登録日:2015/02/17 (火) 00:36:59
更新日:2024/02/08 Thu 15:33:24
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概要
イギリス全土で数多くの目撃報告が寄せられている
UMA(未確認生物)の一種。
その歴史は古く、確かな記録だけでも18世紀まで遡ることができる。
しかし1963年以降、目撃情報が多発しており、瞬く間に
イギリスを代表するUMAとして研究者たちの間で話題となった。
ABCを撮影したとされる映像や写真は数多く、中には死体を発見したという報告もある。
ABCというのはエイリアン・ビッグ・キャット(
A
lien
B
ig
Cat
)の略。
ここでの「エイリアン」とは宇宙からやってきたものを指すわけでは無く、
「外来種の」「よそから来た」「そこには居ないはずの」という意味である。
ABCというのは総称であり、厳密には「モギィ」、「ビッグ・キャット」、「ファントム・キャット」などのタイプ毎に分かれた名称が存在するという。
名前が示す通り、その姿は
ヒョウやピューマを彷彿させるネコ科の大形動物の姿をしている。
しかし、
イギリスには大型のネコ科の猛獣は
生息していない。
本来居るはずの無いものがそこに存在する
という王道ながらもミステリアスな様相。
これがABCの神秘性を高める要因になっている。
形態
ざっくり言ってしまえばその姿はピューマや黒ヒョウを思い浮かべて貰えればだいたい当たっている。
体高は50~80cm、全長は1.2m~1.8mほどで、体の割りに
尻尾が長いとされる。
色は漆黒、茶色、グレーが主流。縞模様が確認されたという報告もごく稀にある。
この手の猛獣にもれず性格は極めて獰猛。
家畜やペットのみならず、人間にも平然と襲い掛かり、実際に負傷者も確認されている。
ABCに襲われた家畜はいずれもズタズタに引き裂かれ、肉が骨の周囲まで綺麗に食べられていることが多い。
獲物の首に小さな穴を開けて血液を吸い尽くし、他には一切外傷を残さない
チュパカブラとはまた違った不気味さがある。
そしてABCを未確認生物たらしめているのが
大事なことなので二回(ry
このABC、目撃情報によれば
消える
という報告が相次いでいる。
物凄く速く走り回るとか、誰にも分からないくらい上手く
擬態するなどではない。
テレポーテーションでもするかのように、その場から忽然と居なくなってしまうのである。
2002年1月9日、
イギリス南東部のケント州グラべストンに住むミック・コールは、
自宅の前で車を降りた時、家の脇から黒ヒョウのような猛獣が現れるのを見た。
野獣は彼がペットで飼っていた
ウサギを口にくわえていた。
そしてコールの姿を見ると、咥えていた
ウサギを放して彼に跳びかかってきたのである。
野獣はその鋭い爪でコールを引っかき、腕に傷を負いながらも家の中に逃げ込んだ。
ところが、家越しに野獣の様子をうかがおうとしたコールは目を疑った。
自宅と隣接する農場付近にいた野獣の姿が突如、大気に溶け込むように消えてしまったのである。
およそ一週間後の1月14日、今度はスコットランドにABCが出現した。
午後7時過ぎ、スコットランドのグランピアンに住むコリン・エリザベスが外出のために
車に乗ろうとした時、
全身真っ黒のヒョウのような野獣がいきなり襲い掛かってきた。
野獣は鋭い爪で彼女のズボンを切り裂き、足に噛みついた。
仰天したエリザベスはパニック状態に陥り、叫びながら持っていた
車のキーであたりかまわず突きまくった。
そのひと突きが急所にでも命中したのか、野獣は彼女から飛び退いた。
エリザベスの悲鳴を聞いた隣人、ウィルフレッド・シンプソンが駆けつけた時、奇妙な光景を目にした。
彼女の体から離れていく野獣の姿が突如、大気に溶け込むように消えてしまったのである。
エリザベスは後に「自分を襲った野獣は突然、見えない空間から降って沸いたように目の前に出現した」と語っている。
2006年9月、リーンカーンシャー州ホーンキャッスルに住むムリエル・ブルックスが体長1.2m、体高60㎝ほどのABCを自宅の庭先で目撃。
ちょうど彼と朝食を食べていた友人がそれを撮影すべく、ビデオカメラを持って外に出た。
野獣はまだ徘徊していたが、友人の気配に気づいた途端、
まるで空間に溶け込んだようにぶれて移動し、そのまま視界から消えてしまったのである。
残されたビデオカメラには、その一部始終が記録されていた。
当然ながら、現在の地球上で、煙のように消えてしまう能力を持った
動物なんて存在しない。
これは、ABCを研究する上で避けて通ることのできない大きな謎となっている。
ABCの正体を考察するときに既知の動物を当てはめる場合、この
テレポーテーション染みた能力が大きな壁となって立ちはだかるのだ。
目撃記録はイギリス全土へ…
未確認生物の目撃報告と言えば、年代によって頻繁に発生したり全く聞かれなかったりなど、不安定でバラつきがあることが多い。
しかし、ABCはあらゆる年代を通じて目撃報告の数は安定しており、情報量も極めて多数にのぼる。
例えば、サリー州のゴッダルミンでは、
1962年9月から1964年8月
にかけて、実に
362件
の目撃報告が警察署に寄せられた。
1994年8月にはついに、政府によって
野獣対策会議
なるものが開かれた。
会議中には幾多の目撃報告が出されたが、
その多くは幻覚や
嘘として片付けるにはあまりにも具体的で生々しく、真実としか思えないものばかりだったという。
結論として、出席者たちは「
イギリスに未知の大型ネコが存在する」という結論を出すに至ったのである。
因みに1994年はABCの目撃が
イギリス全土に広まる起点となった年でもある。
この謎の猛獣の情報を報道する地方新聞は100を超え、最終的には1年の間に157件の目撃報告が寄せられた。
1998年には全国規模で調査が実施され、350種類を超える新聞がこれに関心を示し、調査に集まった。
調査の結果、イギリス国内の32の州で、
少なくとも1度は大型ネコじみた野獣が目撃されていた
ことが判明した。
挙句の果てに
イギリス・ビッグキャット協会
なる団体まで発足し、未知なるABCの謎を解き明かそうと日々情報を集めている。
同協会によれば、
2004年4月から2005年7月
の間には、実に
2123件
の目撃報告があったという。
…ここまで多いともはや未確認生物と呼べるかどうかも疑わしくなるレベルである。
しかし、ここまで大量のデータが存在するにもかかわらず、ABCの正体はいまだ特定されていない。
主な目撃・遭遇の歴史
ロンドン郊外の田舎道で、
パトカーのボンネットをヒョウのような動物が飛び越えてった。
以後、数日にわたって野獣の目撃が相次いだ。
ハンプシャー州のファンファムの農場で、家畜がピューマに似た野獣に惨殺される事件が発生。
現場には直径18cmほどの足跡が残っていた。
サリー州で、民家の庭に侵入したピューマらしき野獣の姿が初めてカメラに収められた。
リーンカーンシャー州のスケッグネスに住むアレック・ジェイムスンが、
長さ7.5㎝・幅6cmほどの謎の足跡を発見。
付近を見渡したところ
ネコによく似た猛獣が出現した。
全長150㎝、砂色の毛で全身を覆われていたという。
スコットランドのハイランドに狐狩りに来たドナルド・マッケンジーと息子が、
傷付いた大きなネコがベティヒルのネイバー川を泳いでいるのを目撃。
全身がコートを着たように黒一色だったが胸の部分は白く、真っ赤な目をしていた。
マッケンジーは発砲しようと追跡したが猛獣の泳ぐスピードが速かったため逃げられたという。
デボン州エクスムアで、海兵隊員が謎の野獣を目撃。
ライフルに装着したスコープで観察したところ、
イヌより大きなネコだった。
海兵隊員がライフルの引き金を引こうとした瞬間、身を翻して走り去った。
スコットランドのダラスでネコに似た謎の猛獣が射殺されるという事件が発生。
猛獣の体長は80㎝とやや小さいが、通常のネコに比べると手足や尻尾が長く強靭だった。
ABCの幼体であると推測されている。
自然学者のニック・モリスがワーセスターシャー州で10mと言う至近距離からABCの撮影に成功。
写真を見た専門家は「アフリカン・ゴールデン・キャットではないか」という見解を出しているが、
アフリカン・ゴールデン・キャットはその名の通りアフリカにしか生息しておらず、
イギリスでこのような動物を見かけるのはあり得ない。
コーンウォール州ボドミンムーアにあるモーテルの近くで2頭のABCが撮影された。
体長約1m、体高約50cmで、目は黄金色、
尾の先は丸かった。
旅行でノッティンガムシャー州を訪れていた夫妻がボートの上から「大きな
黒猫」を目撃、撮影に成功した。
全部で3枚の写真を撮っている。
高速道路A283号線沿いのブランマーに、メスの
ライオンが出現したとの報告が相次いだ。
翌7日に、デーボンのビックレーを走行中の
バス運転手が、死んだシカを食べる
ライオンを目撃した。
シュロップシャー州のレンガ工場に設置された防犯ビデオにABCが捉えられた。
体長およそ180㎝、身体つきはどっしりとしており、全身を黒い毛で覆われていた。
王立動物虐待防止協会に映像を検証させたところ、ピューマであるとの結論が下されたが、
同協会は
イギリスにピューマが棲息していない事実については触れていない。
ウェールズ南部のトルファエン郡クンブランの山地で、
アマチュア写真家のノーマン・エバンスが巨大なクロヒョウのような猛獣を目撃、写真撮影に成功した。
しかし、写真及び目撃地点を調査した
イギリス・ビッグキャット協会は、
尻尾が不自然に折れ曲がっていること、頭や首が太く大きすぎること、現場に足跡や痕跡が残っていなかったことなどから、
ぬいぐるみを使ったフェイク写真の可能性が高いとの見解を示している。
デボン州で、大型のネコ科動物のものと思われる巨大な牙の生えた謎の頭蓋骨が地元の農民によって発見された。
調査の結果ピューマのものと特定されたが、
イギリスにはピューマは生息しておらず、分析は未だに続いているという。
正体の考察について
神出鬼没であるABCは、その姿かたちだけに注目すれば、黒ヒョウやピューマなどの大型のネコ科動物そのものである。
ゆえに最初は「サーカスや動物園から逃げ出した猛獣」「捨てられたペットの野生化」などの説が挙げられていた。
また、かつて
イギリスには1870年までヤマネコが生息していたという事例があり、この生き残りが生息しているという可能性も一応否定できない。
そして動物学者らが映像や痕跡を分析した結果、やはり(イエネコを含む)既知のネコ科動物であることが示された。
また、実際にペットとして飼われていて逃げ出した大型ネコ科動物が捕獲された例もある。
UMAとしては例外的に、その正体の生物はほぼ特定できているといってもいい。
問題は「大気に溶け込むように消失する」というABC最大の特徴である。
だが、そもそもネコ科動物というのは姿を隠したり、人前から素早く姿や気配を消すことができる動物だということを忘れてはいけない。
柔軟に姿勢を変えることができる上、ほとんどの種の体色は保護色をしており、素早く
逃げることもできる。
そもそもネコ科動物とは「姿を消して待ち伏せする・
逃げる」ことに特化した動物なのである。
植生などの条件が良ければ、ライオンや
トラのような大型のネコ科動物でさえ、ちょっと身をかがめたりするだけで肉眼では見つけるのは困難になる。
その様子を間近で見た人が、「突如消えた」と思い込んでも何の不思議もない。
それでもわからない謎と言えば
それほど大きい動物が何故こんなに全州で目撃されるのか(上のヤマネコの生き残りだとしても数が多すぎる)
というのもあるが。
一方そのような現実的な説明に納得できず、地球外、もしくは異次元からやってきた生命体説や、エイリアンのペットや軍の作りだしたミュータント説を唱える研究者もいる。
追記・修正はテレポーテーション能力を身に着けてからお願いします。
- なんとか作成しました。途中でテンプレページを上書きしてしまい本当に申し訳ありません。以後気を付けます。復旧してくださった方、ありがとうございます。 -- 名無しさん (2015-02-17 00:40:10)
- ミラーモンスターみたいなもんか -- 名無しさん (2015-02-17 01:36:37)
- さすがは妖精の住む国 -- 名無しさん (2015-02-17 02:07:35)
- ジェヴォーダンの獣めいた何かを感じるな、あちらはフランスだったけど -- 名無しさん (2015-02-17 10:20:15)
- これ正体は飼い犬だったんだよね -- 名無しさん (2015-02-17 10:40:42)
- ↑ソースは? -- 名無しさん (2015-02-17 12:52:50)
- ただ捕獲しても、狩猟しても、「消える」特徴を見せないとABCとして立証できない難しさだな -- 名無しさん (2015-02-17 13:00:07)
- ↑首に縄付けて引っ張って来れば済むって訳じゃなくなるしな -- 名無しさん (2015-02-17 13:14:45)
- クトゥルフ神話の夢の世界の猫みたいだな…それにしてもDEFやGHIは無いのか残念 -- 名無しさん (2015-02-17 15:55:10)
- ミラージュコロイドだな(ガノタ) -- 名無しさん (2015-02-17 16:12:29)
- 世にも奇妙な物語に恐竜が異次元移動して生き延びてた~てきな奴あったけどアレみたいに異次元に逃げ延びて進化したヤマネコだったりして -- 名無しさん (2015-02-17 16:23:01)
- 負傷者や家畜の被害が幾らか出てなおかつ写真がある時点で、猛獣が存在してる事自体は確定だよね、本当に消えているのかは分からないが……。 -- 名無しさん (2015-02-17 17:06:47)
- 一番最後の写真はクロヒョウか?胸や後ろ足の辺りにヒョウのまだらっぽく見えるが… -- 名無しさん (2015-02-18 13:11:35)
- ↑かなり大きそうだけど、ヒョウってこんなにデカくなるの? -- 名無しさん (2015-02-18 13:13:37)
- ↑亜種にもよるけど、最低で30kg最大で80kgでかなりばらつきがあるからその間だと考えれば可能性は高いと思う。まあ、実際どのくらいの大きさなのかは比較対象が無いからよくわからんけど。後ろの木の高さもわからんし。 -- 名無しさん (2015-02-18 13:27:12)
- ↑成程……そんなにバラ付きがあるとは知らなかった -- 名無しさん (2015-02-18 13:51:25)
- ナルガ希少種みたいだな豹みたいな姿で突然消えるとか、もしかして元ネタ? -- 名無しさん (2015-04-03 18:03:39)
- 最初の画像、トラかと思った -- 名無しさん (2015-04-07 10:09:58)
- 一応聞くけど、こいつが積極的に探しに行こうなんて奴に目撃された例ってあるの? -- 名無しさん (2015-04-07 10:20:30)
- 日本の化け猫や猫又と -- eba (2015-05-19 22:53:20)
- ↑かの類の妖怪なんじゃ -- eba (2015-05-29 20:37:42)
- もしこのABCの正体が大型のネコ科猛獣だとすると日本の猫又なんかも豹や山猫なのかもしれん。江戸時代くらいまでなら日本にも生息できるだけの自然が残っていたはずだしね。 -- 名無しさん (2016-02-02 23:01:51)
- イリュージョナリービーストってやつだね -- 名無しさん (2016-02-09 07:25:23)
- ↑2 西表島にはイリオモテヤマネコじゃないヤマネコがいるという言い伝えがあるらしい。ヤママヤーとは分けてヤマピカリャーと呼ばれる、シェパード程の大きさで尾に縞模様があり、ときどきイノシシ用の罠にかかっているが危険で近づけないとか。保健所にも見た人がいるらしいが… -- 名無しさん (2016-02-21 08:41:45)
- あれだろ?シュレーディンガーの猫みたいに居ると居ないの可能性が重なり合ってる猫なんだろ?(うろ覚え) -- 名無しさん (2017-08-02 21:58:38)
- 目撃情報だの写真だの、マジで調べれば大量に出てくるんだな……ただ肝心の正体がわからないってだけで -- 名無しさん (2017-08-15 12:13:48)
- Aあっと驚くBびっくりCキャット -- 名無しさん (2018-11-08 17:40:28)
- イギリスで消える猫と言えば、不思議の国のアリスで有名なチェシャ猫だけど……いやまさか……!? -- 名無しさん (2021-09-22 22:06:56)
- 略称ABCのセンス好き -- 名無しさん (2022-06-30 20:07:54)
- 鳴き声の「モギィ」を「ンギモヂィ」に空目した -- 名無しさん (2022-10-29 17:09:42)
- ↑鳴き声じゃなくて別称だった -- 名無しさん (2022-10-29 17:10:26)
- そもそも「ネコは瞬間移動できる」なんて、猫飼いならだれでも知っていることだろう。「なんでそんなとこにいるの!?」「いつのまにそんなとこにいったの!?」「いつからそこにいたの!?」なんて日常茶飯事だ。 -- 名無しさん (2024-01-09 08:58:20)
最終更新:2024年02月08日 15:33