スタントロン

登録日:2020/12/23 Wed 10:52:30
更新日:2025/03/11 Tue 23:31:26
所要時間:約 3 分で読めます






こいつはすげぇや!
いくらサイバトロンでもこんなスタントはできませんぜ!


今、なんと言った……スタント?

よーしそれだ!



トランスフォーム!



この新部隊を


スタントロンと名付ける!




スタントロンとは、「トランスフォーマー」シリーズに登場するデストロンの1部隊である。
全員が地上車両にトランスフォームする。海外名は「スタンティコン」。



【概要】

初登場は初代42・43話の前後編「ベクターシグマの鍵」。
デストロンの破壊大帝メガトロンは、飛行戦ではサイバトロンに長けてはいるものの、ジェットロンでは狭所に入りにくい等で地上戦ではハンデがあることに悩んでいた。
そこで、地球上のを5台ほど強奪し、デストロン海底基地で以下のような改造を施していく。
  • フルスロットルで地上を500km以上で走行
  • オートバリアでボディを強化
  • 反重力装置でハイジャンプやローリング走行を行う
  • ロボットモードへの変形能力
かくして完成したデストロンのカーロボットは、人里離れた山間の廃坑でテストによる派手なスタントを敢行。
ノリノリでラジコンのごとく操作するメガトロンを見た フレンジーの発言を受け、メガトロンはスタントロンと命名した。

その後、それぞれが自ら考え、行動する力を得るためにスペースブリッジでトランスフォーマーたちの故郷であるセイバートロン星に帰還。
老科学者アルファートリンから母なるコンピューターであるベクターシグマの鍵を強奪。
その力で、邪悪な心が吹き込まれロボット生命体として誕生したスタントロンは、地球で大暴れするのだった。

全員荒い走りが得意で、障害物をもものともしない。
「スタースクリーム軍団」ではぶっ壊しレースで遊んでおり夢中になってメガトロンの召集に遅れてしまったこともある。
このぶっ壊しレース、スタントロンの間では休日恒例であり「ユナイトウォリアーズオフショット」ではメガトロンの緊急召集を無視して楽しんでいた。ちなみにレース自体はデッドエンドが優勝している。

また、地上車両に変身するためサイバトロンと誤解されやすく、人々を油断させたり、コンボイ達に余計な風評被害を与えるという嬉しい誤算もある。
もっとも、本人たちやデストロンの仲間たちはそのことに気づいておらず、むしろサイバトロン側がそのことを利用するのだが…


【メンバー】


参謀 モーターマスター


「自分の名はモーターマスター。あなたに忠誠を誓います」

CV:戸谷公次

黒のトレーラー、ケンワースK100エアロダインに変形する、スタントロン部隊のリーダー。
軍人気質で冷静沈着。一方でプライドも高く、同じトレーラーのコンボイをライバル視し、どちらが陸の王者にふさわしいかとよく戦いを挑んでいる。相手は敵軍のリーダーであるため、手も足も出ないが…
メガトロンへの忠誠心は高く、与えられた命令をテキパキと実直にこなす。それだけに『2010』では変わり果てたガルバトロンへの失望を隠せず、「あんな頭がイカれた人を何時までもリーダーにしておけねぇ」と吐き捨てていた。
ちなみに変形方式はコンテナがおまけのコンボイとは逆にコンテナがボディの大半を占め、キャビン部分は爪先のみ。
武器はサイクロンガンとアイオナイザーソード。
ある意味、後のブラックコンボイ(海外名:スカージ)やネメシスプライムの先駆けのようなキャラクターである。


兵士 デッドエンド


「自分はデッドエンド。ご命令に従います」


ポルシェ928に変形する。スタントロンの中で唯一マスク顔だが2010での描写からすると口があり縦に潰れた菱形状に開く。
元々の車は強盗犯からフレンジーが強奪してきた。それゆえか、「俺たちはサビの食い物に過ぎない」と悲観論をぶつくさと呟く陰気な性格。「デッドエンド」は英語で「行き止まり」を意味するが、それが反映しているのだろうか?
そんな彼も戦いがない時は自分のボディを磨くのに時間を費やす一面を持つ。
武器はエアコンプレッサーガン。
61話では自動車でありながら飛行形態に変形するトラックスを汚いぞと非難している。ロボット形態で当たり前のように飛ぶお前が言うか。
また、ポルシェつながりでマイスターが彼に変装している。
後の時代に登場した武人のアンモナイトとは無関係。


斥候 ブレークダウン


「自分はブレークダウン。あなたの部下です」

CV:難波圭一

ランボルギーニ・カウンタックに変形する。
機転は利くものの、やや自意識過剰な性格で、地球の周囲が自身を監視してるのではないかと感じている。自意識過剰のブレークダウン♪(2010EDより)
「ブレークダウン」は英語で「神経衰弱」「故障」を意味するが、神経質になり過ぎているフシがある模様。
第56話では後述のワイルドライダーの悪乗りに呆れるが自身の燃料漏れに気付かずにグラップルの攻撃で火だるまになり、消防員気質のインフェルノに消火されワイルドライダーともども捕まり、レッカー牽引されてしまうマヌケな姿を見せている。
しかしサイバトロンに捕まったスタントロン部隊が脱走するために一役買っている。
そんな彼に変装したのはランボルギーニつながりでランボルであった。
武器は振動ライフルとブラスターガン。

後の時代には壊すの大好きな偵察兵になるが、車に変形すること、青を基調としたカラーリング、赤い顔を除き共通点はほとんどない。
一応彼も元々はスタンティコン部隊に所属していたという設定はある。



兵士 ドラッグストライプ


「自分はドラッグストライプ。なんなりとご命令ください」

CV:片岡弘貴

六輪のティレル・P34に変形する。F1マシンでありながらデストロンの改造もあってか、あらゆる悪路も垂直の崖も難なく走行可能
海外名は「ドラッグストリップ」。車用語としてはドラッグレース用の直線舗装コースを意味する。ドラッグをストリップとか物騒なこと言ってるがヤク中ではない
元々の車はレース中にフレンジーが強奪。その際、フレンジーはわざわざ上に跨ってレーサーのミューラーを座席から投げ飛ばしてハンドルを操作していた。
自己顕示欲の強い性格で、敵に捕まるくらいならスクラップになる方がマシと思っており、メガトロンもまた彼の性格にうんざりして溶鉱炉に叩き落としてやろうかと思うほど。
61話ではF1車両つながりでリジェが変装。よく四輪車が六輪車に変装できたものである。
武器はグラビトガン。
後の時代に登場したギッチョンチョン言ってるサソリとコブラのフューザー戦士とは微妙に名前が似ているが、特に関係はない。

テロリスト ワイルドライダー


「自分はワイルドライダー、何だってやります」

CV:城山知馨夫

フェラーリ308に変形する。
肩書きは「テロリスト」と物騒だが流石に現在では「暴走兵」に変更されていることが多い。TF大元のアメリカが2001年の同時多発テロを経験した以上今後肩書きが元に戻ることはないだろう。
メンバーの中でも特に乱暴な走りを好み、よくけたましい笑い声をあげながらフルスロットルで走行するスピード狂。
43話ではブロードキャストの超音波攻撃にひるまず、地割れを飛び越して強烈な体当たりを敢行。目眩を起こすほどのダメージを与えた。
ブロードキャスト「誰かあいつらの運転免許証を取り上げちまえばいいんだよ!まったく、あんなメチャクチャな運転は始めて見たぜ!」
61話ではデッドエンドとコンビを組むが立ちはだかるインフェルノ、グラップル、ホイストを笑いながら通り過ぎるが逆にホイストに反撃され、デッドエンドともどもレッカー牽引されるのだった。
『2010』でもデッドエンドと一緒に単独行動していたロディマスコンボイを奇襲しマトリクスを奪い取っている。何故か止めは刺さなかったが
その後、ミニボットのチャージャーが彼に変装している。
武器はブラスターガン。
後の時代に登場したデコボコ道大好きなカーロボ三兄弟の長男とは微妙に名前が似ているが、特に関係はない。




スタントロン!ユナイト!




これぞ合体兵士!


メナゾールだ!




合体兵士メナゾール


「メナゾール…貴様を…破壊する!」

CV:戸谷公次

スタントロンの5人が合体した巨大ロボ。
Menasor(メナゾール)は造語で、「脅威」等を意味するMenace(メナス)由来とされている。

モーターマスターが胴体となり、他の4人が自由に手足となるスクランブル合体
基本はブレークダウンが右脚、ドラッグストライプが右腕、ワイルドライダーが左脚、デッドエンドが左腕。巨大化したモータマスターの手足に他4体がくっつくような合体の仕方をよくするのは突っ込まないように。
武器はモーターマスターと同じくサイクロンガンとアイオナイザーソード。更に腕にはビーム砲が仕込まれている。
パワー・スピード共に強力で、エアーボットの合体戦士スペリオンを好敵手とする。
劇中では苦戦らしい苦戦をほぼしておらず、同じ合体戦士であるデバスターブルーティカスを上回る活躍をしたことも。
実際テックスペック上は、デバスターは50、メナゾールは53、ブルーティカスは52と、3体の中ではメナゾールが一番合計値が高い。

玩具設定では、モーターマスターが他の4人に酷く嫌われているために意思の疎通ができず、対立して混乱する事が多いとされているが、アニメではそのような描写は特に無かった。

OVA「スクランブルシティ発動編」では基本形態に加え、手足の入れ替えによるモードチェンジを披露している。
作中ではパワータイプ(ドラッグストライプが右脚、ワイルドライダーが右腕、デッドエンドが左脚、ブレークダウンが左腕)を見せた。

『ヘッドマスターズ』ではダイノベース駐留部隊を担当。

『Z』ではデストロン九大魔将軍の情報将軍となっていた。


【玩具】


他の合体戦士同様、バラ売りとセット品両方が発売された。
モーターマスターには玩具オリジナルの基地モードがあり、スプリングで他メンバーを発進させたり、ダイナザウラーに接続したりできる。

G2でも発売予定だったが、残念ながらおしゃかになり、後にブレークダウンのみ限定販売された。

「トランスフォーマーガム」でも発売。モーターマスターは通常弾、手足ロボ4体は「G(ガイア)スクランブル」という小型版で発売。
手足ロボはデッドエンドとブレークダウン、ドラッグストライプとワイルドライダーがそれぞれ同一番号の色替え*1で、どちらか一つが入っているうえ、別番号6体*2を合体させることで新規の「ガイアスクランブル」が完成する。
勿論コンバットロン5体でメナゾールにすることも可能*3

仲間のコンバットロンに対し出番が少なかったが、スクランブル合体TFが多くリメイクされた「コンバイナーウォーズ」でようやくリメイク。幻のG2カラーも発売されている。
モーターマスターはオプティマスのリデコ故キャビン部分のみになったため変形方式が大幅に異なっているほか、ワイルドライダーが無く、代わりに似たカラーリングの「オフロード」という新規メンバーが追加されている。
また胸部に合体する小型TF、「ブラックジャック」が追加された。
後にワイルドライダーも大人の事情で「ブレークネック」という名前で発売された。

日本では「ユナイトウォーリアーズ」として発売。ワイルドライダーが復帰し、当時同様の5体合体になっている。ついでに玩具仕様のCW版からアニメ仕様にリカラーされている。

この時省かれたオフロードは、なんとブレークダウンのリメイクキャラであるプライムの「ゾンビウォーブレイクダウン」としてリカラーされ発売された。ブラックジャックも『トランスフォーマーアドベンチャー』でリカラーされ、「ラナバウト」として発売された(劇中未登場)。さらに「ラナマック」(もちろんこちらも劇中未登場)としてさらにリカラーされている。
当然だがゾンビウォーブレークダウンは元ネタのブレークダウンと入れ替えてメナゾールにつける、なんて芸当も可能である。

2022年には「レガシー」でドラッグストリップが発売されたのを皮切りにモーターマスターがコマンダークラス、それ以外の4人はデラックスクラスで登場。
モーターマスターのコンテナは変形し攻撃基地モードになるほかモーターマスター本体とコンテナを変形させることでメナゾールになる。ただしモーターマスター単品だと骨組みだけのスッカスカな状態なのでこれに残りの4人を合体させることで完全体のメナゾールとして遊ぶことが出来る。

2025年には海外で先行販売されていた5人セットの日本発売が決定。単品と違って初代アニメ放送当時のカラーリングとなっている他ブレークダウンの頭部が新規造形となっている。
お値段は33,000円と流石に高いが単品それぞれの定価の合計よりわずかに安くなっている。


よく聞けコンボイ!スタントロン部隊には秘密があるのだ!


ちゃちなジェット機な玩具などたちまち追記、修正してくれるわ!

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最終更新:2025年03月11日 23:31

*1 単なる色替えではなく、ブレークダウンのガルウィングはデッドエンドのバンパーに、ドラッグストライプとワイルドライダーはガルウィングとボンネットをそっくり入れ替えることでそれぞれ別車種に見立てるという工夫が光る逸品。

*2 エアーボット、コンバットロンの手足ロボ。

*3 ただし合体用の手首と足首は『Gスクランブル』を全て買い揃えないと完成しない。