三島正人

登録日:2022/06/16 Thu 18:34:47
更新日:2025/08/01 Fri 20:07:27
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「私のやり方はわかっているはずだ。利用できるものは、すべて利用するとな」

三島(みしま)正人(まさと)は特撮テレビドラマ『仮面ライダーカブト』の登場人物。

演:弓削(ゆげ)智久


【概要】

ZECTの幹部の一人で、総監を務める加賀美陸の側近である男性。普段は眼鏡を着用しているが、激怒すると地面に叩きつける癖を持つ。

幹部ということもあって、戦闘力はかなり高い…というかZECTでは最強と言っても過言ではない。
第16話では影山瞬に戦い方を教えるべく、空を飛びまわるザビーゼクターを垂直飛びで強引に捕まえ、仮面ライダーザビーに変身した。
なお、この時ザビーゼクターは明らかに三島の背丈の2、3倍以上の所を飛んでいた。あんたの身体能力どうなってんだ。
そして、フォルミカアルビュスワーム通常のパンチだけで撃破。矢車及び加賀美時代以上の活躍を見せたザビーに多くの視聴者が驚いた。そしてこれがザビーの活躍のピークとなった。
なお、三島が仮面ライダーに変身したのは後にも先にもこの一度のみ。少なくともマスクドライダーの資格者になり得る実力を持っているが、資格者になる気がないのだろう。

理由は不明だが味覚を失っているらしく、食事はサプリメントで済ませている。そんな食生活であんな戦闘力が…
後の伏線になりうる設定だったが、特に回収される事はなかった。


【人物像】

ZECTに忠実で、粛々と任務をこなす仕事人間。
現場にはほとんど出向かず、「マスクドライダー計画」関連の仕事や「エリアX」でのハイパーゼクターの実験などの重要な任務を遂行することが多い。
しかし、お世辞にも人格者と言える人柄ではなく、冒頭の台詞にある通り「利用できるものはすべて利用する」主義の持ち主。

そのため、目的の為なら手段を選ばない冷酷な一面を見せることが多く、具体的な例を挙げると、
仮面ライダードレイクの資格者である風間大介をZECTに従わせるため、彼の助手のゴンを人質にしようとしたり、
「倒したワーム一体につき120万円の報酬を渡す」という条件で契約していた神代剣を、仮面ライダーガタック誕生直後に用無しとして一方的に打ち切ったり、
天道総司/仮面ライダーカブトにハイパーゼクターを渡したくないあまりに、ハイパーゼクターそのものを破壊したりしている。

その他、人類の敵であり、敵対しているはずのワームとも利害が一致すれば結託することも厭わないなど、
その有り様は、「人類を守る者」というより「ZECTという組織を存続させようとする者」である。

また、自身のみならず部下にもストイックで、高鳥蓮華のようなZECTの訓練生は干飯しか食べられなかったらしい他、
ザビーの資格者に選ばれたものの、失敗を繰り返した矢車や影山を最終的には冷徹に切り捨てているが、
こうした数々の非情な行為が仇となり、影山や蓮華がZECTを離脱するきっかけを作ってしまった。
カブトの資格者でありながらZECTには全く従おうとしない天道のことも露骨に嫌っているが、
一方で彼や彼の変身する仮面ライダーカブトの能力は評価しており、「シャドウ」の隊長や「エリアX」の司令官に任命している。


【劇場版では】

本編同様陸の側近だが、この作品の陸は悪役なので、完全に天道達と敵対している。
出番は少なめで、歴史改変直前の同行は不明。

以下、テレビ本編のネタバレ注意






















物語終盤、ワームがほとんど殲滅されると、にべもなくZECTを解散しようとする加賀美陸に反感を抱き始め、
陸の協力者である「ネイティブ」のリーダー・根岸と接触した三島は、彼の「全人類ネイティブ化計画」について知ってしまう。

頼みの綱であったカブトとガタックの暴走スイッチ(赤い靴)も既にネイティブたちにバレていると知った三島は、
もはや事ここに至っては人類に勝機は無いと判断し、人間側からネイティブ側に寝返った

そして、根岸の協力も得て自らZECTのトップに就任すると、人類の未来のために組織に残ろうとする陸を嘲って暴行し、彼を容赦なく更迭。
さらに、根岸の『全人類ネイティブ化計画』のキーアイテムである、人類をネイティブ化させるネックレスによって自らもネイティブとなり、
劇中に登場するワーム・ネイティブの中でも最強クラスのパワーを持つグリラスワームへの変身能力を得る。

三島が変身するグリラスワームの力は圧倒的で、カブトやガタック、ダークカブトら仮面ライダーたちを凌駕する戦闘力を見せたが、
最終決戦ではカブトとガタックの連携の前に破れ、彼らのダブルライダーキックによって撃破される。
この戦闘の余波で、人類ネイティブ化計画の要であった電波送信施設*1は爆発・炎上した上に、
かろうじて脱出していた根岸も、疲弊したカブトとガタックに襲い掛かったところをダークカブトによって道連れにされる形で死亡。
こうして、三島が加担したネイティブの計画は、三人の仮面ライダーたちによって完全に頓挫させられたのであった。


【グリラスワーム】

身長:225.0cm
体重:134.0kg

ネイティブと化した三島が変貌した姿。モチーフはコオロギ
「グリラスワーム」という名前だが、上述の通り変貌後の三島はワームではなくネイティブである。ややこしい
左腕の巨大な鉤爪と右腕の円形の爪、両肩から伸びる触手を武器とする。
三島曰く「最強のネイティブ」で、劇中ではダークカブトを変身解除に追い込み、擬態天道を血だらけにした他、
ハイパーカブトのパーフェクトゼクターによる一撃を受け止め、逆にへし折るといった活躍を見せている。
だがガタック最強攻撃と名高いガタックカリバーのブーメラン攻撃には為す術なく肉体を切り裂かれていた。

また、『小説 仮面ライダーカブト』においては、鉤爪がカブトのハイパーフォームやパーフェクトゼクターの構成金属と同じヒヒイロノオオガネ製であることが語られていたりと、
ネイティブの一個体として見ると、何かと異質な面が散見される。
しかし、『仮面ライダージオウ』に登場した別個体は『カブト』程の強さは見せず、仮面ライダーゲイツと仮面ライダーウォズの連携攻撃に敗れていることから、
「強いのはグリラスワームではなく三島本人だったのでは?」と言われている。
もっとも、この個体はネイティブ種ではないので一概に比較できないが。


【余談】

演者の弓削智久は、『カブト』の前には由良吾郎役で『仮面ライダー龍騎』に出演していた他、
後年の『仮面ライダー鎧武』では阪東清治郎、『仮面ライダーアマゾンズ』で下霜草司を演じた。善人と悪人を繰り返している

実は当初は矢車と共にホッパーコンビになる予定だった。

TV本編ではラスボスとなって最終的に倒されたが、劇場版では敵陣営ではあるものの倒されることなく最後まで生存している。
劇場版で死亡してもTV本編で生存するキャラは多いが、三島のように劇場版で生存してTV本編で死亡するキャラは珍しかったりする。



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最終更新:2025年08月01日 20:07

*1 人類に配布したネックレスの力を増幅し、ネイティブ化を促進させるもの