No.72 ラインモンスター チャリオッツ・飛車

登録日:2014/05/05 Mon 22:06:02
更新日:2025/07/06 Sun 09:08:33
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対局は一瞬の閃き!

カイト、お前がいかに強力なモンスターを召喚しようが
それを読み切っていれば怖くない!


現れろ、No.72 ラインモンスター チャリオッツ・飛車!!


《No.72 ラインモンスター チャリオッツ・飛車》は漫画版遊戯王ZEXALに登場したナンバーズの一枚。

●作中での活躍

八雲興司の手下である飛車角が使用した。対天城カイトにて登場した。
名前通り、将棋の飛車をモチーフとし、車輪の中に飛車の駒が入っている。また、自身の胸(?)に「72」の刻印が書かれている。
これは飛車を将棋盤の7二の場所に移動して戦う戦法(袖飛車)があることに由来する。

原作での効果は大まかに言うと以下のとおり。

●オーバーレイユニットを1つ使い、自身以外の縦列のカードを破壊する。
●フィールド上に永続トラップ《ライン・プロモーション》が存在する時、更に破壊する相手モンスターの真横のモンスターを破壊できる。

元ネタにちなんだ効果となっており、生きる通常トラップ《爆導索》となっている。
後者の効果を発揮する際は、飛車の駒が龍王に成る演出がなされた。

この効果でカイトのエースである《銀河眼の光子竜》を破壊し相手を圧倒。

フィールド魔法《ラインワールド》と専用の《死者蘇生》である《ラインワールド・リバイバル》で、
カイトから奪った《銀河眼の光子竜》や飛車角のエースである《No.72 ラインモンスター チャリオッツ・飛車》でカイトに更なる攻撃を図るが、
トラップカード《ファイナル・ライフガードナー》で耐えられる。

その次のターン、カイトはトラップカード《エターナル・ボンド》で《銀河眼の光子竜》を取り戻し、
更に他のフォトンモンスターの攻撃力を貰った《銀河眼の光子竜》で《No.72 ラインモンスター チャリオッツ・飛車》を撃破、飛車角は敗北した。

効果名は「ローリング・クラッシュ」。

飛車角のデッキは将棋デッキであり、「カードの位置」に関する効果を持っていた。
同カードや《ラインモンスター Kホース》《ラインモンスター スピア・ホイール》もその一つ。

その後、紆余曲折を経て遊馬対アストラルでアストラルが使用。
「アストラル」モンスターのレベルを倍に出来る効果を持つ《アストラル・マジシャン》と、
1体で2体分のオーバーレイユニットに出来る効果を持つ魔法カード《パラレル・マテリアル》とのコンボで、
レベル3の《アストラル・ナイト》1体でX召喚された。

効果は使用されず、魔法カード《エクシーズ・スパイラル》で擬似的に貫通能力*1を得て、《ガガガマジシャン》を攻撃して遊馬にダメージを与えた。
しかし返しの遊馬のターンで《SNo.39 希望皇ホープONE》によって破壊された。

●OCG版

漫画版遊戯王ZEXAL5巻では付属カードとしてOCG化された。

No.72 ラインモンスター チャリオッツ・飛車
エクシーズ・効果モンスター
ランク6/地属性/獣戦士族/攻2500/守1200
レベル6モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を2つ取り除き、
相手フィールドの表側表示モンスター1体と相手フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果の発動後、ターン終了時まで相手が受ける戦闘ダメージは半分になる。

OCG化に至り、コストとなるオーバーレイユニットの増加、対象範囲の限定化、そして戦闘ダメージの半減の効果が付加された。

GX期のパックである「サイバーダーク・インパクト」以来の
本格的な「カードの位置」関係の効果を持つ効果が付くかと思われたが、元ネタとは遠い効果となった。
一応、漫画では範囲しきれない部分を処理する事が可能となった。

同ランクのライバルは《甲虫装機エクサビートル》《セイクリッド・トレミスM7》で、どれも破壊を介さない除去の効果を持っている。
このカードには一気に2枚除去できるという明確な利点はあるが、その1枚がセットされた魔法罠限定というのが微妙に使いづらい。
相手のカードを除去するが墓地のカードをセットさせる《現世離レ》で魔法・罠カードをセットするとか、《盆回し》で自分のフィールド魔法をセット状態で送りつけて破壊するといった補助が必要。
獣戦士族という点は利点になりうる。

特に素材縛り無しでは《ガントレット・シューター》と並び貴重であり、更に獣戦士族デッキの炎星デッキなら更に有効活用出来るのであろう。
また、獣戦士族のモンスター群である炎星や十二獣との相性も抜群であり、僅かながら攻撃力をアップさせられる《炎舞-天璣》を共有できる他、
属性が一致している十二獣ならランク4のそれらに《RUM-アストラル・フォース》を使って《No.72 ラインモンスター チャリオッツ・飛車》を呼ぶことも可能。


更にこのカードは「No.」なので《No.6 先史遺産アトランタル》で装備が利くと言う利点もある。
No.25 重装光学撮影機フォーカス・フォース》でもいいのだが、地属性と言う事も逆手にとりガイアと属性が同じ事に着目し、
マテゲデッキにおいて無理矢理《ジャンク・コレクター》の効果でワンショットするルートも有る。
ちなみに上記で必要なエクストラ枚数は12枚らしい。

●その他

ちなみに余談だが、このカードはOCG化の際に漫画版通りに「ラインモンスター」が名前に付いたが、
Mr.ハートランドの使用した《No.82 ハートランドラコ》には「ハートモンスター」が付かなかった。
そのため「ラインモンスターっているの?」とさんざんネタにされたが、後に他のラインモンスターがOCG化されたため、
現在は「ハート」カテゴリのある《No.82 ハートランドラコ》と違う「ラインモンスター」カテゴリを残されたモンスター扱いとなっている。
数字の「72」は、居飛車の一つである袖飛車(後手の時、飛車を7二の所に指す戦法)から来たと思われる。飛車の初期位置から見れば「28」や上記の「82」もありだと思われるが。

また、原作の「カードの位置」に関わる効果が削られた理由としては、運用上の不便さによると思われる。
サイバーダーク・インパクト」や上記の《爆導索》のページを見れば分かると思うが、そのパックで収録されたそのカードの効果が微妙であることや、
「カードの位置」に関わる裁定の混乱や実際の運用上の手間*2のため、上記のパック以降では「カードの位置」に関わるカードが殆ど収録されていない事態となっているのだ。

……というのは当時の話で、OCG化から約3年半後、新マスタールールの施行により、誰もがちゃんとカードの位置を管理するようになった。
カードの位置を参照するカードも山ほど登場しているため、これ以降にOCG化されていればおそらく原作を再現した効果になっていただろう。

まあ、新マスタールールではXモンスターはリンク先かEXモンスターゾーンにしか出せない制約があり、その時期では位置を活かそうにも出せる位置が限られ、一長一短の関係になっていたと言えるか。
11期以降なら自由に出せる為、この点は解消されたと言える。


追記・修正は将棋の上手いデュエリストにお願いします。



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最終更新:2025年07月06日 09:08

*1 適用条件こそは貫通ダメージと一緒だが、貫通ダメージではなくランク×200ポイントのダメージを相手に与える効果。

*2 上記のカードに実用性が無いために、カジュアルな場ではカードの位置を気にせずプレイされがちである