こどものおもちゃ

登録日:2013/12/20 (金) 22:33:08
更新日:2019/07/05 Fri 21:15:52
所要時間:約 8 分で読めます




『こどものおもちゃ』とは、1994年から1998年にかけて『りぼん』で連載されていた小花美穂の少女漫画。

底抜けに明るい子役タレントの紗南とひねくれ少年の羽山が織りなす、彼らの日常と恋愛模様、
そして心の問題や子供が抱える社会問題を時にコミカルに、時にシリアスに描く。

基本的に日常パートは紗南のハイテンションぷりによってコメディタッチに描かれているが、
シリアスパートでは少女向けとは思えないほどの生々しさ、シビアさを真っ向から描き、奥深さを残した作風をとっている。

1996年~1998年にはテレビ東京系列、金曜6時の時間帯でアニメが放送された。
監督は『ギャグマンガ日和』や『今、そこにいる僕』、『レジェンズ~甦る竜王伝説~』の大地丙太郎。
大地監督はギャグから鬱アニメまで幅広い作風を後に手掛けるので、今となってはうってつけの題材だったと言える。
さらに装甲騎兵ボトムズ等で有名な高橋良輔がシリーズ構成,演出協力という形で参加している。(実質的な総監督的ポジション)
また高橋監督は本作の小説版も書いてたりする。

なおアニメ版では子供を対象とするためにトミーとの商品連携やマスコットキャラの追加、ギャグの大幅増量が行われた。

また、1995年にはOVA化されているが、キャスト・スタッフ・製作スタジオが全く異なる。




【ストーリー】

小学6年生の倉田紗南は、お茶の間を賑わせる超売れっ子子役タレント。
人よりも大人っぽい性格の彼女の目下の悩みはクラスの男子を扇動し学級崩壊の限りを尽くしている男子・羽山秋人。
授業を妨害し先生を泣かせ、逆らう女子をいじめる羽山の極悪非道ぶりについに彼女は怒りを爆発させ、彼に宣戦布告する。
しかし、羽山の家庭を探るうちに彼が家族との間に深い溝ができていることを知った彼女は、彼とその家庭を救おうと奔走する。
やがて羽山とは喧嘩しながらも深い腐れ縁となった紗南だったが、彼らの日常には紗南の出生の秘密やクラスメイトの問題といったさまざまな壁が立ち塞がっていく。
これは、そんな不完全な二人の2年間のお話…。



【登場人物】

●倉田紗南(くらた サナ) CV:小田靜枝(OVA版:横山智佐
ヒロイン。
日本で知らない者はいないほど有名な劇団こまわり出身の子役タレント。
小説家の母の勧めで芸能界入りし、その卓越した演技でスターダムを登り詰めた。
性格は前向きかつ天真爛漫で、思ったことをはっきりと言える熱血気質、またお節介焼き。
しかし、出生の秘密(後述)のトラウマのために一度悩みこむと深い絶望に捕らわれてしまうほど脆い一面も持つ。
当初は羽山を敵視していたが、彼の素性を知り真摯に向き合った末、いつの間にか欠かせない存在となっていく。

●羽山秋人(はやま あきと) CV:中崎達也(OVA版:緒方恵美
ヒーロー。
純真無垢な少年であったが自分の出産時に母親を亡くしてしまっており、
それが原因で自分と向き合えなくなった父、腹いせに「悪魔」と罵るようになった姉に囲まれすっかり心がひねくれ、
男子を束ねる不良のボス猿となり果てて、学級崩壊・いじめ・万引きと非行の限りを尽くしてしまう。
だが初めて自分と真正面から向き合った紗南の努力によって家族と和解し、自身も紗南に救われ彼女が大切な存在になる。
更生してからは天然ボケな言動が増え、校長の勧めで空手を習い始め、彼の生きる支えとなる。

●倉田実紗子(くらた ミサコ) CV:木野花(OVA版:稀代桜子
紗南の母で、売れっ子小説家。
常にエキセントリックな振る舞いをする大物であり、いつも変な髪形をしておりしかも頭でリスの「まろちゃん」を飼っている。
実は紗南の実の母親ではなく、紗南は公園のベンチで拾われた捨て子だった。
彼女の本当の母親に会うため、実紗子は紗南を芸能界に入れ有名になったところで暴露エッセイを書き母親に名乗り出らせようとしたのである。
だが実の母以上に紗南への愛情は深く、娘のために時に叱り時に慈しむ立派な母である。

●相模玲(さがみ レイ) CV:内藤玲(OVA版:菊池正美
紗南のマネージャー兼世話係。
若くしてホームレスになった所を紗南に拾われ彼女の「ヒモ」になった。
イケメンな素顔を独り占めするために紗南からはサングラスをかけさせられている。
紗南は彼を恋人と思っていたが、のちに勘違いと分かり彼女は恋愛下手に陥ってしまう。

●羽山冬騎(はやま ふゆき) CV:松山鷹志(OVA版:小室正幸
羽山の父。
子供達を愛しているが妻の死以来どう向き合っていいかわからず彼のSOSにすら気づけずにいた。
だが紗南の説得によりようやく息子と対話し気楽な関係となる。
実は妻と共に元ヤン。

●羽山夏美(はやま なつみ) CV:岡村明美(OVA版:根谷美智子
羽山の姉。
母の死の原因を作った弟を蛇蠍のごとく嫌っていたが紗南の激怒を受け自分の過ちに気付き彼と和解。
以後は喧嘩しつつも良好な関係を築いている。

●加村直澄(かむら なおずみ) CV:南央美
有名な実力派子役。青い目を持つ中性的な美少年。
赤ん坊の頃の紗南と同じ孤児院に預けられており、TVに映った彼女に憧れ芸能界に入った。
同じ生まれを持つ者として紗南に惚れており何度も彼女にアプローチをかけるがいずれも「友達」止まりにされている。
映画で共演した際は恋人同士扱いされたことも。
実は幼い頃紗南と会ったことがあり、終盤の鍵となる。

●佐々木剛(ささき つよし) CV:三澤真弓(OVA版:高山みなみ
羽山の幼馴染で親友。主に羽山のストッパー係でありツッコミ役を務めている。
家族と上手くいっていない羽山を心配している友達思いな性格。
だが一たびキレると暴れ出して羽山以外には手が付けられなくなってしまう。
作中両親が離婚し苗字が変わっている(旧姓は大木)。
紗南の事が好きだったが彼女からは相手にされず、亜矢に告白されあっさり彼女に乗り換えリア充入りに。

●杉田亜矢(すぎた あや) CV:菊地晶子
紗南のクラスメイト。
実は密かに剛のことが好きで、彼に告白し見事カップル成立となった。

●松井風花(まつい ふうか) CV:生駒治美
中学時代の紗南のクラスメイト。さぱさぱとした人情味あふれる性格。
生まれは東京だが小学生時代を大阪で過ごしたため関西弁を喋る。
幼稚園の頃羽山にファーストキスを奪われておりそのことで彼に突っかかるが、
初恋の男を見返すために彼と偽装カップルとなったことがきっかけで彼に惚れ、本当の「恋人同士」になってしまう。
そのために紗南を含めた三角関係が展開されるが二人の深い仲を目の当たりにし、羽山を諦めることになる。

●来海麻子(くるみ あさこ) CV:仲尾あづさ(OVA版:岡村明美)
人気の若手女優。作中では二回紗南と共演している。
学生時代の玲の元カノで、彼の不幸の始まりとされていたが再会がきっかけでよりを戻した。

●坂井佳子(さかい けいこ) CV:土井美加
紗南を当時14歳で産んだ女性で、産んだことが怖くなり彼女を捨てた。
現在は4歳の女の子を授かっている。
エッセイの発売後成長した紗南に会いに行くが、彼女からは結局「親」とみなされなかった。

●志村チヨ(しむら ちよ) CV:天野慶子
倉田家の家政婦。
倉田母娘を温かく見守る働き者。

●三屋先生(みつやせんせい) CV:仲尾あづさ(OVA版:永堀美穂
小6時代の紗南のクラスの担任。学年主任の先生とデキている。
羽山率いる悪ガキ男子どもにいびられ授業を妨害され泣いてばかりの日々だったが、
羽山の更生により無事授業を進めることができ、また自身も強くなったようだ。

●千石先生(せんごくせんせい) CV:中村大樹
中1時代の羽山のクラス(紗南とは別)の担任。担当は理科。
小学校時代の問題児・羽山を徹底的にマークし、いびっている極悪教師。
学生時代のトラウマを自己投影して羽山に八つ当たりしているも同然な、ダメな人間の見本のような男。
羽山を担任して1年で辞めたことが唯一の救いか。

●小森和之(こもり かずゆき)
中学時代の羽山のクラスメイト。引っ込み思案で内気な少年。
教育ママな母親に抑圧され鬱屈しており、教師にも堂々としている羽山に憧れを抱いていた。
だが、彼から「名前を知らない」と言われたことに絶望し心中するため羽山を富士の樹海へと誘い出す。
飢餓状態も相まって錯乱するあまり羽山の右腕を刺し生死を彷徨うほどの重傷を負わせてしまうが、
紗南にされたことと同様に向き合ってくれた羽山と和解し、田舎で療養することになった。


【各巻の見どころ】
コミックス版を準拠とする。
  • 1巻
紗南と羽山の対立。羽山家の家庭事情とその解決。

  • 2巻
玲の過去と恋人発覚。ファーストキスを羽山に奪われる紗南。紗南の初恋の終わり。

  • 3巻
夏休み、林間学校。直澄登場。紗南の出生を明かすエッセイ。

  • 4巻
母親問題解決。小学校卒業と羽山の自覚。

  • 5巻
中学校進学。風花との掛け合い。映画ロケ開始。

  • 6巻
映画ロケ進行中。紗南・羽山・風花の三角関係勃発。

  • 7巻
羽山から仕事に逃げる紗南。紗南に拒まれ荒れる羽山。

  • 8巻
小森との対峙。意識不明となる羽山。互いの気持ちを伝えあい、紗南と羽山、両想いに。

  • 9巻
ラブラブカップル生活も束の間、羽山父のロス転勤の話が。心を閉ざした紗南、表情がなくなる。

  • 10巻
進行する紗南の人形病。二人の気持ちの終着点。


なお、劇中映画『水の館』は小花美穂の手により漫画化されている。

今作の10年後を描いた番外編『Deep Clear』が小花の連載漫画『Honey Bitter』のコラボで描かれている。
あのキャラの意外な未来等が描かれており、一見の価値あり。




言っちゃったけど、あんたたちはバカだね。
バカWiki籠り!名付けて「追記修正バカ」!

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