バイオブロリー

登録日:2012/11/15 Thu 03:09:50
更新日:2024/11/13 Wed 22:46:49
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ヌゥォォォオ!!



バイオブロリーとは、劇場版ドラゴンボールZ『ドラゴンボールZ 超戦士撃破!!勝つのはオレだ』に登場したブロリーのクローンである。



●概要

前作の『危険なふたり!超戦士はねむれない』にて孫一家のかめはめ波で太陽まで飛ばされ、太陽に焼き尽くされて死亡したブロリーであったが、悟天達の活躍によって仕事を失ったナタデ村の祈祷師が、ブロリーの着陸地点に残っていた宇宙ポッドの中から、凍結していたブロリーの血液を採取する。
その凍結した血液をミスター・サタンを逆恨みするジャガー・バッタ男爵に売り、サタンへの仕返しの為に生み出した無数のバイオ戦士の内の1体がこのバイオブロリーである。
ジャガー・バッタ男爵によると、他のバイオ戦士達と同様に自分の命令に従うように調整されているらしいが、作中を見る限りその制御を受け付けていない。

悟天とトランクスの二人が培養カプセルの中で眠っているバイオブロリーを発見した際は、クローンゆえにオリジナルのブロリーとそっくりの姿だった(前作の『燃えつきろ』『危険なふたり』では分かりづらかったサイヤ人特有の尻尾も確認できる)。
ブロリーの脅威を知っている悟天とトランクスは、培養カプセルの中から出てくる前に倒してしまおうと気功波で培養カプセルを攻撃する*1
しかし、危険を察知したかのように培養カプセルの中で覚醒したバイオブロリーは、悟天達の攻撃を受ける寸前に自力で培養カプセルを破壊し脱出する。
培養液の排出作業中に自力で培養カプセルから出るも、外の空気に触れた事で培養液が変質し、また溢れた培養液の流出とブロリーが逃げ出さないように研究員達の手により強化シャッターを閉められる。

しかし、バイオブロリーは外の空気に触れて変質した培養液を全身に纏いながら強化シャッターを破壊して脱出する。
しかし、途中で体が溶けだしてしまい*2ヘドロのような緑色の体赤色の眼球口内は歯茎や舌などが紫色胸部は内臓が剥き出しというグロテスクな姿に変貌してしまった。
培養カプセルの中で眠っていた時に尻から生えていたサイヤ人の尻尾はおそらく完全に溶け落ちてしまったようで、面影は僅かに残った髪の毛のみである。どうしてこうなった
まぁ全裸だし、作劇的にも男性器を露出した状態で戦わせるわけにはいかなかったのだろう

尚、オリジナルのブロリーとは別人のはずなのだが、劇中では2回「カカロット」と叫んだりしている。
悟空への憎しみは最早 細胞単位で刻まれているのだろうか……?

オリジナルのブロリーから掛け離れたグロテスクな見た目や、下記する様々な理由からブロリーが好きな人達(ブロリスト)から黒歴史扱いされていることも。
逆にバイオブロリーをドロリーと呼び愛する人々(ドロリスト)もいる。



●出番

手始めに18号を一撃で倒し、超サイヤ人に変身した悟天とトランクスと、18号を助けに来たクリリンを相手に研究所内で暴れ回った。

なお、公式の設定ではバイオブロリーの戦闘力は前作と変わらないとなっているが、ゴテンクスならともかく、序盤は息の合った連携攻撃とはいえ悟天とトランクスの2人だけで押されている辺り、前作より弱体化しているとしか思えない節がある。
これに関しては、地球に到来してから悟空に受けた傷が全く癒えていない時に流れた血液が凝固したものから培養されたので、バイオブロリーの戦闘力はサイヤ人特有の瀕死からの戦闘力強化が成された2作目のブロリーではなく、1作目のブロリーの戦闘力だったからという説や、新たに生み出されたばかりで戦闘経験も何もない状態だったからといった説がある*3

ちなみに、18号が天下一武道大会での八百長の代金をミスター・サタンから取り立てるシーンがある事から「時代背景が魔人ブウ編が終わった後で主要メンバーが成長していたのでは?」という説もあったりするが、後述の様に作中では悟空が生き返っていない状態(頭に天使の輪がある)であり、時代背景は魔人ブウ編の最中なので無理がある。
そもそも、次作の『復活のフュージョン!悟空とベジータ』の時代背景は魔人ブウ編で悟空とベジータが死んでいる時であり、どう考えても「映画の作品順=時系列順」なので前提が成り立たない。

ただし、押され気味だったのは序盤だけで、徐々に動きがわかると言っていた2人が反応できない動きを見せ始め、悟天が逃げ遅れた研究者の救助に回ったり負傷したりというアクシデントがあったとはいえ最終的には味方全員を圧倒していて、トランクスも正攻法では勝てないと判断しているため、言われている程微妙な戦闘力というわけでもなかったりする。

本物のブロリー譲りの異常なタフネスに加えて凄まじい再生能力、徐々に上昇していく戦闘能力から、上記の通り正攻法では勝てないと判断したトランクスの機転から大量の培養液を浴びせられ、完全に溶けて流れていったが、溶けながら執念で悟天達に詰め寄ってくるシーンはもはやホラー映画のそれである。

更にその直後には、執念で肉体を巨大化しつつトランクス達に襲い掛かってくるが、さすがに肉体を維持することは出来ず、襲い掛かって来る前に肉体はドロドロに崩れ、再び流れて行った。

こうして悟天達は無事に研究所から脱出することに成功する。
また、バイオブロリーのエネルギーで増殖し続ける培養液が海水で石化する事が判明し、かめはめ波で津波を発生させて培養液の増殖も完全に防ぎ、事件は一件落着…と思いきや、海中からなんと大猿以上に巨大化したバイオブロリーが出現する。今度は特撮映画である。
しかし、培養液の「海水に弱い」という弱点を克服出来ずに石化し、最期は気功波で粉砕されてしまった。巨大化が2回とも単に驚かせるだけ

なお、諸悪の根源であるナタデ村の祈祷師は、ミスター・サタンの幼馴染のジャガー・バッタ男爵の施設から大金を盗もうとするものの、札束を掻き集めている間に背後に迫っていた大量の培養液に飲み込まれてしまい、人知れず死亡した。



●技と能力

  • イレイザーキャノン
ブロリーの代名詞とも謂えるこの必殺技は、クローンであるバイオブロリーも勿論使える。
ただ、戦闘の舞台が研究所の内部でとどまっているのでイマイチ威力が高いように見えない。コントロールがまだ上手くいっていないのか命中率も良くない。というか全体的に気弾系の技より体術で圧倒しているシーンの方が多い。
劇中では口から発生させるシーンもあるが、こちらは後述する別の技として扱われている。

  • ダブルイレイザーキャノン
オリジナルのブロリーが使わなかった必殺技で、両手から同時にイレイザーキャノンを撃つ。地味に気を練るのが上手いのだろうか?
と思っていたら後にゲーム作品でブロリー(超サイヤ人3)にお株を奪われる。所詮クローンは本物には勝てないとでも言うのか!?
実は本物のブロリーにも両手で交互にイレイザーキャノンを発生させて乱射するシーンがあるので、元からできる可能性が高い。

  • バイオ怪光線
目からビーム。バイオブロリーのオリジナルの技で、18号への不意打ちや、自分に命令してくるジャガー・バッタ男爵を蹴散らす際に使用。
ドラゴンボールの世界では何人か使い手がいるが、基本的に見た目が人外なキャラたちが多く、一部を除いて威力はそう高くないと地味な技。
ちなみに、アニメ版だと同じサイヤ人のナッパもやってたので、オリジナルのブロリーも出来る可能性がある。まあ宇宙人だし出来そうだ。

  • 魔口砲
口からイレイザーキャノンを発射。この攻撃で悟天の右腕に傷を負わせた。

  • 再生能力
クリリンが放った気円斬を喰らい首を切断されたが、一瞬で首を再生した。バイオブロリー特有の能力で、オリジナルのブロリーより優れている所でもある。

培養液に含まれた様々な細胞を吸収して2回 巨大化した。体の色は培養液を吸収したからなのか紫色に変色している。

この他にもギガンティック・クラスターと思しき技を使っているシーンもあるため、恐らくオリジナルのブロリーが使っていた技は大体 使用可能だと思われるが、オリジナルのブロリーが多用していたバリアは一切 使用していない。


●外見

培養カプセルの中で眠っていた時点では、本物のブロリーの平常時と同じ黒髪の青年の姿だった。
その後、自力で培養カプセルを破壊する際には髪が金色になって逆立っているので、超サイヤ人状態へと変化しているが、この段階では体躯は通常形態より筋肉質ではあるものの、そこまで筋骨隆々ではないがこの時点で白目を剥き伝説の超サイヤ人に近い状態になっていた*4

そして、再生が不完全な状態で培養カプセルから出たきた事で体がドロドロに溶け始め、同時に変異した培養液を纏った事でドロリー状態となる。
この段階になると溶け落ちてしまったのか尻尾は無くなっているが、頭部の僅かに残った髪の毛は常時 金髪であり、一応 超サイヤ人以上の状態ではあった模様。
誕生直後は全身の皮膚が液と同化し溶け流れていたが、変異が落ち着いてからは見かけによらず体表は硬いらしく、18号の打撃技を浴びても微動だにしなかった。

ちなみにドロリー時はオリジナルの伝説の超サイヤ人状態に匹敵する体格だが(というか18号との比較からあちらより大きい可能性がある)、あちらと比べると上半身と下半身のバランスがとれている。制作スタッフがんばった。



●ゲーム作品での活躍

ゲームの出演に関してはパラガスより更に不遇である。
何故かやたらとハブられる事が多く、ドラゴンボールキャラ総出演のはずのゲーム『Sparking! METEOR』ではZシリーズの歴代劇場版ボスで唯一参戦しなかった。というか名前すら出なかった。
この作品に登場しないとなると後のシリーズで出る筈もなく、ファンの間でも「公式で黒歴史になったのでは?」と思う程であった。




ベジータ「バイオブロリーの姿は影も形もなかった」

パラガス「只今、一生懸命 行方を調査させています。もうしばらくお時間を…」





しかし、そんな長い冷遇期間を経て遂にアーケードゲームの『ドラゴンボールヒーローズ』にてカード化された!

パラガスの部下「申し上げます!ドラゴンボールヒーローズにバイオブロリーが現れましたぁ!」

パラガス「ドロリスト達が貴方の従僕としてお待ちしておりました」


\オオーーー!/

更に専用能力バイオ戦士の脅威が毎ターンの最後にHP、P(パワー)、G(ガード)が1000アップするという強力なもの。
ドラゴンボールヒーローズ』は5ターンで終了するのでHP4000回復、PとGは4000アップする。
「ブロリーより使い易い」と評判である。


ヒーローズでゲーム作品に初出演する少し前には、ゲームセンターのプライズ用フィギュア『LEGEND of SAIYAN』シリーズの第6弾にてフィギュア化も果たした。
この第6弾はブロリー尽くしの弾であり、本物のブロリーは通常・超サイヤ人(青髪)・伝説の超サイヤ人と揃っており、バイオブロリーもパラガスと共に数少ないフィギュア化がされた。

ただし、格闘ゲームでの参戦は今のところ一つもない。技自体は豊富なためプレイアブルとしての参戦も可能なはずだが、見た目がグロテスクすぎてCEROに引っかかったのだろうか…



  • ドラゴンボールヒーローズ「新生・ブロリー編」にてブロリー・超サイヤ人4と共にバイオブロリーも巨大バイオブロリーを引っさげて再登場した。新必殺技『超ゲノム光線』も加え、本編では出落ちだった巨大化した姿もゲームとはいえ活躍の機会を与えられたのだ。


さて、その巨大バイオブロリーはボスとして戦えるのであるが、1ターン目を凌ぎ2ターン目に入ると、巨大バイオブロリーはある特殊行動をする。
それは・・・

ヌオオォォ…

おや?巨大バイオブロリーの様子が?


オエーー!!!!




まさかのゲロ吐きである

体内の培養液を吐き出し、こちらの必殺技を封印してくるがどう見ても酒飲み過ぎで吐いてるゲロである
???「かぁっ!気持ちわりぃっ!!やだ おめぇ!」


因みに自分の攻撃の前に使用してくるスキルの為、こちらが先攻すれば何の問題ない。


スマホゲーム『ドッカンバトル』では、一応イベント産のバイオブロリーがいたものの性能は大したことなく、フェス限定キャラも一度も出たことがなく不遇をかこっていた。
しかし、9周年イベントのテーマが『ブロリー』ということで劇場版一作目、二作目がそれぞれLR*5で新規実装。
これはバイオブロリーも来るか・・・?と俄かに期待が高まっていた。

果たして、イベント産ながら初のLRでバイオブロリーが実装されたのだった。
攻撃力こそ他のブロリー達に劣るが、最大90%にも達するダメージ軽減のおかげで一線級の防御力を発揮することができる。
ブロリーパーティにも本気で投入が視野に入る高性能キャラとしてデザインされている。

まぁ、ターン制限がありあまり長期戦は向かないが。
必殺技はメテオクラッシュ、超必殺技はイレイザーキャノン。培養槽から出た直後に悟天・トランクスに襲い掛かったアクションを再現している。

また、先述した以前からのバイオブロリーも同キャンペーンで大幅に強化されている。

●余談

  • 何故クローンとしての登場かというと、当時『ジュラシック・パーク』が流行っていたからである。

  • 地獄でブロリー(バイオブロリーではなく本物のブロリー)がまた暴れていると聞き、悟空がパイクーハンと共に退治に向かう前の腹ごしらえシーンで物語は締めくくられているが、これは次の劇場版でもブロリーが出演する予定があったから。流石に出し過ぎたという事で見送られて出て来たのがジャネンバである。もし出ていたら間違いなくゴジータのかませ犬にされていたし多分ベクウに遊ばれる



追記・修正はバイオテクノロジーで生まれたクローンにお願いします。

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最終更新:2024年11月13日 22:46

*1 尚、前作ではブロリーは最初から超サイヤ人に変身していたため黒髪の通常状態を2人は見ていないのだが、よく気づいたものである。気の性質も全く同じだったのだろうか?

*2 よく変質した培養液を全身に被ったせいだと誤解されがちだが、当時の書籍によると、そもそも再生が不完全だったからと解説されている。つまり、培養液によって体が溶けたのではなく、培養液によって溶け出した体をかろうじて維持していたという事になる、

*3 他のバイオ戦士達にはトレーニングを行っている描写があるため、培養カプセルから出てきた時点では戦闘技術等はインプットされていない可能性がある。

*4 一部書籍では伝説の超サイヤ人状態と解説されている。

*5 レジェンドレア。本ゲームの最高レアリティで、通常の必殺技に加え超必殺技を使える