カメオ(ジョジョの奇妙な冒険)

登録日:2014/01/30(木) 09:22:35
更新日:2025/04/20 Sun 10:48:28
所要時間:約 4 分で読めます






Hail 2 U!(君に幸あれ)

ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース』の登場人物。
CV:高木渉PS版ゲーム)、大友龍三郎ASB)、有本欽隆(TVアニメ版)。

目次

【概要】

DIOに雇われたスタンド使いの一人で、紅海の小島で待ち構えていた。

……のだが、後述するスタンドが登場する場面の方が圧倒的に多く、「本体」がまともに登場したのは2ページだけ
尤も、他に一言しか喋らなかった敵もいるので問題ない。

ロン毛だが惜しいかな、頭頂部は寂しい。何気に外見がかなり世紀末な格好をしている。

名前の由来は、アメリカのR&Bバンド「キャメオ」。


【スタンド】



3つ! 3つだッ!

願い事をいえ! かなえてやろう!
おまえの望むものを3ついえッ!!

スタンド名:審判(ジャッジメント)
破壊力:B
スピード:B
射程距離:C
持続力:B
精密動作性:D
成長性:D


スタンド像は数あるスタンドの中でも特にロボットらしい外見をしている。
手の指は三本であり、関節部分などにもそれらしい機構が搭載されていたり、破壊すると内部にあった歯車なども出てくると最早完全なロボットである。
アニメでは動く度に機械の機動音が出るので益々ロボットらしさが出ている。

分類は劇中では近距離型パワースタンドだと言われているが、割と射程距離が長い*1ことから、女教皇ホワイトスネイクのように、距離が離れてもそこそこ戦えるタイプなのかもしれない。
詳しくは余談の項目を参照。

◆能力

能力は「ターゲットの『願い』を土に投影し、実体化させる」
例えば「金がほしい」と願うと金銀財宝が具現化し、「〇〇(人物)に会いたい」と願うと例えそれが死人であっても現れる。
あくまで土で出来た幻なので壊れると土になる。しかし、壊れなければ本物と見分けがつかない程に超精密な偽者が作られる。
「願い」は本体のカメオが全く知らない人物でも有効で、身長・体重・顔・体型・匂い・記憶・声に至るまで、何から何までそっくりそのまま再現する事が出来る。*2

だが、『審判(ジャッジメント)』の手で生み出された生物はターゲットを襲う「土人形であり、願った者を食い殺す為攻撃する。*3
「土人形」の戦闘能力は成人男性を殺せる程に高い。
その「土人形」が「自分が会いたい者」の場合は成す術もなく嬲り殺しにされる。
だからといって『審判(ジャッジメント)』を倒そうにも、能力抜きの純粋な戦闘能力も高いので手に負えない。

叶えられる願いは一度(一人)につき3つまでらしいが、後述のとおりランプの魔神のフリをしている間の言葉なので、実際に制限があるかは不明。アヴドゥルに「4つにしてくれ」と言われた時には結構ムキになって怒ってたので、本当に3つまでである可能性はある。
本体の願いを叶える事は出来ない模様*4。なお同じタイプのスタンドとして、第9部他人のほしいものに変身するスタンドが登場している。どちらも他人の願いのエネルギーを利用するところが共通している。

「人間の最大の弱点は、その人間が心から願う事である」という考えの通り、心の弱い人や過去を引きずる人にはこの上なく脅威的なスタンドである。

弱点は願いはその者の「(大切な人に会いたいなどの)心からの願い」でないと意味がない点。
最初の願いのような金銀財宝だと、(ニセモノだが)ただ叶えてやるだけとなるため、「それが本当の願いか?」等とカメオにとって都合の良い願いが出てくるまで保留、誘導している。……それでも漫画家やポルナレフランドになった場合はどうするつもりだったのだろうか……。
劇中ではシェリーやアヴドゥルの死に負い目を抱いていたポルナレフだからこそ願いの誘惑に乗ったのであり、別に叶えてほしい願いのない花京院承太郎では無意味だったと思われる。*5
特に花京院は、スタンドによって本体の場所を探し当てられてしまう為、相性最悪である。
あと、能力と「土人形」の支援ぬきのガチンコ勝負では、単純な肉弾戦しか手段がないというのも弱点と言えば弱点。強いスタンドを無視して、本体を叩くという戦術を取られると、これといった対策が取れない。
これを解消するために、本体はある方法をとって隠れていたのだが(後述)、それは自分の逃げ場をも無くしてしまう、ハイリスクハイリターンな方法であった……。


【活躍】


アヴドゥルの死を引き摺るポルナレフ偶然拾ったランプをこすると、『カメオ』と名乗る魔神が現れ「願いを3つ叶える」と言ってきた(おそらくスタンド能力の術中にハメる為の演出だと思われる)。
信じようとしないポルナレフは試しに「金持ちになりたい」と言うと、ナポレオン時代の金銀財宝が目の前に現れる。

半信半疑ながらも全く敵意を見せない魔神に心を許したポルナレフは、


マンガ家にしてみろッ!
子どものころからなりたかったんだッ!
ディズニーより売れっ子のやつがいいッ!

みじめなヤツはヤだぞッ


「ポルナレフランド」をおっ立てるんだ!!


等と言ったり*6「富や名声より愛だぜ(力説)」とステキな彼女が欲しいだの、欲望丸出しのカオスな願いを出すが───「死者に会えるのか?」という考えから「妹を蘇らせて欲しい」と願うと彼の前に妹・シェリーが現れた。
が、それはポルナレフを攻撃する「土人形」。「お兄ちゃんを食べれば完全になれる」とのたまい、ゾンビの如く自身に襲い掛かる土人形(シェリー)の姿に、ポルナレフは大いにショックを受ける。
慌てた彼は願いをキャンセルしようとするが……


いやだよおォォォォ~~~~んンンンン

魔神は自分がスタンド『審判(ジャッジメント)』である事をバラし、既に3つの願いを叶えたとしてこれを拒否。
その直前の3つ目の願い「アヴドゥルを生き返らせろ」によって出されたアヴドゥルの「土人形」もポルナレフに襲い掛かる。
ようやく魔神……否、『審判(ジャッジメント)』が敵であることを認識したポルナレフは攻撃を仕掛けるも『銀の戦車(シルバー・チャリオッツ)』が拘束され、二人の土人形に為す術なくフルボッコ状態で攻撃される。


心も折れ、死を覚悟したポルナレフの目にアヴドゥルの土人形が2体いるかのような光景が映った。
だが、それは錯覚などではなく、復活した本物のアヴドゥルが間一髪で助けに入る姿だった。



バカなッ! 死んだはずの!
吊られた男J・ガイルに背中を刺され

死んだはずのッ!

『モハメド・アヴドゥル!!』


YES I AM!


チッ チッ♪


「3つめの………」
「第3の願いだけは本物だ……」

かなった(・・・・)………!!

アヴドゥルの復活に驚いた『審判(ジャッジメント)』だが、直ぐに切り返して土人形(シェリー)を盾にするというゲスな行為をした後、自身のスタンド能力で追い詰めようと「願いを3つ言え」と問うも、4つに増やしてほしい」と返された。
術中にハマらないアヴドゥルに激怒した『審判(ジャッジメント)』は、一度敗れたアヴドゥルなど大したことないと嘗めきって戦闘に入るが、アヴドゥルは静養によって情報よりも遥かにパワーアップしていた。


第1の願いは、『痛みの叫びをあげさせること』。叶ったな。

そして、第2の願いは『恐怖の叫びをあげさせること』

更に第3の願いは!『後悔の泣き声』だ!!

自身をも上回る力を持つ『魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)』の前に『審判(ジャッジメント)』はフルボッコにされ、完全敗北した。



その後、本体であるカメオは何処にいるのかと探すが……

そこには、土に不自然に刺さった竹筒がひとつ。
よく聞くと呼吸の音が。

実はカメオは土中に隠れていたのだが、あまりの不自然さにアッサリと見つかってしまう。

妹を利用された事でブチ切れてたポルナレフに、呼吸用の竹筒に色んなもの*7を入れまくられ、トドメにアヴドゥルがポルナレフを「男の友情」として誘った小便ぶっかけられてしまった。
この時の大笑いするアヴドゥルは本当に楽しそうである。
さしずめポル・アヴ茶。しかも産地直送。アニメ版じゃご丁寧にキラキラの演出付き。
たまりかねて飛び出し、降参するが、人(ポルナレフ)の純粋な願いを侮辱し、死者の尊厳を冒涜しまくった行為にポルナレフ以上にブチ切れていたアヴドゥルにこんがりと焼かれるのだった。


4つめの願い…それは…
『お前の願いは全く聞かない』事。
魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)』は許さん!


だ め だ ね


ドーーーーーン


チャンチャン


【余談】

マヌケな強敵

末路こそはマヌケだが、一度はポルナレフを完全に追い詰めた点から言っても、かなりの強敵であった事には違いないだろう。
ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風』終盤でポルナレフがディアボロに殺されて過去の記憶が走馬灯のように流れるシーンで、明らかに場違いの『審判(ジャッジメント)』がデカデカと登場する
因縁のあるDIOやJ・ガイルやキーパーソンのエンヤ婆を差し置いて何故コイツをチョイスしたのだろうか……カメオだけにカメオ出演?

ただ、『審判(ジャッジメント)』戦は良くも悪くもポルナレフにとって印象に残る戦い*8だったのでチョイスされたのだろう。
……それでも、突然現れたコイツに首を傾げる読者は多いだろうが。

SFC版ではキャラの途中退場が一切ないので、パキスタンのエンヤ婆の屋敷で登場する。
何も言ってないのにジョースター一行の望みを勝手に聞き、承太郎ホル・ホースの偽物を嗾けてくる。


近距離パワー型?

なお、この『審判(ジャッジメント)』というスタンド、劇中では近距離パワー型に分類されてはいるが、普通の近距離パワー型とは一線を画す破格の性能の持ち主である。

まずは、射程距離の異様な長さ。
前述の通り、海辺と島の奥地の2箇所で戦闘を行い、どちらにおいても「本体は近くにいる」といわれる程のパワーとスピードを発揮している。
2点間の具体的な距離は明言されていないがある程度の距離があることに間違いはなく*9、純粋な近距離パワー型と考えるには射程距離がかなり長い。
パラメーターでも射程距離は『C』判定であり、これはDIOの『世界(ザ・ワールド)』同様、近距離パワー型としては高めの評価である。

次に、『魔術師の赤(マジシャンズ・レッド)』にボコボコにされた時スタンド像もパーツが欠損するなどしていたが、本体は五体満足でありダメージがフィードバックしている様子は見られない。
とはいえ、連載時の情報からでも一応は下記のような説明が可能である。でも荒木先生そこまで考えてなかったと思うよ。
  • フィードバックがないのは、スタンド像に見えているものも実は能力で作った土人形だから。または土に投影して実体化した物質同化型だから。
  • 銀の戦車(シルバーチャリオッツ)』の鎧のように、壊れても問題のない部分が破壊されただけだから本体にダメージはなかった。
  • スタンドのダメージと本体へのフィードバックが同一ではないタイプのスタンド*10だから、本体はピンピンしていた。
  • 実はずっと地面の下を移動していた。劇中の最後を迎えたのは、潜伏するには便利だが逃走に使えるほどの移動方法ではないため。
  • 射程距離ギリギリの海辺から偽シェリーを使ってポルナレフを奥地まで誘導した。少し奥に入れば風や波の音のせいで叫んでも聞こえなくなる。

しかしもし、これまでポルナレフを嵌めるための演出と思われていたランプの魔神ごっこが、本当に必要な条件だったとしたら……「実は『審判(ジャッジメント)』は遠隔自動操縦型のスタンドだったのではないか?」という仮説が成り立つ。
すなわち、
  • ランプを擦った相手を標的とする
  • 標的の『願い』を『3つ』聞き、土に投影して叶える
  • 遠隔自動操縦型なので、島内のどこでも強いパワーと速いスピードを発揮できる
  • 戦闘時には単純な肉弾戦しか出来ない*11
というものである。
ただこの場合、遠く離れた安全な場所に本体を置きながら近距離型並のパワーで攻撃できるという、遠隔自動操縦型の利点を捨てて地面の中に隠れていたことになる。
スタンド能力に過剰な自信を持つ敵スタンド使いが、勝利を確信して間抜けをさらし敗北するというのは劇中でもよくある展開だが、射程距離を把握していないというのはそれらとは一線を画したド低能クサレ脳ミソといえる。
可能性としては、遠隔自動操縦型としては短い射程距離が考えられる。射程距離『C』?知らんぷりしてりゃあいいんだよ。


シェリーとの決別

TVアニメ版ではシェリーの思い出や、ポルナレフランドの妄想を映像化する演出が付け加えられている。
そんな中、『銀の戦車(シルバー・チャリオッツ)』がマスコットになっているディ〇ニーランドにしか見えないテーマパークのポルナレフランドで、多くの視聴者の腹筋を破壊しただろう。いや、確かにポルナレフの分身だけど……。

そして『審判(ジャッジメント)』が土人形(シェリー)を盾にしたシーンで、「シェリーはもう死んだんだ。お前はただの土人形だ!」とポルナレフ自らの手で引導を渡しており、ポルナレフの中の『妹の死』という呪縛から決別するシーンとなっている。
だがトドメを刺された土人形(シェリー)は、最期の瞬間、まるで「ありがとう」と言ってるかのように微笑んで土に戻っていった。
それは姿形だけでなく、記憶までも完璧に模倣してしまった故だったからなのか。
もしかしたら、本当に「本物の」シェリーの魂が土人形に一時的に宿っていて、兄が自分の死から決別出来たことで、彼女はようやく成仏する事が出来たのかもしれない……。



「モハメド・アヴドゥルが記事を追記・修正している・・・」
この"BAD NEWS"、DIOや他の仲間たちに知らせなくてはいけないんじゃあないか?

確かに悪い知らせだ・・・
しかしその知らせはこう伝えられる
「"審判"のカメオはポルナレフのアホとついでに生きていたアヴドゥルの項目を荒らしました」と
OH!GOOD NEWS!に変更されるのだ!

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最終更新:2025年04月20日 10:48

*1 遭遇した海辺で『銀の戦車』の攻撃をさばいており、ポルナレフは「本体は近くにいる」と判断。また島の奥地では『魔術師の赤』に打ち負けたものの、アヴドゥルは「本体はかなり近くにひそんでいる」と推察している。

*2 ただし、カメオが敢えてそうしたのか、デフォルトなのかは不明だが、「土人形」のシェリーは顔の右半分が、アヴドゥルは顔の左半分が不完全であった。

*3 「土人形」のシェリー曰く、「お兄ちゃん(ポルナレフ)を食えば本物になれる」らしい。

*4 出来るならば、土人形の兵士を量産して戦わせるなどの戦略も幾らでも可能である為。

*5 ジョセフの場合は「シーザーを生き返らせてほしい」と願っていた可能性がある。

*6 この時カメオは無言だったが、恐らくあまりにもアホな願い事にドン引きしてたものと思われる。

*7 アリ、クモ、ドロ、ゴミ、マッチ。虫からすればとんだとばっちりである

*8 実際、戦歴だけ見ると生を諦める完全敗北

*9 カメオ曰く「ここは島の奥地。海辺まで声は聞こえん。(思い切り泣き叫んでも)誰も助けに来てはくれん」。

*10 『灰の塔』や『女帝』は、スタンド像をバラバラに引き千切られ敗北したが、本体はそうならなかった。死んだけど。

*11 土人形による戦闘サポートは完全オートで、カメオ自身が操る事が出来ない(実際、『審判』が土人形に命令を下してるシーンがない)。ゲームで例えれば強いNPCが一緒に戦ってるようなもの。