登録日:2011/11/04 Fri 12:38:20
更新日:2025/03/02 Sun 12:34:07
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―さて、今日のトランスフォーマーは、ビルドロン部隊の概要から物語を始めるとしよう―
第10話から登場するデストロンの陸上部隊。建設車両に変形する6人組で構成されているのが特徴。
建設車両だけあってかなりのパワーと機動力を持ち、戦闘だけでなく臨時基地の建設や新兵器の開発、破壊活動など様々な場面で活躍する。
加えて他のデストロン同様、
ロボットモードで飛行可能。
また、ビルドロンに限った話ではないが溶岩に落ちても何ともない。
その為、ダイノボットでなければサイバトロン戦士達の苦戦は免れない。
共同作業が多いからか、メンバー間の仲も良好であるようだ。
「リーダーは俺達」、「ビルドロンは6人でひとつ」、「俺は皆とチームを組めてよかった」という発言からもそれがうかがえる。
その生い立ちに関しては一定していない。
10話では
メガトロンがデストロン名物・臨時基地で製作したという設定だった。
事実、セイバートロン星出身の
トランスフォーマー達がセイバートロニウムの劣化で大混乱に陥った際に地球出身のダイノボットと彼らには何ら影響はなかった。
ところが35話での
オメガ・スプリームの回想では、元々デストロンでありながら戦いを好まない優秀な都市建設技術者達であり、オメガ・スプリームとは親友であったが、メガトロンの罠にはまって
洗脳・改造されてしまい、破壊の限りを尽くすデストロンへと変貌してしまったという過去が語られた。
なお、オメガ・スプリームは洗脳を解こうと全員ブチのめして再改造を施したが、洗脳が解けないばかりか逆に罠にはめられて洗脳されかかり、後遺症で感情を欠損してからはビルドロンに激しい憎しみを抱いている。
ビルドロンも洗脳されているので恨むのは筋違いなのでは。
さらに2010の4話「マトリクスの秘密」においては、後のデストロンリーダーであるメガトロンを生み出した様子も描かれていて、もう何が何やら…。
まぁ、トランスフォーマーでは設定なんてコロコロ変わるので気にしたら負けだろう。
どうしても辻褄を合わせるとすれば
ビルドロンがメガトロンを開発
↓
自分を開発した(=自分の機能や弱点も知っている)ビルドロンをメガトロンが洗脳し、配下とする
↓
セイバートロン星の戦いで大破、パーソナルコンポーネントの状態で地球に持ち込まれる
↓
地球の臨時基地でボディを作り直し復活
といった順に並べるならば矛盾は起こらない。
インテリと土建屋だからか
サウンドウェーブと仲が悪く、互いに「馬鹿」「ゴマすりのクズ野郎」と罵りあっている。
これが、その問題のメンバー
◆輸送兵ロングハウル
「全く、アレ持って来いコレ持って来いだ!いくらダンプトラックだからって限界ってもんがあるんだぞ!」
ダンプトラックに変形する。
主に運搬作業を担当しているが、自分の仕事をあまり好かないらしく、ダンプトラックに生まれたことを後悔している。
◆建築兵スクラッパー
「俺たちビルドロン部隊が合体してデバスターになれば無敵だ、リーダーはオレ達よ!」
ショベルドーザーに変形する。
設計の名人であり、作業上の頭脳労働が彼の役目だ。
謙虚な性格で、第19話ではビルドロンを代表したりサイバトロンの建築家 グラップルを評価したりテックスペックが他のメンバーよりやや高かったりと彼がリーダー格であるらしい。
『ザ・ムービー』ではメガトロンがいない時に残ったデストロン兵士らがリーダーの座を争うシーンで上記の発言をしていた。
◆衛生兵グレン
「こんなのどうって事ないさ、これの千分の一の極小タイプのサーキットをリペアした事もあるんだ。これくらい軽い物よ!」
クレーン車に変形する。海外名は「フック」。
精密作業が得意であり、その精密さはサイバトロンの誇るマッド…もとい科学者の
ホイルジャックを感心させる程。
コンボイをバラバラに解体したのもコイツ。
冷静な性格の為かメガトロンへの報告も彼であることが多い。
『ザ・ムービー』でサウンドウェーブに馬鹿にされて「ゴマすりのクズ野郎」と言い返したのは彼。
◆偽装兵ミックスマスター
「ほい来たスカイワープ、こんなんでどうだい鉄骨だよ」
ミキサー車に変形する。
ミキサーは
自動車を溶かして鉄骨に変えたり酸を調合したりと様々なことが出来、それを活かした特殊作業を担当している。
◆採掘兵スカベンジャー
「だから早ええところぶっ壊すのさ、いい景色は好かねえんだ!」
装軌式ショベルカーに変形する。
ショベルは探知機になっていて、岩の向こう側からでも目標を探知出来る。
合体中(後述)に集中攻撃を受けたりと災難が多い。
建築車両つながりなのか、グラップルの溶接技術には素直に感嘆する場面も。
ビルドロン大活躍回の1つである「デバスターを倒せ!」は
実質彼が発端であわや地球爆発というところまで状況が悪化してしまった。
『ザ・ムービー』では
プロールを射殺している。
◆破壊兵ボーンクラッシャー
「おい、まだ失敗と決まったわけじゃねぇぜ。泣き言は後にしろ」
ブルドーザーに変形する。
スクラッパーと共に採掘をするのが彼の仕事。
破壊兵の役職通り好戦的な性格だが、仲間意識は強い。
『ザ・ムービー』で負傷兵の放逐を提案したのは、実はスタースクリームではなく彼である。
そして、ビルドロンの6人にはサイバトロンにとって驚異的な能力が隠されていたのである!
「ビルドロン部隊、トランスフォーメーション!」
「フェーズ1!」
「フェーズ2!」
巨人兵デバスター
「デバスター強い!俺の前に敵は居ない!」
CV:加藤清三
ビルドロン部隊の6人が
合体した姿。トランスフォーマー史上最初に登場した合体兵士である。海外名は「デバステーター」。
ロングハウルが胴体、スクラッパーが右脚、グレンが頭と肩、ミックスマスターが左脚、スカベンジャーが右腕、ボーンクラッシャーが左腕となる。
なお、この合体機能はメガトロンに洗脳された際に付け加えられたものである。
最初期の合体兵士故に強さは
スタントロンのメナゾールや
コンバットロンのブルーティカスに及ばないものの、ダイノボットやメガトロンでさえ太刀打ち出来ないそのパワーは合体戦士やオメガ・スプリームのいなかった物語初期のサイバトロンにとっては大きな脅威であった。
しかしデバスター対策が整えられ、両軍に新戦力が現れた物語後期や『
2010』以降では以前程の驚異とはならなかった。
また合体中は振動や衝撃に弱く、サイバトロンの狙撃やフレンジー&ランブルの地震攻撃などで合体が崩れることも。
プロテクトボットのガーディアン以前の合体戦士全員に言えることだが、頭脳回路も全員の意思統一された部分しか使えないので頭も悪く、もっぱら単純な破壊作業しか出来ないのも弱点。(実際、サイバトロンにコントロールされたことがある)
顔が
ゴーグル状だったり二つ目だったりと作画ミスが多発しているが、一応ゴーグルが基本のようだ。
実は中の人がメガトロン様役でお馴染みの加藤精三氏である。
ちなみに因縁の相手であるオメガ・スプリームの中の人はコンボイ役の
玄田哲章氏であり、何気にどちらも自分達のリーダーと同じ声同士である。
さぁ、活躍だ!
◆『
戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』
10話で登場して以降ほぼ全編に渡って活躍した。
だが、互いの戦力が整った後半では弱冠デバスターの影が薄い。
23話「スチールシティ」、49話「デバスターを倒せ!」ではサイバトロンを相手に大活躍する。
◆『
トランスフォーマー ザ・ムービー』
スカベンジャーがプロールを射殺したりデバスターとなってサイバトロンシティを恐怖のどん底へ叩き落としたりと活躍。
ニューリーダー決定戦ではフレンジー&ランブルによって合体解除されて敗北、スタースクリームの戴冠式でラッパを吹いていたが、下手くそだった。
◆『
戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010』
惑星ジャールでは僅かなエネルゴンキューブを巡って仲間同士で争うなど他のデストロン同様荒みきっていたが、ガルバトロン帰還後はダイナザウラー(ダイノベース)を誰にも気付かれることなく建造するなど活躍した。
その反面デバスターとしてはメナゾールに粉砕されたり合体を阻止されたりと大した活躍はなかった。
◆『トランスフォーマーZ』
デストロン九大魔将軍の一人、技術将軍デバスターとして登場。装甲ギアを纏い
ドリルも装備、知能も上昇したようだ。
だが、
ダイアトラスの策で溶岩に飲み込まれて死亡。
初登場回では溶岩に落とされてもその後何事もなく再登場してたはずなのに…
玩具展開をとくとご覧いただこう。
G1当時から合体可能な玩具が発売されている。単品売りとセット売りが行われていた。また、後にアンコール版として再販されている。
初期TFの合体系の多くに言えることだが、余剰パーツが多いのが玉に瑕。
さらに建機のミニカーや「GOBOTS」などを展開し、現在はハズブロ参加となった玩具メーカー「トンカ」とのコラボ商品、「トンカネーター」としてカラバリ版が発売されている。
後に玩具オリジナル展開「合体大作戦」にて、サイバトロンの合体戦士「シックスビルダー」としてリメイクされた。
カラバリでビルドロンカラーも展開されたが、恐ろしい程封入率が低かったため、かなりのレア物でフルコンプは難しい。
後に出た
アメリカ版はオープンパッケージ、細部の塗装が増えた状態で販売されて
日本のファンを悲しませたとか……。
2011年11月に新規に金型を作り直してデバスターの玩具が復刻販売された。
2015年には「コンバイナーウォーズ」でフォートレスマキシマスやTGメトロプレックスにせまる巨大なタイタンクラスとして完全リメイクが決定した。そして日本では「ユナイトウォーリアーズ」として12月に発売された。
実際、無茶苦茶デカい。
変形前のロボットモードに若干しわ寄せが来ており、特にロングハウルは合体時のしわ寄せをモロに受けたせいか短足デブ体系になってしまっているが、しっかりと変形合体を再現し、かつ可動性も追及している。
それから10年、2025年にアメリカで「スタジオシリーズ86」での発売が決定。
スクラッパーとミックスマスターがヴォイジャークラス、ボーンクラッシャーとスカベンジャーがデラックスクラス、フックとロングハウルはそれぞれボイジャークラス2体セット+デバステーター合体用パーツセットのマルチパックとなっており合体時のサイズは「レガシー」のメナゾールと丁度同じくらいになるよう小型化されている。
一方で海外ではレガシー版メナゾールに対し各メンバーをリリースするタイミングが不透明だったことや、全員揃うまで約2年もかかったことが災いしてメナゾールを完成させられなかった人が多かった反省を活かし、デバステーターについてはあらかじめスケジュールを明確にし2025年内で完成するようにするとアナウンスされた。
また「今後発売される合体戦士もそうなる」と今後もスペリオンやブルーティカスのような合体戦士系が登場することも示唆している。
現状日本での発売予定はないがSS86自体日本でもラインナップが増え続けているため近いうちに発売されるかもしれない。
名付けてこれ、余談と呼ぶ!
元ネタとなった玩具は
ダイアクロンの「建設車ロボ」。
オレンジと赤を基調にしたカラーが特徴で、緑と紫を基調にしたビルドロンと大きく印象が異なる。
善悪反転世界『シャッタード・グラス』では合体する描写はなくG1のラチェットのような仲間の修理や負傷した中もの搬送を主な任務としている。
カラーリングも救命車輛系の白や赤が中心。
「オレ達ビルドロン部隊が追記して修正すれば無敵だ!」
- さらにビルドロンがメガトロンを作ったという説も2010で出てきて… 「メガトロンを建造した元デストロンだったが後に改心してオメガスプリームと親しくなるも、メガトロンの洗脳で再度デストロンの元に。その後戦いで中枢を残して壊れてしまったので、地球でボディーを作り直した」なら全ての説で矛盾が無くなるか -- 名無しさん (2014-01-01 17:19:56)
- 出自の設定がアニメ第一期と二期で変わった事から、米国のTFファンは第一期と二期をパラレルワールドの別世界と捉えるのが主流だったんだそうなby04年に出たムック。 -- 名無しさん (2014-01-01 19:57:26)
- 何気にアニメ初登場回は、第一シーズンの最終回だったり。 -- 名無しさん (2014-12-24 20:18:51)
- ユナイトウォリアーズのデバスターほしい -- 名無しさん (2015-07-10 09:29:15)
- 初登場回では谷底のマグマに落とされても後の回で何事もなく登場。「Z」では溶け去った。 -- 名無しさん (2015-09-08 13:59:31)
- ユナイトウォリアーズだと余剰パーツをなくす工夫がされてるんだよね。合体時に拳や足首から下になるパーツh手足を構成するメンバーの腕になるし、頭部は胴体を構成するメンバーの中に収納されてる。デバスターにしてもそう。拳は前腕部に収納されてるし、バイザーも頭部に収納されてる。おまけにメンバーの武器は纏めて背部に取り付け可能だし。 -- 名無しさん (2015-12-11 14:54:06)
- ↑訂正、武器でした。おまけに腕、胸、武器になるパーツはロングハウルに全てマウント可能だし、メンバーの武器にもなる。 -- 名無しさん (2016-02-01 17:32:49)
- おまけにカメラアイとバイザー切り替え可能だし -- 名無しさん (2016-08-26 15:20:00)
- 劇中の出番が多いから、デストロン側ではかなり重宝されたんだろうな。建築と戦闘の一石二鳥の便利屋だし。 -- 名無しさん (2017-06-11 01:32:34)
- 「オメガ・スプリームの秘密」、話を聞いたコンボイは「ビルドロンは君を裏切った」と言って当のオメガは「死ね、裏切り者」と言ったが、彼らはむしろ被害者。 -- 名無しさん (2018-11-07 18:08:08)
- ビルドロンは皆建築に携わって、スクラッパーの役割は設計兵じゃ駄目なの? -- 名無しさん (2019-05-09 20:28:40)
- >だが、ダイアトラスの策で溶岩に飲み込まれて死亡。 今更ながら実際は飲まれてフェードアウトしただけで、絶命したかどうかは不明なんだよな。そのためか後年作品(ユナイテッドEXのビルドマスターのバックストーリーやレジェンズ)では重傷を負っただけで生きていたと解釈されることもある。 -- 名無しさん (2019-06-27 11:11:38)
- ソーラータワーをいっしょに造らないか?とホイストに声をかけようとしたら「誰がお前らの話など聞くか」とそのまま発砲されて、あいつ本当に撃ちやがったみたいな反応していたのが笑えた -- 名無しさん (2021-12-27 22:16:47)
- ホイストとグラップルは騙してたわけだけど、実際の作業中だけは同じ建設家として心からリスペクトし合ってたように見えて何だか切なくなった。G1がシナリオそのものは戦争モノだと思い出させるエピソードだったと思う -- 名無しさん (2024-05-18 10:22:30)
最終更新:2025年03月02日 12:34