J・ガイル(ジョジョの奇妙な冒険)

登録日:2010/07/26 Mon 18:41:30
更新日:2025/06/28 Sat 03:02:27
所要時間:約 4 分で読めます





おまえの妹はカワイかったなぁポルナレフ………
妹にあの世で再会したのなら聞かせてもらうといい………


どーやってオレに殺してもらったかをなぁああああ~〜〜ッ



J・ガイルとは、ジョジョの奇妙な冒険第3部『スターダストクルセイダース』の登場人物。
CVは、千葉繁(ドラマCD版)、麦人OVA版)、安原義人(PS版ゲーム)、立木文彦ASB)、桐本琢也(テレビアニメ版)。
名前の由来はJ・ガイルズバンドから。



【概要】

タロットカードの暗示を示すスタンド使いの一人で、両右手の男。今でもたまによく起こる、「両手が右手になってしまう」作画崩壊が確認されると確実に引き合いに出される。
タロットチームの黒幕であるエンヤ婆の息子である。

顔はハゲ頭で、顔中ブツブツだらけで歪んだフェイスラインを持つ、醜悪な容貌をしている。正直母親には全然似ていない。
当初は飾りの着いたハンチング帽のような帽子を被っていた。

性格は陰湿で下劣極まりなく、目的を遂行するために無関係の人間を人質に取るというゲスっぷりを見せた。
快楽殺人鬼であり、物語開始より3年前にポルナレフの妹・シェリーの命を奪った張本人。
なお、作中で明言されているわけではないが、ポルナレフ曰く「辱めを受けた」らしいこと
カメオによって蘇ったシェリーの姿が全裸であることなどから強姦殺人であったと推測できる。
そこ、カメオが服作り忘れてたとか言わない*1

救いようのないゲス野郎だが、実の親であるエンヤ婆からは「心の清い息子」という真逆の評価を受けている。
おそらく身内にだけは優しい性格であったか、またはエンヤ婆の前では猫を被っていたのだろうと思われる。
エンヤ婆自身がDIOを崇拝するようなやつだから「心の清い息子」の基準が一般人と違うだけかもしれないけど。


【劇中での活躍】

ホル・ホースと共にジョースター一行を急襲し、ポルナレフを庇ったアヴドゥルを撃破。
逃走するポルナレフと花京院を追跡し、攻撃を防げないよう子供の目の中に入り込んでポルナレフを襲った。
しかし子供の目に砂をかけたことで目が閉じられ、それにより移動してくる軌跡を読んでいたポルナレフに斬られ、重傷を負う。
居場所もばれてしまい、倒されるのは時間の問題と思われた。

しかしこのJ・ガイルはとんでもなくゲスだった。
彼はその辺にいた貧民(アニメではたまたま村を訪れていた流れ者の旅人)に自分が切られた場所と同じところに同じ傷をつけ、自分の帽子を被せ、身代わりとしたのである。
さらに弱点を克服するため、その辺にいる村人たちを呼び寄せ、彼らの目から目へと移動しながらその軌跡を分からなくしたのである。
だが、花京院が取り出した「顔が映るほどのピカピカのコイン」に村人たちの目は釘づけになってしまい、再び軌道が固定されてしまい、レイピアの一閃を喰らって戦意を喪失してしまう。


泣きわめくのがうまいのはてめーの方だな J・ガイル!
これからはてめーは泣きわめきながら地獄へ落ちるわけだが
ひとつだけ地獄の番人にゃ まかせられんことがある…

それは!『針串刺し』の刑だッ!

この瞬間を長年待ったぜッ!


そして最期はラッシュからの舌を刺して放り投げて門扉の鉄柵に全身を貫かれて死亡。
自身を暗示するタロット「吊られた男」と同じように、逆さづりの状態になって果てた*2
アニメでは逃走するも門扉が開かず逃げ場を失い、追い付いたポルナレフ達に恐怖に怯えるシーンになっている。


あとは閻魔様に任せたぜ

これが本当の『吊られた男』か… 真底クズ野郎だったな


この直後、コンビを組んでいたホル・ホースが追い付いたが、J・ガイルが死んだとは露ほども思わなかった彼は、そこら中のガラスを撃ちまくるという曲芸を見せる。
事実を知った後は一目散に逃走を図った。



【スタンド:吊られた男(ハングドマン)


おい…ホル・ホース 撃て……

このアホをとどめるとしよう!

破壊力……C
スピード……A
射程距離……A
持続力……B
精密動作性……D
成長性……D

タロットカード大アルカナ12番目「吊られた男」の暗示を持つ。
全身に包帯を巻いた、ガリガリのミイラのような像を持つスタンド。
何気に第3部敵の中で、最も「人間」に近い容姿を持つ。

能力

特性はやガラスといった、物体を映す世界の中にだけ存在し、そこから攻撃を仕掛けること。
攻撃手段は手首に装着した出刃。武器を使った攻撃のため、遠隔操作型のスタンドながら直接人を殺せるだけの殺傷力とパワーは確保されている地味にズルい仕様*3

当初はポルナレフやホル・ホースから「鏡のスタンド」と形容されたが、どちらかといえば」に似た性質を持つスタンドといえる。
鏡像の中の『吊られた男(ハングドマン)』が動いても、現実世界には影響はないが、物体に写った者が切られると、現実の肉体も同じように切られる。
物体に攻撃してもスタンドにダメージはないどころか、物体を粉々に破壊するとそれだけ写るものが増えてしまい、逆に攻撃の機会や移動の選択肢の幅を与えてしまうことにつながりかねない。
そのため自身は全く攻撃されることなく、一方的に敵を嬲り殺しにできる、暗殺や防御に関してこと秀でた能力を持つ。

弱点は物体から物体へは反射を行うことで移動するため、その一瞬だけは現実世界へ出なければならない事。
光速で動くため捉えることは難しいが、軌道は一直線であるため、その軌道を読んで攻撃することは可能。
移動は本体の任意で行うが、映っている世界が破壊された場合(=物体が何らかの理由でブラック・アウトした場合)は、強制的にその先にある物体に移動させられる。
そのため出待ちに弱い……とは言ったものの、移動の原理を見破っても光の速さで移動する『吊られた男(ハングドマン)』を捕らえられるだけのスピードがスタンドになければどうしようもない。
おまけに写る物体が多い場所、大勢の人がいる場所などで戦うことで、その軌道を読めなくすることが可能。J・ガイルも自身の弱点を十分理解した上で戦術を練っている。

しかし周囲に反射物が無ければ移動も攻撃もできないし、反射物を破壊して反射角を変える・逆に攻撃対象を反射角内からはじきとばすなどすれば攻撃を回避できる。
さらに移動速度は速いが攻撃速度はかなり遅いため、一度捕捉されてもけっこう簡単に逃げられる。
そのため単独で戦うよりも前衛に立った味方を援護するほうが得意
味方に反射物をバラまいてもらえば移動・攻撃範囲の狭さをフォローしてもらえ、さらに攻撃を引き付けてもらって不意打ちを狙うことで攻撃速度の遅さをカバーできる。
回避力の高さもあって味方と干渉しあうということがほぼなく、お互い邪魔しあわず存分に全力で戦うことが可能なのも強み。
作中ではホル・ホースと組んで後方から援護することで互いの強みを存分に引き出し、アヴドゥルを撃退してみせた。

なお、作中で花京院が『吊られた男(ハングドマン)』の能力に言及した際に「鏡に「中の世界」なんてありませんよ…ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから」と発言しているが、第5部「黄金の風」で「鏡の中の世界」を行き来するスタンド『マン・イン・ザ・ミラー』が登場している。
花京院、イルーゾォともに死亡してしまっているため叶わない事だが、この2人が相対した場合に花京院がどう反応するかはしばしばネタにされる。

また劇中にて初めて言及された際に、シェリーの同級生の証言として「シェリーを襲った際、透明の膜があるかのように雨がドーム状に避けていた」という旨のあまり能力と関係なさそうな描写があった事も時折語り種となる。
劇中特に説明はされていないが、J・ガイルが能力を使うために現場に鏡を持ち込んでおり、事件を目撃して動揺した同級生がその鏡に映ったJ・ガイルの鏡像を本人と見間違えた、辺りが落とし所としては無難か。
その場合「両右手」じゃなくて「両左手」に見えたんじゃないのかという新たな問題も出てくるのが唯一の困りどころ。鏡だけでなく左右も見間違えた?



ゲームでの扱い】

ホル・ホースとコンビを組んだ状態で登場する。
水たまりから出てきたり、ホル・ホースが割ったガラスの中から相手プレイヤーに攻撃を仕掛けるが、その火力は桁外れに高く、即死コンボにつなげることもできる。
なおこの際、「悔しいか?」と声をかけるモーションがあるが、そのセリフが「イワシ」と聞こえることから、J・ガイルのことを「鰯」と呼ぶ者も多い。
「未来への遺産」ではJ・ガイル自身はホル・ホースのOPのみに登場するが、PS版初代ではスーパーストーリーモードにて死亡シーンが再現されている。

やはりホル・ホースとコンビを組んだ状態で登場。
コマンド技「オレたちにかかってこいよ!」でホル・ホースが作った水たまりから、相手の足元めがけて攻撃する「J・ガイルのだんな!」で出現する。
また、GHA「このホル・ホースがあんさんを始末するからな」では、原作でアヴドゥルを刺したシーンの再現で登場する。
やっぱりというか、PVでの犠牲者はアヴドゥルだったとか。




冥殿はおまえのために項目を立て逃げした
でも悲しむ必要はないな 喜ぶべきだと思うぞ……

すぐに追記・修正できるじゃあないか…

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最終更新:2025年06月28日 03:02

*1 ちなみに、同じく蘇ったアヴドゥルは服を着ていた。

*2 片足から頭部まで鉄柵に刺された状態

*3 武器抜きでも車の窓ガラスを殴り割ったりポルナレフ(屈強な成人男性)を拘束して動けなくさせるだけのパワーは持ち合わせている。『デス13』や『マン・イン・ザ・ミラー』がそうだったように、人間はスタンドに一切抵抗できないため、一度スタンドに拘束されてしまったら基本的に脱出不能≒敗北であることを考えると『ハングドマン』が武器を持つ意味は実はあまり無い(せいぜい殺傷までの手間短縮ぐらい)