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エンヤ婆(ジョジョの奇妙な冒険)

登録日:2010/07/26 Mon 18:41:30
更新日:2026/04/23 Thu 21:42:05
所要時間:約 4 分で読めます






脳みそ!ズル出してやるッ!
背骨バキ折ってやるッ!
タマキンブチつぶしてやるッ!
息子の恨み 今晴らしてやるッ!




エンヤ婆とは、『ジョジョの奇妙な冒険 Part3 スターダストクルセイダース』に登場する人物。
CVは、深見梨加(OVA版)、高木早苗(PSゲーム版)、三輪勝恵(ASB)、鈴木れい子(テレビアニメ)。
名前の由来はシンガーソングライターの「エンヤ」。



【概要】

タロットカードの暗示を示すスタンド使いの一人で、スタンド使いの黒幕。『魔女エンヤ婆』の異名を持つ。
ポルナレフの妹の仇である『両右手の男』J・ガイルは実の息子であり、自らも両右手である。
だが息子とは両右手以外あんまり似ていない。
フルネームは『エンヤ・ガイル』
年齢は恐らく60代ぐらい。意外と若い。

物語冒頭からDIOの側近として登場し、ジョースター一行に刺客のスタンド使いを次々と差し向けた。
DIOの人生を彼の傍で見届けることを生涯の楽しみとしている。
DIOに「弓と矢」の使い方と、スタンド能力のレクチャーをしたのも彼女である。
なお、なぜ彼女がそんな重大な事を知っていたのかはハッキリしていない。ファンの間では『「弓と矢」を作った古代人の一族の子孫だったのではないか』とも仮説されている。
彼女曰く「スタンド能力とは『認識すること』。」


空気を吸って吐くことのように!
HBのエンピツを指でベギッ!とへし折る事と同じように!!
『出来て当然』と思うことですじゃ!!!

大切なのは『認識する事』ですじゃ!
『出来て当然』と思う、精神力なんですぞ!!


あなた様はこの世の帝王……

時を支配して当然ですじゃ!
ケーッケケケケケケケ!!!

DIOが『世界(ザ・ワールド)』の能力を初めて発現させた時、上記のように助言している。
どれ程もの凄い才能を持っていたとしても、伸ばそうとしなければ能力は伸びないのである。努力もせず自分で勝手に限界を定めてしまったり、あるいはビビり過ぎて制御可能な範囲でしか使わないのでは、せっかくの才能が持ち腐れとなってしまうのである。*1
彼女の言葉に従いスタンド能力の訓練を続けたDIOが、その強大なスタンド能力によって承太郎たちを追い詰めたのは本編の通り。

息子のJ・ガイルを溺愛しており、彼が殺された際には同じ傷跡が聖痕として彼女の顔に浮かび上がり、彼の死を非常に悲しんだ。

心の清い誠実なお前が死ぬなんてさぞ卑劣な真似をされたんだろうね

当初はジョースター一行などさほど気にも止めていなかったが、これを機に自ら出陣、執念深く一行の命を狙う。
恐るべきその執念は、スタンド能力で町一つを支配するほどであり、また高齢であるにもかかわらずその脚力はポルナレフ曰く「ジョイナー以上」*2
狂気による執念か、ハサミで刺突を繰り出せば『チャリオッツ』が受けに回って圧倒されるほどの剣戟だった。

OVA版では何故か美女に変身する能力まで有しており*3、深見梨加氏が一人二役を演じている。
ぶっちゃけDIO戦の時よりも最終決戦臭がものすごくしていたのは内緒。
もしかしたら若い頃は本当にこんな感じの容姿だったのかもしれない。
ますます息子とは似ていない。旦那さんのご尊顔が気になる所である。


【劇中での活躍】

J・ガイルの死後、パキスタンのとある町で宿屋の主人としてジョースター一行を待ち受ける。
この時は『愛嬌ある気さくな宿のおばちゃん』と言った感じで、ポルナレフからも一発で懐かれていたが、内心では当然はらわた煮えくり返っていた。
そこで共闘を申し出たホル・ホースを息子を見捨てた裏切り者として始末し*4、不用意に入って来たポルポル君にも攻撃する。
スタンド能力で手玉にとった挙句、『便所掃除』として便器を舐めさせるというとんでもない羞恥プレイを強要する。


ぬアアアめるよォオオオオにィィィィ
だよん
レロレロレロレロ


(だ ず げ で ーーーーー !!)
オエエエエ

承太郎が仕掛けた些細な罠でボロを出してしまう*5*6が、油断した彼をもスタンドの術中にハメたかと思われた。
しかし『星の白金(スタープラチナ)』がスタンドの頭を吸い込んで押さえつけてしまい、呼吸が出来なくなったためあっけなくリタイヤ。
白目をむき泡を吹いて倒れてしまい、DIOの情報を聞き出すためにジョースター一行に捕われた。

その後カラチに入ったところで、鋼入りのダンにより口封じに殺害される。
しかも彼女を直接殺したのはDIOの『肉の芽』であり、DIOが自分に対して口封じを命じた事実を知ったエンヤ婆は絶望する。
しかし見捨てられたと分かっても最後までDIOの秘密を口にはせず、その執念にはポルナレフも敬意を表した。



DIO…様は…

このわしを信頼してくれている。
言えるか。


余談ではあるが、息子の犯した犯罪については本当に知らなかった可能性もある。
それと言うのもシェリー殺害はDIO復活の一年後、ほんの三年前(1984年)なので、DIOによって隠蔽されていた事は充分に有り得る話である(そしてDIOはこの事件をダシにポルナレフを洗脳している)。
J・ガイルの口ぶりからして、彼の強姦殺人は常習的なものだった可能性が高いが、スタンドを使えば完全犯罪が簡単に成立する以上、それらをエンヤ婆が把握していたかは不明である。
ポルナレフも正体を知るまでは「おれを息子だと思って甘えていいぜ」と本当の親切心から彼女を慕っており、
正体を知った後も当初は心の中で「とんだ逆恨み」と非難はしているが、復讐が復讐の連鎖を生んでしまった事に心を痛めたのか、上記みたいな酷い目に遭いながらも彼女を憎み切ることはできなかった。
(実はポルナレフはエンヤ婆本人には、「あんたの息子はおれの妹を殺した」などとは一言も言ってはいない。)
そして、そんな彼女を惨殺した鋼入りの(スティーリー)ダンには
「エンヤ婆に関しては妹の因縁もあって複雑な気持ちだが…てめーは殺す
と激しい怒りを露わにしていた。

ちなみに、外伝小説『OVER HEAVEN』では、『肉の芽』は正気を失ったエンヤ婆を落ち着かせる為に、止むを得ず仕込んだものだったとされている。

◆他の部において

第4部「弓と矢」を使ってDIOや一部手下たちのスタンドを目覚めさせていたことが承太郎の調査により発覚。
DIOが目覚めてたった数年であれだけの数のスタンド使いの手下を用意できたのも、エンヤ婆とこの「弓と矢」のおかげと言えるだろう。
誰がなんの目的でどうやって撮ったのか不明だが、承太郎はスピードワゴン財団経由で『魔女エンヤと「弓と矢」』が写った写真を入手している。
また作中、虹村兄弟吉良の父親が使っている「弓と矢」は元々はエンヤ婆のものである。
なお、吉廣はエンヤ婆から直接「弓と矢」の「使い方」をレクチャーされており、一説ではDIOの手下の何人かを射抜いたのはこの吉廣なのだとも考えられている。

第5部では「弓と矢」の入手経由がディアボロからだった事が明かされる。
1986年若き日のディアボロはエジプトで6本の「矢」を偶然発見。
そしてそのうち5本をエンヤ婆が(恐らくDIOの命で)法外な代金で買い取った。
アニメではその際、ディアボロに残り1本の「矢」の「使い方」を教えた。*7
ちなみにその時得た金と「弓と矢」をディアボロは自身が設立した組織「パッショーネ」拡大に使用し、同年よりイタリアでの犯罪率は大幅に伸びてしまった。
また、この時エンヤ婆が手に入れた「弓と矢」5本のうち虫型の矢じりをしているものは承太郎と共にエジプトを調査していたポルナレフの手に渡り、5部終盤で重要な役割を果たすこととなる



スタンド



正義(ジャスティス)」は勝つ!

スタンド名:正義(ジャスティス)

スタンドパラメータ
破壊力-D
スピード-E
射程距離-A
持続力-A
精密動作性-E
成長性-E

タロットにおける11番目の大アルカナ「正義」の暗示を持つスタンド。
珍しい霧状のスタンドであり、王冠を被った骸骨のような像を持つ。

荒木飛呂彦「死の判決を下す、砂漠の怖い自然現象。髑髏って穴を描くだけで成立するからいいよね!基本的に敵の倒し方を考えずに描き始めるので、強くし過ぎて困ることも多いんです(笑)。」*8


◆能力

能力は刃物などで傷をつけた場所にコイン大の穴を開け、そこに霧状の糸を通して自由自在に操ること。
条件さえ整えば、生死を問わず百人だろうと千人だろうと本体の意のままに操作できる。
また、死体はリッカーよろしく異常に舌が細長くなり、それで突き刺し攻撃が可能になることから、死体の場合ある程度体の構造をいじれるのだろう。
また『正義(ジャスティス)』の霧自体に強力な幻覚作用を与えることも可能。
彼女が登場したパキスタンの町は実は墓場であり、街並みは『正義(ジャスティス)』が見せる幻に過ぎず、街の人々は死体がこの能力で操られていたものにすぎなかった。
おまけにスタンド像が形のない霧であるため、通常の物理攻撃では『正義(ジャスティス)』にダメージを与えることは不可能という極めて高い物理攻撃耐性まで兼ね備える。

群体型スタンドが登場しなかった第3部において、一つのスタンドで千人分の戦闘力を持つ強力なスタンドとして描かれた。

弱点は「特殊効果付きの霧を発生させるスタンド」ではなく、あくまで霧状のビジョンを持つスタンドであるため、霧に対して通る攻撃をされると普通に本体もダメージを受けてしまう事。
そして原理上ビジョンで覆った範囲にしか干渉できないため、標的が霧に有効な攻撃手段を持っていた場合、敵の目の前に弱点部位を常時晒しているも同然となってしまう。
ただし、逆に言うと霧に通用しない普通の攻撃に対してはほぼ無敵。
アヴドゥル不在で非物理攻撃要員が欠けていた事もあり、承太郎一行はかなりの苦戦を強いられる事となった。
スタンドを吸い込むなんて発想、普通では思いつかないものであり、承太郎は花京院戦でスタンドに噛みついて引きずり出した経験があったから思いつけたのだろう。
町一つを覆い尽くし幻覚を見せるほどのスタンドパワーは、彼女の恨みと執念深さを象徴しているといえよう。

OVA版では前半部分のラスボスという事で強化され、アヴドゥルの攻撃(クロスファイヤーハリケーン)がスタンド部分に直撃しても目立ったダメージフィードバックなしととんでもない強化をされた。連発したらどうなっていたかは不明だが、そうする前に承太郎が「マヌケは見つかった」を回収しつつケリをつけた。

+ スタンド評
作中でポルナレフやホル・ホースを恐れさせ、彼らをして「最強最大のスタンド」と言わしめるほどの描写をされている『正義(ジャスティス)』だが、やはり十分最強候補なスタンドの一つであろう。

勿論決して万能というわけではなく、弱点としてまずスタンド像による直接的な攻撃手段がないことが理由として挙げられる。
エンヤ婆は上述の通り『正義(ジャスティス)』に物理攻撃が無効であることを誇らしげに語っていたが、裏を返すと『正義(ジャスティス)』自身も物理攻撃ができず、物理攻撃を防げないのである。霧のスタンドなので殴ったり蹴ったりは当然できず、物を持たせることもできない。また、弾丸など敵の遠距離攻撃も霧ではガード出来ない。
作中ではホル・ホースにハサミを突き立て術中にハメていたが、これはまさか自分が攻撃されるとは思ってもいなかったホル・ホースが接近を許したためであり、もし最初から敵と知っていたら接近も許さず遠距離から『皇帝(エンペラー)』で一方的に射殺していただろう。

作中では多数の死体を操り承太郎やポルナレフに襲撃させていたが、これは墓地という『正義(ジャスティス)』が能力を最大限発揮できる有利な舞台に引き込んでいるからこそできた芸当である。もし街中や草原や山中といった他の場所でばったり出くわした際に同じことができる保証は全くない。
(もっともエンヤ婆はたった一人で4人の相手をする必要があるため、自分が有利に戦える条件を整えること自体は卑怯でも何でもなく、当然の作戦である。)

逆に、長所は相手に傷を一つでも付けてしまえば霧で操って無力化できる点である。
そのためには作中でエンヤ婆がやってみせたように、本体が刃物等を使用して敵に直接攻撃したりハサミで不意打ちした他に、銃撃や部下を雇っての同時攻撃、あるいは罠を張っても良い。
エンヤ婆自身が「かすり傷一つで十分」と言っていたように、1発1発が致命傷になるという点は圧倒的な強みである。

総評として、霧だけの完全な単体としてはともかく基本的に十分強力な能力であり、準備や状況次第によってさらに恐ろしく、狡猾にふるまえるスタンドといったところか。

もっとも、弱点については「味方のスタンド使いを同伴する」ことでかなり克服できると思われる。
特にホル・ホースの『皇帝(エンペラー)』は、物理的な遠距離攻撃に長け、しかも弾数がほぼ無制限のために相手に傷を負わせやすく、『正義(ジャスティス)』との相性はかなり良いと思われる。
エンヤ婆がDIOに見限られたのは、ホル・ホースとの協調もできないほどに発狂してしまったからかもしれない*9


余談

SFC版では、承太郎達と戦うあたりまではだいたい同じだが、倒れ際に「ジョセフの体内に『恋人(ラバーズ)』の種を入れた」と言い残す。
その後、彼らに連れて行かれる展開は無し。


【エンヤ婆の推し活日記】


ジャンプのギャグマンガ家はみんなジョジョが好き!

『ジョジョマガジン2026 SPRING』掲載。
作者は『世紀末リーダー伝たけし! 』『トリコ』の島袋光年
『世紀末リーダー伝たけし!』はジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風と同時期の連載(1997年~2002年)である他、島袋氏は2012年の小冊子『25 YEARS WITH JOJO』にも承太郎のイラストの寄稿を行っている。

舞台はかつてのDIOのような悪のカリスマなき平和な現代
「推し」、つまり気骨ある悪がいなくなった「ドグソスカタン時代」(イントネーションは「安土桃山時代」)を嘆く魔女エンヤ婆が「悪い奴」を探す推し活を描く。
本作ではスタンド『正義』が自意識を持っており、平和ボケした時代の悪の不在をハイテンションで憂うエンヤ婆に対し、常識人枠の突っ込み役として対話する。

このスピンオフではエンヤ婆が悪の推しを探すと言いつつ半端な悪人を成敗し、気概を見せる者ならば子供に対しても敬意を払ってほんのちょっぴりだけ手助けするなど、人情派の島袋光年氏らしい心温まるギャグ漫画となっている。

推し活というテーマから作中ではジョジョのコスプレイベントが開催されており、最新作ジョジョランズまでを含む意外なキャラクター達のカメオ出演も楽しめる。気化熱地獄のハイウェイエンヤ婆の変顔とジョジョへのオマージュ*10もちりばめられ、ジョジョの奇妙な冒険の大ファンとして有名な島袋氏の、作品に対する胸いっぱいの愛と敬意が詰まったスピンオフとして是非一読される事をお勧めしたい。その中には意外なあのキャラも・・・?

エンヤ婆「推し」探しの旅は続くのであった

『正義』は勝つ!




ど~おおれ!
追記・修正でもしてもらおうかのオ・・・アニヲタァ~ッ

なめるように追記・修正をするんじゃ
なめるように!

ぬアアアめるよォオオオオにィィィィ
だよん 
レロレロレロレロ

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最終更新:2026年04月23日 21:42

*1 「出来ないことも出来ると思えば出来るようになる」などというご都合主義とは、対極の主旨の発言なのだが、台詞の力強さや絵面のインパクトから、「説明を放棄するときの万能理論」ネタとしてよく引用される。

*2 フローレンス・デロレス・グリフィス=ジョイナー(1959〜1998)。アメリカの女性陸上選手で、1988年ソウル五輪金メダリスト。彼女の女子100m、200mの記録は2023年現在も破られていない化け物アスリートであり、38歳という若さで亡くなった悲劇のアスリートでもある。

*3 後述する幻覚能力を利用し、ジョースター一行に自身が若く見えるようにしていたものと思われる。

*4 『皇帝』を持つ手を操って射殺を試みるも、実はすんでの所でスタンドを消しており、一命は取り留めていた。

*5 エンヤ婆は「承太郎」と名を呼ぶも、宿帳には「Qtaro kujo」と英語で書き込まれていた。初対面でうっかり「ジョースターさん」と呼んでしまったため最初から承太郎には怪しまれていた

*6 ちなみに、花京院も実は勘づいていたのか「Tenmei Kakyoin」と違う名前を書き込んでいる。…が、荒木先生曰く「花京院の名前はは公式だと『のりあき』だけど僕の中では『てんめい』です。実は、エンヤ婆が待つホテルの宿帳にもサインを残していますからね」らしいので、荒木先生の中では本名のようだ。担当編集が『のりあき』でルビを振ったのが齟齬の原因らしいが、あだ名のようなものということで受け入れ訂正はしなかった。

*7 これにより、「ディアボロは何故「矢」を独り占めしなかったのか」という謎の答えとなっている。しかし、エンヤ婆がなぜ矢の存在とその用途・正しい使い方を知っていたのかという点には現時点にいたるまで原作・アニメともに描写されておらず、新たな謎となってしまっている

*8 『JOJOVELLER STANDS』40P 作者コメント。

*9 そのことを裏付けるかのように、DIOは回想シーンにてわざわざ「息子を殺されて乱心する前のエンヤ婆」と言っており、DIO自身彼女が取り乱してしまったことは相当残念に思っていたであろう心情が察せられる。

*10 例として、作中で悪人を取り締まっている警官はアバッキオとその同僚である。