毛糸のカービィ

登録日:2014/02/11(火) 17:00:57
更新日:2020/05/27 Wed 14:20:59
所要時間:約 10 分で読めます





毛糸のカービィとは、2010年にWii任天堂から発売されたアクションゲームである。
発売は任天堂、開発は『ワリオランドシェイク』等を開発したグッド・フィールが担当。
グッド・フィールはがんばれゴエモンシリーズの元スタッフの集まり、と言えば分かりやすいか。
ハル研究所は開発協力に留まっており、以前よりも外注色が濃い。

2019年3月7日には移植+追加要素ありのリメイク版、『毛糸のカービィプラス』が3DSで発売された。
また、その一週間後に本作の小説版も刊行されている。


概要

鏡の大迷宮』『参上!ドロッチェ団』のフラグシップ以来となる外部開発。
据え置き機では『星のカービィ64』以来の横スクロールアクションである。


最大の特徴はタイトルにもあるように、毛糸やフェルトで表現されたキャラクター、そして世界観。
全体的にほんわかとした可愛らしい雰囲気で占められている。
カービィや敵のアクションは総じて愛くるしく、見ているだけで癒し。
ギミックも世界観に合わせてよく出来ており、糸を引っ張って背景の布を縮めたり、怪しい所をベリッと剥がしたり…
昨今のリアル志向が強いゲーム業界では意欲的な作品と言える。
BGMも各ステージの雰囲気とよくマッチした穏やかな曲が多いが、終盤は…?

コピー能力は存在しないが、代わりにメタモル能力という変身要素がある。
3DS版ではコピー能力の代替システムとして「さいほう能力」が登場し、能力ごとに異なる技でステージ攻略を円滑に進められる。


オリジナル版、及びノーマルモードは星のカービィシリーズの中では「体力やミスの概念」が無いという、異質なゲーム性が際立つ。
つまりダメージを受けることはあっても、絶対に進めなくてつまずくようなことが無い。
その代わり、後述のビーズを集めることが本作の楽しみ方の主軸となり、歯ごたえを求める人は後述のデビルモードを……という具合。


収集要素の一部に「インテリア」「布」「アイロンビーズ」(3DS版のみ)が登場。
ステージに隠されていたり店売りされていたり、サブゲームをやりこんで手に入れたりと様々で、マンションの一室を借りて好きに配置できるほか
空き部屋に指定されたインテリアを置いて、住民を呼び込むこともできる。
インテリアの種類はただの家具から奇妙な置物まで多種多様。
カービィの部屋に関しては決まった正解は無いので、どこまでも自由に試してみるといいだろう。


珍しくスコアの概念があり、「ビーズ」をステージ中で沢山集めることが本作の肝となる。
ビーズは通貨でもあり、インテリアや布の購入に使う。
ただし敵に当たったり穴に落ちたりするとビーズが飛び散ってしまう。
某青いハリネズミのリングみたいなものである。


前述されたように体力やミスの概念がないので
エンディングを見るだけなら番外編含めシリーズで特に難易度が低い。
ちょうど翌年に発売されたのがあの『星のカービィWii』だったこともあり、当時は何かと比較されがちな所もあったが、根本的なゲームコンセプトが異なるので一概に良し悪しは決められない。
しかし、後述のおともだちとの遊びや、3DS版のデビルモード攻略はやはり番外編らしく難易度が高めであり、上級者でもやりこめる幅広い一作となっている。


あらすじ

ここは、呆れかえるほど平和な国、プププランド。カービィは、散歩の途中でおいしそうなトマトを見つけました。

「やったね、いただきま~す!」

と、吸いこもうとしたその時、トマトと一緒にマントの男が飛び出してきました。

「これは大事なメタモルトマトだアミーボ!」

でも、トマトは腹ペコカービィの口の中へ…すると突然、マントの男が持っている靴下が輝きはじめ、カービィは靴下の中に吸い込まれてしまいました。

そこは、すべてが布や毛糸で作られた世界でした。そして、驚いたことに、カービィの体も毛糸になっていたのです。

するとそこへ、怪物に追いかけられた少年が駆けてきました。

「助けてー!」

(危ない!)と思ったその時、なんと、カービィの体が車に変身。少年を乗せて、あっという間に怪物を振り切りました。

「助けてくれてありがとう。僕はフラッフって言うんだ」

フラッフは言います。アミーボ・アモーレと言う悪者に、バラバラにされた世界を救うため、大陸を繋げる旅に出るところなのだと。

「僕と一緒に魔法の毛糸を探してくれないかな?」

それを聞いたカービィは、困っているフラッフを助けることにしました。

こうして、世界を元に戻すための、二人の旅がはじめるのです。

(毛糸のカービィ公式サイト おはなし参照)


登場人物

ご存知ピンクだま。毛糸になっても可愛さと強さは健在。声もお馴染み大本眞基子。
今回は食い意地が功を奏し、吸いこみが使えなくてもメタモルトマトのおかげで戦えるようになった。


  • フラッフ
毛糸の国の王子。ピンクだまそっくりのみずいろだまだが、目つきが凛々しい。
バラバラにされた大陸を繋げる旅に出たが、その途中で怪物に襲われたところをカービィに助けられた。
ゲーム中では2Pキャラ扱い(オリジナル版のみ。3DS版は完全シングルプレイ)。
なので普通のプレイではチュートリアル以外だとステージ途中(3DS版)、ゴールダンスの時にしか出てこない。働け


メタモルトマトの持ち主であった、メキシカンな出で立ちの謎の男。
毛糸の国をバラバラにしただけでなく、今度はプププランドまで毛糸の世界に変えようと企む。
両手には目つきの悪い顔をしたヘンな編み棒を持っているが…


カービィのライバルその1。本作ではアニメ版の「ぞい」口調。
ワドルディ達がアミーボ・アモーレの作り出した偽者とすり替わっていることを知らず、城を乗っ取られてしまう。
3DS版ではサブゲームの主役に。


カービィのライバルその2。
プププランドの異変に気付くが、既に事態は深刻で…。
3DS版ではサブゲームの主役に。


  • ルーム・ウール
毛糸の国にあるステキなマンションの管理人。
マンションを大きくするのが夢と言いつつ、ビーズが足りないと言ってカービィに頼みごとをする辺り若干他力本願な気がしてならない。
彼のお願いを聞くとマンションの住人が増えていく。
弟に家具職人のカーグ・ウール、布デザイナーのヌーノ・ウールがいる。


  • おともだち
マンションの空き部屋に、指定のインテリアを置くと引っ越してくる人々。
ガッチン、フミフミ、ビータン、クルリン、コロンの全5人。
彼らに話しかけると色んな遊びをすることが出来る。


  • エンジィ
サポートキャラ。黄色い天使みたいな生物。
主に谷底へ落下したカービィを救い上げる役割を持つが、引き換えに集めたビーズが大量にバラ撒かれてしまう。
命はビーズより重い……!


  • デビル
3DS版の追加敵キャラ。
デビルモードを選択した場合にのみ登場するお邪魔キャラであり、怪しい音と一緒に穴から出現する。
出現後は専用のBGMが流れ続け*1、地形を無視しながらカービィにつきまとい、執拗な妨害を行う。その役割を簡単に言えば星のカービィ版レッドアリーマー
上空から鉄球を落とす「オレ・デビール」、左右からロケットの如く突進する「ワイ・デビール」、空中から狙いを定めて超高速ショットを放つ「ウチ・デビール」の3種類がいて、ステージによって誰が登場するかは決まっている。
攻撃の間隔は比較的長く、ダメージを与えて追い払えば一定時間出現しないものの、前者2体は画面端に張りついて動き、後者はタメ中に毛糸玉を投げても弾かれるなど、さいほう能力無しでは対処が厳しい。


アクション

基本アクション

今回のカービィは殆どのアクションで姿が変身する。
ダッシュすれば車になり*2、空中で急降下するときは重りに、ふわふわ落下したい時はパラシュート、
水中を泳ぐときは潜水艦に…
また、毛糸を投げて敵を巻き取ったり、仕掛けを引っ張ったりして動かすこともできる。
基本的にこれらのアクションを活かしながら進んでいく。


メタモル能力

ステージ内のメタモルリングを取ると、カービィの姿が大きく変身。
普段では使えない特殊能力を使うことができるようになる。
全10種類。

ここではその一部を紹介する。
その他はメタモル能力(毛糸のカービィ)の項目を参照。


  • ビッグロボ
キャタピラ付きの巨大ロボット。
口からミサイルを連射して敵を殲滅片っ端からやっつける。
2Pがいる時は独立して使用可能な技が追加され、文字通りの無双が可能。


  • U.F.O.
おなじみのUFO能力とほぼ同じ形。
キャトルミューティレーションキャプチャービームで敵から布ブロックまで色々吸い込むことが可能で、
3つ吸い込むと必殺技のサンダースパークが放てるようになる。
周囲の布ブロックを一掃するときには必須。
やや操作にクセがあり、ブレーキが効きづらいためこの能力を使うシーンはデビルモード屈指の難所。


  • スプラッシュ
消防車。
ご想像の通り放水で攻撃する。空中のビーズも落とす事が可能。
Wiiリモコンを傾けて放水の角度を変えられる。


さいほう能力

3DS版の追加要素。
従来のコピー能力の代替にあたる新能力であり、ステージ道中で敵やフラッフが持っている帽子を巻き取ると変身する。
馴染みのあるコピー能力を意識したものが多い。
複雑なコマンド入力技を持たないため、数字系カービィに近い感覚でシンプルに運用ができる。

  • あみぼう
敵を貫通する、一段と大きい毛糸玉を作れるようになる。従来の貫通弾やスロウポジション。
また、敵やモノが無くてもその場で毛糸玉を作ることも可能。この場合は普通サイズの毛糸玉。

  • ナイロン
トルネイドのように回転しながら風を巻き起こす。
一瞬ふわりと浮き上がりつつ、周囲のビーズを吸い寄せてくれる。

  • ハリガネ
針金製のソードを振り回す。
近接攻撃の強さはさいほう能力随一であり、本作のメタナイトと念願の剣対決が実現できる。

  • ボビン
ボビンをヨーヨーのごとく投げて攻撃。
投げたボビンはしばらくその場に留まるので、置き技としても使える。

  • マチバリ
ニードルの如く鋭いまち針を3WAYで投げる。
攻撃速度はかなり早く、上にも投げられるが、あまり遠くには届かないのが少しネック。

  • ボタン
ボタンの形をした爆弾をボムのように投げる。
ニュートラルで投げると放物線を描き、ダッシュしながらだと一直線に飛ぶ。
帽子がヘルメットだからなのか、手元や間近で爆発しても自分にダメージは無いので安心。
デビルモード攻略のお供に。


ゲーム

マンションに引っ越してきた住人(おともだち)とゲームをすることができる。
以下、各ゲームの内容。


  • かくれんぼ
制限時間内に5匹のクルリンを探し出す。
見つけ出すのは難しくないが、時には短い時間の中で探さないといけない。
おともだちのゲームでは簡単な部類。


  • ビーズあつめ
制限時間内に決められた数のビーズを集める。
後半になると結構難しいステージが揃っており、意外に難しい。
せんかんハルバードは鬼畜。


  • おでかけ
丸まったコロンを制限時間内にゴールまで運ぶ。
コロンに限らず、ものを持ち上げているカービィは出来る行動が一部制限されるため
途中でちょっと頭を使う場面がある。
また、このゲームに限りブロントバートが勝手にコロンを持ち運んでしまう。


  • きょうそう
フミフミと競争して先にゴールする。
2回目からは最速タイムがそのままフミフミの速さになる。
つまりやり込めばやりこむほど恐ろしい速さになっていく…
ガチやん、ともだち!


  • しゅぎょう
ガッチン付き添いのもと、制限時間内に決められた数の敵を倒す。
無限湧きしてくる敵をひたすら倒す場合や、ステージのあちこちに点在する敵を探して倒す場合がある。


サブゲーム

3DS版の追加要素。
デデデ大王、メタナイトがそれぞれ主役のサブゲームをプレイできる。
最初に遊べるのはステージ1のみだが、ストーリーの進行状況に応じて次のステージが解禁されていく。両方とも最大4ステージ。
どちらも主軸となるのは本編のビーズと違う「アイロンビーズ」集めであり、スコアに応じたランクで手に入るプレートに打ち付け、インテリアを作ることができる。
プレートによって必要な色のアイロンビーズが異なり、共通して必ず「ルミナス」という虹色のレアなアイロンビーズが一定数必要になる。
作ったアイロンビーズは本編の家具として使用でき、明かりを消すとルミナスが輝いて星座のようになる。望遠鏡を使って天体観測的な部屋も作れる。

両方ともオリジナル版にはない新曲が流れる。

デデデでドドド

デデデ大王を走らせてゴールを目指す。
姿勢を低くするヘッドスライディング、敵やブロックを吹っ飛ばすジャイアントデデデスイングをうまく使い分けていくのがハイスコアへの近道。
必然的に常時ダッシュすることになるため画面が目まぐるしく動き、アクション要素のある覚えゲーに近い。慣れてくると疾走感が楽しくなること請け合い。

メタナイトスラッシュ

メタナイトで敵をひたすら斬りまくりながらゴールを目指す。
十字キー、あるいはスライドパッドで自由に動き(地上を走ることもできる)、ボタン連打で連続攻撃を行う他、ドリルスラッシュで無敵になりながら移動攻撃もできる。
敵を一定数倒すとゲージが貯まり、必殺技で画面全体を攻撃することが可能。
デデデと違ってこちらは常時強制スクロール形式であり、途中でストップして挟まる雑魚ラッシュでは時間内に敵を一定数倒すごとにタイムが3秒延長される。
いかに効率よく敵を倒し、最高のタイミングで必殺技を放ちタイムを引き延ばすか……と、やり込むほど色々と考える必要があり奥深い。


デビルモード

3DS版で追加されたモード。最初から全ステージで開放されている。

オリジナル版、及びノーマルモードとの最大の違いは体力の概念があること、そしてボスを含めたステージ内にデビルが登場すること
体力(ライフピース)は最大5となっており、回復手段はステージ途中でフラッフが持ってきてくれる金色の星のビーズだけ(全回復)。
デビルの鬱陶しい妨害もさることながら、そこにオリジナル版では体力の概念が無かったために見過ごされがちだった「ダメージを受けやすい難所」も徒党を組んでくるため、ノーダメージでゴールに辿り着くのはかなり難しい。
特にボス戦では、従来なら安全だった場面や確実な攻め時でもデビルの攻撃を警戒しなければならず、体力制なのもあって一切油断がならない。
さいほう能力があると楽に進められるため、どうしてもノーダメージクリアできない!という時は他所から持ち込んでくるのもあり。

ゴール時は残りライフピースに応じてスタンプが押され、一定数のスタンプで特別なインテリアが貰える。
カテゴリは「ユニーク」。その名通り、凝った仕掛けのあるインテリアが多い。
中にはさいほう能力の帽子を常時得られるインテリアもあり、意外と実用的なものが手に入るので進めてみる価値はある。
デビルモードで影響する評価はライフピースの数だけなので、ビーズ集めとお宝集めとは切り分けられるが、全部を一度に達成しようとした場合の難易度は恐ろしく高い。


冒険の舞台

各ランドは4ステージ+ボスの構成だが、ボス戦で一定以上のビーズを集めると更に2ステージ解放される。


  • グラスランド
最初の舞台だけに基本操作を学ぶようなステージが多い。

BOSS:ドドワン
名前や見た目がほぼドラゴンのボス。
やはりドラゴンらしく炎を吐いたり翼を羽ばいた強風で攻撃する。

  • ホットランド
火山やマグマのステージが多く、ビーズを保持するのが少し難しい。

BOSS:フェニクロウ
不死鳥とカラスが混ざったようなボス。
ドドワン以上に炎を駆使した多彩な攻撃をする。

  • ファンタジーランド
おもちゃや楽器など名前通りファンタジーなステージが多い。

BOSS:ランプキン
カボチャのお化けのようなボス。
スロットで様々なシチュエーションが襲う。

  • ウォーターランド
名前通り水中ステージが多く、泳ぐ操作が試される。

BOSS:イカスタコス
最初は見た目がイカっぽいボス。
ダメージを与えると次第にタコっぽくなる。

  • スノーランド
雪や氷が多く、やはり滑りやすいステージで占めている。

BOSS:デデデ大王
マリオネットのように操られてカービィを襲う。
攻撃パターンはハンマーやずっこけなどシリーズお馴染み。

  • スペースランド
宇宙が舞台で全体的にメカニカルなステージが多い。

BOSS:メタナイト
謎の剣に操られてカービィを襲う。
歴代シリーズと同じく強敵で一筋縄ではいかない。

  • プププランド
アミーボ・アモーレによって毛糸にされてしまったカービィが住んでいる世界。
ステージBGMが過去作シリーズのピアノ風にアレンジされている。

BOSS:アミーボ・アモーレ
全ての元凶である本作のラスボス。
BGMがどことなく64風。
詳しくは彼の項目で。



追記・修正は編み物が上手な人にお願いします。

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