名探偵コナン ゼロの執行人

登録日:2018/04/27 (金) 17:24:49
更新日:2024/12/23 Mon 19:36:32
所要時間:約 36 分で読めます


タグ一覧
2018年 IoT これでよく公安が務まるな ゆりかもめ アニメ アニメ映画 エッジオブオーシャン ガス爆発 サイバーテロ サミット スケープゴート ゼロ ゼロの執行人 ドローン ハッキング 不正アクセス 停電 公安 公安警察 公安部 冤罪 劇場版 協力者 名探偵コナン 名探偵コナン劇場版項目 圧力ポット 安室の○○は×× 安室透 小五郎のピンチ 少年探偵団 所要時間30分以上の項目 探査機 新宿 日本橋 映画 東京地検 東京地裁 東京湾 東宝 検察庁 櫻井武晴 正義 無人探査機 立川譲 警察庁 警視庁 追記修正のハードルが高すぎる項目 遠隔操作 降谷零 零 -ZERO- 電化製品 風見裕也 首都高 黒田兵衛




真実を暴く者vs正義を貫く者

魂がぶつかり合う極秘任務(シークレットミッション)ミステリー


監督:立川譲
脚本:櫻井武晴
主題歌:福山雅治『零 -ZERO-』

名探偵コナン ゼロの執行人』とは、劇場版『名探偵コナン』シリーズの第22作目のタイトルである。
2018年4月13日公開で上映時間は110分。

最終興行収入は86.3億円で、6作連続でシリーズ最高興収を更新した。
更に映像ソフトも初週売上8.7万枚を記録し、10月22日からは期間限定で4D版が上映され、興収も91億円に増加。劇場版『コナン』の興収が90億円台に到達したのは本作が初めて。

前作までは土曜日が公開日となっていたが、本作から配給会社の方針により金曜日に封切となっている(同日公開の『クレヨンしんちゃん 爆盛!!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~』も同様)。
余談だが、公開日は偶然にも「13日の金曜日」となった。


【概要】

警察庁警備局警備企画課・通称「ゼロ」に所属する捜査官・安室透(降谷零)をメインに据えた作品。
また謎の多い捜査一課管理官・黒田兵衛が本作で劇場版に初登場しており、事件の捜査を指揮する裏で不穏な行動をとっている。

本作の監督は『モブサイコ100』『デス・パレード』を手掛けた立川譲氏が担当。
脚本は『相棒』『科捜研の女』でお馴染み、『絶海の探偵』『業火の向日葵』『純黒の悪夢』でも脚本を手掛けた櫻井武晴氏が担当。

東京サミットが開かれる予定だった施設で爆発事件が発生し、多くの公安警察官が死傷するという前代未聞の事件。
その容疑者として小五郎が公安警察に逮捕され、彼の逮捕を巡ってコナンと安室の掲げる正義が激突する。
本作は、警視庁、警察庁、検察庁に存在する3つの「公安に所属する人間の思惑が複雑に絡み合うハードかつシリアスな内容となっており、警察組織や裁判にまつわる難しい専門用語が多く登場している。「冤罪」がテーマの1つでもある。
また3つの公安の関係性や警察組織の仕組み、検察官が容疑者を送検・起訴するまでの流れなども丁寧に描写されているため、今までと比べて刑事ドラマとしての側面が強い作品となっている。

原作との時系列については灰原のスマホに比護選手のストラップが付いていない描写から『心のこもったストラップ』より前、時期から推測すると『裏切りのステージ』『コナンと平次の鵺伝説』の前辺りと推察される*1

ちなみに最初に仕上がったストーリーは、これ以上にハードかつ重過ぎる内容であったため、青山先生の提案でもう少し軽めのストーリーとなったらしい。
また毒殺ネタも盛り込もうとしていたそうだが、動機が小さいと言う理由で早い段階でカットとなった*2

本作の前日談を描いたアニメオリジナルエピソードのプレストーリー『ケーキが溶けた!』は、本作の公開が金曜日となった関係で、公開の約1週間前である2018年4月7日に放送されている。
この事件の真相が、今回の爆発事件のトリックを解く重要なヒントとなっている。


反響

近年はファンの2世代化やリピーターの増加に伴いシリーズの興行収入が一気に上昇傾向にあったが、
本作では安室透の女性ファンを中心としたリピーターが続出し、スピンオフ漫画『名探偵コナン ゼロの日常』が掲載された『週刊少年サンデー』が品薄になるなど、
ファン層の変化もあって例年になかった盛り上がりを見せた。

また公開から2週間後、全世界で『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』が人気となる中、世界中の誰もが予想できなかったであろう異例の事態が起きた。日本の映画ランキングは週末の動員数で順位が決まるが、本作の動員数が『インフィニティ・ウォー』を僅かに上回った結果、日本での同作のランキング1位獲得を阻止したのだ。
これは2015・2016年に同時公開された『スター・ウォーズ』と『妖怪ウォッチ』の関係に似ているが、『妖怪ウォッチ』が初週1位を記録した後は、客層の違いもあって『スター・ウォーズ』の方が上回っていったのに対し、本作は公開から1か月に渡り週末の動員数を維持し続け、熱心なリピーターの影響もあってか、ランキング1位は7週連続に及んだ。
MCUは様々な媒体の多くの作品でユニバースが構成される分、シリーズが進むにつれ新規層が入りづらいイメージが強くなっているのに対し、『コナン』はシリーズ未見の新規層でも楽しめる配慮がされているのも対照的である。



※以下ネタバレが含まれますので、未鑑賞の方はご注意ください。



【ストーリー】

4月28日。コナン達は阿笠邸で阿笠が新開発した高性能ドローンの飛行テストを行なっていた。
同じ頃、テレビでは3日後に迫った東京サミットの会場である統合型リゾート施設「エッジ・オブ・オーシャン」の最新情報や、同じ日に火星から地球に帰還する大型無人探査機「はくちょう」の話題を放送していた。
だが「はくちょう」の話題が放送されていた時に、「エッジ・オブ・オーシャンにある国際会議場で大規模な爆発があった」という臨時ニュースが飛び込んでくる。
サミット当日は2万人を超える警察官が都内の警備に当たる予定で、今日は警視庁公安部による警備の下見が行なわれていたが、この爆発により下見に来ていた警察官が犠牲となってしまう*3
コナンはテロの可能性を疑うが、なぜサミット当日ではなく今日を選んだのかと疑問を抱く。そして灰原はテレビで流れた映像の中に安室の姿を見つけ、それをコナンに教えた。

すぐに警視庁で捜査会議が開かれ、捜査官の報告で爆発の原因は会議場の地下で起きたガス爆発である事や、ガス栓はネットで遠隔操作が可能な最新型である事が判明する。
これらの事から事故だと考えられたが、そこに公安部の風見が現れ、現場の遺留品から犯人のものと思わしき指紋が検出されたと報告する。
その指紋がかつて警視庁に在籍していた小五郎の指紋と一致したと風見が報告すると、彼を良く知る目暮達捜査一課の面々は声をあげて驚いた。

ほどなくして公安部の主導のもとで毛利探偵事務所の家宅捜索が開始され、小五郎のパソコンからサミットの予定表や会議場の見取り図が発見される。
当然小五郎は身に覚えがないと無実を主張するが、風見は任意同行を拒否した小五郎を手を払ったことを理由に公務執行妨害で逮捕しそのまま連行していった。
小五郎が目の前で逮捕されショックで涙ぐむ蘭。そんな蘭の様子を見たコナンは自分の無力さを痛感し、小五郎を追ってすぐに事務所を飛び出す。するとそこで喫茶ポアロから出てきた安室と出会った。
コナンは小五郎の逮捕を指示したのは安室だと考えており、「どうしてこんな事をするんだ!!」と安室を問いただす。
だが安室は僕には、命に代えても守らなくてはならないものがあるからさ…とだけ答え、それ以上は口を開こうとはしなかった。

4月29日、小五郎のパソコンからガス栓へのアクセスログが見つかった事で、小五郎の東京地検への送検が確実となるが、小五郎の弁護を引き受けてくれる弁護士がなかなか見つからなかった。
そんな時、弁護士を探していた英理の前に橘鏡子という女性弁護士が現れる。
鏡子は事務所を持たない“ケー弁”であり、過去に公安事件を多く扱っているが、公安事件の裁判はほとんど勝ち目がないためその全てで敗訴していた。
しかし他に弁護士がいなかったため、英理は鏡子に弁護の依頼をするが、蘭はどこか頼りない鏡子を見て不安そうな表情を浮かべていた。
同じ頃、東京地検では事件の担当となった公安部の検事・日下部誠が小五郎の取調べを行なっていた。
小五郎はここでも否認を続けるが、日下部は小五郎に事件を起こす動機がない事が引っ掛かり、警察からの資料を根拠に、統括検事の岩井沙世子に警視庁公安部に追加捜査を依頼したいと申し出る。
だが沙世子はこれを却下し、日下部にすぐに小五郎を起訴するよう指示。それでも日下部はその指示に逆らい、密かに捜査一課に追加捜査を依頼した。

4月30日、白鳥の話から日下部が警察に事件の追加捜査を依頼したと知ったコナン達は、小五郎の無実を証明する証拠が出てくるのではないかと期待を寄せる。
しかし鏡子は各公安部の公安的配慮で小五郎は必ず起訴されるだろうとシビアな意見を言った。
その際にコナンは、まるで小五郎の起訴を望んでいるかのような鏡子の口ぶりに違和感を覚え、さらなる情報を得るために警視庁の目暮の元を訪ねる。
そこでコナンは安室と風見に遭遇。そこでの安室の不可解な行動から、コナンは彼に対し疑念を抱くようになり、公安の動きを知るため風見の服に発信機を取りつけた。
その後は鏡子が持ち帰った証拠資料から小五郎の無実を証明する証拠を見つけ出そうとするが、そこに裁判所から公判前整理手続きを明日行なうという連絡が入る。
実は沙世子が独断で話を進め、公安警察の指示のままに手続きの日取りを決めてしまったのである。

そして東京サミット開催当日である5月1日。コナン達は手続きのために東京地方裁判所を訪れる。
そのまま公判の日程が決まるが、発信機の反応から裁判所内に風見がいると知ったコナンは、彼の動向を気にしつつ捜査情報を入手するために警視庁へと向かった。
そして警視庁近くの公園で捜査会議を盗聴するが、そこに安室と風見が現れ盗聴の件が安室にばれていた事に気づく。
安室はすぐに姿を消すが、彼が去った後で風見は「安室という男は人殺しだ…と話す。
その後、更なる捜査によりガス栓の遠隔操作に「Nor」というソフトが使用されていた事が判明するが、その直後、都内のいたるところで電化製品が爆発する事件が発生する。
コナンはこの事件を「IoTテロ」と断定し、会議場爆破の真犯人の仕業だと推理する。

だがこれは真犯人の目論むさらなるテロの序曲に過ぎず、テロで混乱する東京に未曾有の災厄が刻一刻と迫っていた……!


【事件関係者】


  • 橘鏡子(たちばな きょうこ)
CV:上戸彩
本作のゲスト声優枠キャラクターその1。
弁護士。29歳。
事務所を持たず携帯電話で仕事を取る「ケー弁」と呼ばれるフリーの弁護士で、これまでに数多くの公安事件を担当している。
しかし起訴された事件における検察側の勝率は99.9%であるため、過去の裁判は全敗している。
弁護士会で英理が弁護士を探していると聞き、妃法律事務所へ出向き小五郎の弁護を引き受けたいと申し出る。
裁判は負けて当然と考えていたため蘭に不信感を持たれるが、他にいい弁護士がいなかった事と英理が口出ししやすいという理由で小五郎の弁護をする事となった。
小五郎の弁護人であるが、時々小五郎の起訴を望んでいるかのような口ぶりとなり、公安の捜査状況を把握しているようなところも見せる。
また地方裁判所にいた際に風見の近くにいたようだが……
かつては個人事務所を構えていたが、事務員の羽場が窃盗事件で逮捕され、送検された後に拘置所で自殺をした事がきっかけで事務所を閉じている。
なお、過去に『ベイ・オブ・ザ・リベンジ』で橘という弁護士が登場しているが、特に関係はない。

鏡子を演じた上戸彩は2006年に『名探偵コナン』10周年スペシャルサポーターを務め、10週にわたって10周年記念クイズの出題を担当している。
更にその後も『上戸彩と新一 4年前の約束』に本人役でゲスト出演した。

  • 日下部誠(くさかべ まこと)
CV:川島得愛
東京地方検察庁公安部の検事。40歳。
法曹界では名の知れた公安部の敏腕検事で、鏡子とは違い今まで裁判で一度も負けた事がない。
今回の国際会議場爆破事件の担当検事となり、容疑者として送検されてきた小五郎の取調べを行なう。
その取調べで小五郎に動機が存在しない事が気になり、第三者が彼に罪を着せようとしている可能性を考慮して沙世子に追加捜査の進言をするが、これは公安部の判断だと沙世子に却下された。
それでも秘密裏に捜査一課に追加捜査の依頼をするが、沙世子が彼に無断で話を進め、小五郎の起訴を決定してしまう……。

  • 岩井沙世子(いわい さよこ)
CV:冨永みーな
東京地方検察庁公安部の統括検事。40歳。
日下部は同期であり、去年までは主任検事だったが、羽場の窃盗事件を担当した後で統括検事に出世する。
公安警察の言いなりであり、日下部からの進言をことごとく却下して小五郎の起訴を急がせる。
その度に日下部と衝突していたが、IoTテロによって胸元でスマホが発火し服や髪を焼いてしまう。
幸い軽い火傷で済んだものの、大事を取って病院に担ぎ込まれた。

  • 羽場二三一(はば ふみかず)
CV:博多大吉
本作のゲスト声優枠キャラクターその2。
元司法修習生。故人。
かつて裁判官を目指していたが不採用となり、そのことに納得できず、終了式の際に司法修習長に直談判するという騒ぎを起こす。
その行動が自己満足的な正義感による暴挙と見なされ、裁判官はおろか弁護士への道もなくなってしまう。
その後は鏡子の事務所で事務員として働くようになるが、ゲーム会社へ侵入し携帯ゲーム機を盗もうとして逮捕される。
だがその取調べをなぜか公安警察が担当しており、取調べの後で5月1日に拘置所で自殺を遂げている。

羽場を演じたのは大吉先生こと博多大吉で、『から紅の恋歌』にゲスト出演した宮川大輔に続いて2年連続の吉本所属芸人からのゲスト出演となった。
余談ではあるが、本作でゲスト出演した上戸彩と博多大吉はM-1グランプリで共演(司会者と審査員)をしており、大吉は本作の前年まで審査員を担当していた。


【レギュラー陣】


ご存知主人公。
爆破テロの犯人として連行された小五郎の無実を証明するべく、独自に捜査を行う。
今回は小五郎の命運がかかっていたため、普段とは違い捜査中に感情的になる場面が多くあった。
事件を追っているうちに安室と対立するようになり、今回の安室さんは敵かもしれないと嫌な予感がよぎる。

黒の組織の一員「バーボン」にして、警察庁警備局警備企画課所属の捜査官「降谷零」。今回のもう1人の主人公。
公安警察としてサミット会場を下見していた際に爆発に巻き込まれ、右頬などにケガを負った。
爆発が事故として処理されることを阻止するため、風見に指示を出して小五郎を犯人に仕立て上げて事件化し、彼が容疑者として捕まっている間に真犯人を挙げようとする。
だがその強引なやり方*4でコナンから反感を買い、彼と対立するようになる。
風見に指示をしてコナンのスマホに遠隔操作アプリを仕込み、コナンの動向を監視。そしてコナンが風見に逆に発信機を仕込んだ事も見抜き、風見に「これでよく公安が務まるな」と冷酷な表情を見せていた。
捜査会議を盗聴しているコナンの前に現れた際には毛利小五郎のことになると君は一生懸命だね。それとも蘭姉ちゃんのためかな?と不敵に笑うが、果たして今回の彼はコナンの敵なのか?それとも……?

ご存知蘭姉ちゃん。
小五郎に爆破テロの容疑がかかった当初は「何かの間違い」だと思っていたが、パソコンから物的証拠が出ると、このままでは小五郎が逮捕されると思い泣きながら新一(コナン)に助けを求める電話をかけた。
後にコナンから新一が必死になって今回の事件を追っていると知ると、「新一、頑張ってくれてるんだね」と嬉しそうな表情を見せていた。

ご存知迷探偵。
爆発現場の遺留品から彼の指紋が検出された事から、公安警察に犯人だと断定される。
現場に行った事がなかったので容疑を否定するものの、自分のパソコンからなぜか次々と不利な証拠が発見され、公務執行妨害を理由に強制連行されてしまう。*5
ちなみに今回でパソコン音痴である事が発覚するが、それを主張しても風見は全く聞き入れなかった。
後に拘留中にIoTテロが発生した事で、裁判に勝てる見込みが見えてくるが……?

ご存知哀ちゃん。
テレビで流れた爆発の瞬間の映像の中に安室がいたのを見つけ、コナンにそれを教える。
小五郎が爆破テロの容疑で捕まると出来る限りの協力を行ない、引火原因となった物体がIoT圧力ポットである事を突き止めた。

ご存知天才発明家。
今回は色々な法律に触れそうな高性能のドローンを開発。
それを探偵団に何度かテスト飛行させ、色々と改良を加えていった。
手がかりがないと灰原に当たり散らすコナンを窘める場面も。

ご存知少年探偵団。またの名を「ドローン飛ばし隊」
子供ならではの順応力で、ドローンの操縦がメキメキと上達する。
終盤ではその腕前で、知らないうちに事件解決に貢献する事に。

ご存知蘭の親友。
小五郎が逮捕されそうと言う蘭からの連絡を受け、急いで毛利探偵事務所に駆けつける。
テロ事件の容疑をかけられた小五郎の無実を信じ、動揺して涙ぐむ蘭を支えるが、こんな大事な時に現れない新一に憤りを感じ「こんなときになんであの男は来ないのよ……!」と悔しそうに呟いた。

ご存知法曹界のクイーン。
小五郎の無実は信じていたが、身内が身内を弁護することは裁判官に客観性が無いと見なされ却って不利になり得る恐れがあったため、別の弁護士を探す事に。
その際に鏡子が現れたので、彼女なら口出ししやすそうという理由で弁護の依頼をした。

ご存知警部殿。
現場から小五郎の指紋が発見されたと知ると「そんなまさか…」と目を丸くする。
小五郎の潔白を信じていたため、風見の調査結果の報告に何度も異を唱えるが、反論できる材料がなかったので大人しく公安部の方針に従うしかなかった。

ご存知御曹司警部。
妃法律事務所を何度か訪れ、検察庁の方針や日下部からの追加捜査の要請の事などをコナン達に教える伝令役を務める。

ご存知一課のマドンナ。
捜査会議にて、爆発事件の当日にエッジ・オブ・オーシャンのネット環境が整う予定だった事や、今回の件でサミットの会場が変更になった事などを報告する。

ご存知高木君。
公安部による毛利探偵事務所の家宅捜索に加わり、コナンに捜査状況や公安部の動向を教える。

ご存知千葉君。
都内各地で家電が爆発する事件が発生した際に、その事を急いで大会議室にいた捜査官達に伝えた。

捜査一課管理官。
小五郎が容疑者として浮上した際には驚いた様子を見せていたものの、その後は淡々と捜査員に指示を出して小五郎を起訴する証拠を固めようとする。
その後はある人物と連絡をとるが……

  • 小田切敏郎
警視庁刑事部部長。
捜査会議の場面で姿が確認できるが、今回は台詞はなし。

『純黒の悪夢』に登場した警視庁公安部の警部補。

サミット会場の下見をしていた際に爆発事件に巻き込まれ、その爆発で多くの仲間が犠牲となり自身もケガを追う。
それでも休む事なく捜査会議に出席し、犯行現場で見つかった指紋から小五郎が犯人だと断定し、任意同行を拒否した小五郎が手を払ったことを理由に公務執行妨害で強制連行する。
安室の命令に従い行動しているが、過去に安室が取調べで羽場を自殺に追い込んだ事があるため彼の事を人殺し同然のように思い畏怖を抱いている。
今回の事件でコナンをただの子供ではないと見抜き、羽場の自殺を話した際には「なぜか君にはこんな話ができてしまう」と不思議な感覚を覚える。
そして日本橋の上で安室が「自分以上に怖い男が2人いると語った時にはついコナンの事を思い浮かべていた。

喫茶ポアロのウエイトレス。
常連の女子高生に安室に言い寄っていると勘違いされSNSが大炎上した事があり、それ以来人目を気にするようになる。
その事を安室に言っていた時に「今の時代どこで誰が聞き耳を立てているか分からない」と彼の耳が痛くなるような事を言っていた。

英理の秘書。
休暇中であったが英理が一大事だと聞き、急いで戻って英理をサポートする。
新一(コナン)から頼み事をされており、彼の頼みで鏡子と昨年発生した窃盗事件の調査を行なっていた。


【用語】


  • エッジ・オブ・オーシャン
東京湾の埋立地に建設された統合型リゾート施設。
シンボルであるカジノタワーは灯台の役割も果たしている。
二本の橋で繋がっており、周囲には高層マンションが立ち並ぶ。
ここにある国際会議場で東京サミットが行なわれる予定だったが、ガス爆発が発生した事で会場が変更される。
爆発は一般公開前に起きたが、警備の下見に来ていた公安警察官が巻き込まれ多くの死傷者が出た。

  • ドローン
阿笠の新たな発明品。
衛星通信を使用する事で高度1万メートルまでの操作が可能で、30分以上も飛行する事が出来る。
カメラが取り付けられており、コントローラーの液晶モニターで映像を確認する事が出来る。
歩美はこれを使って埼玉のおばさんの家まで荷物を届けていた。
欠点は操作が難しすぎる事。後に3人で協力して操作できるようにコントローラーを3つに分離し、それぞれに液晶画面を取り付けた。

  • 無人探査機「はくちょう」
火星を調査するために打ち上げられた、史上最大の無人探査機。
火星からサンプルを採取した後、日本時間の5月1日に地球に帰還する事になっている。
サンプルを積んだカプセルにはGPSが内蔵されており、精密誘導システムによって半径200メートル以内に落下地点が収まるようになっている。
計画では日本近海の太平洋上に落下する予定となっている。
モデルはおそらく無人探査機「はやぶさ」
鳥つながりの命名だが、『機動戦士ガンダム』で白鳥が印象的に使われたことになぞらえたのではという推測もある。

  • NAZU(ナズ)
アメリカにおいて宇宙開発に関する計画を進めている政府機関。
昨年に「NAZU不正アクセス事件」が発生しており、これをきっかけにNorのユーザーを追跡できるシステムを開発する。
今回の爆破テロでNorが使用されていたので、日本警察から追跡システムの使用協力を要請される。
モデルはおそらく「NASA」。

  • Nor(ノーア)
IPアドレスを暗号化し、複数のパソコンを経由する事で辿れなくするブラウザソフト。
匿名性が強いシステムだが、ブラウザに構成ミスやバグがあればユーザーを特定できる可能性はある。
モデルはおそらく「Tor(トーア)」。

  • IoT
「Internet of Things」の略で、インターネットに繋がっている物を遠いところから操作できるしくみの事。
最近では電化製品にも多く組み込まれている。
ガス爆発の引火の原因となったのはIoT圧力ポットで、スマホに専用アプリをインストールして圧力、温度、時間などを設定すると様々な料理を調理できる電化製品だった。


【余談】

  • 数字がタイトルに含まれるのは『11人目のストライカー』以来6作ぶり通算5作目で、平成時代及び2010年代公開の作品としては最後となった。
    また、劇場版のタイトルは『〜の◯』という命名法則になっているが、『〜』の部分がカタカナ表記だった点、数字がカタカナで表記された点はいずれも初めて。


  • 終盤の国立天文台からの生中継が映るシーンにおいて、上映版では(春先とはいえ)夜7時にもかかわらず空が明るいという作画ミスと思われる箇所があったが、ソフト版では修正されている。

  • 公開年のNHK紅白歌合戦において福山氏が主題歌を歌唱し、背景には本作のハイライトも流れていた。


追記・修正は、Norを使用して複数の端末を経由してお願いします。





この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 名探偵コナン
  • 名探偵コナン劇場版項目
  • ゼロの執行人
  • 映画
  • 劇場版
  • 立川譲
  • 櫻井武晴
  • 安室透
  • 降谷零
  • 風見裕也
  • 黒田兵衛
  • 少年探偵団
  • ゼロ
  • サミット
  • ガス爆発
  • 冤罪
  • スケープゴート
  • 警視庁
  • 警察庁
  • 検察庁
  • 公安
  • 公安警察
  • 公安部
  • 東京地検
  • 東京地裁
  • 東京湾
  • IoT
  • サイバーテロ
  • 無人探査機
  • 探査機
  • 不正アクセス
  • ゆりかもめ
  • 新宿
  • 日本橋
  • 首都高
  • ドローン
  • 電化製品
  • 小五郎のピンチ
  • 安室の○○は××
  • 正義
  • 遠隔操作
  • 協力者
  • 圧力ポット
  • 停電
  • アニメ
  • 東宝
  • これでよく公安が務まるな
  • エッジオブオーシャン
  • 追記修正のハードルが高すぎる項目
  • 所要時間30分以上の項目
  • ハッキング
  • 零 -ZERO-
  • アニメ映画
  • 2018年
最終更新:2024年12月23日 19:36

*1 なお、『心のこもったストラップ』で安室がキック力増強シューズを初めて確認するかのような台詞があるが、描写的に本作では目撃時の状況的に理解まで及ばず謎のままとなっていたが、『心のこもったストラップ』でしっかり視認したことでキック力増強シューズ(と空を舞うサッカーボール)を理解したとも考えられる。

*2 「シネママガジン2018」より。

*3 これまで劇場版の『コナン』では、大規模な爆発があっても事件関係者以外の犠牲者はほとんどいなかった為、犠牲者が出たのは非常に珍しい例である。

*4 証拠の捏造、盗聴、でっち上げ逮捕と違法行為のオンパレードである。

*5 いわゆる「転び公妨」というやつである。小五郎も「手を払っただけだろーが!」と抗議していた。