妃英理

登録日:2015/06/09 (火) 10:57:23
更新日:2025/04/25 Fri 10:18:05NEW!
所要時間:約 11 分で読めます




名探偵コナン』の登場人物。

CV:高島雅羅
演:大塚寧々

□概要

初登場は第11巻『コーヒーショップ殺人事件』。
年齢は38歳で誕生日は10月10日*1
この日は連載中(2000年)に国民の祝日「体育の日」*2から外された為、小五郎から勘違いされていた事がある*3

戸籍名は「毛利英理」で*4、実は毛利蘭の母親である。
夫の小五郎とは現在別居中。あくまで別居中であって、正式に離婚したわけではない*5
というか一向に離婚する気はない模様。

名前の由来は探偵の『エラリィ・クイーン』から。
理知的な雰囲気の美人で、水着に着替えた後ろ姿だけ見たら小五郎がナンパしてしまうほどのナイスバディ。蘭のハイレグ好きは彼女の遺伝であろう。
長い茶髪を纏めて眼鏡をかけている*6
(記憶が薄れかけてて名前を思い出せなかった)江戸川コナン曰く「すげー美人」。

仕事の時は名字を「妃」と名乗る事が多い。
初登場時も「妃」と名乗っていたが、勘がいい人だったら彼女が蘭の母親だとすぐに気づけたかもしれない。
コナン(工藤新一)は10年前に彼女と会っているが、時が経ちすぎていたために顔すら覚えていなかった*7

プロ野球チーム「ジャガーズ」の熱烈なファン。帝丹高校のOGでもある。

ゴロと名づけたロシアンブルーを飼っていて、事務所にもよく連れてきている。
ちなみに前に飼っていた猫にもゴロと名前をつけていた。
遠くに住む依頼人に会いに行かなければならない際には、蘭や秘書の栗山緑に面倒を見てもらっている。
“いつもゴロゴロしているから”ゴロと名づけたらしいが本当は……

現時点で家族は父親のみが判明。
しかし『見えない容疑者』での小五郎の回想シーンにて、後姿での登場の為、顔は不明。もちろん台詞もない。

□仕事

個人事務所「妃法律事務所」の所長兼弁護士。
いかなる者もよせつけない凛とした態度と裁判長をも圧倒する弁論術で公判に臨むため、関係者からは「法曹界のクイーン」の異名で呼ばれている。
検察側からは「妃を相手にすると、まるで自分たちが女王に歯向かう逆賊にでもなったような気になる」とまで言われているらしい。

初公判以来負け知らずで、現在も無敗記録を更新中。
だが当の本人はこの不敗神話を“フロック(まぐれ)が続いているだけ”と謙遜しており、「そろそろ負けて楽になりたい」と漏らす場面もあった。

ちなみに考えを纏める際には音楽を聴く癖があるが、作中では1回しかその描写はない
劇場版では1回だけコナンの麻酔銃で眠らされ、探偵役に抜擢された事がある*8
小五郎とは違って勘がよさそうな彼女をどう誤魔化したのだろうか……?

□能力

やり手の弁護士なだけあって推理力は優れており、コナンの僅かなヒントを元にして事件の真相に辿り着いた事も何度かある。
商売に使うのだからある意味で当然とはいえ、民法や刑法を暗唱できるほど記憶力も優秀。
その頭脳は高校一年生にして東都大学の入試問題をパーフェクトでクリアし、ハーバード大学への進学を薦められるほど。
当時のあだ名は「帝丹高校のクイーン」。名実ともに頭脳明晰な才女であった。

また柔道の心得もあるようで、ガタイのいい犯人が向かってきた時には小五郎から教わった一本背負いを見事に決めて確保に貢献した。
曰く「小五郎と付き合って得たものは娘の蘭とこの一本背負いぐらい」。

……と、一見すると完璧な女性に思えるが、娘の蘭とは対照的に料理は苦手*9
小五郎曰く「一風変わった味」らしいが、劇場版『瞳の中の暗殺者』で彼女が夕食(ビーフシチューらしい)を作ると言い出した途端コナンと小五郎が家から逃げ出そうとしたり
劇場版『ゼロの執行人』のエピローグにおける描写を見ると、相当不味い味付けである事は確かである。
ギャグ漫画『犯人の犯沢さん』では食べた人々が殺人現場と勘違いしそうなほどの地獄を見ており、有希子が懇切丁寧に教えても結局斜め下の出来になる為、有希子がマジ泣きしてしまった

しかし家事が何もかもダメなわけではなく、意外にも編み物は得意で、『暗闇の中の死角』のエピローグでは難しいアラン模様の編み方を蘭にレクチャーしていた。

□対人関係

【毛利小五郎】

幼馴染で付き合いは長く、大学生の時に結婚。だが10年前に別居する。
劇場版『14番目の標的』で別居に至った経緯が描かれているが、それまでは彼の職場に着替えを差し入れに行くなど夫婦仲は良好だった。

現在では小五郎の事を「あんな、グズ不潔女たらし飲んだくれいーかげんな男、だーい嫌い!」と酷評している。
「幼馴染の腐れ縁で結婚した」とまで言い放った事も。

しかし何だかんだ言って作中では、
  • 小五郎が関わった事件の記事を必ずスクラップにして保管している。
  • ある事件の解決後にこっそりと録音しておいた小五郎の「限界なんだよ…」という台詞を仕事の合間に嬉しそうに聞いている。
  • 小五郎が殺人事件の容疑者になった時は、彼の無実を証明するために事件の捜査を行う。
  • 小五郎が多額の借金を抱えた時には、お金を工面するために依頼を代役で引き受ける。
など、内心では小五郎のことを愛していることが全く隠し切れていない行動が散見される。
そして実は小五郎の方も、
  • 英理が砂浜で紛失した指輪を秘密裏に見つけ出す。
  • 英理がファンだった野球選手のサインボールを渡そうとするなど、機会があれば彼女のためにプレゼントを用意する。
  • 英理が重体に陥った知らせを聞くや否や大至急で病院に駆けつける。
  • 宿泊したホテルにて、英理の部屋から死体が発見されたことで彼女に疑いの目が向けられた際には、無実を晴らすために躍起になる。
  • 英理に犯人が使ったアリバイトリックに関する相談を求められた際、真相に気付いてヒントを提供する(加えて独り言ではあるが英理にエールを送っていた)。
  • 英理に手を出そうとした犯人に対して「英理の裸を見てもいいのは、この世で唯一……俺だけだ!」と格好良く決めつつも聞いてて何だか恥ずかしくなるような台詞を言った後、犯人を容赦なく痛めつける。
  • 英理に似た女性を事件の犯人ではないと思いたくて無実の証拠を探す
など、心の奥では英理のことを大切に想っていることが窺える行動が散見される。
加えてお互いの思考回路に関しても
  • グレー(ねずみ色)の服の方が温かそうという認識を持っている。
  • 給食の時の食べる順番や仕草が全く一緒。
  • 目玉焼きにはウスターソースをかけるのが好み(当時の小五郎は英理と好みが一緒なのを恥ずかしがって醤油派を公言し、喧嘩したことがある)。
と、何だかんだで気が合う場面が多い模様。

このように、別居してから10年が経過しているにもかかわらず、本気で嫌い合っているわけではない。
それどころか、
など、お互いヨリを戻したがっている節もある。
……が、会う度につい憎まれ口を叩いてしまうため、素直に想いを伝えられないままでいる。両人がヨリを戻すのはまだまだ先の模様。
どこまでも面倒くさい夫婦である。

【毛利蘭】

小五郎と別居して以来、お互いの都合もあって会うことは少ないが、母親としての愛情は強く、相談事があれば必ず聞いている。
蘭の方も両親を仲直りさせようと様々な機会を設けてはいるが、「いずれかの何かしらの理由*10で全てが台無しになる」という展開がほぼ定番化している。

なお、アニメ版を含めても英理が登場する回は必ず蘭が登場していたが、第103巻収録(アニメ版は2024年12月放送)『ホテル連続爆破事件』では蘭が序盤にしか登場しなかった為、その後で英理が登場して蘭が事件に関与しないという展開が見られた*11

【江戸川コナン】

自分の子供のように可愛がっており、彼の正体こそ知らないものの、「普通の小学生ではない」と見抜いている節があり*12
事件に遭遇した際には、彼の推理力と知識量を活かして一緒に事件を推理したり情報を提供したりと協力的。
コナンが事件現場で見せる推理も、当然のように聞き入れて参考にしている。

ちなみにコナン(新一)は彼女を苦手としており、再会の時には久々過ぎて相手が蘭の母親であることを忘れていたにもかかわらず、しばらくは目が合う度に身体が拒否反応を起こしていた。
どうやら以前彼女にこっぴどく叱られた事が多々あったらしく、それが原因で無意識に拒否反応を起こすようになったらしい。

【工藤有希子】

新一の母親。
高校時代からの親友で、在学中に彼女と「帝丹高校のプリンセス」VS「帝丹高校のクイーン」としてミスコンで対決した事がある*13
10年ぶりに再会した際は仲の良い様子を見せている。

□アニメ版において

アニメ版では英理のライバルとして、東京地方検察庁検察官で東京地検のエリート検事の九条玲子が登場しており、「法廷の対決」シリーズで幾度となく彼女と対決している。
このシリーズでは準主人公のような扱いになっており、いずれの公判でも勝利している。

九条は「検察のマドンナ」と称されており、英理と対を成すライバルとして登場し、本人も自信満々な性格でいかにもライバルといった雰囲気を出している。
だが立場上仕方ないとはいえ、被告人を有罪にする為の証拠固めに動く事が多く、真相解明に努めるような見せ場は少ない。
犯人のトリックにも乗せられるような事も多く、総合的に見ると立ち位置的には損な役回りのキャラである*14
しかし、エリート検事だけあって簡単に勝たせてくれるような相手ではなく、コナンの推理がなければ英理が敗訴していたケースも幾つかある。
『法廷の対決Ⅲ』では英理に協力し、事件の真相を明らかにしていた。

「法廷の対決」シリーズも2011年の『法廷の対決Ⅳ』を最後に、シリーズの脚本を担当していた金子裕氏*15が脚本家を引退した事もあり、「法廷の対決」シリーズは完結した形となっている。

『法廷の対決』シリーズ以外でのアニオリには、2024年時点では『毛利小五郎探偵廃業の日』、『毛利小五郎大講演会』の2作にしか登場しておらず、いずれも小五郎が主役のエピソードである。




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最終更新:2025年04月25日 10:18

*1 登場当初は37歳と表記されていたが、本編中で38歳の誕生日を迎えている。

*2 2020年に「スポーツの日」に改名。

*3 『最悪な誕生日』にて。現在は10月の第2月曜日など毎年日付が異なる。

*4 その為、サインボールの名前や病院等での公的機関で使用する名前は毛利姓である。

*5 作中でも度々勘違いされており、その都度訂正している。

*6 別居する10年前はポニーテールだった模様

*7 ドラマ版や小説版の設定では、高校生になった後も何回か会っていたようだが。

*8 この時、コナンは誤って英理に麻酔銃を撃ってしまったことに気が動転してしまったのか間違えて園子の声を使ってしまうが、その後すぐに英理の声に調整して推理ショーを始めた。

*9 『特別編』に登場した彼女の友人の言葉を参考にすれば、料理以外の家事も苦手な可能性がある。

*10 大抵は小五郎のだらしない行為が要因である。

*11 蘭が登場したのは前編のみで、後編には登場しなかった。なお、後編の番組表のキャスト欄では蘭の名前が表記されるミスが発生している。

*12 『スキューバダイビング殺人事件』では、彼の事を「ここで手をこまねいている私たちよりよっぽど使えるわ…」と評している。

*13 ちなみに結果は「同票数により未決着」であった。

*14 英理の不敗神話が今もなお続いており、敗北させると原作に影響を及ぼしてしまう為、その点を考えると仕方ないのだが。

*15 息子の金子遊氏も「コナン」の脚本経験がある。