的としている。

なおオープニング映像を見ても分かる通り、サクヤの本来の体型はミレイ会長に匹敵するかそれ以上にめちゃくちゃ爆乳
髪はかつら、声はボイスチェンジャー、目も同じ装置で偽装しているとして「これ」はどうしているのかというと単純にコルセットで無理矢理潰して隠している流石に無理があるだろとの声多数
当然ながら普段はめちゃくちゃ息苦しい思いをしており、本来の姿に戻れる喫茶シュマリでの休暇中は文字通り胸のつっかえが取れた解放感で生き生きとしている。

……のだが、ナタリアとメイの悪ノリに巻き込まれて喫茶シュマリの新人女性店員のラズベリーというロゼに続く二つめの仮面まで被る羽目になってしまった。
それだけならまだしもアッシュが「ラズベリー」に一目惚れしてしまったのとメイがやたら気ぶるせいで余計に事態がややこしくなってしまう。当人にとっては死活問題だが視聴者的には息が詰まりそうな中での箸休めパート


+ 更なる秘密
中盤、アッシュとナラの会話を盗み聞きしたのとアッシュの育った孤児院を訪れ彼の生い立ちを詳しく調べた結果、アッシュは実は父の仇ではなかったこと、自分は卑劣にも彼の殺された弟に成り代わっていたこと、アッシュには元々サクヤに協力する意思があり、ギアスで操ってまで彼の最愛の弟になる(=彼の最大の心の傷を抉り、亡き弟の死後の尊厳を凌辱する)必要など無かった事を知り呆然とする。
加えて自身のギアスの秘密を探ろうとしたクリストフに捕まり、そこでギアスを解除されたアッシュと再会し全ての秘密が露呈したこと、自分が捕まったせいで七煌星団に多大な犠牲が生じたことに動揺するも、彼はあくまで重護の遺志を完遂すると誓ってくれたことと泣き崩れる戦死者遺族の姿を間近で見たことで改めて戦う覚悟を決める。
アッシュには正体がばれてしまったものの、「ナナシの傭兵」は七煌星団に必要というアッシュの判断から、以降も表向きは「アッシュの弟、ロゼ」のまま振る舞い続ける。
ついでに「最近ラズベリーに会えてない」と落ち込む彼に、ラズベリーの正体も自分であるとカミングアウト、ショックのあまり固まる彼に、結果的に少年の純情を弄んでしまった事をひたすら平謝りする羽目に

最終決戦にて、高空まで浮上し始めた皇宮から突き落とされたアッシュのZi-アポロをZi-アルテミスで救出、アッシュに乞われ「意思の歪曲ではなく、必ずノーランドを倒すという誓い(ギアス)」としてアッシュに改めてギアスを掛ける。
なおこの時の会話はギアスをかけるまで「ロゼ」のままだったため、しばらくロゼの声(と姿)のままサクヤの口調で喋っている

Zi-オルテギアに合体し共にノーランドに再戦を挑むと、ファウルバウトのシトゥンペビームの限界を分析、彼の勝利を支え遂に撃破に成功した。
しかしエナジーの尽きかけた機体はこのままでは無事に着陸できないこととファウルバウトが自爆しようとしていたことから、サクヤを無事に地上に帰すべく連結を分離させたアッシュは未帰還となり、結果一人だけ生き残ってしまった彼女はただただ泣き崩れるしかなかった……。

全てが終わった後はチョーカーをアッシュの墓前に供え、「サクヤ・スメラギ・メ・ブリタニア」として独立自治区ホッカイドウブロックの皇帝に就任、更にこれまでの行為の贖罪と、悲劇の源と成り得るギアスを封印すべく自らに「生涯声を出せない」と命じた


余談だが、『ロストストーリーズ』でもロゼ=サクヤであることを意識した演出が色々仕込まれており、ログインボーナスに「ロゼ」が出て来た時はそのままロゼが挨拶コメントを残すが、
「サクヤ」として出て来る際はチョーカーが開き、目の色が変化し、かつらを取りサクヤに戻るという形でサクヤに変化するという凝った演出がある。
また2月22日にはロゼとしての誕生日挨拶の演出が入ったが、この日はサクヤでもロゼでもなくおそらくはニコルの誕生日であることが示唆されている。
事実、サクヤの本来の誕生日は4月1日である。


  • アッシュ
CV:古川慎
もう一人の主人公。「ナナシの傭兵」の兄の方に当たる長身でがっしりとした少年。こちらは青いメッシュが入っている。
生身でもKMF戦でも極めて高い戦闘能力を持ち、敵の急所を正確に潰す戦法とロゼの作戦であらゆる敵を撃破する。

気さくなロゼとは対照的に口数は少なく、他人に笑顔を見せることも無い「お堅い」人物を感じさせるが、ロゼには優しく、また動物好きで捨てられた犬や猫を見つけて拾っては拠点のトレーラーに住まわせているためペットショップの如き様相となってしまっている。
当人も動物好きだが動物の方からは全く懐かれていないというのはスザクと同じ。スザクと違って噛まれはしないが。
女性には弱く、痴女じみたセクシーな衣装の陽子に怯んだり、喫茶シュマリで出会った女性店員ラズベリーに一目惚れし彼女の前では饒舌になったりコーヒーを10杯もお代わりしまくったりと純情な一面も。
劇中では買い出しに出たラズベリーがシュマリ近辺をぶらついていた彼と偶然出会うという場面もあったが、実際にはラズベリーに会える可能性を期待して辺りをぐるぐる徘徊し続けていたというのが真相らしい。


+ 実は……

本名はアッシュ・フェニックス。そしてサクヤの父、重護を殺害した男
ロゼ、もといサクヤと行動を共にしているのは彼女のギアスに操られ「何より大切な最愛の弟」だと思っているためで、実際には血縁関係は無い。
アッシュはロゼ(サクヤ)を愛している(愛させられている)が、サクヤからすれば彼は将来的には始末するべき、まずは目的を果たすための操り人形であり殺人マシンという歪な関係にある。ルルーシュに対するナナリーやスザクというよりはロロに近い立ち位置の人物。
一方で、ラズベリーとして接している間の純情少年そのものな様は意味も無く人を殺すような人物にも見えず、本当に父を殺したのかという疑いも持たれ始めていたが……。


+ 更なる秘密
やはり実際には重護を殺害してはいなかった

実は彼にはニコルという弟が居り、以前は孤児院「ラベンダーホーム」で共に暮らしていたが(このためナラとも面識がある)、ある時ノーランドに養子として引き取られ彼によって暗殺者に育て上げられる。
ニコルには暗殺者の適性は無かったためノーランドは捨てるつもりだったが、アッシュはニコルを守る為に彼の分まで暗殺者としての訓練と仕事に邁進して行く。
だが、心身共に消耗しつつあるアッシュの身を案じたニコルは、とある屋敷での暗殺任務に無断で密かに着いて行き、孤児院時代の幼馴染の少女ルビィと偶然遭遇したことで動揺していたアッシュを助けるつもりで彼女を射殺してしまう。
結果としてそれが原因で騒ぎが大きくなり任務は失敗、全ての責任は自分にあると兄を庇ったニコルは、アッシュの目の前でノーランドに串刺しにされる形で殺害された。

最愛の弟を殺された怒りでノーランドに反逆した彼だったが敵わず収容所に収監され、そこで出会った男こそ皇重護であった。
何より大事な存在であった弟を喪ったショックで生きる気力を完全に喪失した彼だったが、重護はそんな彼にも気さくに話しかけ続け、アッシュもまた彼に絆され心を開いて行く。
やがて重護の処刑が決定されると彼や協力者と共に脱走を図るが失敗、重護の最後の頼みとして彼の娘サクヤの救出を託され、重護はアッシュを庇う形で死亡。
そして彼との約束通を守りサクヤを見つけ出した所で彼女にギアスを掛けられ、「サクヤを最愛の弟と認識」するようになった。
重護の死は「アッシュ自身が『自分が殺したようなもの』と気に病んでいる」というのが正しく、そして「ギアスによって彼の弟の存在を乗っ取らずとも、アッシュとサクヤは最初から同志となり得た」のである。

改造人間として復活したアーノルドとの再戦で彼にギアスキャンセラーを使われ自身の身に起きた事の真相を知ると、サクヤが誘拐・監禁されていた研究所を襲撃、彼女を捕らえていたクリストフを倒すも、
最愛の弟の尊厳も思い出も踏み躙ったも同然のサクヤを許すことはできず、彼女からの誠心誠意の謝罪と「目的を達成した後はどうしてくれても良いからサクラ奪還までは力を貸してほしい」という望みを拒絶、その場を後にする。

しかし、サクヤを完全に許すことはできないが「重護の言葉」は信じるという思いから、彼女に助力しこの先何を成すのか見定める事を改めて決意、その存在はまだ必要という判断から表向きの関係は一旦そのままで「ナナシの傭兵」に戻ることとなった。
そしてそれから程なく、最近中々会えていないラズベリーの正体は変装したロゼ(サクヤ)というカミングアウトを受け、分かりやすく真っ青な顔になった後、しばし天を仰ぎながら顔中どころか全身真っ赤にするのだった……


「ごめん……」

「いつからだ……?」

「最初っ……から……?」

「だよな……」

「ごめぇん……」


この後最後まで緊迫したシーンが続いて行く『奪還』最後のギャグシーンである


最終決戦にて皇宮に突入、ノーランドを止めに向かったサクヤと一旦別れアーノルドと今度こそ決着を着けた後、Zi-アポロでノーランドの乗るファウルバウトに挑むも敵わず、皇宮から地上に叩き落されるがZi-アルテミスに乗ったサクヤが救援に駆け付け救助される。
そこでお互いの意思を確認し合うと、「呪いではなく、共にノーランドに立ち向かい倒すという覚悟と誓い」として改めて自らにギアスを掛けるよう頼み、今度は自らの意思で「サクヤと共に戦う戦士」となった。

Zi-オルテギアとなって改めてファウルバウトに挑み、シトゥンペビームの限界が来るまでの猛攻を全て耐え切った後、Zi-アポロのブレードでかつてニコルを殺害した時の如くノーランドを串刺しにし引導を渡した。
しかし全力戦闘の影響でエナジーをほぼ使い果たしてしまっていたため、このまま合体を維持したままでは安全に着地できない事を確信、サクヤを守るべく合体を解除、かつて重護が語っていたのと同じく死の恐怖ではなくサクヤにもう会えない辛さを言い残し、自爆したファウルバウトと運命を共にした。


  • 皇サクヤ
CV:上田麗奈
ヒロイン。
ネオ・ブリタニアに占拠された際に殺害されたかつてのホッカイドウブロック領主、皇重護(すめらぎ じゅうご)と、第98代ブリタニア皇帝シャルルの第一子にして彼の皇帝即位前に重護に嫁いだ「幻の第一皇女」、後に若くして病死したシェリー・メ・ブリタニアの娘。
現在アバシリ強制収容所にその身柄を拘束されている。
苗字から分かる通り、本編にも登場する皇神楽耶やスザクとも血縁関係がある。更に言えばランペルージ兄妹の姉の娘なので彼らの「姪」に当たる。


+ 実は……

アバシリに囚われていたのはサクヤ本人ではなく、その親友春柳宮(はるやなぎのみや)サクラ
サクヤと瓜二つの容姿であることを利用し、彼女の影武者として(サクヤに無断で)身代わりになっていたのである。
なおCVの上田氏もサクヤと兼役。

本物のサクヤであるロゼによってアバシリから助け出されるもあと一歩という所でキャサリンに連れ去られ、おまけにブリタニア皇族の血を引く者であることからネオ・ブリタニア帝国第101代皇帝という監獄の奥より手出しの出来ない所に据えられてしまう。
皇帝となった彼女は、当然実権など無い「飾り」でしかなかったがあくまで自分にできることを諦めず、「皇帝」として状況改善に向けた努力を続けて行く。
終盤にはヴァルターの協力もあって実務能力を身に着けつつあり、徐々に単なるお飾りの域を脱して行った。

ロキの襲撃に際してはヴァルターに護衛されつつ脱出に成功、生還を果たした。
ラストでは長かった髪をショートに切り揃え、サクヤの秘書として彼女を支えている。


レジスタンス

  • 琉高(るたか)ハルカ
CV:富田美憂
七煌星団のKMFパイロットの一人。コードギアスのキャラにしては珍しく常識的な体型。
カークウェイン兄弟に母を殺された過去を持ち、七煌星団の使者としてナナシの傭兵に最初の任務を依頼した。

七煌星団きってのエースであり、技能に暁の性能が追い付かなくなっていた事から新型機「蛍雪」のパイロットに任じられる。
しかしアッシュやキャサリンなどのトップエース格には一段劣り、紅月カレンの枠に当たる人物ではあるが彼女程の絶対的エースではない。あんな野生のエースがポンポン湧いて来られても困るが


  • 小田友臣
CV:千葉翔也
七煌星団のKMFパイロットの一人。
血気盛んで騒がしい玉城のポジションに当たるキャラ。
玉城と違って実力皆無という訳ではなく、撃墜されてばかりでもなければ戦果を挙げる場面もある。


  • 宗森葵太
CV:坂泰斗
七煌星団のKMFパイロットの一人。糸目が特徴的。 
お調子者な小田の相方にしてツッコミ役的な立ち位置。


  • 新城陽子
CV:杉山美穂
七煌星団のメンバー。オペレーターとして後方支援を担う。
巨乳。そして露出度の高過ぎる格好とそれに似合う勝気な性格は初対面時アッシュを怯えさせた。

+ 実は……
こう見えて未成年(20歳未満)
七煌星団のメンバーも知らなかったらしく、全てが終わった後にポロッと零した際に傍に居た小田・宗森は腰を抜かしていた。


  • 佐野悠里(さのゆうり)
CV:春野杏
七煌星団のメンバー。メカニック担当の少女。


  • 物部勲
CV:小西克幸
七煌星団の準リーダー格。
メンバー達からの信頼は厚く、彼もまた部下達を気にかけている。


  • 黒戸剣成
CV:黒田崇矢
七煌星団のリーダー。実は「日本解放戦線」の生き残りでもある。
当初はアバシリ強制収容所で囚われの身だったが後に救助され、再び彼らのリーダーとして活動する。
戦闘時は司令官としてメンバーを指揮する。

+ 実は……
ロゼ、延いてはサクヤの秘密を知る人物の一人。
また実はハルカの父親でもある。


  • 東見燦士郎
CV:藤井隼
レジスタンス組織「東の暁旅団」リーダー。横一文字傷と赤色のハチマキが特徴的。
ネオ・ブリタニアの攻撃で組織が半壊し七煌星団のアジトに匿われ共闘の申し出を受けるも、自分の組織を吸収されると考え拒否、立ち去ろうとしたがロゼの取り成しで七煌星団と同盟を結ぶ。

+ ネタバレ注意
ダモクレス攻略作戦の折、ディボックに乗機とダモクレスのフロートを破壊するための爆弾を破壊されるが、
VTOLに乗り換え残った爆弾へと特攻、命と引き換えにフロート破壊に成功した。


  • 岩本時男
CV:青山譲
レジスタンス組織「北狼軍」リーダー。中折れ帽を被った飄々とした老人。
東見と同じく、組織が壊滅しかかり七煌星団のアジトに流れ着くも、吸収合併を厭い協力を拒否、しかしロゼの仲介で同盟を結ぶ。

+ ネタバレ注意
こちらはダモクレス戦は生き延びるも、後のネオ・ブリタニアの大規模攻勢に於いて七煌星団を逃がすための殿を引き受け、多数のネオ・ブリタニア軍を道連れに自爆、戦死した。


ネオ・ブリタニア帝国

  • カリス・アル・ブリタニア
CV:市ノ瀬加那
ネオ・ブリタニア帝国第100代皇帝。元々は神聖ブリタニア帝国第108皇子だった、未だ声変わりすらしていない幼い少年。10歳。
かつて日本人に襲撃されたことがあるため日本人を恐れているが、それでも「イレヴン」とは呼ばず一貫して「日本人」と呼んでおり、日本との融和路線のナタリアを応援するなど皇族に多いブリタニア至上主義を持たない温厚で優しい少年。オデュッセウスの幼年化
政務にも励んでいるがいかんせん幼いため「飾り」の側面が強く、実権を握るノーランドのことは日本人以上に恐れている。

なお、ルルーシュは第99代神聖ブリタニア帝国皇帝であり、その後ナナリーが第100代皇帝に就いているのでカリスは101代皇帝になるはずなのだが、これはおそらく「ブリタニア帝国を終わらせた」ナナリーをノーカンと見做しているためと思われる。
また『R2』でのルルーシュの「自分に妹は居たが弟は居なかった」という発言とは矛盾するが、彼が生まれたのはa.t.b.2015年、つまり『R2』の3年前なのでルルーシュは彼が生まれたことを単純に知らなかった可能性がある。
或いは「(ロロくらいの歳の)弟はいない」という意味の発言だったとすれば一応の筋は通る。

+ ネタバレ注意
なんと第3話にして蚊型マイクロロボットにより暗殺され死亡
あまりに突然かつ呆気ない死に彼の側近であったナタリア、そして多くの視聴者は衝撃を受けた。



実は生存していてノーランドを断罪し失脚させる活躍を果たす……ということもなく、以降のストーリーには全く関わらない正真正銘の端役である。
強いて役割を表現するなら「ノーランドの権力の強さを引き立てるお飾りとその立場の危うさを描写するため」だろうか?
劇中の描写や後の展開からして彼の死はノーランドないし彼の部下による暗殺が示唆されているものの、何分出番も言及すらも少ないため詳細は不明。尤もノーランドかその手の者以外に疑わしい者など居ないが。
ネオ・ブリタニアを実質的に支配する、そして極秘裏に進める計画からしてノーランドにとってはカリスには「表向きの看板」以外の大した用は無く、本当にただ計画始動までの間を持たせるための存在でしかなかったのだろう。


  • ナタリア・ルクセンブルグ
CV:寺崎裕香
カリスの側近的存在にして相談役。病床の父から10代にして家督を継ぎ、ネオ・ブリタニアの行政の中心人物でもある才女。
カリスが暗殺されかかった際に身を挺して庇ったことで彼からは懐かれている。

日本人の権利を保障する「イレヴン特別区」を進めるなど、カリス同様融和路線の穏健派。喫茶シュマリのオーナーでもある。

+ ネタバレ注意
元々はシェリーの側近の一族だったため、ロゼの正体も知っている。
割とノリの良い面もあり、サクヤを「新人店員ラズベリー」に仕立て上げる一面も。そしてこれが後々面倒な事態を招くことに

ロゼの作戦を補助するために度々情報提供などを行っていたが、クリストフの追跡により遂にサクヤが捕まった際に伴って反逆罪で逮捕されてしまった。
しかしロキの襲撃時にはシェルターに避難できたため無事生還、ラストではサクラらと共にサクヤを補佐している。


アインベルク

  • グラン・カークウェイン
CV:小野友樹
黒のポーン。カークウェイン兄弟の弟。パーソナルカラーは臙脂。
開始早々に日本人を猿呼ばわりして適当にでっち上げたテロ容疑でゴキゲンに嬲り殺しにするという残虐な姿、もといこいつは死んで良い奴ですよと視聴者に教える役回りを担う。
その暴虐振りがいよいよ目に余る域に達したことから七煌星団よりナナシの傭兵に暗殺を依頼されたことで物語は開幕する。

末席とはいえアインベルクの一人である以上は一般兵より余程高い実力を持っているのだろうが、アッシュには手も足も出ないまま瞬殺された。
その最期は自機の得物である大剣を奪われ、それが目の前に迫って来る恐怖に怯えながら真っ二つにされるという今までの日本人に対する仕打ちを思えばお似合いの無残なものだった。
アッシュから「安全な所から弱い獲物を一方的に攻撃する戦い」しかしていない事を指摘されているため、慢心と油断で勘が鈍ったか、或いは元々一般兵よりマシ程度の実力しか無かったのだろう。
実際超合集国からは「所詮は末席」と実力は軽んじられていた。


  • グリード・カークウェイン
CV:野島裕史
白のポーン。カークウェイン兄弟の兄。パーソナルカラーは深緑。
こちらはグランに比べれば理性的で紳士的に見えるが、実の所兄弟揃って幼い頃から日本人に対する蔑視感情があり、長じてからも日本人をボウガンの的にして遊んだり現在もグラン共々日本人を楽しんで虐殺するなど、こちらもグランと大差ない残虐無道な男。
カークウェイン兄弟はネオ・ブリタニアの侵攻時には黒の騎士団に所属していたが、彼らがネオ・ブリタニアに寝返ったことで黒の騎士団は内部から切り崩されてしまったという。

+ ネタバレ注意
冒頭、雪原を逃げ回るサクヤとサクラを攻撃したのも実はカークウェイン兄弟である。

アッシュの戦いに並行して屋敷に乗り込んで来たロゼとはチェスで対決するも惨敗、おまけに自らの正体がサクヤであることを明かした彼女に「アバシリに囚われているはず」とうっかり漏らしてしまいサクラの居場所に確証を与えてしまうなど、彼も知略に於いて特別優秀とは言い難い。
突き付けられていた銃を手渡され「殺戮して来た100倍の日本人を救うと誓わなければ死ぬ」とギアスをかけられ、その意味を理解できず彼女を嘲笑しながら射殺しようとするが「誓わなかった」ため意思に反して手は自分のこめかみに向き、そのまま拳銃自殺した。

ちなみにこれは若干変則的ではあるが作中で最初にかけるギアスは「死ね」のお約束にも則っている。


  • アーノルド・レンク
CV:斉藤壮馬
黒のナイト。パーソナルカラーは紫。
アバシリ強制収容所の警備のために派遣される。
アッシュと因縁があるらしく、敵の正体がアッシュと悟った際には彼を倒すべく猛攻を仕掛ける。

+ ネタバレ注意
自動的に敵の攻撃を防御するヴァルプニルのガードを鉄壁と誇るが、機体性能に頼り過ぎな点を突かれ、防御を崩された所に一撃を喰らい敗北。
爆散する乗機と運命を共にした。
実の所、因縁があるといっても彼の方から一方的に目の敵にしていただけのようで、アッシュにはさして意識されていなかった模様。
幼い頃から付き合いがあり、その当時からアーノルドが一方的につっかかり、アッシュからは無視されていた。

+ 更なるネタバレ
脱出に成功したようには見えなかったがなんと生存しており、クリストフの手で改造人間に生まれ変わった
白髪になった上に元々高かったテンションは更にハイに、アッシュへの執着も悪化しており「道具に頼り過ぎ」という指摘への当てつけとして「自分自身がアッシュを倒すための道具となる」というどう考えても間違った方向への思い切りと開き直りを遂げてしまった。
おまけにギアスキャンセラーまで発現しているという『奪還』版ジェレミアとでも言うべき存在と化した。
新愛機ローエングリンでアッシュを追い詰め、更にギアスキャンセラーで彼に掛かったギアスを解き彼を動揺させることに成功する。

その場では仕留め損なうも、終盤で皇宮に乗り込んで来たアッシュを今度こそ倒すべく生身で対決、しかしまたしても敗北し放り投げられたところをオブジェに串刺しにされ、建物の崩落に巻き込まれて今度こそ死亡した。

ジェレミアのセルフオマージュキャラである事は疑いない彼だが、かつての宿敵だったゼロ(ルルーシュ)との幾度もの対決の末にその真意を認められ、以降はその忠臣となり、全てが終わった後は農家として平穏な生活を手に入れたジェレミアに対し、
こちらは宿敵に対する執着心を拗らせ切ったまま、身も心も「ただの道具」と成り果て、最期は「道具」として使い捨てられる形で特攻、最初から最後まで相手に何の思い入れも持たれないまま一人で敗死……と、ジェレミアとは真逆の運命、或いは一期止まりの末路を辿っている。


  • ヒース・ロット
CV:逢坂良太
白のナイト。パーソナルカラーは山吹色。
アーノルドには対抗心を燃やしている。
テロリスト一斉攻撃作戦に参加、七煌星団の小樽アジト襲撃を担う。

+ ネタバレ注意
しかし「袋の鼠作戦」にまんまと嵌り、七煌星団を取り逃したばかりか自分の軍勢が壊滅させられる憂き目に遭う。

作戦に参加したアインベルクの中でただ一人作戦に失敗した者として帰還後、その失態からノーランドから「ここから消えるがいい」と言い放たれてしまう。
具体的にどういった処分が下されたかは不明だが、彼はノーランドから見限られたことに絶望し、直後に自室で号泣しながら拳銃自殺した。


  • ディボック・メルテ
CV:水中雅章
白のルーク。パーソナルカラーはオレンジ。
筋骨隆々の大柄な男。
野心家で功績を挙げるために奮起する。
例によって例の如く、日本人を猿呼ばわりしたり日本人が何人死のうが問題ないと思ったりと人格は下種のそれ。

+ ネタバレ注意
ダモクレスとフレイヤでサッポロゲットーの日本人ごとレジスタンスを一掃する作戦を立案・指揮し、放送でブリタニア人に避難を呼びかけるが、イレヴン(日本人)の避難は当然のように認めなかった。だが、レジスタンス達の合同作戦によりフレイヤを一発失い、ダモクレスも制圧され失敗に終わりかける。
だが、おめおめと帰還したところで未来は無いと思い詰め、フレイヤ弾を抱えて特攻を仕掛けるが新型フレイヤエリミネーターによって阻止され、爆縮反応で乗機ごと捩じ切られる形で死亡した。
結果として此度のフレイヤの犠牲者はフレイヤでサッポロゲットーの市民を抹殺しようとしたディボック本人のみだったのは皮肉と言える。
一般兵くらいは軽くあしらえる程度の技能はあるが蛍雪に乗り換えたハルカには手玉に取られるなど、優秀とはいってもスーパーエース級とは言い難いのが正直なところ。

なお墜落しかかったダモクレスはクリストフが持ち出していた三発目のフレイヤで上半分が消し飛ばされた。
ノーランドの計画からすれば、ディボックの作戦は成功すればよし、失敗したらしたで自分の計画が始動するまでの囮と時間稼ぎになってくれればよしでどうでも良く、ノーランドにとって彼は手駒の一つでしかなかった。


  • クリストフ・シザーマン
CV:吉野裕行
黒のルーク。パーソナルカラーは緑。
ディボックとは対照的な長身痩躯の男。
KMFパイロットとしての能力に特化したシュヴァルツリッターでありながら何らかの研究を独自に進めている様子もある。
飄々とした態度を人体実験によって被験者が苦しみ悶えながら惨死して行く最中ですら崩さず、自分の欲望のために他人を玩弄し惨殺する事に何の呵責も覚えない非情で残忍な性格。
ギアスをかけられた人間を解析するために日本人・ブリタニア人関係なく人体実験にかけて殺しており、ある意味日本人への差別意識は薄い。*2
平たく言えばロイドルキアーノの悪い部分を抽出して合体させたような人物

ノーランドとも付き合いが長く、他のアインベルクの面々が「ノーランドの忠臣」として振舞う中、彼のみノーランドの対等な友人のような態度を取る。
地位こそルークだが事実上アインベルクのナンバー2に近い立ち位置にある。

+ ネタバレ注意
実はアッシュの戦闘面に於ける師匠と言うべき存在。
彼の最小限の動きの二刀流ナイフ術や急所のみを正確に捉える戦法も、元々はクリストフの「急所に切り傷一つで人は死ぬ」という徹底して合理的な戦闘法に由来している。

そして彼が進めていてた研究とはギアスを自らの手で生み出すこと
バトレーが残した研究データを密かに回収、更にサクヤによってギアスを掛けられた者を拉致しその身体を調べ倒したこととサクヤが不用意にギアスを使った様子を監視カメラ映像越しに確認したことで「肉声を聞くことで命令を聞かせる能力」と確信、
自らの研究所に誘拐したサクヤのギアスを調べるべく、攫って来た日本人達を人質にギアスを使うよう迫り、そして人質を一人ずつ殺害しながら彼女を追い詰めて行くがアッシュに乱入される。

自分が教えた戦闘術で戦うアッシュの戦法を尽く見切り翻弄するも敗北、しかしギアスを解除されサクヤに操られていたことを知って動揺していたアッシュはサクヤを救助することなくその場を立ち去る。
撃墜される直前に脱出していたクリストフはアッシュから捨てられたサクヤを嘲笑しながら改めて脅迫するが、突如引き返して来たZi-アポロに叩き伏せられ身動きが取れなくなってしまう。
その拍子にヘッドホンも外れてしまい、サクヤのギアスで操り人形にされかかるも、彼女が命令を言い終わる前に自ら頭部を拳銃で撃ち抜き、サクヤの手駒としての惨めな生より「自らの意思による気高い死」を選ぶ形で死亡。

絶望に打ちひしがれながら死んで行った者が多い中である意味アインベルクの中で最も(或いは唯一)良い空気を吸いながら死んだ奴である。


  • スタンリー・フォンブラウン
CV:平川大輔
白のビショップ。指揮官でもパイロットとしてでもなく研究者としての能力でアインベルクに名を連ねる。
明らかにイッちゃっている目をしているのは流石に設定画の中だけだが、穏やかな笑みを浮かべながらノーランドと共に工場内で常に何かの研究開発に勤しんでいる様子はやはりマトモとは言い難い。
口数も少なく、大柄な体格の割に顔だけは幼い少年のようでもあるのが一層不気味。
実際不気味さは公式からもネタにされており、最終章の予告イラストでは紫色のオーラを放ちながら「フフフ…」と怪しげにほほ笑む姿が描かれていた。
「マッド」と言えども「サイエンティスト」故にか、ギアスは「オカルト」と見做し良く思っていないらしく、クリストフがサクヤを誘拐した際は七煌星団にこっそり情報を漏らしていた。

なお、名前の由来であろうロケット技術者ヴェルナー・フォン・ブラウンはロケットを飛ばすという行為に生涯情熱を注ぎ、第二次大戦中はナチスドイツでV2ミサイルを開発していたこと、ナチに協力したことについて「宇宙に行く為なら悪魔に魂を売り渡してもよいと思った」と語った事でも知られる。
ある意味では「現実世界のマッドサイエンティスト」であり、創作ではその名が引用されたりモデルにされたりするが、今回もまた例に漏れなかったと言える。
「スタンリー」の方も、ヴェルナーをモデルにしたストレンジラヴ博士が主人公の映画「博士の異常な愛情」の監督スタンリー・キューブリックが由来と思われる。

+ ネタバレ注意
彼が開発していたのはネオ・ブリタニアの自立防衛兵器「ロキ」であった。
終盤にロキは遂に完成し後は「ネオ・ブリタニアの敵かそうでないかの識別機能」を組み込むだけとなったが……。

「その必要はない……ここから消えるがいい

ノーランドが放った一言に唖然と「ありえないんですけど」と呟くスタンリーの傍にたたずむロキからファンの音が響く。

ノーランドの真の計画と開発経緯の前ではロキに敵味方識別能力など必要なく、ロキが完成した時点で彼は用済みとなっていた。
ノーランドにロキの制御権を奪われスタンリーもその最初の抹殺対象となって死亡するも、死の直前にロキのデータを黒の騎士団に送信、事態の元凶の一つでありながらも打開策を遺して行った。

スタンリー自身はロキは無差別攻撃兵器などではなく防衛兵器であると信じていた模様
彼のせいで未曾有の世界的大惨事を招いた面は確かにあるが、あくまで彼がしたかったのは殺戮ではなく国防である。
ヤバい奴と共謀してヤバいものを作ってしまったのは事実ではあるものの彼自身にロキを使用して何かしでかそうといった野望は見受けられず、少なくとも無差別殺戮は本意ではないようで最期には敵に当たる黒の騎士団にデータを提供するなど良心や人の心も皆無ではないことが窺える。
彼はあくまでたまたま専門分野が兵器だっただけの、ただただ純粋な科学者だったのだろう。


  • ヴァルター・リントシュテット
CV:加瀬康之
黒のビショップ。パーソナルカラーは青。
我の強い連中だらけのアインベルクにあって逆に珍しい「忠実な騎士」。
人を楽しんで殺す残虐非道な奴や血の気の多い者が非常に多いアインベルクだが、彼は年長者らしい外見に違わず落ち着いた性格。
アインベルクでは数少ない日本人に対して差別意識を持たない人物

+ ネタバレ注意
キャサリンから押し付けられる形でサクヤの世話係を任される。
ホッカイドウブロックを不法占拠しているネオ・ブリタニアの上級騎士でありながらもその体制に思う所があるらしい面もあり、ナタリアの方策に理解を示すなどアインベルクの他の面々とは少し浮いたところがある。

しかしある切っ掛けで「第101代皇帝サクヤ」がサクラであることを見抜き、風呂場に押し入り彼女を拘束する……。

+ 更なるネタバレ
実は彼が仕えていたのはサクヤの母、シェリー。
シェリー亡き今もその忠誠は終わらず、その娘サクヤ(を守ろうとするサクラ)を助けるべく、サクラの補佐に尽力する事を誓うのだった。
日本人に差別意識を持たないのも、シェリーの影響が大きいかもしれない。
なお、風呂に突入という手に出たのは「二人っきり」で話をするためだった。

ロキの襲撃後は彼女の護衛として皇宮内を逃げ回り、脱出後はKMFで七煌星団に加勢、ロキを迎え撃った。
その後の詳細は不明。


KMF戦の活躍においては、アインベルクで実戦面を得意とするシュヴァルツリッターの一員なのに専用機が未登場(上記のロキの迎撃では量産機を使用)、特にこれといった戦闘シーンの見せ場もなしとやや不憫だった。


因みにCVの加瀬康之はTV本編のキューエル・ソレイシィ、南佳高、クラウディオ・S・ダールトン等を担当していた。
「オレンジ事件」で上官であるジェレミアを見限ったキューエル、ゼロに終始不信感を持っていた南とは異なり、ヴァルターはジェレミアにも似た忠義の騎士であった。


  • キャサリン・サバスラ
CV:東山奈央
白のクイーン。パーソナルカラーは赤紫。
褐色肌、薄ピンクのツインテール、ミニスカ、爆乳、横乳、乳揺れと、一人だけ属性とフェチ要素てんこ盛りのキャラ。
コクピット内で携帯電話をいじる、アーノルドを「アー君」、ディボックを「ディー君」などと呼ぶ、ハルカの乗る蛍雪を翻弄した挙句KMFで腰を振りながら挑発する、サクヤの事も軽く見ているなど、キャラ性はメスガキの一言に尽きる。
そういった要素の数々から闇堕ちセーラームーンなどとネタにされていた。

目下の者に対する態度は乱暴だがノーランドには心酔しており、操縦技能にも優れ上述の通りハルカとの対決時は彼女を一蹴するほど。
彼女の「強い人が好き」、「強さ」を絶対とし弱さや弱者を嫌い見下げる価値観は、幼い頃に暴漢に両親を殺害され自身も誘拐されかかった所をノーランドに救われたという過去に由来している。

担当声優の東山奈央は『亡国のアキト』でも端役で出演している。

+ ネタバレ注意
同性で歳も近いということで第101代皇帝となったサクラの世話係を任されるも、「無力なイレヴン」であるサクラのことは嫌っており、度々ヴァルターに世話を丸投げしていた。

しかし終盤、サクラとの交流と対話を経て「他者を屈服させる暴力=強さ」という価値観に変化が生じ始める。
今まで理解を拒んでいたサクラの言う「強さ」をある程度認ると、全世界に攻撃し始めたノーランドに一騎打ちを挑む。

しかし全く相手にされず、シトゥンペビームで機能停止させるという戦いですらない方法で無力化させられた乗機ごと高空から地上に放り捨てられ死亡。
最期の台詞が「やっぱり……」な辺り、敵うとは思っておらず、あくまで自分の気持ちに整理を付けるのが本当の目的だったと思われる。

+ 更なるネタバレ
如何なる手段によってかは不明だが、なんと特に目立った外傷など無く生存
孤児院に戻ったナラの下を訪れ、働かせて欲しいと頼んでいた。


  • ナラ・ヴォーン
CV:内山夕実
黒のクイーン。パーソナルカラーは青緑。
思想か言動のどちらか、或いは両方が過激な者が多いアインベルクの中では、ヴァルターと並び珍しく落ち着いた人物の女性。
イレヴンの一般市民を半ば意図的に巻き添えに死なせようとするディボックの作戦に反感を持つなど、無暗な殺戮を嫌う高潔な軍人。

孤児院「ラベンダーホーム」の出身者で、ブリタニアバッシングにより孤児達に被害が出たことで彼らの安住の地を手に入れるべくネオ・ブリタニアに参加した経緯を持つ。
そのため彼女自身はあくまでブリタニア人を守るためにネオ・ブリタニア帝国に協力しており、ヴァルター同様イレヴン(日本人)への差別意識は持っていない。

+ ネタバレ注意
実はアッシュとは面識があり、彼の過去についても知っている。
彼女とアッシュの会話を盗聴したことで、サクヤはアッシュの重大な秘密を知ってしまうことに……。

中盤、ネオ・ブリタニアの特使として八戸基地を来訪、優れた知略でネオ・ブリタニアに有利な和平交渉を展開して行くが、その最中にロキの襲来に居合わせる。
八戸基地所属の黒の騎士団員と共にロキを撃破するも、ロキの襲来自体がネオ・ブリタニアによる大規模攻勢作戦にしか見えない状況だった故に、その先鋒と誤解され黒の騎士団のサザーランドに包囲されてしまう。
だがロキに襲われていた騎士団員を救助していたことと漣が理解のある人物だった事が幸いし、敵意が無い事を証明すべく黒の騎士団と共にロキの掃討に臨む。

全てが終わった後はラベンダーホームに戻り、子供達の面倒を見ていた所に働き口を求めて来たキャサリンと再会した。


  • ノーランド・フォン・リューネベルク
CV:安元洋貴
アインベルクの首領、白のキング。元ナイトオブラウンズのナイトオブファイブ。
常に仮面を被っているため正体や素顔は不明。
ネオ・ブリタニアの前身であるリューネベルクの統治者であり、カリスを擁立した現在もネオ・ブリタニアの実権は事実上彼が握っており、カリスからは内心怖がられている。

性格は冷酷の一言。
ネオ・ブリタニアにとっても有益ではないはずの日本人の虐殺を許したり、失態を犯した部下に対しても容赦なく「ここから消えるが良い」の一言で切り捨てる。
その仮面で隠された顔と厳めしい言動から放たれる威圧感は凄まじく、彼からの叱責より死を選ぶ者すらいる。
一方で何らかの提案を大体「好きにするが良い」であっさり認めるなど、そもそも他人には無関心なようでもある。

クリストフやスタンリーと共謀して何かを企んでいる様だが……。

+ ネタバレ注意
実はアッシュとその弟ニコルの養父に当たる。
孤児院から引き取った彼を暗殺者として育て上げるも、とある暗殺任務を失敗させたニコルを殺害したことでアッシュは反抗、結果彼は重護の居た収容所に送られる事となるのだった。
また当時はナイトオブラウンズの「ナイトオブファイブ」であった。
ラウンズは「皇帝直属の騎士」とはいえ当時の彼はシャルルの命令でしか動かなかったという。

一方、かつて超合集国からネオ・ブリタニアに送られた和平交渉の特使を全員殺害して送り返すという猟奇的な行為をしていたことを思えば不可解なネオ・ブリタニアから黒の騎士団に向けて和平交渉を持ち掛けるという奇妙な行動を見せ始めているが……。

+ 更なるネタバレ
彼の正体はシャルル・ジ・ブリタニアのクローン
声や髪色こそ異なるものの、彼の素顔はシャルルと同一である。
かつてシャルルが自身の意識を移すための新たな器として作り出したもので、自身の身体が思いの外健康だったのと「ラグナレクの接続」実行に時間がかかっていた為にしばらくはナイトオブファイブという形でシャルルの私兵となり、そしてシャルルがルルーシュに敗れて消滅したことで「器」としての役割が無くなりただ一人この世に残されてしまっていたのである*3

そして彼が進めていた研究とは全自動無差別殺戮兵器「ロキ」の開発とそれよる全人類の駆除(・・)
突然の和平交渉もロキを準備するための時間稼ぎでしかなかった。

サクヤからはそのような凶行の理由について「恐怖による支配」「復讐」を始めとした考え得る様々な理由を訊ね、彼はその全てを否定し具体的には語らなかったため、
作中の登場人物からはいきなり「人間を駆除する」などと言い出し、はっきりとした動機の説明も犯行声明も無いまま全世界で同時多発的に無差別殺戮を始めた狂人にしか見えず、
事実として彼と直接対話したサクヤはあまりに理解の範疇外だったため怒りを通り越して困惑していたが、その真意とは人間に対する生理的な嫌悪感
その特殊な生い立ちから自らは「人類」とは別種と考えるようになった彼にとって、「人類」に対する感覚と認識は不快害虫とさして変わらず、彼にとって人類の殺戮とはそれこそ人間が住み良い住環境のために蚊取り線香やバルサンを焚くのと同じ感覚でしかない。彼からすれば何故と言われても困る類の質問なのだろう。
マスクを着けていたのも、正体を隠す以外に「人類」を直に見たり声を聞いたりするのが嫌だから。これまた「虫とか見るのも嫌」「羽虫の羽音とか聞きたくない」という人と同じだろう。
ネオ・ブリタニアにとっても有益ではないはずの必要以上に残虐な統治も、部下に対する無関心さも、彼からすればどうせゆくゆくは全て駆除するのだから、早いか遅いかの違いでしかなかったのだと思われる。

一方、アッシュとニコルには兄弟仲の良さに嫉妬していた面もあったようで、本心では自分を私兵としか扱わなかったシャルルと良い関係を築きたかったらしい。
養子として引き取りながら二人を厳しい目に遭わせたのはその発露でもあった模様。
アッシュには現在でも特別な感情は持っているらしく、戦闘不能にしたキャサリンのクインクラカをファウルバウトのサブアームで嫌なものを摘むように持ち上げ投げ落としたのに対して、
アッシュのアポロに対しては手ずから掴み上げ投げ落としている。

乗機ファウルバウトに乗り込みZi-アポロも一蹴し、人類が駆除され地上が「浄化」されて行く様を上空でしばし楽しんでいたが、殺戮を止めるべく決戦を挑んで来たZi-オルテギアと衝突、
ファウルバウトの強烈な弾幕で彼らを圧倒するも、その能力の限界を見抜いたサクヤと彼の猛攻を凌ぎ切ったアッシュに敗北、かつてニコルを殺害した時の様にZi-アポロのブレード二本で串刺しにされ、今際の際にファウルバウトを自爆させて死亡した。
尚、この際、自身がニコルを刺殺した場面を思い返しながら苦笑しているが、因果が巡ってきたという自嘲なのか、それとも……?

その後はネオ・ブリタニア市民の名誉を保つべく、公的にはネオ・ブリタニアの凶行と罪は全て彼に被せられることとなった。


黒の騎士団

  • 漣士郎
CV:山本兼平
ホッカイドウブロック最寄りの基地、八戸基地に所属する団員。
おそらく八戸基地の司令官かそれに準じる上級団員と思われる。

+ ネタバレ注意
実はロゼの正体を知る者の一人。
状況と立場故に積極的な行動には出られていないが決して無能ではなく、事態打開に向けて奔走する。

ネオ・ブリタニアからの和平交渉にも出席するが、その最中に発生したロキの襲撃に際して団員の命を救ったナラの行動を認め、彼女を取り囲んだ団員達を叱責した。


  • 志塚香
CV:小林親弘
八戸基地に所属する団員。
漣の部下。


  • 坂井ミナト
CV:Lynn
八戸基地に所属する団員。どこぞの変態関西人モデラーとは一切無関係
ニーナの護衛として七煌星団に派遣されて来た女性。

+ ネタバレ注意
生真面目過ぎて秘密を抱えたままの任務遂行は不可能という判断からロゼの正体は教わっていない。
ニーナの任務終了後も連絡役として七煌星団に残留、これといって目立った活躍は無かったが無事生還、ラストでは原隊復帰した。


本編からのゲストキャラ。『復活』から5年が経ったことで見た目も性格も大分大人っぽくなっている。

第4話にて、彼女の能力を求められホッカイドウブロックに派遣される。

+ ネタバレ注意
彼女が必要な能力と言えば、勿論フレイヤ弾絡みである。
ダモクレス2号機を投入したネオ・ブリタニアの作戦に対抗すべく、ロゼに残りのフレイヤ弾の数が最大でも3発であることを伝え、
そして環境データ入力を自動で行ってくれる上に直接命中させずとも周囲100m範囲に投げ込めば機能してくれるという大幅な利便性向上を果たした新型フレイヤエリミネーターを提供した。
フレイヤを作り出してしまったこととその結果生じてしまった犠牲は未だ心のしこりとして残っているらしく、今回の作戦に参加したのは自分の過去に対するケジメでもあった模様。

作戦完了後は七煌星団に見送られながら帰投した。


本編からのゲストキャラ。
「ブリタニア帝国復活の旗頭にされかねない」という事情から『復活』では黒の騎士団中将に留まっていたが、
ただでさえ優秀な上に彼女と無関係なところで「ブリタニア帝国」が本当に復活してしまった為か本作では総司令*4となっている。

『R2』終盤以降の比較的軟化した人物像を継承しており、かつてのような苛烈なだけの人物では最早ない。

+ ネタバレ注意
ロキの襲来時には自ら出撃、迎撃に向かった。

乗機は『復活』から変わらずクインローゼス。
あれから5年が経過し実戦からは遠ざかっていたと思われるがパイロットとしての腕に衰えは無く、単騎でロキを撃破していた。

因みにギルフォードも相変わらず彼女を支えている。


本編からのゲストキャラ。黒の騎士団幹部。
明言は無いが実働部隊としては司令官クラスと思われる。

元ラウンズ故に、当時は同僚だったノーランドとも面識があった様子。
しかし事実上シャルルの私兵だったノーランドは当時の彼としてもよく分からない人物だったらしい。

+ ネタバレ注意
ロキの襲来時には世界的な大混乱で何が何だかという状況の中で情報収集と解析に必死で努めると共に、世界中にKMFに乗れる者をかき集めるよう指示を飛ばしていた。
最後には自らも迎撃に出撃している。

乗機は(『復活』では戦場に出ていなかったせいもあってか)TV本編から引き続きトリスタン・ディバイダー。トリコロールだったかつてとは異なり、以前のマントの色に合わせたと思しいグレーと深緑を基調とした色合いになっている。
ワンオフのスペシャル機とはいえ今となっては7年前の旧式機、それも当時や後の超ハイエンド機と比べれば陳腐化しつつある機体な上に『R2』最終決戦で大破していた筈だが、修復ないし再建造したと思われる。


その他

  • 江間メイ
CV:白石晴香
喫茶シュマリの店員の少女。
ブリタニア人に絡まれていた所をアッシュに助けられ、結果として彼とラズベリーを引き合わせることに。

天真爛漫かつ悪ノリしがち。重苦しい本作の空気を一時的なりとすっきりさせてくれる清涼剤的存在。

+ ネタバレ注意
実はロゼの正体を知る者の一人。
知っててラズベリーに変装させて人前に出すという行為に出ている。

ロキの襲来時は喫茶シュマリも襲われ窮地に陥るが、七煌星団に助けられ無事生還した。


  • ヴァレン・スターク
CV:野川雅史
喫茶シュマリのマスター。

+ ネタバレ注意
実はロゼの正体を知る者の一人。
シュマリも彼女の隠れ家として提供している。

ロキの襲来時はロケットランチャーで対抗する(つまり喫茶店にロケランを常備していたことになる)など、穏やかそうに見えてかなりアクティブ。


  • 皇重護(すめらぎ じゅうご)
CV:小山力也
ホッカイドウブロック元領主にしてサクヤの父親。
日本人からもブリタニア人からも慕われていたが、ネオ・ブリタニアによるホッカイドウブロック後に収監され、更に現在は故人。
どうやらアッシュに殺害された模様。

+ ネタバレ注意
実はノーランドに反抗し収監されていた頃のアッシュの向かいの監房に入っており、当時生きる気力を失いかけていた彼に積極的に話しかていた。
捕虜となりいつ処刑されるかも分からない身でありながらも笑顔も軽口も絶やさない彼に、いつしかはアッシュも心を許し、気力を取り戻していた。

やがて遂に処刑が決まり、アッシュや協力者と共に脱走するも計画は露呈しており失敗、「死など怖くはないが、もう娘に会えないのが悲しい」と語っていた彼の心残りである娘、即ちサクヤを必ず守ると約束したアッシュを逃がすべく彼の盾となって死亡した。

つまり、「アッシュが重護を殺した」というのは、「アッシュは自分を生かす為に死んだ重護を『自分が殺したようなもの』と思い詰めている」というのが真相であった。


CV:かないみか
現在は「超合集国最高評議会議長」であり、政界からは身を引いていたようだが、コーネリアの要請で復帰する。
苗字から分かる通り、サクヤや重護とは血縁者。
神楽耶は本家なのに対してあちらは分家に当たる。
本作では20代となった事もあり、かつてのお転婆な一面は描かれず落ち着いた聡明な女性の印象が強い。

サプライズゲストたち


+ 終盤のネタバレ注意
「ギアスの欠片」を集める旅の途中の不死者二人組。
あくまで「人の理に外れた者は人の社会に過干渉すべきではない」というL.L.のスタンス*5から、サクヤやネオ・ブリタニアへの直接的な介入や干渉は避け、自身の旅を続けている。

L.L.は一人で行動していた最中にサクヤと遭遇、彼女にどうしても為さねばならない目的がある事を認め、かつてC.C.から受けたのと同じ「王の力は人を孤独にする」という忠告と共に彼女にギアスを与えている。
上記の通りサクヤとL.L.は血縁者であり、この出会いが偶然かどうかは不明。


  • ビスマルク・ヴァルトシュタイン
元ナイトオブワン。現在は故人だが回想中に登場。
当時ナイトオブファイブだったノーランドに対し、「騎士」というより「暗殺者」に育てられたアッシュ(とそのような教育方針のノーランド)を「品位に欠ける」と称したが、ノーランドは気にも留めなかった。


ジルクスタンに滞在中。スザクは勿論ゼロとしてナナリーに付き添っている。また側にはアーサーやフォーグナー将軍の姿もある。
『復活』から現在に至るまで5年間ずっとジルクスタンに居たとは流石に考えにくいのでおそらくは再訪。

空港に居た所にロキの襲撃に遭遇、スザクが迎撃に出撃した。
乗機は真母衣波をランスロット風のカラーリングに変更した真母衣波 白式正体隠す気あんのか
一応、「黒または紫の部分を白に塗り替えただけの真母衣波」なので、ハラハラしているのは視聴者だけで作中では「あくまで真母衣波の明るい色合いのバリエーション」と見られているのかもしれない。


  • 日向アキト
  • 佐山リョウ
  • 成瀬ユキヤ
  • 香坂アヤノ
  • レイラ・マルカル
亡国のアキト』より、元wZERO部隊たち。
ヴァイスボルフ城脱出後の老婆達との放浪生活を経て、現在は日本の神戸を観光中。今度は京都に行くつもりらしい。
「いつか日本に行きたい」と作中で語っていた夢が遂に実現した格好になる。

ロキの襲来にも遭遇したが何故かアレクサンダを持ち込んでおり、パイロット組はロキに応戦、レイラも高所に移動し指揮を執っていた。
なお、アレクサンダは何れも終盤で改修を受けた「リベルテ」や「ヴァリアント」ではなくType-01と02。予備機ないし再建造機と思われる。


25歳になっているが元々色々オトナっぽいので前までと雰囲気は大差ない。
『復活』では学業に専念する為に予備役となっていたが、おそらく正式に復帰している。

『復活』と同様に紅蓮特式にて、東京に現れたロキの群れを輻射波動砲弾で纏めて粉砕していた。
「撃って良いのは撃たれる覚悟のある者のみ」というルルーシュの信念に共感した彼女にとって「全自動殺戮メカ」は到底許容できるものではなく、激しい怒りをぶつけていた。


  • オルドリン・ジヴォン
  • ソキア・シェルパ
双貌のオズ』より、黒の騎士団の監査役『グリンダ騎士団』のメンバー。
ブリタニア共和国にてロキの大軍勢から市民を守るべく誘導を担い、その後はあまりの物量に辟易しながらも大きな橋の上に陣取り迎撃に努めていた。

乗機は変わらずランスロット・ハイグレイルとシェフィールド・アイ。


  • オルフェウス・ジヴォン
  • マリーベル・メル・ブリタニア
同じく『双貌のオズ』ラストでは生死不明のままだったが本作にて生存が判明。ケープタウンに滞在中。
オルフェウスは右目に眼帯を着けており右肩にも傷跡が残っている辺り無傷とは行かなかったようだが、ともあれ命は助かったらしい。

オルフェウスの乗機は業火白炎。



ナイトメアフレーム

レジスタンスサイド

  • Zi-アポロ
主人公機に当たるアッシュの愛機。深紫を基調とし、灰色と茜色の差し色が特徴。
固定武装は両腕下部のブレードと、両肩・胸部と腰部左右に計6基のスラッシュハーケン、脚部のMVS。
手持ちの武器やハーケン以外の飛び道具を持たず、敵機の武装を奪い取っては使い捨てるという独特の戦法を用いる。

ただでさえ非常に高い性能を持つが、「メギストスゼータ」と呼ばれる機能により一時的に更なる性能向上が可能。
メギストスゼータ」起動時にはツインアイを覆うようにバイザーが展開される。
その名称からジルクスタンのナギド・シュ・メインの持つ「メギストスオメガ」との何等かの繋がりを思わせるが詳細は不明。

出所不明の謎の最新鋭KMFとしか紹介されておらず詳細も語られていないが、設定によるとラクシャータとパール・パーティーの手になる第七世代型で、シトゥンペの壁内部での活動を前提に開発されたとのこと。


  • Zi-アルテミス
こちらはロゼ専用機。空色を基調としている。
月虹影と似た上半身だけの大型機という異様な外見で、胴体に当たる部分も女性の胸像のような外見であるなど、他とはかなり趣が異なる異形のKMF。
航空機のようなフォートレスモードに変形する機能を持ちシトゥンペバリア内部でも単独飛行能力を持つ。

単体では戦闘能力の無い非武装機だが、本機はZi-アポロの支援機であり合体することでZi-オルテギアとなる。
二機分のユグドラシルドライブを連結させることでエナジーウイングを展開可能となり、超高速の戦闘と飛行を実現する。

なお「オルテギア(オルテュギア)」とは、ギリシャ神話で芸術、後に太陽の神アポロンと狩猟、後に月の女神アルテミスが生まれた島の名前。
それぞれの型番とこの命名を見るに、Zi-アポロとZi-アルテミスが合体してZi-オルテギアになるというより、Zi-オルテギアが合体を解除することでZi-アポロとZi-アルテミスに分離できるという設計な可能性もある。


  • 暁改
黒の騎士団主力機。七煌星団を始めとしたホッカイドウブロックのレジスタンスは本機を使用していた。
外見的には『R2』の時点の暁との大きな差異は無い。おそらく性能にしても同様。またシトゥンペバリアの影響故か、飛翔滑走翼装備機は見当たらない。
5年以上前の旧式機の改修機に過ぎない本機はネオ・ブリタニアの最新鋭機を相手取るには力不足感が否めず、順次後継機に更新されて行った。


  • 雪花(せっか)
黒の騎士団の最新鋭量産機。その名の通り白と薄紫を基調としている。
頭身の高い細身のスタイルはブリタニア系に近い一方で、フレームが剥き出しの手足はラクシャータ系KMFの血筋も匂わせる。

黒の騎士団から七煌星団に供給され、更に東の暁旅団と北狼軍にもリーダー機として提供された。


  • 蛍雪(けいせつ)
黒の騎士団の最新鋭機。こちらはガウェイン系に似た黒と金が基調のカラーリング。
パイロットに合わせたカスタムが可能で、ロゼに任命される形でハルカ専用機となり、更に彼女が得意とする白兵戦向けの調整が加えられた。
武装は槍とブレイズルミナスを展開可能な手甲。起動キーは刀の柄をモチーフとしている。

デザインモチーフは忍者とのことで、また細身の体型や髪のようなパーツなどから女性的にも見える。


  • サザーランドII
黒の騎士団主力機。
八戸基地に数機が所属している。ホッカイドウブロックには登場しない。


ネオ・ブリタニアサイド

  • カムデン
ネオ・ブリタニア軍主力KMF。
緑色カラーが一般的だが、アインベルクの部隊所属機はそれぞれ異なる塗装が施されており、褐色系や黄色系などいくつかのカラーバリエーションがある。
騎士の甲冑のようなデザインが基本的だったブリタニア系KMFだが、本機の頭部は「顔」のような意匠が無くよく見るとコクピットブロックから長く張り出した庇からぶら下がっている形になっていたり、腕が細長かったり一見逆関節に見える構造の脚だったりと、
ブリタニア系列は勿論「ナイトメアフレーム」というロボ全体として見てもかなり異様な造形だがスペックでは暁改を圧倒している。

武装はアサルトライフル、及びコクピット側面に取り付けられるミサイルランチャー。

名前の由来はサザーランドやグロースターと同じく大ブリテン島の地名と思われ、ロンドンの町の名前に因むと思われる。
アメリカのニュージャージー州にもカムデンという都市があるが、かつてはデトロイトやセントルイスをも凌ぐ「全米で最も危険な都市」と目された地でもある。
ならず者国家そのものであるネオ・ブリタニアの主力機には皮肉にも相応しい名称と言える。


  • アインベルク専用機
それぞれがパイロットに合わせた専用機という点はラウンズ専用機と類似しているが、アインベルク機はキング機とクイーン機を除いて「同一の基本形を各パイロットに合わせてカスタムした」という恰好になっている。
厳密には「同一の基本形」があり、更に「各階級毎の基本形」もあり、各機は更にこれをカスタムしている。また各機の名称も階級に因んで「馬」「城」「女王」といった命名則になっている。
こちらは従来のナイトメアフレームに近く、曲線的かつ甲冑めいたデザインとなっている他、脚部の二基に加えて背後から伸びるもう二基のランドスピナーを持ち「四輪(四脚)」のようになっているのが特徴的。
なお各機のカラーリングは、アインベルクそれぞれのパーソナルカラーとは必ずしも一致しない。

  • レヴィルテイン
グラン専用機。基本カラーは白。「ポーン」だけに頭部はつるっとした丸い形状。
ライフルと手持ちシールド、更に二振りの大剣という重武装だが、Zi-アポロの動きに全く付いて行けずほぼ何もできないまま自慢の大剣を奪われ真っ二つにされた。

名前の由来は北欧神話に登場する剣とも槍とも木の枝ともされる武器「レーヴァティン」と思われる。


  • ヴァルプニル
アーノルド専用機。基本カラーは紫。「ナイト」だけに頭部はどこか馬を思わせる。
武装は短剣。
コクピットを取り囲む三枚の円形のシールドが特徴的で、これはアームによって自在に動き、敵の攻撃を自動で防いでくれる上にMVSも仕込まれているため攻防一体となった優れもの。
アーノルドはこの守りに絶対の自信を持っていたが、「道具に頼り過ぎ」というアッシュの指摘に違わず彼の猛攻を捌き切れず撃墜された。

名前の由来は北欧神話の女神グナーの愛馬「ホーヴヴァルプニル」と思われる。

  • フレイプニル
ヒース専用機。基本カラーは黄(というより金?)。
武装は両手に装備したライフル。
ヒースの出番が出番なので、こちらも大した見せ場も無いまま退場している。

名前の由来は北欧神話の主神オーディンの軍馬「スレイプニル」と思われる。


  • エルカルマル
ディボック専用機。基本カラーは紫オレンジ。
武装は大型のキャノン砲にミサイルランチャー、ブレイズルミナスを展開する手甲という重武装機。

名前の由来はスウェーデンの古城「カルマル城」と思われる。


  • エルグリプス
クリストフ専用機。基本カラーは緑。
こちらは近接型で、両腕の二本のブレードをシザーマンの名の通り鋏の様に組み合わせ敵機を両断する。
オープニング映像やグランとの闘いでZi-アポロが披露した戦法は、おそらくこれが元になっている。

名前の由来はスウェーデンの古城「グリプスホルム城」と思われる。


  • クインクラカ
キャサリン専用機。基本カラーはピンク。
銃剣付きペッパーボックス銃(型の四連装ハンドガン)の二丁拳銃を装備する。
キャサリンの戦闘スタイルや時々腰を振ってダンスしたりするため、その外見と相俟って「女性的」を通り越して少女型ロボに近い印象を受ける

名前の由来は北欧神話に登場する王女アスラウグの別名「クラーカ」と思われる。


  • クインアスラ
ナラ専用機。基本カラーは赤紫。
こちらは機関砲内臓型大型ブレード二振りを武器とする。
姉妹機と思われるクインクラカと比べて装飾やパーツが少なく、よりシンプルに纏まっている。

名前の由来は北欧神話に登場する王女「アスラウグ」と思われる。


  • ローエングリン
物語後半に登場する新型機。

+ ネタバレ注意
クリストフの手により改造人間として生まれ変わったアーノルド専用機。
特徴であるシールド付きアームの内一本はブレイズルミナスの展開能力を持ち、残る二本にもより攻撃的になっている。
主武装も大剣に代わった他、頭部は巨大なモノアイ式になっているなど、全体的に刺々しいイメージに生まれ変わっている。


  • ファウルバウト
物語後半に登場するノーランド専用機。基本カラーは銀。
ガウェインの約6mをも更に超える全高10m以上という巨大機。
その巨体故にただのパンチでさえ強烈な威力を持つ上、サブアームで接続された四本のスパイク付き大型シールドのリーチと防御力、2輪式ランドスピナー四基によりスピードも抜群と、走攻守のいずれも隙が無い。
加えてエナジーウイングまで装備しているため、シトゥンペバリア内部で単独飛行が可能でもある。

操縦系にはジークフリートと同じ神経電位接続が用いられており、ノーランドの能力と合わさり驚異的な反応速度を発揮する。

+ ネタバレ注意
最大の特徴はシトゥンペバリアと同じ効力を持つシトゥンペビームを発射可能な点。
つまりは一発でも直撃すれば即機能停止する即死攻撃を放つことができるということである。
機体各部を変形させた全力稼働形態「タイタンモード」では機体全身各部の14箇所から発射可能になる。

背後に回ろうが頭上を取ろうが、どこからでも即死ビームが飛んで来るという最悪な兵器だが、
「発射口こそ14個あるが、ビームを同時発射できるのは2ヵ所まで」「60秒以上連射し続けると連射性能が激減する」という点が数少ない付け入る隙となる。

自動兵器ロキの親機という面もあるため、世界中で進行する殺戮を止めるには「一発でも体のどこかに当たればそれだけで即死の弾幕シューティングを60秒間耐え続ける」というクソゲーめいた戦いを潜り抜けねばならない。

名前の由来は北欧神話のトリックスター、ロキの父親「ファールバウティ」と思われる。
因みにその意味は「残酷(無慈悲)に打つ」だという。ノーランドに相応しい機体名である。



KMF以外のメカニック

  • ダモクレス
『R2』最終話で太陽に向けて投棄されたダモクレスがまさかの再登場。
本機は建造中に放棄されていた予備機を完成させた二号機とされる。しかし出来は不完全で、以前程の高高度には上がれない。
またフレイヤ弾は製造に特殊な設備が必要である事と一次製造分を全てシュナイゼルが回収したため、搭載されているフレイヤ弾は精々3発と見られる。

ディボックによりサッポロゲットー殲滅作戦のキーとして投入された。


  • ロキ
ノーランドとスタンリーが開発していた謎の兵器。

+ ネタバレ注意
その正体は対人用全自動無人殺戮兵器
正式名称は「 L ethel O nslaught K een I nvincible」で、「無敵にして鋭利、致命的な猛攻撃」といった意味。
スタンリーはあくまで国防のための兵器のつもりだったようだが、全人類の絶滅を目指すノーランドは敵味方識別装置の組み込み前に稼働させ、世界中にバラ撒かれて行く。

KMFの倍ほどの大きさのあるボウリングのピンのような待機状態から全周が展開、六脚型のローラー走行によって地上を走り回り、軟弱地では横倒しになって転がる、大きな障害物の前では複数機が連携して他の機を持ち上げてジャンプさせるなど、KMFに勝るとも劣らないスピードと踏破性を有する。
また潜水艦の母艦から射出され上陸するため水中航行能力も有する。

そして標的に近付くと強力なファンを稼働させて人間を吸い込み、内部のカッターで細切れに切り刻んで殺害、死体の破片と血液は機体上部から排出して行く
自動車程度には余裕で追い付き、銃器の類は持たないがKMFのコクピットブロック程度は容易にくり抜く鋭さのホールソーで穴を開けることができるため、地上にいる限りロキから逃れるのは不可能に近い。
生身の人間は勿論、車やKMFに乗っていようと逃がすことなく容易かつ確実に殺せるロキの群れに襲われた都市は辺り一帯に赤色の煙が立ち込めるという悍ましい光景が広がって行き、監視カメラ映像でその様を確認したジノはその残虐以前に非現実的な光景を前にしばし呆然としてしまった。

おまけに全周を覆う装甲は並のKMF用ライフルでは傷一つ付かない程に頑強で、撃破するには装甲の隙間を狙うか、本体上部の制御部分を破壊するしかない。
しかし一体一体が手強い上に雲霞の如き途轍もない物量と、機械故の疲れ知らずで延々と押し寄せ続けるため、放置する訳には絶対に行かないが、かといって戦っても戦うだけジリ貧になるというフレイヤ弾とは全く別の意味で凶悪かつ最低最悪な兵器

基本的に自立行動するがその制御はファウルバウトと紐付けされており、全てのロキを纏めて完全停止させるにはファウルバウトを破壊する他は無い。
名前にある「ロキ」とは北欧神話のいたずら好きの神の名前であり、その意味は「終わらせるもの」、終末戦争ラグナロクに際して巨人族を率いて神の国アスガルドを滅ぼしに攻め込み、その父の名は「ファールバウティ」。「人類を滅ぼそうとするノーランド専用機ファウルバウトの子機」には相応しい命名と言える。

第9話にて遂に完成し、密かに大量に製造されていたロキが潜水輸送艦によって世界各地に大量に派遣され殺戮を開始、その軍勢の勢いたるや僅か数日で全人類が「駆除」されかねないという凄まじいものだった。
しかし黙って殺される人間ばかりでは勿論なく、世界各地で軍人と有志達が奮闘、必死の抵抗を続ける中で遂にノーランドがアッシュとサクヤに敗北しファウルバウトが撃墜されたことでようやく殺戮は停止するも、それまでの間に全世界で数十万人という、おそらくはフレイヤによるトウキョウ租界やペンドラゴン消滅に次ぐであろう規模の犠牲者を生む事となった。

「仮面の強化人間が運用する無人対人兵器」という共通点から、第四幕で名称が判明するまではバグの通称で呼ばれていた。
またその攻撃手段からルンバ(デスルンバとも称されたり、また古きものを連想されたりしている。
殺害方法が方法なので流石に直接的な描写は無いが、ロキが道を通る度に血煙を噴出するという光景はそのままそれと同じ人数の人間がカッターで磨り潰されて殺されていることを意味する訳であり、「想像の余地」がある分却って恐ろしさや胸糞の悪さを覚えた視聴者も少なくない模様。
他にも、ただでさえブリタニアバッシングの色濃い世界でこのような事をやらかしたため、「果たして全部ノーランドにおっ被せるだけでブリタニア人への余計に強くなるであろう風当りは緩和できるものだろうか」という心配も寄せられている。

また、ギャグのようなファッションのカップルや、グロースターソードマンに乗り込もうとした矢先に格納庫をロキに潰され必死に吸引に耐えていたものの遂に力尽きてしまったモブの美少女パイロット(推定カレンに匹敵する巨乳)といった、他作品では助かりそうな人物まで犠牲になっているのはいかにもコードギアスらしいと言える(?)。
特に後者に関しては出番僅か数秒、且つまず助からないようなシチュエーションながらカルト的な人気を博している
一応、コードギアスは残酷な死なせ方をさせるばかりではなく、本編内では死亡したと見なされていたグラウサムヴァルキリエ隊の少女パイロット達やカリーヌ・ネ・ブリタニアを外伝で生還させた実績がある上に明確な死亡描写が無いので、救助シーンが追加されたり続編でしれっと出て来たりしてほしいものである……。



余談

本作含むコードギアスシリーズのキャラクターデザインを担当していた木村貴宏氏は、本作の公開の約1年前の2023年3月に58歳でこの世を去ってなおり、
その遺作となる本作第一幕は、スタッフロールの最後に氏を偲ぶ追悼メッセージが表示された。






編集できるか?

できないと思う?



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最終更新:2025年05月29日 19:53

*1 ブリタニア年代記では作中から2025年前を皇暦元年としているが、実際にブリタニア帝国が建国されたのは皇暦1813年にリカルド・ヴァン・ブリタニアが前王朝最後の女王であるエリザベス2世から譲位される形で皇帝に即位した時である。

*2 サクヤがバイクを借りるためにギアスをかけたブリタニア人も実験にかけてアーノルドに殺させた。

*3 厳密にいえばシャルルがV.V.からコードを奪った時点で「器」としてのノーランドは用済みになったと考えられる。コードを受け継げば肉体を変えようとしても勝手に体が再生してしまうため。

*4 かつては星刻が就いていた役職。

*5 視聴者にとって馴染み深いよう言い換えるなら「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけ」。「不死の存在」が「人殺しをする」というのは道理に合わない、という理屈であり、実際『復活』でも同様の理由で「本当は自分は戦いに出てはならない」旨の発言をしている。それを差し引いたとしても彼らは「ギアスの欠片の回収」というある意味でネオ・ブリタニア以上に緊急性・危険性が高く、かつコード継承者たる彼らにしかできない役目の真っ最中であり、万が一にも死ぬ訳にはいかない状況である。