カードの位置(遊戯王OCG)

登録日:2021/12/08 Wed 00:17:02
更新日:2022/01/19 Wed 02:23:42
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「カードの位置」とは、『遊戯王OCG』におけるルールの1つ。
主にモンスターゾーン、魔法&罠ゾーンにカードを置く位置の事を指す。


概要

遊戯王OCGでは、各プレイヤーのフィールド上に、モンスターカードを置く「モンスターゾーン」と魔法カード、罠カードを置く「魔法&罠ゾーン」がある。
例外も多いが、カードを使用する場合は基本的にここに置くのが一般的である。

これらの各ゾーンは各5ヶ所存在し、カードを置く場合は1ヶ所を占有する形で置くことになる。
例えば墓地からモンスターを自分のフィールドに特殊召喚する場合は、5つあるモンスターゾーンの使われていない場所に置くといった具合である。
一度置いたカードはカードの効果などが無ければ勝手に動かす事はできず、勝手に動かした場合はルール違反となる

カードを置く位置は原則的にそのカードをプレイしたプレイヤーが決める。
相手のフィールドに自分のモンスターを特殊召喚したり、相手の墓地からモンスターを自分のフィールドに特殊召喚する場合でも同様であり、そのカードの元々の持ち主や誰のフィールドに置かれるかは関係はない。
ただし、「浅すぎた墓穴」「地獄の暴走召喚」など「相手に特殊召喚をさせる効果」の場合は相手が決める事になる。
何らかの効果でモンスターのコントロールが移る場合はそのカードをプレイしたプレイヤーが置く位置を決定するが、
効果が切れるなどしてコントロールが移る場合はその際にコントローラーとなるプレイヤーが置く位置を決める。
また、一時的にカードを除外して戻す効果の場合は元々置いてあった場所に戻す必要はなく新たに置く位置を決める。


カードの位置に関する歴史

カードを置く位置は重要なルールであり、この「位置」が効果に関わって来るカードも比較的初期から存在する。
よって、遊ぶ際にはちゃんとプレイマットを用意するかあらかじめ5ヶ所のゾーンの位置を決めておく。
その上で、「それぞれのカードが5ヶ所のゾーンのどこを占有しているのか」を明示する必要があり、もちろん勝手に動かすなど言語道断である。


…遊戯王を知らない人から見ると、何を当たり前の話をしているんだと感じることだろう。
しかし、実はこのルールが本格的に意識されるようになったのは2017年10期からであり、長い遊戯王の歴史で見ればかなり最近である。
それまではカードの位置によってプレイが変わったり問題が起こる事があまりなく、ルールで存在することはわかっていても全く意識されていない事が多かった。
ほぼ死に要素と化しており、カードのセットや除去などによってカードの枚数が増減した場合に、見やすくするためにカードを別の位置に置き直す光景も見られた。

上記の行為は勿論ルール違反なので罰則の対象になるのだが、ゲームの進行上問題になる事が滅多になかったためか、フリーであればほぼ誰も気にすることもなく、
大会などでも注意で済むどころか公式大会ですらお咎め無しになる事があった。

なんなら装備魔法カードのルール解説に関して「表側のモンスターに重ねるように置きます」と書かれていたほどだった。
なお、このルールに関しては一部のルールブックを除いて10期以降のルールブックでも残っている記述だったりする。直し忘れではなさそうだが
だが実際には装備魔法も魔法・罠ゾーンに出すものであり、出す位置は装備対象モンスターと同列である必要などはない。
カードの位置を参照するカードのことを考えると、そのまま魔法・罠ゾーンに置いておいたままの方がトラブルにはなりにくい。


以下ではカードの位置に関する歴史を解説していく。

2期

初期はカードの位置に関する効果を持つカードは無く使えるゾーンの数だけ把握していれば全く問題がなかった。
そんな中で初めてカードの位置に関するカードとして登場したのが「Thousand Eyes Bible -千眼の魔術書-」収録の「地盤沈下」と「ワーム・ホール」である。
しかし、これらは「指定した位置のモンスターゾーンを使用不可にする」効果であり、使えなくなっているモンスターゾーンの数さえ把握していれば特に問題とならなかった。

その後で登場したのが「Pharaonic Guardian -王家の守護者-」収録の「ニードル・ウォール」と「さまようミイラ」の2枚。
「ニードル・ウォール」は「サイコロを振りモンスターゾーンを右から数えてサイコロの出た目と同じ位置にモンスターがいれば破壊する」効果。
しかし、これは効果を処理する時にどの目が出たらどのモンスターが破壊されるかを決めておけば済む話であった*1
「さまようミイラ」は「セットされたモンスターの位置を入れ替える」効果のため位置まで守る必要がさほどない。
ここでモンスターの位置を移動させるという概念が登場することになった。


5期

その後もゾーンを使用不可にするカードやモンスターの位置を入れ替えるカードは出ていたが、前述の様にしっかりとした位置決めをしなくても問題にはならず適当に扱われていた。
そんな状況の中登場したパックが「CYBERDARK IMPACT」。
カードの位置に関するカードとして「突撃ライノス」「ストーム・シューター」「エーリアン・ベーダー」「ポジションチェンジ」「爆導索」と今までに比べると多く収録された。
「ポジションチェンジ」以外は縦列が効果に関わる初のカードであり、相手のフィールドまで参照にするためカードの位置を守らないと支障が出る様になった。
しかし、いかんせん実用性が乏しくせいぜい使われたのは初見殺しと珍裁定ネタに定評がある「爆導索」と「青き眼の乙女」に反復横跳びをさせ「青眼の白龍」を量産できる「ポジションチェンジ」程度。
「ポジションチェンジ」に至ってはノーコストで毎ターン自分のモンスターを対象に取り続けられるという点が注目されただけであり、縦列を揃える用途で使われることはほぼ無かった。
そのため実質的に「爆導索」のみであるがこれ自体も単にプレイングに気を付けておけばまったく怖くないカードだったので採用率が高いとは言えず、カードの位置が重要となるカードは結局あまり使われなかった。
ただし特に「爆導索」を使う場合が問題で、当時はデュエルマットを使用するプレイヤーが少なかったせいで手癖で位置を動かすことでトラブルになることがあり、そういった噂話に尾ひれがついた都市伝説のようなものがいくつも話題になった。

こういったトラブル防止のためかは不明だが効果の処理にカードの位置が大きく関係するカードは出なくなる。
この間にも漫画版ZEXALで将棋がモチーフのカードの位置を利用した効果を持つ「ラインモンスター」と言うカードが登場していたが、OCG化する際には無関係な効果となっておりカードの位置を大きく活用したカードはもう出す気が無いのではないかと囁かれていた。
その後も縦列を参照にするカードは10期まで新規に作られることがなくなり、前述の縦列を参照にするカードの使用率が低すぎることもあって実質的にカードの位置をしっかり守らなくてもゲームの進行に支障がない状況が続く事となった。

もし、この時点で実用性が高いカードが出ていれば長い間死に要素になる事はなかったのかもしれない。
あるいはトラブル防止のためにカードの位置を厳密に指定する文化が早く生まれただろう。
トラブル回避のために多くのデュエリストに「ドロー、スタンバイ、メイン」という口癖を植え付けた《マインドクラッシュ》ことを考えるとちょっと想像できるかもしれない。


9期

ペンデュラム召喚及びペンデュラムモンスターの登場によりフィールドにペンデュラムゾーンが新設された。
ペンデュラムゾーンはフィールドの右端と左端に1つずつ設置されている。当時は通常の魔法・罠ゾーンとは別扱い。

それに合わせてかペンデュラムモンスターのペンデュラムスケールも必ず左右2つ表記しており「その内2つのスケールが違うカードが出るのではないか」という推察もされていた。
しかし、9期どころかカードの位置が重要視されるようになった10期以降になっても2つのペンデュラムスケールが元から違うカードは1枚も存在しない。
右側と左側で異なる効果を発揮するペンデュラムカードは、11期になって「変導機咎 クロックアーク」の登場により右と左のどちらかに置くかでスケールが変わるカードは登場したことになる。

そもそも右側のペンデュラムゾーンに置いたら右側のスケールを適用すると言った様なルールもなく、スケールが2つ表記されているのは現在に至るまで完全な死に要素となっている。
そのため、見やすくするためか本来のフィールドの置き位置を守らずに片端に2つのスケールをまとめて置くと言った光景も見られた。


10期

長い間守る必要があるようでない状況だったのだが、10期に施行された新マスタールールにより転機が訪れる。
リンク召喚及びリンクモンスターの登場、エクストラモンスターゾーンの新設である。

ルールの変更によりエクストラデッキからモンスターを特殊召喚する場合は、エクストラモンスターゾーンかリンクモンスターのリンクマーカーの先に置かなければならなくなった。
これによりエクストラデッキの活用が中心となっていた遊戯王ではカードの位置は無視することはできない要素となった。

また9期では魔法・罠ゾーンと別扱いだったペンデュラムゾーンは、10期からは通常の魔法・罠ゾーンと統合された。
他の魔法・罠は右端と左端含めどこにでも出せるが、ペンデュラムスケールは右端と左端にしか置けない。よって魔法・罠ゾーンの圧迫や、両端どちらかに他のカードが出してある状態では2つのスケールが揃えられずペンデュラム召喚できない事態が発生する。

カードの位置が重要視される新要素が組み込まれた事によりカードの位置を参照にする効果も積極的に出すようになった。
これらのカードは5期の時よりも実用性が高い物が多数登場しており、エクストラの活用を積極的に行わずともある程度はカードの位置を意識する必要がある。
この時からカードの位置を意識してプレイすることは必須事項となり、長い間死に要素だった状況から脱却した。
ついでにルール面からカードの位置が重要視されたことにより、これ以前にときたま発生していた「事実上の死に要素だったせいで生じる諸問題」が一気に解決し、揉めることがなくなった。


11期

新マスタールールの改訂により、融合モンスターシンクロモンスターエクシーズモンスターはリンクマーカーの先でないメインモンスターゾーンにも出せるようになった。
これらのモンスターを並べる際リンクモンスターと併用せずあまり位置を気にせずとも複数並べられるように。
EXデッキのペンデュラムモンスターとリンクモンスターはこのルールが適用されたままとなっている。こちらを使う際や、相手の位置参照カードで状況に影響が出る場合は往々として存在する。


ラッシュデュエル

OCG11期と共に始まったラッシュデュエルでもカードの位置を勝手に動かす事はルール違反となる。
ただし、現時点ではマキシマム召喚する時にマキシマムモンスターを置く順番が決められている事以外はカードの位置に関連する要素はない。



カードの位置に関するカードの一例


リンクモンスター

カードの位置と密接に関係のあるモンスターカード。
自身のリンク数と同じ数だけ8方向のどこかにリンクマーカーを持つ。
リンクマーカーの先を参照にした効果を持つカードも存在し、リンクモンスター以外でもリンクマーカーを参照にした効果を持つカードもある。
連続リンク召喚によってリンクモンスターを並べる場合、マーカーの向きを意識しないと展開に詰まってしまう場合もある。
10期の新マスタールールではエクストラモンスターゾーン以外にエクストラデッキからモンスターを特殊召喚する場合、リンクモンスターを経由しなければならなかったため今以上に非常に重要な要素だった。

爆導索

古参のデュエリストからすればカードの位置に関するカードと言えばこれが思いつくかもしれない。セットした同じ縦列にカードが全て存在すれば発動できるフリーチェーンの罠カード。
効果はその列のカードを全て破壊するというものでエクストラモンスターゾーンまで巻き込めば2:3交換が可能。
自分のモンスターも巻き込んでしまうため破壊されないモンスターか、破壊されても問題が無いモンスターを置くなどの工夫ができれば狙いたいが、あんまり露骨に並べると不自然すぎて逆に相手に読まれてしまう。
逆に特殊召喚やトークン召喚を頻繁に繰り返すデッキだと、爆導索を伏せるときにまったく怪しまれない。
エクストラモンスターゾーンが無い登場当時でも2:2交換を狙えるカードであったため、同期の縦列を参照にするカードの中では頭1つ抜けて実用性が高い。
当時はカードの位置をほぼ意識しなかったため初見殺し性能が高く引っ掛けやすかったが、存在がバレるとカードの置き位置をばらすだけで簡単に対策されるため流行するまでには至らなかった。
逆にこの「こいつは爆導索を使ってきたやつだから警戒しなければ」という相手の心理を利用して心理戦を仕掛ける人がいた……というか一度まっとうに使われるとどうしても警戒してしまうようになるらしい。

無限泡影

現代遊戯王では汎用手札誘発でお馴染みの罠カード。
手札から発動した場合にはカードの位置に関する効果はないが、セット状態から発動した場合はそのターンの間はこのカードを発動した同じ縦列の魔法・罠の効果を無効化することができる。
この効果を利用することでメインから魔法・罠カードを除去する手段に乏しいデッキが一時的に永続罠を無効化し、突破口を開くなどの手段として使われることがある。
このカードを意識したプレイングは必須と言え、無効化されたくないカードをセットする場合は既に表側表示なっている魔法・罠カードと同じ列に置くなどのプレイなどを心がける必要がある。
このカードを意識させるようにカードを置くと言ったプレイングも可能であり、こういった心理戦要素は爆導索に通じるものがある。

鉄騎龍ティアマトン

縦列に2枚以上カードが並んでいると手札から特殊召喚できるモンスター。
特殊召喚成功時には自身を除く縦一列のライン上のカードを全て破壊し、以降は自身がいる限りそのライン上にカードを出すことも伏せる事も出来なくなる。
要は爆導索+セット時の夢幻泡影という欲張り効果。簡単に出せるレベル4や対象を取らない除去としても優秀だが、下記のジャックナイツやS-Forceとの組み合わせも強い。

ジャックナイツ

縦列に関する効果を多く持つカテゴリ。
手札から特殊召喚する際に縦列にカードを揃える必要があり、効果の発動にも縦列を参照にすると言った具合である。
尚、汎用リンクモンスターとして使われた「双穹の騎士アストラム」は縦列に関する効果は一切ない。

魔弾

モンスターと同列での魔法・罠発動に呼応し効果を発動するカテゴリ。
相手の魔法発動にも対応するため、横に広げれば広げるほど効果のトリガーが増えるのがポイント。
さらにカテゴリモンスターがフィールドに居ると手札から「魔弾」魔法・罠を使えるようになるというクロウもびっくりなインチキを行える。

天気

上記の魔弾と同期のテーマ。
カテゴリ魔法・罠の「○○の天気模様」は全て発動した場所の目の前と、その両隣に対し自身を除外して発動可能な誘発効果を与える。
位置効果は重複可能な為、天気模様カードを置けば置くほどモンスターが強化されていく。

S-Force

モンスターと同列にいる相手モンスターに対し、何らかのデバフや不利益を発生させて妨害していくカテゴリ。
同列に対して発動する効果は同カテゴリ内で共有される為、魔弾と同じく横に広げていくのが主な戦術。
仲間が増えれば増えるほど妨害効果は強くなっていき、相手にとっても満足に展開できる場が減っていくのが強み。


ゲーム作品において

「CYBERDARK IMPACT」登場以降の作品では設定で任意でカードを置く位置を決められる様になった。
とはいえ10期以前の作品では縦列を参照にするカードをわざわざ使わない限りはただ面倒なだけなので設定を自動にしていた人も多いだろう。
この当時のCPUもカードの置く位置を意識せず機械的に順番に置いていくので「爆導索」が良く刺さる。
一部の作品ではモンスターを移動させるとボーナスが貰えることもある。

遊戯王デュエルリンクスでは縦列参照のカードが一部実装されたのだが、カードを置く位置を自由に決める事が出来ない。


漫画・アニメにおいて

決闘者の王国編の予選ではTRPG的な要素がルールに組み込まれており、カードの置き位置によってフィールドパワーソースの恩恵を受ける事ができた。
フィールドが40マスで区切られているなどルールがOCGと全く違い、OCGではフィールド魔法として擬似的に取り入れられるような形になったと思われる。

GXではダークネスが自分の罠カードの位置を参照にする永続罠を使用していた。
中々にややこしい効果なので該当項目を参照。

5D'sではセットした罠カードの位置をこっそり入れ替えるという不正を主人公が行っている。
除去からカードを守るために行ったので、カードの位置が重要ではない時代だとしても悪質な不正行為と判断される可能性は高い。
とはいえ対戦相手の鷹栖も監視カメラで手札ピーピングという完全にアウトな不正行為を行っており、
その対策として不正を不正で返した形であるためどっちもどっちと言える。

漫画版ZEXALでは飛車角が将棋をモチーフとした「ラインモンスター」を使用していた。
前述の通り生まれる時代が悪くOCG化の際にはカードの位置とは無関係の効果にされた。
とはいえカードの位置が一般化した現在でも中々にややこしい「一マス飛びの斜め前」を参照にする効果があったりするのだが。





追記・修正は爆導索を発動されてカードの位置をばらして置く癖がついた方にお願いします。


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最終更新:2022年01月19日 02:23

*1 大体どちらかの端から番号を振ることになった