ペロリンガ星人

登録日:2014/12/11 (木曜日) 15:17:48
更新日:2024/10/17 Thu 05:45:54
所要時間:約 3 分で読めます






「狼ガ来ターッ!」

……幾度モ言ッテイル内ニ誰モ振リ向キモシナクナル
本当ノ狼ハ、ソノ隙ニヤッテ来ル……

ソンナ地球ノ童話ヲ私タチモ知ッテイルヨ……



ペロリンガ星人とは、特撮ウルトラシリーズに登場する宇宙人


【概要】

身長:1.8メートル
体重:80キログラム
別名:サイケ宇宙人
演:高野浩幸(人間体)
声:浦野光

ウルトラセブン』第45話「円盤が来た」に登場。

ペガッサ星雲第68番ペロリンガ星からやってきた宇宙人で、サイケデリックに仕立てられた真っ赤な体色が特徴。
宇宙空間を自在に飛行する能力を持つ。

強力な磁気と不透視バリヤーで大円盤軍団を星に見せかけている。
この円盤は天文台やウルトラ警備隊にはわからない様になっているが、あえてアマチュア天文学者にはわかるように細工されており、アマチュア天文学者からの度重なる通報を見間違いと錯覚させる事により生じる油断をついて地球に一気に攻め込もうとした。
といっても露光時間を調整すれば違和感が出てくるので識別方法ゼロなんて事はない。

その計画遂行のため、何よりも星を見ることが好きな青年・フクシンに少年に化けて近づく。円盤を発見してウルトラ警備隊に通報したが信用されず、星の世界に行きたいと語るフクシンを家に招き、正体を明かして地球侵略の目的を語る。
ウルトラ警備隊に頭を撫でてあげながら再び連絡させるが、やはり信用されることはなく、もはや本部に取り次いでももらえずに落胆するフクシンを「星へ連れて行ってあげよう」と誘惑する。
しかし、フクシンが届けていた円盤の写真を長時間露光してみると感光しない違和感と、電話の中にペロリンガ星人の声が紛れていた事から遂に見破られ、円盤軍はウルトラ警備隊に、地球に侵入していたペロリンガ星人はウルトラセブンによって倒された。

ちなみに変身した少年を演じているのは、『超人バロム・1』の白鳥健太郎役などで知られる高野浩幸氏。
ウルトラマンティガ』ではキリエル人を演じた。

着ぐるみは没シナリオに登場予定だった『水棲人ピニヤ』を改造したもの。
後に、全身を銀色に再塗装され「ワルサー星人」として『チビラくん』に登場した。

ペロリンガ星人とセブンの戦いは無数のシャボン玉や線香花火をバックに行われるイメージ映像のようなものになっており、脚本にも「ホークと円盤群とが、星と光と影と、サイケな視覚の中で、サイケな感じの闘いを見せる」とある。

ちなみに宇宙を飛行時に発していた不気味な声は、『ウルトラQ』の悪魔ッ子の発していた笑い声の流用である。



【関連キャラクター】


◆フクシン
演:冷泉公裕

アマチュア天文学者で、本作の主人公といえる人物。本名は「フクシン・サブロウ」
星を見ることが好きで、毎日夜を徹して天体観測に勤しんでいる青年。普段は町工場で働いている。
ある日、いつものように望遠鏡で星を見ていると大円盤群を発見しウルトラ警備隊に通報する。しかし、各地の観測所や天文台には異常は見られなかった事から見間違いとして処理されてしまう。
次の日も円盤を発見し、今度は証拠として写真も提出したがやはり信用されず人間不信となってしまい、そこに少年に化けたペロリンガ星人に家に招かれ「星に連れて行ってあげる」と誘惑される。

ペロリンガ星人撃退後、事件に協力したフクシンにはウルトラ勲章が贈られることになった。
一夜にしてヒーローになった彼だが、どこか居場所のないような顔をしながら浮かれることもせずいつものように望遠鏡を覗く。そして、あくる日には始業のサイレンの中いつものように自転車で勤めに出かけるのだった。

なお、小説版『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』にも姿こそ出ないものの登場しており、地球に侵入したサーペント星人の円盤を偶然発見・撮影してGUYSに通報。
隊長が有能だったのとペロリンガ星人での前歴から、今回はすぐに信用してもらえた。



【その後】

ウルトラ怪獣散歩

第3シーズン第5回、6回でメフィラス星人、ケットル星人と組んで埼玉県川越市や鉄道博物館を訪れ、観光を満喫する姿を見せた。
やたらと実相寺アングルを行っていたが、これは『セブン』本編第45話の演出を手掛けた監督が実相寺昭雄監督だった事に由来するものと思われる。

ウルトラマンタイガ

第6話「円盤が来ない」で「星に帰りたい男」として51年ぶりに登場。
次元を超えてやってきたらしく、かつてウルトラセブンに登場した星人と同一人物であることが示唆されている。
人間態の演者は高野浩幸氏。なんと51年前と同じ役者さんである。まさか子役時代と同じ役を51年ぶりに演じるとは思ってもみなかったことだろう*1
本編では終始人間態で活動を行い、本人が星人態を見せることはなかったが、終盤にペロリンガ星人の同胞が星人態で登場した。



【余談】

本作は実相寺昭雄監督が自身で手掛けた作品の中でも特にお気に入りだったそうで、自分用に16㎜フィルムにして自宅で見ていたり、「劇場用作品としてリメイクしたい」とまで言っていたという。
だが同時に、本作と同時製作だった43話「第四惑星の悪夢」と合わせて「自分の最低作品だった」とも日記に記しており、上記のコメントも恐らく本心としては満足の行く出来では無かったことがうかがえる。

フクシン役の冷泉公裕氏は、自転車に乗ったフクシンがダンプと交錯するシーンで、実相寺監督から「本当に当てるつもりでダンプが来るよ。当たったらおしまいだけど仕方ないね」と、中々すごい事を言われたそうだ。




追記・修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ウルトラセブン
  • ペロリンガ星人
  • 宇宙人
  • ウルトラ怪獣
  • 円盤が来た
  • 高野浩幸
  • 浦野光
  • 水棲人ピニヤ
  • サイケ宇宙人
  • 冷泉公裕
  • 実相寺昭雄
  • チビラくん
  • ワルサー星人
  • サイケデリック
  • ウルトラマンタイガ
  • 円盤が来ない
  • 悪役
最終更新:2024年10月17日 05:45

*1 当初はフクシンを演じた冷泉公裕氏にオファーがあったものの、氏の急逝により高野氏へと依頼。冷泉氏への追悼のために出演を決めたという。