バイオリザード/ファイナルハザード

登録日:2011/12/09 Fri 19:07:56
更新日:2024/12/13 Fri 15:33:30
所要時間:約 7 分で読めます





もしかして:バイオハザード



※この項目は『ソニックアドベンチャー2』のネタバレを多く含んでいます。














ラストストーリー


激闘を繰り広げたソニックシャドウ
その裏でDr.エッグマンは中央制御室に最後のカオスエメラルドをセットしていた*1。しかし、エクリプス・キャノンは発射されず謎の警告音が響き渡る。

そしてアークは突如として地球へ向けて落下し始めた。
訳も分からない事態に困惑するエッグマンが調べていると、突然彼の祖父「Pr.ジェラルド・ロボトニック」が遺した映像がコロニー、地上で再生される。


その映像とPr.ジェラルドの日記の内容を要約すると、
スペースコロニー・アークで「ある研究」を行っていたジェラルドだったが“GUN”の決定によってプロジェクトは凍結。
封印するために“GUN”はコロニーの者を襲撃し、その際に孫娘マリアが凶弾に倒れた。
研究成果や仲間、何より最愛の孫娘を奪われたことで全てを失ってしまった*2Pr.ジェラルドは精神を病み、人間全てを憎むようになった。

狂気に駆られたジェラルドは、究極生命体シャドウの記憶を改ざんして着々と復讐の準備を進める。
Pr.ジェラルドは7つのカオスエメラルドをコロニーのコントロールルームにセットすることで『全ての者に復讐』を開始するようプログラムしていたのである。



コロニー地上激突まで 残り 27分53秒


コロニー最深部に移動するカオスエメラルド。
地球へと落下するコロニーは、暴走するカオスエメラルドの力によってエクリプス・キャノンのコアが巨大な爆弾と化しており、このまま地上へコロニーが激突すればその被害は計り知れない。

予想外の非常事態を前に、コロニーにいた者たちは研究所跡地に集まっていた。シャドウを除く一同は敵味方の垣根を越えてコロニー落下を防ぐことを決意。
コロニーの落下を防ぐ術はただ一つ、コロニー最深部にあるカオスエメラルドの元へ行き、マスターエメラルドの力で暴走を止めること。
協力すれば最短ルートで最深部へ到達できる」と言うエッグマンの提案の基、シャドウ・エミーを除くメンバーで『キャノンズコア』を目指すこととなった。


その頃、エミーは協力を拒んでいたシャドウを説得していた。
初めは聞く耳を持たなかったシャドウだったが、偶然にもエミーの熱い思いはマリアの最期の言葉と重なるものがあり、本当の記憶を取り戻した。


そうだ…マリアが……彼女が本当に望んでいたこと……
行こう!彼女と君の願いを叶えるために!

一筋の涙を流し、遅れて彼も最深部へと向かって行った。


コロニー最深部。
そこでソニックとナックルズは驚愕の光景を目にしていた。


これは……マスターエメラルドの神殿そのまんまじゃないか!
恐らく、カオスエメラルドの力を引き出すために真似て造ったんだろう

そして二人が神殿に近づいた瞬間、



私カラ全テヲ奪ッタ愚カシイ人間ドモヨ…私ト同ジ絶望ヲ味ワウガイイ……
私カラ全テヲ奪ッタ愚カシイ人間ドモヨ…私ト同ジ絶望ヲ味ワウガイイ……
私カラ全テヲ奪ッタ愚カシイ人間ドモヨ…私ト同ジ絶望ヲ味ワウガイイ……

Pr.ジェラルドの映像が雪崩のように流れた後、目の前が激しい閃光で見えなくなると共に巨大なトカゲの様な怪物が現れ行手を阻むのであった。



こいつはまさか、封印されたはずの
究極生命体プロトタイプ!?




封印されたハズの究極生命体プロトタイプ「バイオリザード」が突如現れた。
そこで対峙する二人の背後からシャドウが現れ、



ここは僕が引き受けよう…

僕が奴を引き付ける間に、カオスエメラルドに走れ!

そして究極生命体同士の死闘が始まる。








バイオリザードファイナルハザードは『ソニックアドベンチャー2(バトル)』における敵キャラクター。
ヒーローサイド・ダークサイドの両エピソードをクリアした後に解禁される「ラストストーリー」にて登場する本作のラスボスである。



【バイオリザード】



THE BIO LIZARD
THE PROTOTYPE OF THE ULTIMATE LIFE


Pr.ジェラルドがプロジェクト・シャドウの研究過程で作り上げた生命体。
ベースはサンショウウオの一種。なのにlizard(トカゲ)とはこれ如何に……まあ爬虫類も参考にしたのだろう。
見た目はオオサンショウウオに近いが、後ろ脚がなくエラが残っていたり、全身にはパイプが張り巡らされていて「目」と思われる部位もよく見ると身体から突き出たパイプであったりと、歪な生物であることが見て取れる。

究極生命体の試作体であり、生みの親が同じシャドウとは謂わば「兄弟」にあたる存在。ルージュが発見した50年前の資料にも記録が残っており、一時はどちらが本当の究極生命体なのか?という疑問を呼んだ。
結局は完成体はシャドウの方であり、彼はバイオリザードのことを「醜いサンプル」と罵倒しているため、同類視されることはかなり不本意な様子。

膨大なエネルギーを制御できておらず、細胞が異常増殖する体質。そのままでは凄まじい苦痛と共に生命としての機能が失われていくため、背中に装備された生命維持装置が無いと生きることができない。
後述の腫瘍からすると、全身が常時「癌」に侵されているような状態なのだろう。
このような出生が原因なのか、性格は凶暴。
ジェラルドの天才的な頭脳をもってしてもこれは解決できず、研究を進めるために悪魔との取引を選ぶことになった。

しかし曲がりなりにも究極生命体である事には違いなく、驚異的な再生能力で生命維持装置への直接攻撃を除く全ての攻撃を無効化してしまう上、カオスコントロールすら使用が可能である*3
生前のジェラルドはこれを処分せず(できず)アークの一区画に封印。そのまま閉鎖されたアーク内にいたが、上述の通りジェラルドの復讐プログラムによって解放された。

一応本編における最後の敵だが、物語中に伏線はあれど存在が語られる事は殆どない。
結構ポッと出のラスボスなのだが、終盤の熱い展開もあってか印象は強い方。


◆戦闘

遅れて駆けつけたシャドウと、コロニー最深部の用水路上の広場で戦う。
動きは遅く、噛み付きやエネルギーブレスといった力技が多く、負担が大きいせいかよく息切れを起こす。
この際、装置から口に伸びた管からエネルギーを供給している隙にグラインドで装置を攻撃する。
ブレスは徐々に速度が増すが、スピード慣れしたプレイヤーからすると寧ろスピードUpする前のブレスの方が避け難かったりする。

体力が削られるとホーミング機能を持った細胞らしき赤い球体を周囲に纏う。決してイクラではない。
息切れが無くなるため、球体をホーミングアタックで昇って装置を攻撃しなければならない。現代のソニックに比べて何がホーミング対象になっているか分かりづらく、連続でホーミングアタックを繰り出すとあらぬ方向へ飛んでいくこともある。ホーミング後にボタンを長押しすると高く飛ぶので、これを上手く利用するのがコツ。

最終盤は重力制御でもしたのか球体とシャドウを浮かせてくるが、慌てずにホーミングアタックで装置に狙いを定めること。
直ぐ突撃してもいいが、自信が無ければ球が減るのを待ってもいい。

ある意味バイオリザード自身より恐いのが、広場に開いた水路となる溝。ここに落ちるとほぼ確実に流されてミスとなるため、位置を覚えて飛び越える必要がある。

戦闘BGMは「Supporting Me」。
ややダーク曲調だが、戦闘場所のコロニー最深部の雰囲気に実に合っている。
シャドウの心情と思しきボーカルがあるが、聞き取り辛い。後年のアレンジ版では多少聞き取りやすくなっている。



失せろ!醜いサンプルめ!!



戦闘の末、シャドウによって生命維持装置を破壊され、地に伏せるバイオリザード。
ナックルズとマスターエメラルドの活躍でカオスエメラルドの暴走は抑えたが、バイオリザードはカオスコントロールで逃走してしまう。

次の瞬間、再び大きく揺れるコロニー。
エッグマンからの通信によれば、バイオリザードがエクリプス・キャノンの砲身にしがみつき、自らコロニーを引っ張って諸共地上に突っ込もうとしているという。


万策尽きたかに思えたが、諦めないソニックとシャドウ。
カオスエメラルドの力でスーパー化を果たした二人は地球を救うため、宇宙空間へと向かって行った……。





【ファイナルハザード】



THE FINAL HAZARD
THE PROTOTYPE OF THE ULTIMATE LIFE


最後の悪あがきなのか、それとも自分の使命感が強いのか、青く美しい地球に向かって落下するコロニーに瀕死の状態でありながらも寄生したバイオリザード。
それを阻止せんとスーパーソニックとスーパーシャドウは最後の戦いに挑む。

戦闘BGMは本作のメインテーマであるCrush40の「Live & Learn」。俗に言う「ラスボス戦がオープニング曲」の代表的な例の一つであり、展開の熱さはシリーズでも随一。
激しいながら明るい曲調で、絶望的な状況でもソニックとシャドウ、そしてプレイヤーを応援してくれているように聞こえてくる。
歌詞はソニックがシャドウに言葉を投げかけていると取れる内容で、気が向いたら和訳して歌詞の意味を楽しんでみるのもまた一興である。



◆戦闘



マリア……見ていてくれ……君の願いを叶える!


シャドウ……分かったよ。
もう誰もオマエを止めはしない。

とっととこのバケモノを倒して
みんなの待つ、あの星へ帰ろう!


相変わらず皮膚からはダメージを与えられないが、先のシャドウとの戦いで生命維持装置を破壊されてバイオリザードの肉体には相当な負担が掛かっており、身体のあちこちに赤い腫瘍が浮き出てくるため今回はそこが弱点となっている。
攻撃は無数の赤い球体とレーザーで、体力が減ってくると徐々に激しさを増す。

攻撃に当たると怯んでスタート位置まで戻されタイムロスとなるので要注意。
特にレーザーが避け難く、腫瘍目前で当たった時の苛立ちはハンパない。
しかし一定時間が経過すると、(腫瘍の位置が変わり場合も)攻撃方法が終盤以外はレーザーが消えて球体のみになるので、慎重にプレイするなら球体が減るまで待機しても良い。

またシリーズのお約束で、スーパー化を維持する為にリングを一定間隔で消費し続ける。
リングが0になる前に逆サイドへ移動して交代する*4か腫瘍を攻撃しないとミス。

尚、状況が状況なだけに制限時間は5分。
時間が経過するに連れて画面が徐々に摩擦熱で赤くなり、ソニック達やバイオリザードの前に摩擦が見えるようになって緊迫感を煽られる。
通信で聞こえる仲間たちとの熱い掛け合いもこの最終決戦の見ものの1つだが、悠長に台詞を聞いていると時間的にかなりギリギリな戦いになるので全ての掛け合いを見る難易度は高い。


尚、ソニックとシャドウ、どちらが止めを刺したかによって最後の台詞が変わる*5。ノーミスで一度も交代を行わなければ順番的にシャドウで締められる。




バケモノめ!パーティーは終わりだ!!

消えろ!プロフェッサーの邪念と共に!!






マリア……これで……いいんだろ……?




◆他作品でのバイオリザード

『ソニックX』ではSA2ベースのエピソード最終回となる第38話に登場した。
同作では4本足でエラもなく、回想シーンに映った50年前のコイツらしき生物もトカゲになっている。

SA2で倒されたゲストキャラのため、当然その後のゲームではあくまでSA2から出典の過去の敵としてのみ登場する。

『ソニックジェネレーションズ 青の冒険』では『白の時空』との差別化のためか抜擢され、ソニックが挑むボスとして登場。
戦法と攻略は概ね原作通りだが回転がかなり速くなっており、全速力で走らないと避けられない。その分恐怖の溝は無くなっている。

『シャドウジェネレーションズ』では最初のボスとして登場。
前と同じ戦法は通用しないと判断したのか、ワイヤーと細胞で形作った「腕」を駆使するなど、戦闘スタイルに変化がみられる。
シャドウの方は相変わらず醜い実験体呼ばわりだが、英語版では実験生物としての悲惨な境遇を理解してか「その苦痛を終わらせてやる」という一言がある。



追記・修正オ願イシマス……

他に遺すべきメッセージはあるか?

……アリマセン……

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ソニック
  • ソニックアドベンチャー2
  • バトル
  • 究極生命体プロトタイプ
  • バイオリザード
  • イクラ
  • ファイナルハザード
  • ×バイオハザード
  • キモいジジィ←3D
  • トラウマ
  • 良ボス
  • トカゲ
  • 大気圏
  • ソニックシリーズ
  • ソニック・ザ・ヘッジホッグ
最終更新:2024年12月13日 15:33

*1 ヒーローストーリーだとソニックが偽エメラルドを使ってキャノンを破壊するが、これは起きなかった前提で話が進む

*2 マリアを「自分の生きる意味」とする程に溺愛していた一方、2人の息子とは疎遠になっていた模様

*3 ブラックアームズとのコンタクトより先に制作されているが、ジェラルドは既にカオスコントロールの研究を進めていたのでそれを応用したか、後にブラックドゥーム由来の細胞等が組み込まれて使用可能になったかは不明

*4 「交代している間に宇宙空間にあるリングを回収している」という設定となっており、従来作品と違ってリング回収のアクションはない。

*5 この「ボスに止めを刺したキャラによって台詞が変わる」という仕様は続編にあたる『ヒーローズ』でも採用されており、ボスごとおよびキャラごとに全て違う台詞(使い回し無し)が用意されているという徹底ぶりである。