ブレストフォース

登録日:2011/10/21 Fri 14:40:56
更新日:2025/03/19 Wed 18:05:55
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ブレストフォースとは、『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマーV』に登場するデストロン軍団の主力部隊及びトランスフォーマーの種族の一つである。
この項目では種族と戦闘部隊の二つについて解説する。






【概要】

シックスチェンジャーやヘッドマスター、プリテンダーなどと同様にトランスフォーマーに発生した種族の一つ。
現在の時点ではデストロン軍団の破壊大帝デスザラスの一派にのみ所属が確認されている。


その特徴は、動物を模した頭部と名前の由来でもある胸部装甲を形成しているブレストアニマルである。
このブレストアニマルとは、超小型の動物型トランスフォーマーであり、普段は本体の胸部装甲だが必要に応じて武器(主にレーザー銃)や動物に変形して連携攻撃を行うことが出来る。
主に「ブレストアタック!」の掛け声でブレストアニマルに、「ブレストチェンジ!」の掛け声で武器に変形する。
基本的にブレストアニマルは一人一つだが、デスザラスのみ例外的に二体持つ。

ブレストアニマルは小型の割にパワーがあり、レーザーや鋭い牙と爪で並のサイバトロン戦士が相手なら瞬く間にズタズタにしてしまう程。レーザー銃としてもかなりの威力がある。


このようにサイバトロンにとって厄介な攻撃なのだが、胸部装甲が変形するので同箇所の装甲が薄くなってしまい、防御力は著しく低下するのが全員に共通する弱点となっている。
事実、仲間同士の諍いの末にここを撃ち抜かれて死亡した者も存在する。

なお、ブレストアニマルはデスザラスのようにペットとして扱う者もいればレオザックのように本体の意思で喋ったりと扱いは様々である。




【戦闘部隊としてのブレストフォース】

後述のレオザックを隊長にガイホーク、ヘルバット、ジャルガー、キルバイソン、ドリルホーンの6人は戦闘部隊としての意味合いで「ブレストフォース」と呼ばれる。
この6人はブレストフォース族の中でもエリートであり、デスザラス一派でも幹部扱いされている。
隊員達の仲も(ヘルバット以外)は良く、ここの実力も高いのでサイバトロンにとっては厄介な相手である。
共通の武器として電撃を発する槍を武器にしている。

なお、メンバーが6人なのには訳があり、レオザックはデスコブラを迎えた暁には信用出来ないヘルバットを追い出すつもりだった。




【メンバー】

破壊大帝デスザラス

CV:青野武

分裂しているデストロンの一派を率いる3代目破壊大帝。機械のドラゴンに変形する。
イーグルとタイガーの二つのブレストアニマルを持つ。
詳細は該当項目にて。



攻撃副官レオザック

CV:難波圭一

ライオンブレストを持つ自意識過剰の野心家で、その姿はスタースクリームの再来ともいえる。
詳細は該当項目にて。



航空兵士ガイホーク


ホークブレストを持つブレストフォースの隊員。MiG-29に変形する。
指から氷の刃を発射する「アイスニードル」という必殺技を持つ。
当初はスターセイバーによってマイクロ星の刑務所に収監されていたが、18話にてブレストフォースによって脱獄した。
サングラスにも似た円状のカメラアイが特徴で、基本的にはクールで不敵なベテラン戦士。
しかし、ダチ公兼ライバルのシックスチェンジャー・グレートショットとの決着をつけたがるあまり冷静さを欠く一面もある。
新参な上に信用ならない性格のヘルバットが気に食わないのか、邪険に扱っている。



スパイ兵士ヘルバット

CV:塩屋翼

10話から登場。エネルギー吸収能力があるコウモリブレストを持つ。何故かエンジンが一基のラファールに変形する。
「催眠睡眠冬眠、ヘルバット!」の掛け声で催眠波を発して相手の自由を奪う特殊能力がある。
お調子者で、嘘つきな上に自分の為なら平気で味方を裏切る為、仲間からの信用は薄い。初対面のデスコブラからも「デストロンの風上にも置けない、腐った根性の奴だな」とまで言われている。
しかしその本性はヘタレでビビりな小心者であり、面倒な任務を押し付けられたりと貧乏くじを引かされやすい。
だがその姑息さ故に立てた作戦の成功率は高い。
口も達者で、独自行動をレオザックに咎められた時も彼の野心を刺激して丸め込んだり誤ってデスコブラを殺してしまった時もたまたま目撃していたサイバトロンに罪を擦り付けて事なきを得た。
しかしその誰かを思い出すヘタレ具合からどうにも憎めない奴である。



電脳兵士ジャルガー

CV:掛川裕彦

ジャガーブレストを持つ兵士。ミサイルバギーに変形する。
テックスペックによれば真面目だが、融通がきかず主体性に欠けるとされている。
劇中では高慢な性格で、恐竜戦隊やマルチ戦隊などには見下した態度をとることが多い。
想像力には欠けるようで、地下鉄を壊しておきながら、デスザラスの言葉通り「素早く、静かに、冷静にだったな」と発言したり、
通信機を用いたトリックに引っ掛かり、マルチ戦隊のタックルによって地面に突き差されて犬神家状態にされたことがある。
だがあまりキャラ立ちしているとは言えず、なんか地味。




工作兵士キルバイソン

CV:田中和実

バイソンブレストを持つ暴れ者。ゲパルト自走対空砲に変形する。
荒々しい性格で怪力の持ち主だが、ジャルガー同様地味キャラ。



作戦兵士ドリルホーン

CV:岸野幸正(4話のみ)→平野正人、佐藤浩之

ホーンブレストを持つベテラン兵士。ドリル戦車に変形する。声が良く変わる人。
役職通り作戦の立案を担当しているが、厚い装甲を持ち、ビークルモードのドリルを使った戦闘も得意。
デストロンでも古参の兵士であり、デスザラスも彼の意見を尋ねることがあるが、上官のレオザックの面子を建てて一度は遠慮する謙虚さと忠義心を見せたりとベテラン故の冷静さを見せる。
また、何かと血気盛んなメンバーのなだめ役でもある。



デスコブラ

CV:西村知道

19話にのみ登場した、コブラのブレストを持つ傭兵。Mi-24に変形する。
レオザックの元部下で、誠実で義理堅い性格の為に彼からの信頼も篤い。
信用ならないヘルバットの代わりとして呼び出されたが、自分の立場が脅かされることを恐れたヘルバットの説得を受けるがそれを拒否した為に揉み合いとなり、口論の末に命を落とした。
まるで火サスのような展開は必見。



そして、ブレストフォースには6人揃うことで初めて使えるようになる機能がある。
それは…




6体合体!ライオカイザー!


重機動合体兵士ライオカイザー

CV:難波圭一

19話から登場した合体兵士。
レオザックが頭と上半身、ガイホークが右腕、ヘルバットが左腕、ジャルガーが腰、キルバイソンが右足、ドリルホーンが左足となる。

回転鋸付きの槍と電磁ヌンチャク、ストライクミサイルガンが武器。
爆発したように見せかけて超高速で分離して攻撃する「バトルエクスプロージョン戦法」という必殺技を持つ。
また、透明化能力も備えていて奇襲戦法も得意とする。

19話でようやく登場しただけあってそのパワーは非常に強力であり、サイバトロン側の合体戦士ロードシーザーやランドクロスはおろか総司令官スターセイバーやゴッドジンライ、デスザラスすら上回る。
ただ、後から登場したビクトリーレオにはやや不利、スターセイバーとビクトリーレオが合体したビクトリーセイバーには全く敵わなかった。


合体時の人格はレオザックのものであり、合体兵士特有の知能の低下は見られない。
もっとも、この時期の合体戦士や合体兵士はみんなそうだが。

しかしメンバーのいずれかがダメージを負っていると合体出来ないという弱点がある。


最終決戦ではビクトリーレオと戦い、戦いの末にチャージ中の要塞砲に叩き付けられた為に砲にエネルギーを奪われて動けなくなり、宇宙の彼方へと流されていった。

その後、総集編でサイバトロンに救助されてV惑星で療養中であることが語られているが、『トランスフォーマーZ』の雑誌展開では再びデストロン軍団として登場していたりとよくわかっていない。


漫画版では、ジェット機形態のスターセイバーを捕まえたにもかかわらず、6人それぞれの意思が出てきて誰がトドメを刺すかで喧嘩を始めてしまい、そのせいで脱出されて敗北する場面がある。


【玩具】

【放送当時の玩具】

1989年にレオザックが「D-329」、ガイホークが「D-330」、ヘルバットが「D-331」、ジャルガーが「D-332」、キルバイソンが「D-333」、ドリルホーンが「D-334」のナンバーで、セット箱のライオカイザーが「D-335」のナンバーで商品化されている。

劇中同様、ブレスト分離ギミックが備わっているほか、ライオカイザーにも合体する。ただし、分離時はライオカイザーの頭部*1が、合体時は各ブレストが余剰パーツとなってしまう。

デスコブラはゲストキャラという事もあって当時は商品化されなかったが…?

【コンバイナーウォーズ】

ジェネレーションシリーズのコンバイナーウォーズでライオカイザーがまさかのリメイク・・・されたのだが、大幅に仕様変更されており、最早別物と思えるような出来である。
6体の通常合体から5体のスクランブル合体兵士に変更され、その影響でレオザックとジャルガーが廃止、代わりに胴体としてデスザラスのビーストモードとレオザックのカラーリングを組み合わせたような「デザラス」なる新メンバー(CWスカイリンクスのリデコ)が追加。他の4体もリデコである*2

さらにどれも他TFのリデコだからとはいえ、最大の特徴であったブレストアニマルすら廃止されている。一応再現のつもりか、アームズマイクロンのグルがリカラーされ「イオンサイス」という名称で付属している。
AM1体では単体兵士の武器程度の大きさだし、どうせならバロやザムも付属させて合体させても良かったのでは。あるいはサイスだけにハデス。

さらに細かいことだが、ヘルバットとキルバイソンが名前がまずかったか「フェルバット」と「アイアンバイソン」に変更されている。

そのような様々な変更によって賛否両論である。またコンバイナーウォーズはスクランブル合体縛りということはなく、デバスターのような6体合体も存在することが拍車をかけている。

一方でリメイクとしてはあれだが、単体で見ると悪くないという意見は少なくない。また、スタントロンなどの他の合体兵士と組み合わせられるのも利点といえる。
頭部の再現度が高いため、一応リメイクとして見れるという意見も。

ちなみに日本では賛否両論ということもあり、残念ながら発売されていない。和製トランスフォーマー玩具のリメイクアイテムなのだが・・・


【Haslabクラウドファウンディング】

2025年2月に、Hasbro社クラウドファンディングアイテム第5弾としてライオカイザーが発表、3月中旬には支援数18,000を突破し付属品が完全アンロックされた。
『V』からはビクトリーセイバー、デスザラスに続き3回目の登場であり制作担当はこのために同作を字幕で見まくったとか......
特筆すべき点としてはCWの反省を踏まえてかアニメに登場した6人全員がちゃんと劇中に忠実なモデルで再現*3。ブレストアニマルもちゃんと付属、展開する。
支援数に応じた追加アイテムとしてまず支援数13,000達成記念としてデスコブラの初商品化が実現。
ちゃんとMi-24に変形するほかライオカイザーの方にキャノン砲として装着、またヘルバットの代わりに左腕に装着することも可能。ヘルバットもデスコブラ同様キャノン砲に出来るので原作のようにお払い箱にならないぞ!
支援数16,000達成記念のアイテムは電磁ヌンチャク。プラ製の鎖でつながれており分離して各メンバーの武器にもなる。
支援数18,000達成記念にはディスプレイベースが登場。ライオカイザーを立たせて飾ることが出来る他底面には余分なパーツを取り付けられる。
また3つに分離させることで上半身3人を戦闘機形態でディスプレイが可能。アニメOPを意識した集合状態を再現できる。
日本でもやや遅れてタカラトミーモールで受注が開始されたがここ最近の経済の影響をモロに受け価格は怒涛の約55,000円*4とお高め。
しかもよりにもよって多数の高額TF玩具の日本発売*5も合わさって財布の犠牲を覚悟しつつ予約ボタンを押したファンも少なくないとか。



記述が薄れる…!編集ボタンが動かん…!つっ…追記・修正してくれーっ!


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最終更新:2025年03月19日 18:05

*1 口部分はレオザックの後頭部が担っている

*2 ガイホークがエアレイド、ヘルバットがスカイダイブ、キルバイソンがブロウル、ドリルホーンがCW版ノーズコーンのリデコ。

*3 ただしヘルバットだけは大人の事情で「エルバット」に改名されている。タカラトミーモールではそのままヘルバットとなっている

*4 比較としてビクトリーセイバーは24,500円、デスザラスは27,000円。彼らの倍である

*5 何の因果か同月発売商品の中にレガシーユナイテッド版ダイノキングが入っている