擬態天道総司/仮面ライダーダークカブト

登録日:2009/06/27 Sat 21:37:30
更新日:2025/08/05 Tue 17:19:35
所要時間:約 4 分で読めます






ほぅ…まだこの世界をうろついていたのか。

僕は……ふ…2人も、いらない…!

おばあちゃんが言っていた。太陽が素晴らしいのは、塵さえも輝かせる事だ。

塵になるのは…キミだァァァァァッ!!


擬態天道総司とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーカブト』の登場人物。

演:水嶋ヒロ


概要

渋谷隕石が落ちた跡地「エリアX」最深部に幽閉されていた、「ネイティブ」の青年。
ハイパーゼクターの実験体にされており、そのせいなのか、それとも元々なのかは不明だが、時空の狭間と現実を行き来する能力を持つ。

劇中では最初から最後まで天道総司の姿に擬態しており、本来の姿は不明。
後述の通り擬態先の天道の記憶を部分的に持つが、性格は本人とは全く似ておらず、
振る舞いや言動はまるで無邪気な子どものようなもので、一人称も「僕」。
一方で無邪気故に短絡的な面や残酷な面も見せる。


劇中での活躍

ハイパーゼクターの被検体として鉄仮面を被せられ、両手両足には鎖を繋がれて拘束されていたが、
偶然が重なって日下部ひよりに仮面を外されると同時にハイパーゼクターが暴走。
転移させられた先の時空の狭間を、ひよりと2人で彷徨うことになる。

擬態先である天道の記憶を部分的に引き継いでいたこともあって、同行するひよりを守ろうとするが、
同時に彼女に強い執着心を抱き、ひよりを追って時空の狭間に現れた天道と対立。仮面ライダーダークカブトに変身し交戦する。

この時は、自分が人間ではなくワーム(ネイティブ)であることを知ったひより自身が現実逃避していたこともあり、
ひよりも天道と共に現実世界に戻ることを拒んだことで、天道を追い返すことに成功。
しかし、擬態天道は天道を追い返しただけで良しとせず、現実世界まで天道を追跡・抹殺しようとするが、
最終的には加賀美の説得などもあって立ち直った天道/仮面ライダーハイパーカブトの力の前に敗北。
一度は現実世界に現れたひよりによって庇われ、時空の狭間に撤退することができたものの、
時空の狭間への入り口を見つけ、現れた天道の説得にひよりが応じ、現実世界に戻ることを決意。擬態天道はまた一人となってしまう。

自分を拒絶したひよりに強い憎しみを抱いた擬態天道は、彼女ごと世界を滅ぼすことを決めて現実世界に現れるが、
結局ひよりに怪我を負わせ、気絶させはしたものの命までは奪えず、その後の天道との決戦でも完敗を喫し、ZECTに再び実験体として回収される。

そしてこの時、根岸の発言によって擬態天道は人間をネイティブに変貌させる技術の実験体であったことも判明。
擬態天道は生まれつきのネイティブではなく、元々は人間であったのだ。
つまり、仮面ライダーダークカブトは、平成以降の仮面ライダーでは『ビルド』まで数えるほどしかいない改造人間の仮面ライダーである。

しかし、実験体として囚われていた擬態天道を、ネイティブの真の目的に気付き、彼らに反抗する天道が救出。
彼に助けられたことと、「自由に生きろ」と諭されたことで心境の変化が生じたのか、
擬態天道は自分を利用し続けたネイティブに反旗を翻し、ダークカブトに変身して根岸と三島正人を襲撃するも、
既に人間を捨ててネイティブとなり、グリラスワームの能力を得た三島に完膚なきまでに叩きのめされて敗北し、気絶。
そのまま回収され、三島と根岸達が推し進める『全人類ネイティブ化計画』のパーツとして利用される羽目になってしまう。

その後、加賀美/仮面ライダーガタックと天道/仮面ライダーカブトによって三島/グリラスワームは倒され、その計画も阻止されるが、
闘いの余波によって『全人類ネイティブ化計画』の要である電波送信施設が爆発・炎上。
自分を助けようとする天道の呼びかけにも、擬態天道/ダークカブトは気絶したまま応えず、
やがて、潮時と判断した加賀美によって、天道は爆発する送信施設から彼と共に撤退させられ、
その人生をZECT、ひいてはネイティブに利用され続けた青年は、ネイティブの野望と共に炎の中へ消えた。


そして、なんとか送信施設から脱出したカブトとガタックを、野望を阻止されて激怒する根岸がネイティブの姿に変身して襲い掛かるが…

うおおおおおおっ!

そこに、炎上する送信施設の爆炎の中からダークカブトが叫びながら現れ、根岸に組み付いた。
虚を突かれたように呆然と自分を見つめるカブトに、ダークカブトは「僕達の世界を頼む」という遺言を託すと、
自分を散々利用し続けた者の一人である根岸を道連れに炎の中へと突進し、その命を散らせたのであった。

カブト!この世界を、頼んだよ…。僕達の…世界を!



【仮面ライダーダークカブト】



変身……!

HENSHIN

キャストオフ……!

CAST-OFF

CHANGE BEETLE!!


主なスーツアクター:高岩成二、渡辺淳

擬態天道がダークカブトゼクターで変身するマスクドライダー。
カブトの試作型として最初期に作られたライダーで、シルエットやスペックは仮面ライダーカブトと同じだが、
「ダーク」と名前が付いているように装甲は赤ではなく黒で、複眼の色も青ではなく黄。
更に胸、背中、肩の各種装甲には赤色の回路が走っている。
変身時の音声の綴りも同じだが、こっちは若干くぐもった音程で人によってはカブトより野太く聞こえるかもしれない。

必殺技はカブトと同じくライダーキック

ハイパーフォームに変身出来るかどうかは不明だが、ハイパーゼクターの実験素体に使われていたことから恐らく変身可能だと思われる。

当初の予定としては映画『劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』にボスとして登場する予定だったらしい。
その名残なのか、使用している武器は仮面ライダーヘラクスなど劇場版のマスクドライダー達が使用している「ゼクトクナイガン」となっている。


余談

「ダーク○○(ライダーの名前)」といった名前はこのダークカブトが初めてあり、ここから『ダークライダー』という存在が確立されていく。
ダークライダーとして初めて本編に登場したが*1、本編での扱いは残念ながらあまり良いとは言えず、初戦でカブトに勝ったぐらいしか活躍に恵まれなかった。
一方で如何にも邪悪そうな見た目や名前とは裏腹に、変身者は悪人というわけではないという斬新な設定は視聴者の間では語り草になっている。

放送中に発売されたPS2のゲーム版にも登場するが、本編とかなり性格が異なっている(一人称も「」)。
これは本編でのキャラクター設定がまだ固まっていなかった時期にゲームの開発が行なわれていた都合によるものである。
言動が色々と凄いので、ゲームを買うか、各動画サイトで調べてみよう。

また、必殺技のライダーキックも回し蹴りや飛び蹴りではなく、

くるっと回って踵落としで相手をしゃがませる→コード入力で足にパワーが溜まる→そしてそのまま踏みつけ

という派手なものになっており、「本編でもこちらの方が見たかった」という声も多い。

ちなみにオープニングムービーでは本編未登場のダークエクステンダーが映る。


まだだ…まだ追記・修正し足りない!

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最終更新:2025年08月05日 17:19

*1 『カブト』以前には映画『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』に登場した仮面ライダーリュウガぐらいしかいないのだが。