エルエルフ

登録日:2013/10/26(土) 15:08:37
更新日:2024/12/09 Mon 18:29:51
所要時間:約 9 分で読めます





……俺は……また勝ったよ。

リーゼロッテ……。


エルエルフとは、ロボットアニメ『革命機ヴァルヴレイヴ』の登場人物。
時縞ハルトと並んでもう一人の主人公に当たる人物でもある。


プロフィール

性別:男
所属:ドルシア軍
階級:特務大尉
年齢:17才
誕生日:5月25日
星座:双子座
血液型:A型
身長:177cm

ドルシア軍事盟約連邦の特務機関であるカルルスタイン機関の出身のエージェント。
エルエルフという名はコードネームであり、便宜上名乗ったフルネームとして「エルエルフ・カルルスタイン」がある。

人物像

クールな美形だが常に無表情、目的のためなら手段を選ばない冷徹な性格で、甘い性格のハルトと対比して「苦いやつ」と言われることもしばしば。
しかし目的に忠実な故に自分に嘘をつくことはしないようで後述のリーゼロッテやエージェントの仲間達への態度から、全くの冷血漢ではないとわかる。回想では仲間と談笑したり、冗談を言う姿も。誰だお前。
どこか人間臭い言動が目立ち、優秀な者は素直に認める主義でもある。
食い意地も張っていて、ショーコの作った羊羹を好んでいたり、ドラマCDでは出店のラーメンに舌鼓を打っている。

頭脳明晰で洞察力が高く、彼の推理はもはや「予言」と言える域に達している。
推理する時の決めゼリフは「導き出される結論は……」
身体能力も凄まじく高く、どこぞの工作員ばりのありえないしぶとさを見せる。一人で一個旅団(約4000人)に相当する実力を発揮するため、「一人旅団」という異名でARUSから恐れられている。
一見よくある盛りすぎな異名のようだが、それが過言とも言えないのが恐ろしいところであり、
第3話では、拘束されたまま椅子のネジをはずして投げ、割った蛍光灯の破片で荒縄を切り、奪った銃で兵士数人と尋問官を殺害。
ワイヤーでバンジー、ミサイルを遠隔操作してARUSのスプライサーZを殲滅し、戦艦を座礁させるなどの曲芸をやってのけた。もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな……。

アードライハーノインイクスアインクーフィアとはカルルスタイン機関で共に育った、幼馴染のような関係。敵対してからは容赦なく撃退し続けるが、かと言って情がないわけでもない。
特にアードライからはその手腕を高く評価され、機関時代から革命の志を持つ彼の右腕にと望まれていた。
機関での師であるカイン・ドレッセル大佐のことは「俺を調教した男だ」と発言しており、ことごとく行動を先読みされる天敵である。

本名はミハエル
元は孤児で幼少期にはテログループに所属していた。
収容所から脱走し兵士に追われている際に、偶然ドルシアの王女リーゼロッテ・W・ドルシアと出会う。怯えるエルエルフに彼女は「私の命を『半分こ』しましょう」「女の命」である髪の毛を切って差し出し、彼の助命を願い出た。
このことからエルエルフはリーゼロッテに強い恩義と恋慕の情を感じ、現政権によって幽閉されている彼女を救うことが行動原理となっている。


1stシーズンの活躍

第1話ではヴァルヴレイヴ奪取のため、同じくエージェントであるアードライハーノインイクスアインクーフィアの4人と共に学生としてジオール モジュール77の咲森学園に潜入。
呑気に生徒をナンパするハーノイン、それをたしなめるイクスアインの漫才を尻目に淡々と潜入任務を続行する。
だが、指南ショーコと会話していた時縞ハルト


僕は、勝ったり負けたりそういうのがない世界がいいな。

グラウンドだって、みんな『半分こ』で使えばいいのに。

という発言に突然激昂。ハルトを足払いし
(※潜入任務中であり、当然無闇に一般生徒に接触すべきではない)

お前はハムエッグの黄身も愛した女も
ナイフで半分に切り分けるのか?

幸せは半分こになんて出来ない!


と言い放つ。この突拍子もない発言は、視聴者には「黄身は半熟派なのか」とネタにされ、ファンはハムエッグを焼いて彼の誕生日を祝った
後にショーコからはハムエルフと呼ばれるようになる。

ヴァルヴレイヴ1号機のパイロットとなったハルトを殺害し、ヴァルヴレイヴを鹵獲しようとするも、突然生き返ったハルトに体を乗っ取られる。ハルト(体はエルエルフ)はアードライの左目を撃ち抜いて逃亡、ドルシア軍に大損害を与える。
お互いにわけもわからないまま起こったこの一件により彼はドルシア軍から『裏切り』の烙印を押され、戻るに戻れなくなってしまう。ついでにアードライにはヤンホモじみた執着でしつこく追い回されることになる。
エルエルフにしてみれば、一日にして仲間の信頼と帰るべき場所をなくしたわけである。
(しかも冤罪)
第2話ラストで「僕じゃない」をBGMにARUS兵士に連行される彼の背中は哀愁を誘う

……とはいえ、実のところエルエルフが抱いている野望は「ドルシアを革命する」こと。
それはドルシアを敵に回し、外から革命する形で構わないし、それどころかハルトとヴァルヴレイヴの力を使えば本人曰く「5年は前倒せる」
その後あっさり拘束を抜け出し、ハルトの前に現れ「俺が学園を救ってやるから、ドルシアの革命のために協力しろ」という「契約」を持ちかけるが、好感度が低すぎたのでにべもなく断られる。

エージェント達の襲撃で重傷を負って身動きの取れなくなったハルトをヴァルヴレイヴに乗せるために再び自分の体を乗っ取らせ、さらには事前に用意したメモ書きだけで敵への対策を完璧に仕込んでおくという離れ業で完勝させる。
そしてこの時、ポケットに入っていた写真を偶然見てエルエルフのリーゼロッテへの思いを知ったことでハルトからの感情が軟化し、次の戦いの際に「契約」が結ばれた。

戦争に巻き込まれても、お前の甘さは直らないようだな。

コーヒーは砂糖入りが美味しいんだ。
苦過ぎる君と合わせたら、ちょうどいい味になる。

取引だ、エルエルフ。
勝利のために、平和のために!
二人の夢を叶えるために!

v(`・ω・´)

新生ジオールに亡命してからは軍事顧問として咲森学園の生徒達を指導し、それと同時にヴァルヴレイヴの適性を把握してパイロットを厳選していた。
ほぼ民間人の集団である新生ジオールにおいて軍事に明るく頭脳明晰なエルエルフは貴重な人材であり、もはや生命線とも言っても過言ではない活躍ぶりを見せる。

しかし、月に到着する直前にモジュール77はカイン大佐率いる小隊に襲撃される。エルエルフはハルトと共にカインと戦うも、完全に圧倒された挙句、ヴァルヴレイヴ2号機を奪われてしまう。
冷静な彼も、発光しながら飛ぶカインの人間やめっぷりを見た時は流石に動揺していた。

2ndシーズンの活躍

その後、威力偵察のため地球に降下。しかし本来の目標である旧ジオール領ではなく、よりにもよってドルシア領の真っ只中、彼の育ったカルルスタイン機関付近に不時着してしまう(サンライズのお約束)。

不老不死の生物・カミツキとなったハルトが生きるため、ひいてはヴァルヴレイヴを動かすためには情報原子「RUNE」が必要で、しかもRUNEは生きた人間からしか摂取出来ないことが判明する。エルエルフは契約の一環として、自分がRUNEの提供者になることを承諾する。
さらに、実は1号機のテストパイロットだった野火マリエによって、RUNEを消耗していくと全ての記憶を失って廃人となり、死に至ることが明らかにされる。しかし、エルエルフはリーゼロッテさえ救えれば自分の命はどうでもいいと一顧だにしない。
ハルトは、エルエルフのヴァルヴレイヴに乗れないという歯痒い思いや、リーゼロッテへの自己犠牲を厭わない献身を知っていく。

この辺はアードライに作戦を看破されるなど、あまり活躍が見られない。
視聴者からは「ハルトにRUNEを吸われてボケたんじゃないか?」と言われていた。

王党派の手引きで潜入したかつての王都ドルシアナに幽閉されているリーゼロッテがいると知ると、すぐさま作戦指揮をぶん投げて彼女の救出に向かう。そして、再会を果たしたリーゼロッテに愛を告白する。


俺に……さらわれてくれ。


旧世代のロケットを利用した脱出作戦を実行するため、エルエルフはリーゼロッテをハルトに預け、一人でドルシア軍に立ち向かう。
ここまで余裕たっぷりに敵を葬ってきた彼が、敵との圧倒的戦力差を前に満身創痍になりながらも戦い続けるシーンは必見。

その間に、リーゼロッテは衝撃の事実をハルトに告げる。
なんと彼女は人間の体を乗っ取った宇宙人で、数百年も生きているというのだ。
リーゼロッテはマギウスというカミツキの原種だった。
彼女は人間との共存を望んだため、マギウスの存在を隠し、世界を裏側から操っている組織・101人評議会に幽閉されていたのだ。
マギウスはカミツキと同じく、RUNE……すなわち人の命を喰らって生きている化け物。
二人の関係を自分とショーコに重ねたハルトは、「だからエルエルフと一緒に行けない」と言う彼女を説得する。
ついにリーゼロッテ救出を達成できるかに思われたが、敵の攻撃でロケットが破損。
リーゼロッテはエルエルフ達を逃がすため自らのRUNEをロケットの推進力に使い、エルエルフへの思いを吐露しながら命を落とす。

全てを賭けて救おうとしてきたリーゼロッテを失ったエルエルフは完全に生きる気力をなくし、好物の羊羹すら食べず引きこもっていた。その間に、101人評議会の策謀によって、カミツキの存在が世界中に暴露される。モジュール77は襲撃を受け、エルエルフの指揮なしには抵抗もできず、大多数の生徒が虐殺される。
新生ジオールの団結は崩れ、カミツキと彼らを擁護する人間と、カミツキを拒否する人間に別れてしまう。

カミツキを拒否したショーコ達によってハルト共々ドルシアに引き渡されそうになるが、犬塚キューマの決死の特攻によって免れ、月に落下する。
月面でハルトを一方的に殴ると殴り合う内に、あの世からの電波を受信。リーゼロッテに生きろと諭され、彼女が望んだ「マギウスと人類が共存する世界」の実現のために戦うという新たな目標を見出す。
そして、ハルトと改めて契約を結び、友情を深める。


時縞ハルト、改めて契約だ。
世界を曝くために。

違うよ、エルエルフ。
これは契約じゃない、『約束』って言うんだ。

ドルシア上層部が評議会に操られていると知ったアードライ達と協力し、エルエルフはマギウスそして評議会の存在を世界に知らしめる。
ハルトは戦闘に長けたエルエルフの体を借り、評議会に属するマギウスだったカインが駆るダーインスレイヴと戦うが、勝利と引き換えにRUNEを使い果たす。

全ての記憶を失い、死に至ろうとしていたハルトが最期に

君は、知ってるんだね……僕のこと……

と尋ねると、エルエルフは目に涙を浮かべ……答えた。



ああ。……お前は……俺の友達だ。



最終決戦後にはアードライらドルシア解放軍と協力しながら、新生ジオールを導いている。
連坊小路サトミ二宮タカヒの結婚式に出席した時には柔らかな微笑みを見せるなど、気性が穏やかになったことがうかがえる。彼の変化にアードライも驚いていたが、「これが自分には見えていなかった、本当のエルエルフなのかもしれない」と独白している。

混乱に陥った世界では人間によるマギウスの虐殺が相次ぎ、「マギウスと人類が共存する世界の実現」という彼の願いが叶ったかどうかは定かではない。
その後の消息は不明だが、200年後の第三銀河帝国には、彼の子孫と思しき少年(別名ショタエルフ)が存在する。
願わくば彼が生きる世界が、リーゼロッテとエルエルフの願う理想世界であることを願うばかりである……。


余談

エルエルフは、その独特な言動・行動から登場する度にネタが増え、作品屈指のネタキャラ……もとい人気キャラとなっている。
ファンからの愛称はハムエッグ、ハムエルフ、エロエロフ、旅団ひとり、ロリエルフ、メモエルフ、ショタエルフ
キャラクター投票で一番お気に入りのキャラクター第1位、ハムエッグを半分こしたいキャラクター第1位、カミツキたい男性キャラクター第1位と三冠を達成しているが、自分の目的を阻む者は味方でも容赦なく殺すためか、上司にしたくないキャラクター第4位にもなっている。
スタッフの中でも、ぶっちぎりで女性からの人気キャラ第一位(もれなくアードライもセット)。

ロボットアニメの主人公にしては珍しく、ロボットなどに乗って戦うことはほとんどない。
というか生身で十分強い。
例外は援護のために戦闘機に乗った第8話と、ハルトが彼の体でヴァルヴレイヴを動かした時だけ。
非戦闘要員どころかパイロットとしても一流なのに立場上使いどころがなかったというのは極めて稀であろう。

同期にそっくりさんがいるらしい。



導き出される結論は……更なる追記・修正だ。

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