カンノーロ・ムーロロ(ジョジョの奇妙な冒険)

登録日:2013/10/03 Thu 18:02:10
更新日:2025/05/03 Sat 00:55:22
所要時間:約 3 分で読めます





そいつはオメーが心から、自分がムーロロさんにはかなわないから、尊敬を込めて懇願しているのか、


それとも単に、どーでもいいヤツに適当に"やって当然だろ?"みたいなナメた態度で言ってるのか──


【概要】

カンノーロ・ムーロロとはジョジョの奇妙な冒険の外伝小説「恥知らずのパープルヘイズ」に登場する人物。
1930年代のギャング映画のテンプレみたいな格好のギャング。32歳。

名前の由来はシチリア島発祥のお菓子。映画「ゴッドファーザー」でも有名。

情報分析チームの一人で、かつてペリーコロが焼却した写真を復元してギアッチョに渡した為、
組織内で信頼を失い、フーゴシーラEと共に麻薬チームの抹殺任務に組み込まれた。
この件が原因でギアッチョと戦ったミスタに根に持たれている模様。
単にミスタも性格上冗談混じりでつっついてるのかも知れないが。

チーム内の立場では一番上。これに非常に拘っており、口調も合わさってとっても小物臭が漂っている。
妙に語尾を延ばす癖がある。


【作中の活躍】

<見張り塔>の能力で、麻薬チームの足取りを追跡。

タオルミーナでは麻薬チームリーダーのコカキが出てしまい、フーゴはいきなり戦線離脱。遅れて合流したシーラEもコカキの能力によって戦闘不能と化し、絶体絶命のピンチに陥ってしまう。
ここで、ディアボロと暗殺チームが互いに殺し合うよう仕向けた張本人であることがコカキによって明かされる。
どちらが勝っても自分の得になるよう立ち回っていたことが明らかにされた。
つまりソルベが輪切りになったりジェラートが猿轡飲んだのはこいつのせい。
この性質からコカキからも「貴様の様なヤツが世界を歪ませる」と忌み嫌われていた。

コカキは結局フーゴに倒されたが、彼はコカキの能力の術中に嵌り手が出せなかったこともあり、役に立たなかった。

コカキ始末後、シラクサ行きのヘリコプターを手配するが、これが逆にナイトバード・フライングの強襲を許してしまい、ヘリは墜落。

シーラEはフーゴの機転によって目覚めるものの、ムーロロは泡吹いて気絶していた上に救出する暇も無く、そのままヘリと運命を共にした。


【スタンド】


スタンド名:『劇団<見張り塔>』
トランプの姿をしたスタンド。
ミスタの『セックス・ピストルズ』のようにそれぞれが自我を持っている。
拍手で機嫌を取ってやらないといけないのも良く似ている。

◆能力

トランプの劇団による公演の形で「予言」を行い、敵の位置などを見破る。
スタンド一体一体のプライドが高く、彼自身のように序列にこだわるため、いつも劇の途中で喧嘩になり、幕を閉じる。
ただし劇中2回行われた「公演」ではいずれも「最後に残った一枚がキーワードを言って事切れる」という描写になっているため、本当に喧嘩をしているのではなく演劇自体がそういう筋書きになっているだけの可能性もある。



そいつはオメーが心から、自分がムーロロさんにはかなわないから、尊敬を込めて追記しているのか、

それとも単に、どーでもいいヤツに適当に"やって当然だろ?"みたいなナメた態度で修正してるのか──その辺を明確に言ってもらおうか
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【以下、ネタバレ】




──初めて"この人にだけは失望されたくない"と心の底から思った。




──オレは恥ずかしかった。

自分の薄っぺらな根性がすべて見透かされたことに猛烈な羞恥心を覚えた。
それは初めての気持ちだった……

"恥"の感覚。

それはオレにとって、人生で初めての"熱さ"だった。
その気持ちに出会うことをオレは、虚しい生活の中でずっとずっと待っていたのだ。




実はフーゴ達やマッシモ達にバレない様、ヘリから密かに脱出しており、
かつてナチスが不死実験に使用した、麻薬チームの切り札である石仮面の回収へ向かったビットリオを尾行。

彼の本当の目的は石仮面の破壊
「過去の因縁」によりSPW財団や空条承太郎を無用に警戒させてしまう恐れがある為、直接手が出せないジョルノの代理人。
石仮面の場所を特定する為、あえて麻薬チームを泳がせておいたのである。

「潔癖の証明から任務に組み込まれた」という経緯もこの為の隠れ蓑に過ぎない。


【人格】

立場や見栄を気にするのは表向きの演技であり、本質的にはそれらを下らないものとしか思っていない虚無的な人間。

嘗てディアボロを暗殺チームと対立させた理由は、
「自分のスタンドならその気になれば誰でも殺せる」「他人のために神経をすり減らすなんて馬鹿らしい」と言う慢心から。

この薄っぺらな本性はジョルノに見抜かれ、「皆を裏切ってきたのではなく、誰にも相手にされてなかっただけ」「その無敵さは無駄でしかない」「無駄無駄無駄…」と洗脳…もとい指摘された結果、初めて「恥」を知り、
この「恥」からンドゥールの様にジョルノに心服し、汚れ仕事や今回の様なジョルノが手を出せない重要任務を請負っている。

後述のビットリオに対する対応やミスタへの素直な敬意も、ジョルノに性質を見抜かれたことによる心境の変化だと思われる。


【作中の活躍】

ビットリオを利用して石仮面を強奪・破壊。
直後に激昂したビットリオとの戦闘になるが、能力の相性差から攻撃をほぼ無効化
マッシモは抹殺リスト最上位・アンジェリカは長くないと理由から除外していたが、
ビットリオは"生かしてもいい"と言う理由から懐柔しようとする。

結局聞き入れなかったビットリオと再度戦闘になる──
───が、ムーロロはただ立っているだけであった。彼が自滅するまで。


仲間を「裏切らなかった」ビットリオに対する敬意からか、彼の亡骸に一礼し、任務を終えたフーゴ達と合流した。
この時は小物ぶった性格ではなく、本来の冷静かつ余裕のある性格で接していた為、シーラEに以前と全く違う印象を与えていた。
ちなみにこの時にシーラEの負傷を確かめる為に身体をまさぐった。緊急時とはいえ、ちょっと羨ましい。


アニメ版第五部では、彼の代わりに同じ情報分析チームと思わしき闇技術者が登場し、リゾット拷問されながらも写真の燃えカスを修復していた。
整合性をとるなら、ムーロロの部下と考えるのが妥当な所か。
ギアッチョに頼まれて闇技術者を仲介した(=仲間を売り飛ばした)のかもしれない…。
ジョルノに出会う前の彼とは言え、コカキが言うことももっともな外道である。 

【スタンド(真)】



劇団<見張り塔>──と言うのは仮初めの名だ。本当は"暗殺団"なんだよ
それが我が<オール・アロング・ウォッチタワー>だ



スタンド名:『オール・アロング・ウォッチタワー』

破壊力-C
スピード-B
射程距離-A
持続力-A
精密動作性-A
成長性-E

実際はトランプと一体化した群体・遠隔操作型スタンド。
この事実を知っているのは本人とジョルノのみ。

名前の由来はボブ・ディランの楽曲『All Along the Watchtower(邦題:見張り塔からずっと)』から。
ジミ・ヘンドリックスをはじめニール・ヤング、プリンス、エリック・クラプトンと言った多くのアーティストにカバーされている。

◆能力


自分でも自分を信じていない。だから能力もバラバラに分裂している。人生と世界にひとつの確固としたものがあるとは思っていない──


群体・遠隔操作型と思えないほどスペックが滅茶苦茶高い。
「自己が分裂している」という感覚が根底にあるからか、53体の全てが人間並みのパワーと人格・知能を持ち、本体の身代わりになることもできるという無法っぷり。
暗殺・情報収集・直接戦闘全てに使える能力であり、前述の「千里眼」も単純にカードを使って情報収集を行い、その報告をさせてるだけである。
加えて「トランプの一枚一枚が自身へのスタンド攻撃を肩代わりする」というデタラメな防御能力のため、直接殴る以外の搦め手は、ムーロロに届く前に53分の1に軽減されてしまう。

敵からすれば、まさしく54人の暗殺団を相手にするようなものである。

ナイトバード・フライングの能力を緩和出来たのもジョーカーのカードを身代わりにしていた為。
嘗ての慢心もこれが由来だろう。
ただし、コカキのスタンド相手には流石のムーロロも焦っていた。これが演技だったのかは不明。

なお、上述した通りこのスタンドは53体から成る─すなわち、ジョーカーは一枚しか存在しない。
特に理由はないのかもしれないが、ムーロロが「自分も暗殺団のうちの一枚に過ぎない」という意識を抱いており、彼自身がもう一枚のジョーカーに相当するという解釈もできるだろう。


ちなみに本作では、群体型スタンドは本体の何らかの精神面の欠落が発現のトリガーになってるという説が提唱されている*1
とはいえ別に群体型でもないビットリオのスタンド相手にも「お前もそうだろう」と精神の欠落を指摘している辺り、
あくまで本作の解釈においても絶対のルールではなく「そういう精神的傾向があるかも」というムーロロが信じているだけの説である。
群体型が必ずしも欠落を抱えていると断定しているわけでも、非群体型は特に欠落が無いタイプと断定しているわけでもないのであしからず。


●台詞

  • そいつはオメーが心から、自分がムーロロさんにはかなわないから、尊敬を込めて懇願しているのか、
    それとも単に、どーでもいいヤツに適当に"やって当然だろ?"みたいなナメた態度で言ってるのか──その辺を明確に言ってもらおうか

  • えー、えへんえへん

  • アブねーなあ、なんかオメーはアブねーよ。視野が狭いっつーのかよぉー。今回みたいな隙のない敵を相手にできんのかよ?

  • 適当じゃねーよッ。ちゃんと地名を告げたろーがッ。コカキたちが潜伏してる場所はコレでわかったぜェーーッ

  • そりゃあオメー、ヘリコに決まってんだろ。ヘリコプターだよヘリコプター。

  • "永遠"か──ジョルノ様は俺に言ったよ。
    "永遠も絶対も、この世に存在しない。そう見えたとしたら、それは偽りの幻想に過ぎない"とな──

  • 石仮面の破壊。それがオレの本当の任務──わざとコカキたちを泳がせていたのもそのためだ。
    おまえたちがオレをこの隠し場所に案内してくれるのを待っていたのだ

  • 能力というのは、本人の性格を反映する。精神が変化すれば、能力も変わるんだよ



山となって倒れたカードの上で、ハートの4がよろけながら立ち上がり、

『……"追記・修正"……』

そう言い遺して、ぱったりと倒れた。

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最終更新:2025年05月03日 00:55

*1 目先の金銭欲で友人を裏切る、目的のため必要な手段に一切の躊躇をもたないなど