獣戦士族(遊戯王OCG)

登録日:2012/04/21 Sat 01:04:36
更新日:2025/04/20 Sun 22:47:26
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どんなカードを引こうが

この『ミノタウルス』カード一枚で粉砕・玉砕だぁ!!

わはははーーー!


獣戦士族とは、『遊戯王OCG』におけるモンスターの種族の1つ。


概要

「獣戦士」と名が付いているが、どう見ても柴犬な《柴戦士タロ》、どこをどう見ても武将な「戦華」モンスターなど、見た目では獣族や戦士族族と区別し難い者も多い。
一応は「獣人の戦士」、または炎星や戦華の様に中華系の武将モチーフがこの種族に分類されるものと考察される。

原作で登場した者としては遊戯の使った《ルイーズ》、海馬の《ミノタウルス》など。
海馬が使用し、打点1900ラインがバニラの指標だった頃に活躍した《ブラッド・ヴォルス》、そのラインを引き上げ下級にして打点2000の《ジェネティック・ワーウルフ》。
妥協召喚で1900、効果を無効にすれば3000、さらに効果でフィールドを一掃できる《神獣王バルバロス》など、過去に活躍したモンスターも存在している。

そんな獣戦士族であるが、かつては「サポートが少ない種族」として挙げられていることが多かった。
なんと2011年まで、獣戦士族単体をサポートするカードは3枚しか無かったのだ。
…まぁこれは獣戦士族に限った話ではなく、種族単体をサポートするカードが1枚しか無かった鳥獣族や、種族単体をサポートするカードが長い間でなかった海竜族なども存在していたのだが。
これには理由があり、過去の獣戦士族は「獣族・獣戦士族・鳥獣族」でまとめられてたことが多かったためである。
こうしたサポートを利用したデッキは【ビースト】と呼ばれ、それなりに知名度もあったが、環境に出てくるようなことは無かった。

そんな獣戦士族であるが、第8期に転機が訪れる。
当時珍しかった炎属性・獣戦士族で統一された「炎星」とその関連テーマである永続魔法・罠カード群「炎舞」の登場である。
この「炎舞」は、「炎星」ではなく獣戦士族をサポートするカードが多く、特に獣戦士族をサーチできる《炎舞-「天キ」》の登場は、獣戦士にとって革新的な出来事だった。

「炎星」が登場してから、獣戦士族は定期的にフィーチャーされ、獣戦士族テーマやサポートカードが登場している。
過去のような「不遇種族」という扱いからは段々と外れてきていると言えよう。


特色

最上級モンスターの層は薄く、下級モンスターの層は厚い。
そのため、小粒のモンスターを大量に並べて数の暴力で戦線を維持していくのが基本戦術。

その下級モンスター向けのサポートカードが充実しているのが獣戦士族の特徴で、単体では性能の悪い攻撃力・守備力・効果を後付けで補うことで互角に渡り合う。
また、獣戦士族モンスター自体も、仲間がいる時に効果を発揮するいわゆる「横バフ」効果や、増援を呼び出せる効果を持つものが多く、そういった点でまとまりは強い。
ロック系のカードはほぼ存在しないが、「効果破壊」系のカードに使い勝手のいいものが多く、整った相手の布陣を崩す「捲り」や、相手のカードをカウンター的に潰していく「制圧」も可能である。
これらの効果のほぼすべてが下級モンスター側にまとまっているため、「デュエル中最初から最後まで下級モンスターしか出さなかった」「小粒の雑魚モンスターをひたすら並べていただけなのにそのまま勝ててしまった」という現象が起きやすい種族でもある。

弱点は、単独での性能に優れる(他種族の)大型モンスター。
遊戯王のエースクラスとなると「効果では破壊されない」「効果の対象に取ることができない」を始めとする耐性を持つものが多く、それらが出てくると「対象を取る効果破壊」以外の捲り手段がなく攻撃力でも勝てない獣戦士ではどうしようもない。
その筆頭候補である《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》は獣戦士族デッキにとっては最大の天敵と言ってもいい。
そのため、いかに早く布陣を整えられるかが他の種族以上に重要となる。


代表的な獣戦士族関連カード

個別項目のあるものは下線付きで表記。これ以外は タグ:獣戦士族 も参照。

メインデッキの獣戦士族モンスター

  • 《ミノタウルス》(☆4)
原作最初期から海馬瀬人が使用していた由緒正しい獣戦士族モンスター。
今でこそインフレの波に呑まれてしまったものの、攻撃力1700は遊戯王黎明期における下級モンスターの中で最高値を誇っていた。
「バトルシティ編」になると同じく獣戦士族の《ブラッド・ヴォルス》(攻撃力1900)に乗り換えられてしまったけど。

後に《激昂のミノタウルス》というリメイクモンスターも登場。自分の獣族・獣戦士族・鳥獣族に貫通効果を与える効果を持ち、使いやすい下級アタッカーへと進化を遂げた。

  • 《不屈闘士レイレイ》(☆4)
レベル4としては破格の攻撃力2300を誇るが、攻撃後は守備力0を晒してしまうデメリットアタッカー。
言わば獣戦士族版《ゴブリン突撃部隊》だが、こちらは《幻獣の角》(後述)に対応するなど差別化は可能。

  • 《暗黒のマンティコア》(☆6)
獣族・獣戦士族・鳥獣族いずれかのモンスター1体をリリースして自己再生が可能な上級モンスター。
自身も獣戦士族ゆえに、同名カード2枚で無限ループが成立することが特徴。
生還の宝札》が現役だった頃に活躍し、一時は準制限カードに指定されていた。

ちなみに《地砕き》のイラストで地面を殴ってるのはこのモンスターであり、その縁で《地砕き》と序でに《地割れ》をサポートする効果を持つ《震天のマンティコア》としてリメイクされた。

最近、突然テーマ化した地属性・獣戦士族のテーマ「バルバロス」の始祖。レベル8のモンスターでありながら、リリースなしで召喚できる。
リリースなしで召喚すると攻撃力は3000から1900に落ちてしまうが、《スキルドレイン》などで効果を無効にすれば3000を維持できる。
当時は高攻撃力のモンスターを安定して召喚することが難しく、事故要因にならず、かつ比較的手軽に高攻撃力を確保できるこのモンスターは脅威だった。


エクストラデッキの獣戦士族モンスター

  • 《富炎星-ハクテンオウ》(融合・☆8)
炎星に属する融合モンスター。「獣戦士族モンスター×2」を融合素材に指定する。
特殊召喚時に自分フィールドの「炎舞」カードの数×200のバーンを行える効果と、バトルフェイズに「炎舞」カードを墓地へ送り相手フィールドのカード1枚を破壊する効果を持つ。
除去効果に癖があるのでやや扱いづらさはあるものの、汎用獣戦士族サポートとして使える《炎舞-「天キ」》・《炎舞-「天枢」》(いずれも後述)の存在から【炎星】以外でも採用はしやすい。

  • 《武神帝-カグツチ》(エクシーズ・★4)
武神に属するXモンスター。「獣戦士族レベル4モンスター×2」をX素材に指定する。
X召喚時にデッキトップ5枚を墓地へ送る効果を持ち、この効果で墓地へ送られた「武神」カードの枚数に応じて自己強化する。
自己強化は基本的に【武神】デッキ専用の効果となるが、単なる墓地肥やし要員として見てもかなり優秀。
自身を含む「武神」獣戦士族の破壊をX素材で肩代わりできる効果も持ち、守りの一手としての活躍も見込める。


魔法・罠カード

  • 《炎舞-「天キ*1」》(永続魔法)
現在の遊戯王OCGにおいて、決闘者が獣戦士族といえば真っ先に思い付くカード。
永続魔法ではあるが、「発動時の効果処理」として、レベル4以下の獣戦士族モンスターを手札に加えることができる。
手札に加える効果の発動に特にコストもなく、対応する範囲も広いので、獣戦士族を中心としたデッキならまず採用される。
ちなみに、フィールドに存在する限り獣戦士族の攻撃力を100あげる効果もあり、意外に便利。
汎用性の高さ故によく悪用され、結果として規制されるという事が多々ある魔性のカード。テーマカードを無関係なところから規制される炎星は泣いていい。
名前の由来は、あるおおぐま座のγ星「フェクダ」の中国での呼び名。ジャンジャジャーン!俺、ベクター!

  • 《炎舞-「天枢(テンスウ)」》(永続魔法)
上記の《炎舞-「天キ」》のお仲間。こちらは獣戦士族をもう1度召喚できるようにする。
フィールドにモンスターを並べることが重要視される今の遊戯王OCGでは、単純に召喚回数を増やせるカードは一定の価値を持つ。
ちなみに、こちらにも獣戦士族の攻撃力を100上げる効果があり、《炎舞-「天キ」》と並べるとちょっとお得。
名前の由来は、おおぐま座のα星「ドゥーベ」の中国での呼び名。ブックス!!

  • 《魔性の月》(装備魔法)
最古の獣戦士族専用サポート。はたしてこれが代表的なサポートカードなのだろうか
元々は原作の「闇遊戯vs梶木」戦に登場したカードで、《シルバー・フォング》の強化に利用している。
闇遊戯が梶木の戦術「シーステルス」を突破するために、《岩石の巨兵》でこの月を攻撃したシーンは有名。

…なのだが、このカード、遊戯王OCG的に見ても、原作再現カードとしてもかなり残念な性能をしている。
遊戯王OCGにおけるこのカードは、この当時よくあった「特定の種族の攻撃力・守備力を300上げる装備魔法」の獣戦士族版。
だが、原作で強化した《シルバー・フォング》は獣族であり、この強化では装備できない。
さらには、原作の描写的にどうも装備魔法ではないようで、そもそもカードの種類がおかしい疑惑もある。まぁ原作の効果もイマイチわからないのでノーカン
ちなみに、アニメでは混同を避けるため、《フルムーン》というカードに差し替えられている。

  • 《幻獣の角》(通常罠)
発動後に装備カード化する罠カードの1つ。
獣族・獣戦士族1体の攻撃力を800アップし、装備モンスターが相手モンスターを戦闘破壊すると1ドローできる効果を持つ。
装備カードとしてはそれなりの上昇値を誇り、維持・使い切りどちらの運用法でも使いやすい1枚。

  • 《炎舞-「天権」》(永続罠)
自分の獣戦士族1体を効果無効化する代わりに、他のカードに対する耐性を付与する。
発動タイミングがメインフェイズ1のみ、かつ適用されるのも発動ターンのメインフェイズ1だけと限定的だが、《落とし穴》・《激流葬》など多くの破壊効果に対して強く出られる。

  • 《炎舞-「天セン*2」》(永続罠)
「発動ターンの間、自分の獣戦士族1体の攻撃力を700アップさせる効果」・「フィールドに存在する間、獣戦士族の攻撃力を300アップする効果」を持つ。
発動ターンのみに限れば単体の攻撃力を1000アップするコンバットトリックとして捉える事ができ、以降のターンでも《炎舞-「天権」》などと組み合わせていれば全体強化を底上げできる。


獣戦士族テーマ

  • 【炎星】
獣戦士族という種族の転機となった炎属性・獣戦士族のテーマ。
永続カードである「炎舞」をコストに、様々な効果を発動するのが最大の特徴。最近はコストを払ってない?気にするな!
モチーフは中国四大奇書の1つ『水滸伝』。そのため、どうにも獣戦士族に見えないモンスターばかりである。

地属性・獣戦士族で統一されたX召喚を主体としたテーマ。
モチーフは干支。竜や酉もいるが例外なく全員獣戦士族。
「素材1枚でX召喚できる」というX召喚の根幹を覆すような特徴を持ち、登場してすぐに環境を席巻。
高い出張性能から【○○十二獣】というデッキを量産した結果、一部のモンスターが禁止カード入り。十二支モチーフなのに12種全てが揃わないという事態に陥ってしまった

10期に登場した獣戦士族テーマ。獣要素が着ている鎧しかなく、どう見ても人間のおっさん達だが、獣戦士族ったら獣戦士族。
モチーフは中国四大奇書の1つ『三国志演義』。モデルとなった人物が魏の陣営ならば炎属性、呉の陣営ならば水属性、蜀陣営なら風属性で統一されている。
詳細は項目にて。

獣戦士族の「武神」モンスターと獣族鳥獣族の「武神器」モンスターで構成されている、日本神話モチーフのテーマ。
大半が「自分フィールドに(1種類あたり)1体しか存在できない」デメリットを持つ武神モンスターを、武神器モンスターなどのサポートによって維持しつつアドバンテージを稼いでいく。
メインデッキの各武神の外見がどことなくアニメGXの一部メインキャラに似通っているというネタもある。

アニメARC-Vセレナが使用した融合召喚を主体とする獣戦士族テーマ。
属する融合モンスターは戦闘に特化した効果を持っており、1ターンキルを決めることもしばしば。




このカードの発動時の効果処理として、追記・修正する。

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最終更新:2025年04月20日 22:47

*1 「キ」は玉偏に幾。「天璣」

*2 「セン」は玉偏に旋。「天璇」