ジャミル・ニート

登録日:2012/02/16(木) 13:20:35
更新日:2023/09/04 Mon 13:15:16
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月は出ているか?





機動新世紀ガンダムX』の登場人物。


〈搭乗機〉
フリーデン
フリーデンⅡ
ガンダムエックス(旧大戦時)
ガンダムエックスディバイダー

主人公ガロードが乗る陸上戦艦「フリーデン」の艦長を務めている男。特徴はそのグラサンと立派なモミアゲ。
バルチャー(戦前の工場跡などでMSや希少となった戦前テクノロジー製品などを漁って商売する職業)ではあるが、
他のバルチャーとは違いその日暮らしの金稼ぎや暴力的な私掠強奪ではなくニュータイプの保護を主目的としている。


【過去】
元々はニュータイプの能力を持つ少年兵であった。
地球連邦軍のエースパイロットとして、決戦兵器ガンダムエックスを任され各地の戦場で多大な戦果を挙げていたのだが、
地球に落とされようとしているコロニーを迎撃するためにGビットと共にサテライトキャノンを放ったことで彼および地球の運命が変わる。
コロニーを撃墜せしめるサテライトキャノンの威力が宇宙革命軍を焦らせる結果となり、コロニー落としを止めるどころか逆に地球全土へのコロニー大量落下という結末を招いてしまう。

「地球滅亡の引き金を引いたのが自分である」と言う自責の念と、滅亡していく地球から溢れる膨大な数の「死の苦痛・恐怖」といった絶大な負の感情にNT能力で感応してしまいトラウマを抱える。
このトラウマによってニュータイプ能力をほぼ使えなくなり*1、またモビルスーツのコクピット恐怖症も併発している。

なお彼が戦時に搭乗していたガンダムエックスは、ガロードが搭乗している機体とは別の機体である。
ガンダムエックスは元々3号機まで存在しており、ジャミルが乗っていたのは2号機である。
この2号機は戦争で大破しているが、残骸を新地球連邦が回収しており、サテライトシステム部分をダブルエックスの開発に使っている。

コロニーが落ちる前は前線の兵士からの評判も良かったが、戦後はコロニー落としの原因の象徴的な存在になったため憎む者もいる。
(※微妙な表現なのはジャミルが原因だとも言い難いため。ジャミルを憎んでいたカトックも家族の居たコロニーを迎撃したとして憎んでいるものの、それ以前に革命軍がコロニー住民を皆殺しにしたことも承知だったので逆恨みであるとは分かっていた)
一方で現在もバルチャー仲間からの評価は高く、協力を要請すれば危険な作戦でも多くの仲間が駆けつけてくれる。
またサラを始めとする艦内クルーからも信頼されている。
多くのクルーはニュータイプ保護にまつわる事情を事細かに知っていたわけではないが、最後まで仲間であり続けたのはひとえにこの信頼関係あってこそのもの。


【劇中の活躍】
劇中序盤、普段はフリーデンのブリッジに居る事が多い(そもそも搭乗機が無かった)が、稀にモビルスーツに乗る時もある。
中盤に荒療治の末にコクピット恐怖症を克服し、普通にモビルスーツを扱える様になっている。
ガロードがダブルエックスに乗り換えてからは、必要であれば副官のサラに艦長席を任せコックピットを改修したGXDVに乗り前線に出る。

元エースパイロットであり正規の訓練を受けている事や実戦経験の分のキャリアの上乗せもあり、作中でも屈指の凄まじいMS戦技術を持つ。
コクピット恐怖症を克服する前でもベルティゴのビットをGXDVのビームマシンガンで撃ち落として見せる程度の芸当が可能だった。
克服してからは相手を見下す事が殆どであるフロスト兄弟にさえ「やるな!」と感嘆を漏らさせるほどの腕前を誇る。
敵集団からのビームの雨を最小の動きで全て回避する、味方に迫るビームをビームライフルで狙撃し打ち消す等の
ベテランのエースパイロットらしい高等技術も度々披露する。
事実GXDVに乗ってからはまともな被弾は皆無であった。
ちなみに身体能力も高く、ガロードをパンチ一つでダウンさせたこともある。

ガンダムシリーズではまだ少年である主人公に仕方なく頼る大人が多いが、
彼はガロードに自らの意思で戦う事を選ぶよう決めさせ、その後は一端の戦士として扱っている大人である。
(元々AWが自分の力で生き抜かなければならない弱肉強食な世界であるのも影響しているが)

前述の通り大量虐殺のトラウマを抱えながらもそれを周りに悟らせない程冷静沈着。
そして何よりこのような状況でも生きることに絶望せず、贖罪の為とはいえ他人に尽くすことの出来る彼は本当の意味での大人と言えるだろう
尤も彼も間違いを犯したり悩むことも多いのだが、それでも彼が強く、大人であれるのはフリーデンの医師であるテクスが心身共にサポートしているおかげでもある。
信頼できる人や部下に恵まれているのは彼の最大の長点であろう。
フリーデンチームはガンダムシリーズにしては珍しく(序盤を除いて)クルー同士のトラブルが少ないのは、ひとえに彼のおかげと言わざるを得ない。
様々な人間と時にぶつかり合いながらも善良な関係を結んではいるが、
他方新連邦軍の戦艦のブリッジにハモニカ砲をぶち込んだり等敵対者に対しては容赦せずに銃口を向ける。(フリーデンクルーは基本全員そうであるが)



物語終盤において、「真実を知るべき者」の一人として「D.O.M.E」に招かれる。
「ニュータイプを戦争の道具にしようとしたもの」「ニュータイプを神格化し権力に利用したもの」がそれぞれその思想を否定された後、
ジャミルもD.O.M.Eに答えを求めた。「ニュータイプが見た未来はなんだったのか」と。
D.O.M.Eは言った。「どんな未来もそれを現実にしようとする努力が無ければ意味がない」
その具体例としてニュータイプが見た未来とは異なる未来を実現してきたすぐそばの少年――ガロードを指し示した事でジャミルは悟った。
ニュータイプという言葉に最も囚われていたのは、地球連邦でも宇宙革命軍でもなく、他ならぬ自分自身だったのだと。



女性関係では旧地球連邦軍時代のニュータイプ部隊の上官のルチル・リリアントに恋心を抱いていた。
彼女との悲劇的な再会と別れは本作の見所の一つである。
「こんな物はもういらないんだ!」(ガンダムXのGビットを破壊)

ティファの事を気にかけていたため一部からロリコン扱いされていたが、もちろん実際はそんなことはない。

フリーデンクルーのサラから思いを寄せられているがあくまで上官と部下の関係を保っていた。
戦後は新地球連邦軍の高官としてコロニーとの和平に努めているが、
サラとは単なる仕事関係を超えた間柄に進展したらしく、「大切なパートナー」と呼んでいる。
ちなみににわかに信じがたいがサラさんじゅうきゅうさい。やっぱ(ry


【名言・名台詞】
GXはキャラの台詞がサブタイトルとなっている。
ジャミルの台詞は主人公のガロード、ヒロインのティファと並んで最も起用数が多い。*2

「月は出ているか?」

「作戦は一刻を争う!」

「銃爪はお前が引け!」

「何も考えずに走れ!」

「飛べ、ガロード!」

「フリーデン発進せよ」


【余談】
コミックボンボンでの本編終了後、彼が新連邦の少年兵だった頃の外伝『ニュータイプ戦士ジャミル・ニート』が掲載された。
第七次宇宙大戦最後の日が舞台となっている。
サテライトキャノン発射やコロニー落とし、ランスローとの戦闘など本編に関わる事柄が多い。

また、本編で触れられることはなかったが、半壊したジャミルのGXが地球へと墜落しかけた際、
撃墜され死んだ友人のGファルコンにより無事に大気圏突入するというやたら熱い場面もある。


ジャミルとアムロクワトロは似ている部分が多く、その為かスーパーロボット大戦シリーズなどでは、かなりの絡みが有る。
Rではクワトロに加え、ネオゲ神隼人も自軍部隊のまとめ役なのでグラサンのオジサン3人衆が集う(アンソロ4コマでもネタにされた)。
では敵同士になっている時にも声付きで特殊戦闘台詞があるほど。
15年前の戦時中は地球側の兵士であり、ガンダムに乗っていたという点ではアムロに似るが、
本編では野に下り、サングラスで顔を隠すなど、戦後における立ち位置はクワトロに近い。
一方、ライバルであるランスローは、戦時中はシャアのようにコロニー側で戦い、戦後はアムロのように英雄として祭り上げられるなど、
ちょうどジャミルと正反対の経歴をたどっている。


【補足(蛇足)】
彼がゲームや記事等に登場する場合、「ニートwww」「NEETwwww」等というコメントを見かけるが、

彼の名前のスペルは「Jamil Neate」であり、NEETではない。
それ以前にNEETという差別語自体が放送後数年経ってから生まれた名称である。

寧ろ彼は15歳の時点で連邦軍パイロットとして戦っており、またバルチャーも立派な稼業である。
そして何よりニュータイプのために必死に戦っており、エピローグでも和平協議会のメンバーとして地球とコロニーの平和のために尽力し、さらにその後のエピソードでは新型コロニー風邪の特効薬の開発に着手し働き続けている人物なのだ。
ネタにするのは良いがやりすぎは注意である。…でもたまには休んでも良いと思うが。



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最終更新:2023年09月04日 13:15

*1 能力そのものを失ったわけではないが、無理に能力を使おうとすると多大な苦痛に加えて耳から出血する。

*2 第十九話「まるで夢を見てるみたい」をルチルの台詞とカウントした場合