登録日:2016/11/23 Wed 21:07:15
更新日:2025/04/18 Fri 20:20:55
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円谷プロダクション制作の特撮作品『ウルトラシリーズ』。
そこには
地球の平和を脅かさんとする怪獣達、そしてそれらの脅威に立ち向かうウルトラヒーロー達がいる。
彼らは50年以上たった今なお、世の子供達を魅了してやまない。
……そう、「怪獣図鑑」である。
怪獣の写真のみならず、身長や体重といった詳細なデータ、能力、解剖図などが記されたそれをもとに、あらゆる子供達がいっぱしの「怪獣博士」を自負していた。
本ならぬ怪獣図鑑の虫となった子供達は何度も写真を見ているうち、ある事に気付き始める。
「あれ? アボラスの身体ってレッドキングに似てる?」
「パゴスとネロンガとガボラってなんとなく似てるよね。特に背中…」
「ジラースってやっぱ襟巻つけたゴジラじゃん」
……と。
……先述したように、ウルトラシリーズには数多くの怪獣が登場する。
そしてそれらはTV放送という形態上、週1単位で新たな怪獣を産み出す必要があった。
しかし、毎度毎度一から作っていたのでは時間もかかるし予算も足りない。
1体作るのでさえ大変なのに、時には話の都合で1話で複数の怪獣を出さなければいけない場合もあった。
それでなくとも円谷プロは知っての通り経営状況はあまりよろしくない。
そこで制作班は「既存の着ぐるみに手を加え、新しい怪獣として登場させる」という手法を取ったのである。
よく見れば面影を感じるものから、全く原型を留めていないものまで、その変貌具合は様々。
◆概要
第1期ウルトラシリーズとされる中の『
ウルトラQ』『
ウルトラマン』では
ゴジラ、
バラゴンなど東宝怪獣の改造流用も目立っていたが、第2期以降では基本的に円谷間でのみ改造流用がされている。
そのため、ウルトラシリーズの怪獣達を『
ファイヤーマン』『ミラーマン』など他の円谷作品へ流用、あるいはその逆も多い。
本項ではウルトラシリーズにおける、主な着ぐるみの改造流用の経歴を辿っていく。
なお、
ケムラーに代表されるように型だけ同じで新造された怪獣も存在する。
昭和ウルトラシリーズ
カッコ内は作品名。
ただし、ウルトラシリーズ以外の作品は【作品名】で示す。
『ウルトラQ』第1話にしてTVシリーズ第1作「ゴメスを倒せ!」に登場する2大怪獣、ゴメスとリトラ。
それぞれの前身はゴジラにラドンと、両者ともに東宝怪獣だった。
リトラは厳密にいえば、ラドンの操演用のモデルをもとにしているため、「ゴメスを倒せ!」より先に制作された「鳥を見た」のラルゲユウスを経てリトラに変わっている。
そして、ゴメスはその後イベントや『ウルトラマン』のジラースを経て『
ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』のゴジラとなり、リトラも同じ映画に登場する大コンドルとなって再び共演することになる。
『キングコング対ゴジラ』のキングコングの顔を新調し、尻尾をつけてゴローに。
その後、『キングコングの逆襲』等にも使用。
なお、『行け!グリーンマン』時には権利が切れていたため「
ゴリラ」名義となっている。
爬虫類から哺乳類(劇中での呼称は「大アザラシ」)へ。
でも髭をつけただけでさほど大きな変化はない。
恐らく着ぐるみ改造で最も有名と思われる例。
マグラー以外は全て背中の特徴的なデコボコが一致しているとはいえ、一部分の違いだけでどれも異なった印象を与えるのだからたいしたものである。
マグラーは全身がトゲで覆われて体色が黒くなっている見た目故、かつてはこれが着ぐるみの最終段階とされていたこともあった。
『ウルトラ怪獣大百科』では、ガボラの回にて「(ネロンガやガボラなどは)元は同じ先祖だったが、環境への適応や進化の過程で枝分かれしたのかもしれない」と非常に上手い説明がされていた。
ガボラの後、再びネロンガとなってアトラク用に使用された後東宝へ返却され、『怪獣総進撃』で再びバラゴンとして顔を見せることになる。
ちなみにネロンガ、マグラー、ガボラの3体はガシャポンのHGシリーズで商品化されているが、同じ着ぐるみであった事を意識してか、3体ともほぼ同じポーズを取っている。
『シン・ウルトラマン』では、パゴスとネロンガとガボラが、同じ素体に用途別に異なるパーツを付けて作られた
禍威獣であるという、同じ着ぐるみであった事の
オマージュとなる設定が存在する。
また『ウルトラマンアーク』でも、パゴスとネロンガとマグラーとガボラが、以前に採取された細胞から、祖先が共通であると推測されているという設定が存在する。
外見上の違いはペギラにネコ耳のようなモノが追加された事と体色のみ。
2体の相似は温暖な地域に対応するためのペギラの亜種、ペギラが兄でチャンドラーが弟の兄弟怪獣と書籍で紹介されている他、『ウルトラ怪獣入門』では「他人の空似」とされていた。
『大怪獣バトル』ではオキが作っているチャンドラーの骨格模型を、クマノがペギラと間違えるというシーンがある。
『ウルトラマン』出演後は、再びペギラに戻されてアトラクションや『
レッドマン』で使用された。
平成に入ってからはペギラの着ぐるみが新造されたが、こちらも『Z』出演を最後に『デッカー』にてチャンドラーへと改造された。
半魚人から宇宙人へ。胴体のみ流用された。
なお、ラゴンは『ウルトラQ』にも登場しているが、2代目ラゴンは頭部のみ初代と同じものを使い胴体は新規に作り直している。初代は雌で哺乳類じゃないけど乳房があったためと思われる。
詳しく説明すると初代はボディのみセミ人間以降に流用され、頭部はダダから拝借したボディと合わさって二代目に。
その二代目の頭部がゼットン星人、ボディがアトラク用を経てキュラソ星人のそれに使用されている。
宇宙人の様な人型シルエットのキャラクターは、この様に頭部とボディで改造後の使用先がバラバラで少々複雑な事がしばしば。
かたやトカゲっぽいピーター、かたや魚っぽいゲスラ。
顔つきがほぼ同じなのでわかる人にはわかるだろうが、この変化は相当なものである。
劇中で背びれを引きちぎられた事で改造前の姿に少し戻っている。
食玩の「ウルトラパノラマファイト」ではこの2体が対峙する構図が立体化されている。
余談だが、ゲスラは当初ゲラン蜂という虫の幼虫の怪獣とされており、改造元にはなんとモスラの幼虫(初代)が使われる予定だった。
古い怪獣図鑑では『ゲラン蜂の幼虫が変化した』と書かれていたり、現在では『ゲラン蜂を食べる』とされているのはこの名残。
結果として実現はしなかったが、その時のデザイン画は書籍などで見ることができる。
改造と言っても、足と首の長さをスーツアクターに合わせて調整しただけなので、殆ど同じ姿。
また、ガラモン2代目に存在した胸のマークは、もちろん剥がされている。
後年の『セブンガーファイト』ではピグモンとガラモンが共演したが、この時は微調整すらなく同じ着ぐるみを使いまわしている。
宇宙の凶悪犯罪者たるベムラーと、そのコミカルな仕草でどこか愛らしさも感じさせるギャンゴという対照的な2体。
漫画『
ウルトラマンSTORY 0』では作中ある人物がベムラーをもとに実体化させた怪獣としてギャンゴが登場する。
2体を並べてみるとわかるが、アボラスの首から下はレッドキングと全く一緒であり、身体が青いだけ。
その後、身体はそのままに頭部が新たに造形され二代目レッドキングとなる。
しかし、再度の改造に耐えられなかったようで、
その後の再登場の予定は
変更になった。
真珠を食べるガマクジラに滅茶苦茶重いスカイドンと、共に個性的な両者も改造仲間。
だがコレが災い(?)してか、劇中映像でのスカイドンは妙に腹がダブついており、それほど重くなさそうに見える。
また、奇しくも両者とも「ウルトラマンの体当たりで粉砕」という倒され方をしている。どちらも実相寺昭雄監督のエピソードである。
イビキをかいて寝ているだけというガヴァドンが、なんと歩いているだけで周囲を火の海に変えてしまうザンボラーへと華麗なる転身を。コレにはムシバ少年たちも大満足?
顔つきや背中のトゲの根本に名残が見られるだろうか。
鳥から哺乳類へと華麗なる転身。
翼の有無で印象がかなり異なるが、腕をよく見るとわりとそのまま。
ヒーローの着ぐるみが新調された際、従来のものは敵の宇宙人あるいはニセモノに再利用される事もある。これはその一例。
また逆の例も存在し、グレゴール人が変身したニセウルトラマンダイナはニセモノにしては珍しく新造であり、
そこから後にスーツアクター清水一彦氏用
ウルトラマンダイナ・ミラクルタイプに改造された。
先述のアボラスの
ライバルであるバニラは、頭部と尻尾を変えられ怪獣イモラとして『快獣ブースカ』に。
この業界は厳しいから、
人気がないと次の怪獣の材料にされたりするんだゥ゛おおお(;ω;)(;ω;)
おそろしす(;ω;)(;ω;)(;ω;)
また、マックスゴモラ→レイオニックバースト→ザラガス、『NEO』で新規に作られたゴモラ→『ウルトラ銀河伝説』のレイオニックバーストという形で、
ゴモラのスーツを新規作成する場合は古い方のスーツがリペイントされてレイオニックバーストとなっているらしい。
恐竜戦車の
恐竜部分を改造。
どちらも生物に見えて実は
ロボット怪獣という共通点がある。
ちなみに、『Q』『マン』での反省から予算管理を厳しくしていたことで知られる『セブン』だが、実は着ぐるみを改造して新しい怪獣を作った例は極めて少ない。
このリッガー以外では、
キングジョーの内部の円盤にいたので姿が見えないペダン星人が、ピット星人の流用であると言われているくらい。
これは、当時アトラクションや着ぐるみ展示会といったイベントでも着ぐるみが使われるようになったからである。
つまり、新造の着ぐるみが一体でも多くあった方がイベントが運営しやすく、利益も出るということ。
また、改造するとは言ってもやはり「改造だとバレないよう新鮮に思える造形にする」には相応の費用はかかるため、新しい着ぐるみを作った時と比べ、劇的に予算節約になる訳ではないという事情もあったようだ。
身体に装着された銀色のプロテクターはスーツの劣化部分を隠すため。
シャプレー星人の服に飾りを付けます。
次に顔にお皿を二枚張り付けます。
改造完了。
とりあえず、目がどこにあるかはわかりやすくなった?
- ゴース星人(セブン)→モノロン星人【戦え!マイティジャック】
別シリーズであるが、顔を赤く塗っただけじゃないかとか言うな。
頭の角を外してリペイント。名前も一字変えただけで、兄弟という
裏設定あり。
ちなみにこの兄弟、アニメ『
ザ☆ウルトラマン』では共演している。
なお、アーストロンは新規造形とされるが、アトラク用のゴジラの改造という説もある。
様々な要素で語り草になっているツインテールだが、じつは着ぐるみが改造され『ファイヤーマン』にも出た事はあまり知られていない。
第8話の怪獣クマゴラスは、ペット用のプランクトンが放射能を浴びて
巨大化したものだが、ツインテールと同じく池谷仙克氏がデザインを担当しており、外見も似通っている(但し
足があるという大きな違いもある)。
劇中で登場した2体のうち、等身大の個体はツインテールの着ぐるみを改造したものなのである。
- バリケーン(帰マン)→アマゾンの吸血鬼ヴァンゲリラス【緊急指令10-4・10-10】
クラゲの様な台風怪獣は、マイナー番組『緊急指令10-4・10-10』で再利用された。
笠から生えていたクラゲの
触手の様なものが取り除かれ腕の数が増えたほか、
全身は青白く塗り立てられ、身体には
一つ目だけがついているという異様な外見に。
なお、改造後の名称は長らく「アマゾンの
吸血鬼」とされていたが、21世紀になってから発売された「円谷プロ全怪獣図鑑」で「ヴァンゲリラス」という固有名称がついた。
牙を抜いて頭髪を追加している。
どちらも問題作に登場した宇宙人だが、設定的にも
前者は地球侵略を目論み、差別から保護される立場を利用する悪の宇宙人、
後者は地球を調査しに来ただけなのに、一緒に暮らす地球人の少年共々民衆から差別された善良な宇宙人
と性格も異なっているのは興味深い。
平成では逆に『メビウス』のメイツ星人ビオが『大怪獣バトル』以降のゼラン星人に改造されている。
- ヤメタランス(帰マン)→ごみ怪獣ゴミラ【東芝CM・隼】
一部では逆に見なされているが、放送時期的に隼のCMは『
ウルトラマンタロウ』制作時に撮影されたもの。
同じ地底人つながり。
ヤプールの超獣つながり。
下半身が原型を留めているのに、脚部を映すカットが多いため丸わかり。
『タロウ』に登場した改造サボテンダーはアトラク用の流用。
ヤプール老人の変身態は劇中あまり映らず、オリオン星人はエフェクトがかかっているのでわかりにくいのでは。
顔や腹部はまるで別物だが、下半身が同じ。
ヒーローから悪役への華麗なる転身……んな訳ない!
ツーピース時代のスーツを改造したのか、股関節の部分にその名残が見られる。
ある怪獣の同族(二代目)を全く関係のない怪獣をもとに改造して出すという珍しいケース。
そのため尻尾が長かったりするなど初代ベロクロンとはだいぶ見た目に差異がある。
劇中で北斗から「ベロクロンそっくりの超獣」と称された他、タロウに登場したベロクロンの事を「改造ベロクロン二世」と紹介する資料もあるため、
ベロクロン二世という名前のベロクロンとは別の超獣なのかもしれない。
シグナリオンを操っていた宇宙人は実はヤプールのタイツの改造である。
よく見ると腹部の丸い模様に名残があり、加工された映像で姿や形、色がわかり辛かったヤプールがどんな色をしていたかがわかる。
こちらも超獣つながり。
原型を殆ど保ってないので初見で気付いた人は少ないと思われる。
- ゴルゴザウルス【ミラーマン】→オイルドリンカー(タロウ)
ミラーマンの怪獣を超獣に改造。
ゴルゴザウルス2世はアトラクション用からの流用で再改造ではない。
出っ腹・下品な笑い方とそれに似合わぬパワー・再生能力の持ち主がカエルの怪獣として生まれ変わった。
トンダイルもよく見たら出っ腹である。
全身が蔦まみれなので、改造元の面影は殆ど残っていない。
当初はタガールの着ぐるみを改造する予定だったらしい。
- ドリゴラスの胴体【ファイヤーマン】+キングジャイグラス【ジャンボーグA】→オカリヤン(タロウ)
デザイン画では改造を前提でデザインされていないため、実物より太っており、尻尾も団子状になっている
キングジャイグラスはファイヤーマンの暗黒怪獣
ブラッカーに改造されたが、
尻尾はオカリヤンに流用される前なのか新造なのかは不明。
相当パーツが追加されているため、手足のブツブツ以外は名残がない。
怪獣から宇宙人に改造された珍しい例。
ドルズ星人の方は上半身のみ登場。
ラフスケッチで見ると秀逸かに思われたが、いざ着ぐるみを作ってみるとイマイチ感が漂うというのはウルトラシリーズに限らずよくある話。
レオの没デザインとなった着ぐるみは悪役デザインに改造され、『
ウルトラマンレオ』の前週にテレビに登場した。
よく見ると頭部形状や
カラータイマー状の部位に、レオとなるはずだった名残が見られる。
尻尾は短くなっている。
兄は弟とは逆に後で改造される側になった。
近年は
DQNキャラが板についたり、『
ウルトラマンオーブ』では美味しい主役回を貰うなど活躍も著しい『レオ』を代表する?2大宇宙人。
当時の裏設定では部下と上司に当たる関係だったようで、内山まもる氏の漫画版でも当初マグマ星人が担っていたポジションを後期ババルウ星人が引き継いだかのような側面がある。
- スーパーザウルス・ラグー【恐竜戦隊コセイドン】→ベドラン(ウルトラマン怪獣大決戦)
ベドランはアニメの『
ザ☆ウルトラマン』に登場した怪獣だが、
1979年の映画『ウルトラマン怪獣大決戦』にて当時最新のウルトラ戦士であった
ウルトラマンジョーニアスが活躍する新規映像での敵役としてスーツが用意された。
ただし一からではなく、同じ円谷特撮の『恐竜戦隊コセイドン』に登場したスーパーザウルス・ラグーを改造したもの。
また、オリジナルのベドランは四足歩行だったが、スーツ版は改造元の関係か二足歩行となっている。
また公開時はアニメ版ではベドランは登場していなかったため、ある意味こちらが先行登場でもある。
矢的猛を逮捕しようとしたからか、デザイン画ではアメリカンポリスの様な制服だった。
不死身とも称される生命力を誇るメダンは、実は同じ『80』の怪獣であるギコギラーの改造。
翼を外し、なおかつ首から下を改造している為、完全に別物に見えるが、よく見ると腹部のブツブツした感じに名残がある。
ちなみにどちらも宇宙怪獣という共通点がある。
音を食べる騒音怪獣がまさか人を食べるテレポート怪獣になるとはだれが想像できただろうか。
『80』怪獣で比較的知名度の高いサラマンドラも、実は改造された経歴がある。
ラブラスはともかく、アルゴンに関しては完全に別物。
ちなみにラブラスが人間から変身してしまった怪獣なのに対し、アルゴンは逆に人間に化けていた怪獣でもある。
アルゴンの宇宙船による攻撃シーンは『
ウルトラマンティガ』に登場するデシモ星系人の宇宙船に流用された。
胸のマークはそのまま残されている。
宇宙海賊的な宇宙人が善意の宇宙人のスーツに流用されるとは。
ちなみに「スターウルフ」のバッカスⅢ世のミニチュアはアメーザに襲われた宇宙船スペース7号に改造された。
ファンタス星人のマスクにパーツを付け足す形で作られた。
ズラスイマーのデザインは一般公募によるもので、応募者曰く「凶悪怪獣のつもりで描いたが、本編ではコミカルに描かれるとは思ってもいなかった」との事。
劇中名称がクレジットされていないため、書籍によっては「怨念セブン」と表記されている。
ちなみに目の部分をタロウの型に改修している。
平成・令和ウルトラシリーズ
- シーリザー(ティガ)→シルバゴン(ティガ)→クローンシルバゴン(ダイナ)
ゾンビ怪獣の名に恥じないボロボロなシーリザーが、パワフルなシルバゴンになろうとは誰が想像できようか。
体表をよく見るとその模様に面影があったりする。
後に体色の赤い部分が青くリペイントされてクローンシルバゴンとなった。
なお『ウルトラマン OFFICIAL DATA FILE』ではシーリザーについて、「生前はシルバゴンに似た姿をしていたかもしれない」という記述がある。
- ガギの本編用の触手(ティガ)→シルバゴンの尻尾(ティガ)
ガギの触手が、その後ガギⅡを倒す怪獣の一部になるのは何の皮肉か。
独特なフォルムチェンジをする宇宙人から防御力の高い謎の甲獣への改造。
腹部が同じである。改造にはアトラクション用のレッドキングも用いられた様だ。
ちなみに等身大ムザン星人のマスクはフォーガス怪人体のマスクへと改造された。
錐体のようなフォルムや両腕の長い触手といった特徴はそのままに、改造後には巨大な花がついた。
共に後足の膝をついた四足歩行型の怪獣。キングモーラットはあくまで芯部分のみの流用のようだ。
数々の悲劇を生んだ細胞から誕生したエボリュウが劇中屈指の防御力を持ち、
ゴルザの近縁種の超古代怪獣に大変身。
体表もゴルザのように穴の開いた石を思わせる鎧の様なものになってるため初見で気付いた人は恐らくいない。
ちなみにメタモルガの登場する回でもエボリュウが霊体として登場するのだが、上記の通りガルラに改造されていたため、合成映像で撮影されている。
シルバゴンの同族である彼も、ヤナカーギーとして30周年記念作品に相応しいエピソードに登場するに至る。
- ウルトラマングレートのアトラクション用スーツ→イルド(ティガ)
これで予算が浮いた結果、ティガのスーツを改造する予定だった
イーヴィルティガは新造となった。
- ネオダランビア(ダイナ)→ネオダランビアⅡ(ダイナ)→サンダーダランビア(ギンガ)
ダイナの最初の敵怪獣が16年の時を経てニュージェネレーションシリーズ始まりの敵として登場。
倉庫に保存状態が良いまま残っていたので、補修を兼ねて改造された。
- ギャビッシュ中間形態(ダイナ)→ガイガレード(ダイナ)→ネオガイガレード(ダイナ)
ギャビッシュ中間形態はデザイン画は存在せず、着ぐるみも一瞬登場しただけ。
胴体のみを改造の素体として流用した例。やや前傾姿勢のデキサドルから正統派スタイルのネオザルスになった。
では頭はどこ行ったかというと……
- デキサドルの頭(ダイナ)+デマゴーグの胴体(ダイナ)→ネオジオモス(ダイナ)
まさかの別怪獣の頭と胴体を組み合わせたスフィア合成獣。胴体は面影があるものの頭は最早別物。
なお、進化前の
ジオモスは新規造形であり、パワーアップして流用怪獣になるという珍例でもある。
- 第30話劇中ドラマの怪獣(ダイナ)→ロックイーター(ネオス)
『ダイナ』
第30話の冒頭で撮影されていたドラマの怪獣が、れっきとした本編の怪獣に。
身勝手とはいえ同情の余地のある悲劇の悪役宇宙人がまさか同情の余地もない作中屈指の外道な宇宙人になろうとは誰が想像できただろうか。
色を除いて頭部の造形はほぼそのままなので一見すると無改造にも見える。
『ダイナ』に登場した半魚人であるディゴンは同じ魚繋がりで魚人に。
色と目を弄った程度で他はほとんど同じである。
ディゴンは
戦闘員的ポジションで着ぐるみは複数あったため、改造されずに現在でもアトラクショーでよく見かけるものもある。
アスカ・シンに恐怖を植え付けた電脳戦艦は有機生命体を抹殺するためのマスターコンピューターに。
当初はデスフェイサーをそのまま出す案もあったという。
- ワンゼット(ウルトラマンダイナ 帰ってきたハネジロー)→アルケラ(コスモス)→バグバズンブルード(ネクサス)→ドーブル星人(ジード)
アルケラの頭部はアラクネアに改造された。
バグバスンブルードは当初ザム星人を改造する案もあった。
バグバズンブルードの頭部はそのままの姿でドーブル星人に流用。
- アーウォン(ウルトラマンダイナ 帰ってきたハネジロー)→ガルバス(コスモス)→ドルバ(コスモス)
ガルバスとドルバは着ぐるみ改造を踏まえてか、同族という設定。
- マザーディーンツ(ガイア)→クトゥーラ(ネクサス)
その醜悪さでTVの前のちびっこ達に
トラウマを与えたマザーディーンツ。
改造後のクトゥーラもこれまたキモいデザインで語り草になっている。
どちらも『
ウルトラマンガイア』に登場した怪獣で古代怪獣という共通点がある。
頭部に名残ありか。
- コッヴⅡ(ガイア)→シャザック(ガイア)
- コッヴⅡ幼獣(ガイア)→シャザック幼獣(ガイア)
親が
コッヴⅡの着ぐるみ改造なのはもちろん、子の方もコッヴⅡの幼獣を改造したものである。
ちなみにコッヴⅡ、は初代コッヴの改造ではなく新規に作られ、初代コッヴは超コッヴに改造された。
- ミズノエノリュウ(ガイア)→クラヤミノオロチ(ウルトラマンティガ 古代に蘇る巨人)
大地の守護龍と超古代の邪龍という対照的な立場の2体。
なおミズノエノリュウは下半身(
尾の先)に8つの頭を持つが、名前だけでなく動向も含めて
日本神話の
八岐大蛇に近いのはクラヤミノオロチの方である。
- ゴキグモン(ガイア)→ムシムシモン【ブースカ!ブースカ!!】→カオスバグ(コスモス)→バンピーラ(ネクサス)
「ムシムシモン」という名称は「円谷プロ全怪獣図鑑」でつけられたもので、ゴキグモンに角を付けたもの。
カオスバグは手足にも名残があるが、バンピーラは体格を隠すために毛が付けられたりしているため尻尾のみになっている。
『ガイア』屈指の異色エピソード「遠い町・ウクバール」に登場した怪獣が、純然たる
根源的破滅招来体の手先に。
- ガグゾム(ウルトラマンガイア ガイアよ再び)→エリガル(コスモス)
ガグゾムがバイアグヘーと合体して出来た鎌状の手はカオスエリガルの手に流用された。
『コスモス』で準レギュラー級の活躍をしたリドリアスが、1話限りのゲスト怪獣に改造されてしまった事には釈然としないという声も。
また、外見が似ていることからフライグラーの前に一度ヘイレン(マックス)にされていたのではという説もある。
体格や背中に丸い甲羅という共通点はあるものの、見ただけでは殆ど分からない。
同作品内で改造された後に別作品で更なる改造がされた例。
守護獣が変貌させられた怪獣から突然変異を起こし巨大化した怪獣を経て、6週間もの間暴れ回ったスペースビーストへとなった。
一見すると同一とは思えないが、胸周りがカオスパラスタンからノスフェルまで一貫している。
- タブリスの体(コスモス)+ボクラグの頭(ガイア)→フログロス(ネクサス)(→ケプルス(マックス)?)
カバのような怪獣のタブリスの首から下と魚のような頭部を持つボクラグを足したことで、
サンショウウオやイモリのような怪獣に生まれ変わった。
よーく見ると魚のような頭部やムッチリした手足の質感に名残が残っている。
フログロスは『マックス』のケプルスに改造されたという記述も公式ムック『ウルトラマンマックス マックス!マックス!マックス!怪獣大画報』等に見られるが、後の『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』にフログロスB(フログロスの大型個体という設定で姿は同じ)が登場しているので、誤情報ではないかとと思われるが、一応記載。
- グラルファン(コスモス)→アンヘル星人トーリ(メビウス)
こちらも『コスモス』で人気の高い怪獣をもとにした改造。
一本角を大きなトサカに変更、髪の毛をなくす、金色の部分を銀色にリペイント…と一応こまごまと手は加えられており、
さらに劇中ではCGで長い尾羽も追加されているのだが、全体的な印象はグラルファンとあまり変わらないためほぼ無改造だと思われてしまう事も多い。
リドリアスといい、随分勿体無いことをしてる気がするとの声も。
手足に名残が見られる。
- ヤマワラワの胴(コスモス)+ザム星人の腕(ネオス)+アルケラの頭(コスモス)+ザ・ワンに憑依された有働貴文の背中の角(ULTRAMAN)→アラクネア(ネクサス)
何と4体の怪獣を組み合わせた、ある意味では平成の
タイラント。ただし本編ではチョイ役……
その後、爪はレッサーボガール(メビウス)に、背中の角はバグバズンブルード強化体(X)に、頭部はクカラッチ星人(劇場版オーブ)に流用された。
- メザードの頭部(ガイア)→サイコメザードの頭部(ガイア)+サルファス(平成セブン)→バッカクーン(ネオス)
メザードの着ぐるみは頭部以外が劇中そのまま燃やされてしまい、サイコメザードはクインメザードに改造されている。
- シルドバン(ネオス)→バグバズン(ネクサス)→バグバズングローラー(ネクサス)
当初はバグバスンが再登場してそのあとすぐバグバズングローラーを出す予定だったが、効率が悪いのでバグバズンブルードが作られた。
グチャグチャ、ヌルヌルの
ミミズやナメクジを足したようなグロい姿と、捕食シーンで視聴者をトラウマにしたペドレオンは同じような軟体動物系の怪獣であるクロノームに改造されている。
一見面影はないように見えるのだが、よく見るとナメクジのような体型に名残がある。
- キングジョー(マックス)→キングジョーブラック(大怪獣バトル)→キングジョー(BS)(キラー ザ ビートスター)→キングジョーカスタム(SD)(ギンガS)→キングジョー(X)
平成シリーズでは「色や外見のやや違う同族」「強化・カスタマイズ」という扱いで着ぐるみ改造が行われる例が数多く見られるが、キングジョーはその代表と言える。
マックス版キングジョーの右腕をペダニウムランチャーに交換してリペイントする事でキングジョーブラックに、
それを改修してオリジナルに近い造形に戻す事でキングジョー(BS)に、
途中で
ウルトラゾーンでの流用を挟みつつ、右腕を再びペダニウムランチャーに交換してキングジョーカスタム(SD)となり、
右腕を再度通常の腕に戻す事でX版キングジョーになるに至った。
- グランテラ(ネクサス)→モエタランガ(マックス)(→ディガルーグ(メビウス)?)
当時TVシリーズ最年少ウルトラマンだった
ジュネッスブルーの初陣を飾ったスペースビーストはイケボ星人に改造され、
当時TVシリーズ最年長ウルトラマン
(のそっくりさん)に突破口を開かれた。
モエタランガはディガルーグに改造されたと公式ムック『ウルトラマンメビウス アーカイブ・ドキュメント』に記載があるが、後年アトラクショーで使用されており、誤情報であると思われるが一応記載。
- ゲロンガ(マックス)→ネロンガ(メビウス)→マグラー(大怪獣バトルNEO)
『マックス』の1エピソードにパゴスを登場させる予定だったが色々あってお蔵入りとなり、同じ身体を持つオリジナルの怪獣としてデザインされたゲロンガ。
その名からしてもわかる通りネロンガのセルフパロディであり、その後『メビウス』や『ギャラクシー』でネロンガとして使用される。
その後はマグラーとなり、かつての改造もとであったバラゴンが登場する『怪獣総進撃』のとあるシーンへのオマージュが観られる。
なお、『R/B』に登場したネロンガ、『タイガ』に登場したパゴスはそれぞれ新造。
- フェミゴンフレイム(メビウス)→ブラックキング(大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE)→怪獣兵器ブラックキング(サーガ)→ブラックキング(X)→ブラックキング ドリルカスタム(X)→ブラックキング(オーブ)→リオド(アーク)
帰マン怪獣のリメイクを更に帰マン怪獣へと改造。
外見的には2足歩行である点くらいしか共通点がないが、表面の皮の部分をひっぺがして、中のアクターが着る部分が流用されているとのこと。
元々のデザインに囚われず、かつ予算を抑えて新怪獣を出せることから、制作予算が厳しくなった
ニュージェネレーションシリーズではこのタイプの改造が大幅に増加している。
ブラックキングは小改造で怪獣兵器やドリルカスタムといったバリエーションになっては元に戻るを繰り返して長年使用された後、リオドに改造。
リオドは着ぐるみだけでなく、ソフビ人形もブラックキングの金型を流用していると推測され、足の裏に
ライブサインの名残がある。
表皮引っ剥がしシリーズの1体。
ムルチ二代目が体を引きちぎられた事とは関係ない
『メビウス』で登場して以来、後の平成ウルトラでも活躍してきたゾアムルチだったが、『オーブ』において
魔王獣マガジャッパとして生まれ変わった。
当然と言うかマガジャッパはオリジナルたるマジャッパにそのまま改造された。
- ペダン星人(レイオニクスハンター)(大怪獣バトル)→チブロイド(ギンガS)
『ギンガS』の
戦闘員ポジのチブロイドは『大怪獣バトルNEO』のペダン星人の改造だが、
バイザーのような頭部からファンは初見で気付いた人も多いかもしれない。
レイオニクスハンターの着ぐるみは複数存在していたため、この後の作品でも登場し続けており、『タイガ』では別のエピソードではあるがレイオニクスハンターとチブロイドの両方が登場している。
- ペジネラ(ULTRASEVEN X)+ソリチュランの花(メビウス)→ホオリンガ(X)
『SEVEN “X”』に登場する寄生生物が『ウルトラマン“X”』に登場する植物怪獣に。
特徴的な甲羅がほぼそのままなので比較的わかりやすく、ホオリンガの設定的に山に見立てているともとれる。
また、地面から出ていた根っこは後に『
ウルトラマンジード』の宇宙植物へ流用された。
余談だが、当初は
ダランビアを改造する予定だった。
こちらも比較的分かりやすい改造例の1つ。
当初は金色の
インペライザーが登場する予定だったが、インペライザーは度々登場している事から新怪獣に変更された。
第6話の
回想シーンで、頭部もガトリングガンとなった同型機と思われる機体が惑星ゴールドの街に複数配置されている様子や砲撃を主体とした戦法はその名残である。
- デマーガ(X)→ツルギデマーガ(X)→ベビーデマーガ(ブレーザー)
キングジョーの項で述べた「強化形態」扱いで改造された例。
デマーガは強化形態が登場する前提で着ぐるみが作られたため、パーツを取り付けるための切れ目が入っており取り外しも容易になっているとのこと。後の作品ではデマーガに戻されて何度か登場している。
さらに『ブレーザー』ではこの構造を利用し、パーツ差し替えで幼体の姿にもできる仕様に改造された。
戀鬼は元々『コスモス』に登場した怪獣だが、『オーブ』に登場した個体は「
刀を持った鎧武者の亡霊」という大まかな特徴以外は外見に共通性がない。
胴体は『ゴーストリバース』に登場した鎧武者型ロボットのメカザムから流用し、頭部は新規造形で「なんとなく戀鬼っぽい」姿にするという力技で再登場を果たした。
実は髪の毛だけオリジナルの戀鬼のものを使用しているとのこと。
その後、再度リペイント&頭部を挿げ替えて『
トリガー』のメカムサシンに。
映画作品に登場したキングパンドンが、首を交換してマガパンドンとなり、更にマガクリスタルを外して原種のパンドンになるという、ある意味強化版から原種へと時間をさかのぼった形の改造。
なお、『
劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』に登場した原種パンドンは改造が間に合わなかったのか、マガパンドンとクチバシが同色となってしまっている。
なおパンドンは顔だけが2つあるが、当初『セブン』では「首が2本」というデザインで検討されていた。
キングパンドンはこの没版パンドンを元にしており、ボツ版から採用版へとある意味順当に変化しているとも解釈できる。
- アラクネアの頭部(ネクサス)→クカラッチ星人(絆の力、おかりします!)
- ガルキメスの頭部(ULTRASEVEN X)→ガルメス人(絆の力、おかりします!)
ムルナウの手下には戦闘員的な宇宙人が何人かおり、いずれも首から下は普通の服で頭部だけ被り物となっている。
恐らくは胴体が残っておらず、頭部だけ残存していた宇宙人を倉庫から引っ張り出してきたものと思われる。
セミ女、ヒュプナス、サーペント星人、レキューム人は過去作からの再登場だが、クカラッチ星人とガルメス人は新宇宙人という事になっている。
この2体は元の着ぐるみが宇宙人ではなく怪獣のそれであるため、「宇宙人」として出すには別の名前が必要だったのかもしれないが、真相は不明。
『
劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』ではこのタイプの宇宙人が多数登場している。
- ダークゴーネの頭部+リフレクト星人の腕+ヒュプナスの胸部の布(ULTRASEVEN X)など→サタンゾーグ(ジード)
- キャプテリオン【銀河超速キャプテリオン】→爆裂戦記ドンシャイン(ジード)
そしてそんなドンシャインも実は改造スーツである。
元となったのは、かつて日本大学芸術学部のサークル「日芸特撮部」が製作した『銀河超速キャプテリオン』というヒーロー(胸パーツを見比べるとわかりやすい)。
ついに着ぐるみの輪はプロ・アマの壁を越えた。
ちなみに、その製作スタッフの中には、現在『ジード』の造形班として制作に関わっている人物もいるとのこと。
ゴルザ・
メルバ・
レイキュバス・
ガンQ・超コッヴと平成3部作を代表する怪獣が超合体したファイブキングだが、レイキュバスとガンQの両腕を取り外すことでトライキングに。
さらに超コッヴの脚もゴルザのものに改造し、頭部や胴体のメルバ要素を増やしてバランスを取ることで『ティガ』怪獣オンリーの合体怪獣となった。
どんどん構成怪獣が減っている事にはツッコまないであげよう
ラスボスから劇場版の大ボスへの転身。
シルエットが似通っている事もあって視聴者間では予想されていたが、『ウルトラ特撮PERFECT MOOK vol.15 ウルトラマンジード』の記述で確定した。
グルジオボーンは最初からキングへの改造を前提に造形されており、一部のパーツを交換できる機構が設けられていた。
この機構がグルジオライデンになっても残っていたため、当初グルジオレギーナを改造する予定だったネオメガスもグルジオライデンからの方が改造しやすいと判断。
パーツ交換でスフィアネオメガスとしても使える一粒で二度おいしい着ぐるみとなった。
それぞれ『
ウルトラマンX』と『
ウルトラマンR/B』のボス格として登場。
共に右腕が肥大化しているという特徴があることから改造を予想する声は少なくなかったが、『セレクト!絆のクリスタル』Blu-rayメモリアルボックスの解説書において確定した。
上記のゾアムルチ→マガジャッパと同様に、アクターが着る下地を残して表面を変えたものだという。
『
恐竜大戦争アイゼンボーグ』40周年を記念して製作された短編映像にて前半大ボスのウルルが新造され、『
ウルトラマンタイガ』最終盤の怪獣へと再利用。
いずれも身体に対して妙に小さい腕をしているので、そこで気づいた人もいるのでは。
デザイナーの後藤正行氏いわく、「ウーラーのデザインはウルルを改造する前提で行った」とのこと。
後にウーラーの着ぐるみはメツオーガとして流用。
小さな腕や飛び出た針金の様なパーツが除去され全身がリペイントされたことで、ウーラーの宇宙に漂うデブリが集まったような
グロテスクなデザインから岩のような皮膚をもつ怪獣になっている。
因みに、オリジナルの『アイゼンボーグ』に登場したウルルは、円谷プロがアメリカの会社と共同制作した1977年の恐竜映画『極底探検船 ポーラーボーラ』のメイン恐竜を飾った着ぐるみのティラノザウルスが、撮影が終わったと同時に改造することもなくほぼそのまま流用された。
- マガバッサー(オーブ)→グエバッサー(R/B)→ライバッサー(デッカー)
『オーブ』の始まりの敵にして魔王獣の一員であり、この時点で原種の存在も明言されていたが、約2年後にそれにあたるグエバッサー、その4年後には更なる亜種のライバッサーへと姿を変えて繰り返し登板。
グエバッサーは白、ライバッサーは黄色を基調に塗り替えられたほか、ライバッサーは角の形状も変化している。
魔王獣のスーツ流用は2023年時点ではこれが最後である。
『オーブ』の
中ボス怪獣から『トリガー』の強敵怪獣に転生。
ちなみに魔王獣には変化前の姿も存在しているはずだが、メツオロチがマガオロチの前身なのかは現時点では不明。
『オーブ』のラスボス怪獣から『Z』の初陣の相手へと転生。共に「なんでも食う」という個性を持つ怪獣である。
ニュージェネレーションヒーローズでは上記のザイゴーグなど、ボスクラスの怪獣が通常回の敵として出てくる事がしばしばあったのだが、
セブンガーのスーツ新造で怪獣のスーツに使う予算が足りなくなってしまった事と、マガタノオロチが何らかの形で再登場しても
かませ犬になる事をよく思わなかった
田口清隆監督の意向で改造される
(=二度と再登場出来ない)こととなった。
正確には着ぐるみではなくプロップの範疇だが、『ティガ』にチラッと登場した存在がまさかの『Z』の黒幕にして同作における諸悪の根源に生まれ変わった。
デスモンにおいて3本あった尻尾のうち1本が口、残り2本が除去されて目が追加された事を除けば、ほぼ無改造で表裏をひっくり返しただけなので、『ティガ』を視聴したことのある方には疑問に思った方もいるかもしれない。
ヘルベロスの着ぐるみをリペイントした後、胸部と角部を改造している。
いずれの怪獣もそれぞれの世界における「はじまりの怪獣」つながりとなっている。
当初は
デストルドスをスフィアジオモスに改造する案もあったが、構造的に難しいと断念。他の候補を検討したところ、今後使う予定がない怪獣としてセグメゲルが選ばれる形となった。
番外編
スーツの改造なし、経年劣化の容貌変化だけが原因で別怪獣として扱われた事で有名なデットン。
元々はテレスドンとして再登場する予定だったが別人にしか見えないと言う理由で名前が変えられた。
『帰マン』出演後は、『レッドマン』で頭部だけ挿げ替えて再びテレスドンになったが造型は……まぁお察し。
没シナリオの登場宇宙人、つまり世に出る前のスーツの改造である。
完成していたピニヤのボディをサイケデリックにリペイントすることで、ペロリンガ星人として日の目を見ることとなった。
その後銀色に塗られて帯番組「チビラくん」のワルサー星人として登場。
- ミラクル星人(タロウ)→ミラクル星人(SD)(ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!)
『ギンガ』の劇場スペシャルでまさかの再登場を果たしたミラクル星人。
改造されてはいないが、驚くべき事になんとこのスーツ
1973年当時、つまり『タロウ』本編撮影で使用されたものと同じ。
他の怪獣達に比べて使われる機会に乏しかった可能性もあるとはいえ、処分されず残っていた事自体「ミラクル」という名に恥じない奇跡なのかもしれない。
ちなみに
ケルビムも14年後の『Z』まで当時のものをそのまま流用している。
メジャーどころの怪獣は酷使されやすい為に定期的なメンテナンスが欠かせなかったり、時に改造に回されたりする中、マイナー怪獣の方が経年劣化でもない限り当時のものを使えるという珍しいパターン。
もちろん出番の多いメジャー怪獣でも長い期間使われる事はあり、例えば『マックス』版レッドキングは補修を重ねながら16年後の『シンガポールの新たなる力』まで現役で使用されている。(現在は『デッカー』でスフィアレッドキングに改造された後、アトラク用に回されている模様)
『ウルトラマンゼロクロニクル』の番組内で放送された短編である『ウルトラファイトオーブ』に登場するレイバトス。
実はそのスーツは同番組の為に製作された物ではなく、企画が持ち上がったものの
大人の事情で
没になってしまった幻の作品である『ULTRAMAN 2 requiem』に登場する亡霊魔導士レクイエムというキャラの着ぐるみをほぼ無改造で使ったもの。
着ぐるみ作成後にお蔵入りになったため撮影には使われず、状態が良かったのでそのまま使ったのだとか。
着ぐるみの改造を前提にデザインされたのに、実際にはそうならなかったという珍しい例。
デマーガ以外の上記2体は『ジード』の
ベリアル融合獣を改造する前提だった(実際よく見ると面影がある)が、実際には新規に着ぐるみが作られた。
改造を免れたペダニウムゼットンは『Z』に再登場。
また、ゴロサンダーの着ぐるみは『トリガー』にて
バリガイラーにリペイントされている。
余談であるが、『タイガ』の新規新造怪獣は今後使う予定が少ないという判断からその殆どは改造・リペイントされている。
上記のミラクル星人と同じパターン。撮影当時のスーツの胴体部分がそのまま残っていたタイプで、実に28年ぶりの再登場(『パワード』の撮影時期が1993年の夏から冬にかけての為)。
胴体部分の造りが特殊だったからか、当時よりは縮んでしまっていたとはいえ、使える状態ではあった事から再登場となった。
顔部分はパワード本編のものではないとはいえ、それでも90年代にテレビCMやイベントで使用されたものであり、相当な物持ちの良さである。
改造された他のスフィア合成獣と違い、リペイントも大幅な改造もされておらず、両肩にスフィア突起物を追加したのみの簡易的なもので、その部分を戻せば元のメガロゾーアとなる。
テレビ本編には登場しないアトラクションショー用の戦闘員として『電光超人グリッドマン』の時に使われたものが、『ダイナ』で人造人間の兵士としてそのまま登場。
それが25年後の『デッカー』では警備ロボとして設定を変えて再登場し、その翌年には再びグリッドマンのイベントで使用されることとなった。
見た目は変わらないまま、登場するたびに設定が変わっている。
アトラク用スーツ
ショーやステージなどで使われるアトラク用スーツは新規造形のものもあるが、中にはボロボロになった本編スーツが流用されている場合もある。
『
レッドマン』などの短編作品や
ウルトラ10勇士で本編に使用できないことが判明したラゴラスエヴォなどが有名か。
また、古いアトラク用スーツは造形が残念なものも多かったが、
昨今のスーツは結構出来がいいものも多く、(特にウルトラ戦士の)アトラク用スーツがTVシリーズなどに登場することもある。
スタッフに曰く会心の出来らしい『ティガ』第49話「ウルトラの星」に登場した
ウルトラマンや、
もともとがアトラク用スーツの改造のため定期的に出回り
本編に出損なう巨大ヤプールなどが有名。
また『
ウルトラマン列伝』の新撮映像に登場するウルトラ戦士の中にはアトラク用スーツで登場する戦士もいる。
「実は自分も誰かの改造流用なのではないか」と感じた人は追記・修正をお願いします。
最終更新:2025年04月18日 20:20