第11期パック(遊戯王)

登録日:2024/11/09 Sat 14:13:23
更新日:2025/03/17 Mon 01:28:44
所要時間:約 19 分で読めます





本項目では、2020年から2022年にかけて展開された遊戯王OCGのレギュラーパックのシリーズを取り扱う。


前期:第10期
次期:第12期

  • 目次

概要

アニメ遊戯王VRAINSが放送終了し、遊戯王アニメは「遊戯王ラッシュデュエル」を題材にした作品へ移行。
そして第10期の「新マスタールール」が廃止され、融合・S・Xモンスターは従来通りメインモンスターゾーンにも出せるようになった。

加えて新型コロナウイルスが世界的な流行を見せ、日本でも緊急事態宣言がなされる等の社会的影響も発生。
外出も大きく制限され、対面式の公式大会は自粛・中止を余儀なくされるほどであった。

こうした周辺事情の激変・動乱から第11期は幕を上げる。
前期までと異なりアニメ作品と連動が無くなったことにより、「OCGオリジナルのテーマ収録」か「既存アニメテーマのリメイク・強化」を中心とした収録がなされるようになる。

魅力や特徴を持った新テーマ、強化カードもそれなりに多く、暫くの間は複数のテーマが拮抗しあう環境が続いていた。
ただし3年目の発売パックはギアを三段階上げたかの如きインフレが発生し、他を突き放すようなテーマが続々登場
それを抜きにしても、インフレした以上は仕方ないことだが、各パックの当たり外れも大きいと評価され、極一部の収録カード以外は特に話題にすら上がらないパックも少なく無い。

また11期から公式Twitter(現X)にて一部収録カードの設定画を公開するようになった。
これによりヴァリュアブルブック等の外部媒体でしか触れられなかったキャラクター像を多くの決闘者が目にすることとなり、盛り上がったりネタにされたりと多様な反響を呼んだ。
好評だったのか以後新パックに伴う設定画公開は定番化していくこととなる。


1年目

前述の通り、新型コロナウイルスによる影響で公式・非公式問わず多くの大会が自粛・中止され、公式世界大会も中止となった。

環境としては、10期終盤に投下された爆弾の影響が大きく《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》がブイブイいわせていた。
そこに新たなテーマたちが食らいつく様子から始まる。

 RISE OF THE DUELIST 
2020年4月18日発売。

パッケージを飾るのは《竜魔導騎士ガイア》。
ホログラフィックレアは《混沌魔龍 カオス・ルーラー》。

新テーマは【ドラグマ】【メルフィー】。
アルバスの落胤》が主人公の「烙印」物語もここから始まった。

既存テーマの強化は、主に【暗黒騎士ガイア】【堕天使】【ファーニマル】【シャドール】【焔聖騎士】【戦華】等。
強化枚数はバラツキがあれど、【戦華】【メガリス】のように的確な強化を得たテーマも多く、それら使い手からは好評を博した。

本パックからは、EXデッキメタを持った【ドラグマ】が【召喚獣】と協力した【召喚ドラグマ】、および【シャドール】が主に環境に進出。
10期から環境に居続ける【オルフェゴール】【オルターガイスト】【サンダー・ドラゴン】にも食らいついていた。

汎用カードとしては《三戦の才》《禁じられた一滴》 が高い汎用性と影響力から注目を集めていた。
また《激流葬》をサーチするという、古参が仰天しかねない効果を持つ《海竜神の激昂》も収録。
《混沌魔龍 カオス・ルーラー》も当初こそ墓地肥やしが得意な汎用レベル8Sモンスターとして見られたが、後々の環境で【ティアラメンツ】を筆頭に墓地肥やしを加速させた結果、禁止カードに指定されるほどの活躍を見せた。


 PHANTOM RAGE 
2020年8月8日発売。
パッケージを飾るのは《アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン》。
ホログラフィックレアは《天霆號アーゼウス》。
新テーマは【鉄獣戦線】【電脳堺】【双天】。
墓地のカードをコストに疑似L召喚する【鉄獣戦線】と、膨大なアド稼ぎを可能にする【電脳堺】は当初から話題になり、早々に大会でも結果を残している。
環境から転落した【十二獣】も、【鉄獣戦線】と《天霆號アーゼウス》の登場を受けて復権している。

ユート黒咲隼のカードの収録を前面に押し出しており、『レイダーズ』カードを筆頭に【幻影騎士団】【RR】の大幅な強化がなされた。
特に【幻影騎士団】側の《幻影騎士団ティアースケイル》は、同デッキ待望の1枚初動として歓待を受ける。

他の強化テーマは【ドラグマ】【インフェルニティ】【U.A.】【メルフィー】【プランキッズ】【F.A.】等。
特に【プランキッズ】の《プランキッズ・ミュー》は「リンク1を与えてはいけないデッキに与えられたリンク1」として畏怖された。
様々な強テーマが登場したことにより、ある意味で様々なテーマが活躍することになった。

また【幻影騎士団】と【RR】、【U.A.】と【F.A.】など「双方のテーマカードとして扱う」カードが複数あり、世界観の拡張にも努めている。

耳目を集めた汎用カードとしては、ほぼ全てのXモンスターから出せて強力な全体除去効果を持つ《天霆號アーゼウス》や高い盤面捲り力を持つ《獣王アルファ》あたりか。
その他、原作の効果を再現した《混沌幻魔アーミタイル-虚無幻影羅生悶》も収録。

ユートと黒咲のカードを特に強調したこともあってか、全体的にX召喚テーマの強化が目立つ内容となっている。


 BLAZING VORTEX 
2020年10月31日発売。
パッケージを飾るのは《アームド・ドラゴン・サンダー LV10》。
ホログラフィックレアは《閉ザサレシ世界ノ冥神》。
新テーマは【S-Force】【スプリガンズ】。
既存の強化テーマは【アームド・ドラゴン】【WW】【魔轟神】【メタルフォーゼ】【鉄獣戦線】【電脳堺】【エルドリッチ】等。
特に【電子光虫】【ワイト】は1枚ずつの新規収録だったとはいえ、優秀な内容であったことは評価されている。

レギュラーパックにLVモンスターが収録されるのは、CYBERDARK IMPACT以来14年ぶりである。

汎用カードとしては《金満で謙虚な壺》《碑像の天使-アズルーン》が注目される。
特に前者はEXデッキをあまり使わない【閃刀姫】【ドラゴンメイド】などで優秀な手札補強カードとして採用される。
【エルドリッチ】にも本来の強化カードである《黄金狂エルドリッチ》《黄金郷の七摩天》を差し置いて喜んで採用されることとなった。

ここからしばらくは【鉄獣戦線】【電脳堺】【エルドリッチ】などが環境の常連になることもあり、前段と合わせて強力なテーマが排出された。

奇ッ怪なテキストで困惑を齎した《壱時砲固定式》も、このパックのカードである。

またこの弾から再び看板モンスターと縁が深いデュエリストの声優がCMのナレーションを担当するようになる。


 LIGHTNING OVERDRIVE 
2021年1月16日発売。
パッケージを飾るのは《竜装合体 ドラゴニック・ホープレイ》。
ホログラフィックレアは《ダーク・オネスト》。
新テーマは【ゼアル】【烙印】【アメイズメント】。
既存の強化テーマは【ホープ】【ローズ・ドラゴン】【@イグニスター】【武神】【蟲惑魔】【ドライトロン】等。

大々的にピックアップされたるは遊馬を意識した「ZS」「ZW」「CNo.39」関連。
直前の改定で《SNo.0 ホープ・ゼアル》を禁止したこともあってか待望のRUMサーチ効果が登場。

【烙印】は、テーマの追加というよりは、実質的には《アルバスの落胤》周りのストーリーテーマを繋げる存在として登場。
「烙印」がデッキ単位で扱われるには、同年発売のストラク「ALBA STRIKE」を待つことになる。
【@イグニスター】についても、展開やリソース確保、そして妨害効果を追加で得たことにより再び環境で顔を見せる程度には強化。

一方で以下のように、既に十分に強いテーマにも的確な1枚強化を与える事も怠っていない。
  • キーカードの《鉄獣の抗戦》をサーチできる《鉄獣戦線 塊撃のベアブルム》
  • 魔法罠のカウンターとデッキ回転を両立する《竜輝巧-ファフμβ’》
  • 自己破壊効果を持つ【スクラップ】【恐竜族】双方にありがたい《スクラップ・ラプター》

「ライトニング」と名前のあるパックの通り、収録モンスターのうち半数近くが光属性になっている。
( ◇ ◇ )<ならば何故【天装騎兵】が収録されなかったというのだ!?
またアキさん関連のカードを初め、植物族関係のカードも比較的多めに収録されている。

一方で「汎用枠」という扱いで注目を集めたカードは殆どない。
ホログラフィックレアを飾った《ダーク・オネスト》についても「内容が今更すぎる」と芳しい評価には至らなかった模様



2年目

通常パックとは別に、No.を全て収録した「No. COMPLETE FILE -PIECE OF MEMORIES-」が発売。
それに伴い《CNo.1000 夢幻虚神ヌメロニアス》《CiNo.1000 夢幻虚光神ヌメロニアス・ヌメロニア》が登場し、アニメのナンバーズが勢ぞろいすることになった。

また2021年8月に発売されたデッキビルドパック「グランド・クリエイターズ」の【勇者】は、出張性能の高さから様々なデッキで姿を見せる。
実質的に【勇者】の登場前と後で環境が様変わりしたという声も小さくなく、「【勇者】を採用できるテーマ(ex.【プランキッズ】【幻影騎士団】【天威】【電脳堺】)」
あるいは「【勇者】のデメリットは受容できないが、それ以上の力をもって対抗できるテーマ」に二分されたのは事実。
逆にこの流れについていけない【ドラゴンメイド】が脱落するなどの影響も発生した。

また2年目の終盤である2022年1月19日には、遊戯王のデジタルカードゲーム「遊戯王マスターデュエル」が配信された。

 DAWN OF MAJESTY 
2021年4月17日発売。
パッケージを飾るのは《シューティング・セイヴァー・スター・ドラゴン》。
ホログラフィックレアは《人攻智能ME-PSY-YA》。
新テーマは【デスピア】【魔鍵】【軍貫】【森の聖獣】【森の聖霊】。
既存の強化テーマは【セイヴァー】【先史遺産】【ガスタ】【エーリアン】等。
「テーマ」ではないが、機巧カードも多く収録され一つのデッキとして組める状態にもなっている。

遊戯王5D's放送終了後、長らく放置されていた「セイヴァー」が強化、パッケージを飾る。
そして他にも《スターダスト・シンクロン》を始めとした、遊星をイメージした多数の新規カードも忘れていない。

「烙印」物語の黒幕サイドである【デスピア】の登場で、話が一気に加速させたのもこのパック。
《シンクロ・オーバーテイク》《ペンデュラム・トレジャー》といったS召喚、P召喚を支援する汎用カードも収録。

とはいえ一番の話題と言えば、トンチキなデザインと効果再現に重きを置いた【軍貫】だろうか。


 BURST OF DESTINY 
2021年7月17日発売。
パッケージを飾るのは《ヴァレルコード・ドラゴン》。
ホログラフィックレアは《天獄の王》。
新テーマは【相剣】【氷水】【ふわんだりぃず】。
既存の強化テーマは【ヴァレット】【D-HERO】【レプティレス】【軍貫】等。

遊戯王初のチューナー兼トークンを用いてS召喚する【相剣】、通常召喚を効果で連鎖する【ふわんだりぃず】といった
「見た通りに強い」テーマが新たに登場しており、話題は持ち切りとなった。

イクラしかネタが無かった【軍貫】にも「うに」「しらうお」が追加され、本格的な寿司屋として客とデッキを回せるようになった。
また【イビルツイン】にも《Evil★Twin’s トラブル・サニー》が収録され、同デッキの弱点を的確に補う救世主として君臨。

強カードとして衆目を集めたのは《D-HERO デストロイフェニックスガイ》。
フリーチェーン破壊+墓地に逃げることで除去回避というしぶとく強い立ち回りもさることながら、
《フュージョン・デステニー》《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》を用いることで、あらゆるデッキで使用できる「高い出張性能」が一番の強み。


汎用枠のカードとしては、理論上全てのモンスターをサーチできる《スモール・ワールド》。
構築を工夫すれば多くのデッキで使用できる内容として好意的に採用する事例も増えた。
《天獄の王》も魔法・罠カード主体のデッキの支えとなり、特に【エルドリッチ】では守りを固めつつランク10のX素材にもできる点で相性が二重丸。
他には古参プレイヤーには懐かしい《人喰い虫》をリメイクした《擬態する人喰い虫》も登場。

総じて多くのテーマの強化に携わったパックとなった。


 BATTLE OF CHAOS 
2021年10月16日発売。
パッケージを飾るのは《超魔導戦士-マスター・オブ・カオス》。
ホログラフィックレアは《ガーディアン・キマイラ》。
新テーマは【ダイノルフィア】【悪魔嬢】。
既存の強化テーマは【ブラック・マジシャン】【ブルーアイズ】【氷水】【DD】【極星】及び【極神】【ヴァンパイア】等。

《マジシャンズ・ソウルズ》をサーチできる儀式モンスター《イリュージョン・オブ・カオス》が登場。
これにより《マジシャンズ・ソウルズ》を鍵とする【SPYRAL】などでも採用され、デッキの安定性に貢献した。

【ブルーアイズ】側も《ブルーアイズ・ジェット・ドラゴン》や《ブルーアイズ・タイラント・ドラゴン》等そこそこカードが登場したものの
来期の本格的な強化が来るまで冬の時期を過ごすことになる。

【デスピア】のカード自体は収録されていないものの、《ガーディアン・キマイラ》の登場は同デッキには嬉しい話であった。
《赫の烙印》から出せる妨害モンスターとして戦線を強化し、環境デッキに追いつくこともあったという。
この二か月後に発売されたストラク「ALBA STRIKE」もあり、ここから【デスピア】は大幅に強化される。このため《アルバスの落胤》が効果に関わるカードはこのパックでは登場していない。

【ダイノルフィア】の登場もあってか、《死償不知》や《走魔灯》といった「自分のLPが少ない場合に本領発揮する罠カード」が収録されている。

そして、CMでは遂に武藤遊戯役として風間俊介が起用された。
同時に本パックをボックス購入した時についてくる応募券を使っての「ブラック・マジシャン ウルトラレア SPECIAL ILLUST Ver.」GETキャンペーンが開催されていた。


 DIMENSION FORCE 
2022年1月15日発売。
パッケージを飾るのは、初のペンデュラム兼儀式モンスター《オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン》。
ホログラフィックレアは《サイコ・エンド・パニッシャー》。
新テーマは【セリオンズ】【スケアクロー】。
ヴィサス=スタフロスト》を主役にした「世壊」ストーリーが開始したパックでもある。
既存の強化テーマは【オッドアイズ】【ヒロイック】【音響戦士】【戦華】等。
種族の面で見ると、アンデット族を強化するカードも多く収録されている。

看板モンスターがPモンスターであるため、《軌跡の魔術師》などのP召喚を支援するカードも見受けられる。
特に何の条件もなしにP召喚権を増やす《EXP》も登場。

【P.U.N.K.】の強化である《No-P.U.N.K.ディア・ノート》は自己特殊召喚と蘇生効果を備えた展開の潤滑剤として登場。
《No-P.U.N.K. セアミン》共々活躍することとなった。

捕食植物】【ダイノルフィア】【天気】など、本パックの強化でデッキとして纏まったことを喜ぶテーマもある。
その一方で、全体的にインパクトに欠ける内容だった点は否めず、テーマ外のカードでも話題に上がったカードも少ない。
パッケージを飾った《オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン》も、後に【粛声】などのデッキで採用される実力は示しているものの、この当時では「悪くはないんだけど…」止まりの評価であった。
このパック発売の前月に発売されたストラクで《烙印融合》を初めたインパクトの強い収録があったことも無関係ではないだろう。
あるいはこれが、いわゆる「嵐の前の静けさ」だったのかもしれない……?


3年目

2年目までの環境は、何だかんだで多様なデッキが活躍していた。
【勇者】の登場以降こそ【勇者】入りか否かの違いで二分されど、その内であっても多様性は保たれていた。

ところがこの3年目からはギアが外れ、漠々たるインフレが始まる
昨年度の「鳴り物入りで登場した新テーマが環境入り」ではなく「新テーマが環境を蹂躙」することから始まり
「テーマの特色そのものが一段階上の強さ」「パワーカードを発売後短期間で制限化し、新たなパワーカードを刷る工程が複数入る」という具合。
この直前に強化のあった「《烙印融合》を採用できるデッキ」が上位にのし上がっていたインフレが可愛く見える程に、異常な速度でインフレが進んでしまったのであった。

 POWER OF THE ELEMENTS 
2022年4月23日発売。
パッケージを飾るのは《E・HERO シャイニング・ネオス・ウィングマン》。
ホログラフィックレアは《倶利伽羅天童》。
新テーマは【スプライト】【ティアラメンツ】【春化精】。
既存の強化テーマは【E・HERO】【軍貫】【エクソシスター】【六花】【ヴェンデット】【P.U.N.K.】等。

本記事より先に出来た個別記事も参照。

それまでの群雄割拠で賑やかな環境は様変わり。急速な変革が発生
その急先鋒を務めたのは【スプライト】。
「展開+サーチ効果」と「展開+妨害効果」を持つ下級モンスターに「展開+盤面維持効果」を持ったEXモンスターで構成されている。
ここに更に展開力に長けたレベル2モンスターを加えれば、当たり前に盤石の盤面が完成してしまう。
発売早々【ガエル】と共謀した【ガエルスプライト】が他の追随を許さない展開力と制圧力を手にし環境を席捲

一方の【ティアラメンツ】は潜在能力こそあったものの【ガエルスプライト】の二番手に甘んじる立場となっていた。
しかしこのパックの一月後に発売されたデュエリストパック「輝石のデュエリスト編」のイシズカードと共謀し
【イシズティアラメンツ】として、これまた大会環境を荒らしに荒らしまわるのであった。

新規テーマの内容もさることながら、既存テーマに対しても《斬機サーキュラー》を初め勢いよく突き抜けた強カードが多く収録されている。
それをもってして【スプライト】【ティアラメンツ】には敵わないとされていた辺り、異次元の強さを顕現させてしまったことがよくわかる。



 DARKWING BLAST 
2022年7月16日発売。
パッケージを飾るのは《ブラックフェザー・アサルト・ドラゴン》。
ホログラフィックレアは《世海龍ジーランティス》。
新テーマは【ビーステッド】【クシャトリラ】。
既存の強化テーマは【BF】【忍者】【占術姫】【ナチュル】【春化精】【スプライト】【スケアクロー】【竜剣士】【空牙団】【烙印】等。
その他、【勇者トークン】の関連カードも収録。

この時点の【クシャトリラ】はカード枚数が少なく、まだ「デッキ」として組める状態ではなかった。
しかし脚光を浴びたのは「最強の汎用カード」「一人で【サイカリエアゴーズ】を再現した男」と呼ばれし《クシャトリラ・フェンリル》。
具体的な効果内容はあちらの記事を参照していただきたいが、様々なデッキで三積みされるようになった。

もう片方の新テーマ【ビーステッド】もまた注目を集めた。
フリーチェーンで相手の光or闇属性をコストに自己特殊召喚するカード群で、多くの該当属性デッキを恐怖のどん底に叩き落した。
特に昨年度まで環境の常連だった【エルドリッチ】や《D-HERO デストロイフェニックスガイ》は、
この【ビーステッド】と【イシズティアラメンツ】によって駆逐されるに至った程。
一説には【ティアラメンツ】対策だったとも言われているのだが、圧倒的な物量の前には適わなかった模様。

そして大きな話題となったのが、頭角を見せ始めた【ティアラメンツ】への強力な新規カード。
「戦闘破壊に弱い」欠点を克服し、墓地肥やしや制圧効果を追加されたことで他の追随を許さないデッキへと進化。
相手ターン(何なら相手の先攻1ターン目)も含めて、毎ターン複数の融合召喚を行い戦線を維持する構えを確立。
他のデッキであれば「爆発型デッキの上振れ展開」と呼べる内容を安定して行える程に、大量の墓地肥やしとそれによる融合召喚を悠々と決めることが可能になった。
直前の制限改定で《餅カエル》の没収により【スプライト】が弱体化したこともあり、誰も【イシズティアラメンツ】を止められない独走状態になった
(登場早々大暴れした【ガエルスプライト】に対し、制限改定の一月前から登場したため制限判定に必要な情報を揃えられなかったとする説もある)。


なおパッケージを飾った【BF】にも大胆な強化がなされている。
特にテーマに属していなかった《ブラックフェザー・ドラゴン》を中心とした新型のデッキとして生まれ変わり、
大幅なデッキ内容の刷新と引き換えに入賞報告もあるほどである。
他のテーマでも【春化精】【ナチュル】など量と質を兼ねた有能な新規カードも評価はされている。前述の2つ新テーマの前に霞んでいるだけで。

他の話題としては、《メレオロジック・アグリゲーター》はこの収録時点では《ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト》の妨害が1つ増えた程度の評価であった。
しかし2024年デッキビルドパック産強力テーマ【ライゼオル】【M∀LICE】では重要な妨害カードとして引っ張りだこになる遅咲きのカードとなった。



 PHOTON HYPERNOVA 
2022年10月15日発売。
パッケージを飾るのは《CNo.62 超銀河眼の光子龍皇》。
ホログラフィックレアは《樹冠の甲帝ベアグラム》。
新テーマは「儀水鏡」だがこれは【リチュア】と連関するテーマである。
既存の強化テーマは【フォトン】【ギャラクシー】【クシャトリラ】【魔界劇団】【カオス】【忍者】【呪眼】【烙印】【ジェネレイド】等。
前段からは二回連続で【忍者】が強化されている。

前段では枚数不足であった【クシャトリラ】だが、こちらで多くの新規カードを獲得しデッキ単位で完成度を向上。
相手のデッキ、フィールド、EXデッキのカードを多量に裏側除外しまくり、《クシャトリラ・シャングリラ》にて相手のゾーンを完全封殺も御伽噺ではなくなった事で、環境にのし上がる。
これで【クシャトリラ】一強、と思いきや、この強化を喜んだデッキが他にもいた。

それが《ティアラメンツ・クシャトリラ》という、名前だけでも強い新規を得た【ティアラメンツ】。
前述の《クシャトリラ・フェンリル》からサーチできるという利点も合わさり、規制で失った墓地肥やし手段を見事にリカバリー
【ティアラメンツwithクシャトリラ】と呼ぶべきデッキがトップに躍り出るのであった。
ストーリー上では【クシャトリラ】が【ティアラメンツ】を侵略していたのに、全く立場が逆転している。

目玉強化の一つ【リチュア】も優秀な新規を獲得し、【スプライト】と手を組むことで強力なデッキとして返り咲くことになる。
それでも【クシャトリラ】【ティアラメンツ】が規制を受けた後ののし上がりであった上、ここの活躍がトドメとなり《スプライト・エルフ》が禁止になるなどの影響も。

他の強化内容も例にもれず、非ッ常に強力なラインナップとなっている。
  • 《永の王 オルムガンド》に明確な役割を持たせられた《影の王 レイヴァーテイン》
  • スローテンポなデッキの展開力を向上し、《呪眼の王 ザラキエル》をエースに据えやすくさせた《災誕の呪眼》
  • 儀式召喚を支援し、後に【粛声】でも展開の要として重宝される《大儺主水》
テーマ外のカードに目を向けると、昆虫族をサポートするカードが多め。
そして手札誘発対策となる「三戦」シリーズ第二弾の《三戦の号》も収録された。

なお今弾の【カオス】は「光・闇属性を中心にしたS召喚」という特徴を持ったもので、いわゆる3期の「カオス」とは別の存在として設計されている。
その割に評価されたカオスSモンスターは、いずれもこのパックに収録されていない方というのがなんとも


 CYBERSTORM ACCESS 
2023年1月14日発売。
パッケージを飾るのは《ファイアウォール・ドラゴン・シンギュラリティ》。
ホログラフィックレアは《刀皇-都牟羽沓薙》。
新テーマは【ファイアウォール】【マナドゥム】【ネムレリア】。
既存の強化テーマは【サイバネット】【超重武者】【セイクリッド】【テラナイト】【デスピア】【ビーステッド】【ピュアリィ】等。
この内【セイクリッド】【テラナイト】は、それぞれ双方のテーマに属する新規カードが登場している。

特に環境への影響が大きかった強化は【超重武者】。
EMモンキーボード》よりも強いデッキ回転力を誇る《超重神童ワカ-U4》を筆頭に、大幅な強化を受け、相手を不動にする先攻1ターンキルも制圧も使い分ける有力なテーマとなった。
以前までの世壊テーマが規制で環境から撤退すると共に、環境デッキの一部として顔を見せるまでに時間は掛からなかった。
そして1ターンキルのダメージ源である《超重武者装留ブレイク・アーマー》の禁止も、時間は掛からなかった。

他のデッキでは、《ピュアリィ・スリーピィメモリー》という驚愕のドローソースを得た【ピュアリィ】、
リソース回復と妨害を兼ねる《深淵の神獣ディス・パテル》を得た【ビーステッド】も上位進出を決めた。

汎用枠としては、何の制約もなく自己"召喚"して各種素材にできる《幸魂》、
チューナー不要のS召喚を実現する《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》が話題となった。

また、《アルバスの落胤》から始まった【烙印】の物語も、《開かれし大地》でひとまずの締めくくりとなった。


追記・修正はインフレの波に飲まれながらお願いします。

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最終更新:2025年03月17日 01:28