ゲームキューブコントローラ

登録日:2015/09/29 Tue 21:04:13
更新日:2025/07/19 Sat 20:23:42
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ゲームキューブコントローラとは、読んで字のごとくニンテンドーゲームキューブ用のゲームパッドコントローラーの事である。

特徴


左側にコントロールスティック、十字ボタン、Lトリガー。
中央にSTARTボタン。
右側にA・B・X・Yボタン、Rトリガー、Zトリガー、Cスティック。
計2スティック1方向キー6ボタン2トリガー。LRの2,3がない分、ソフトの基本操作はシンプルにまとめられることが要求された。

独特の形状をしていたNINTENDO64のコントローラーと比べると同時期の他ハードに近い横長形状に回帰した。
Aボタンが右面中央に大きく位置し周囲をB、X、Yボタンが囲んでいるという、やや変わった配置になっている。
アナログ入力が可能なのは各スティックとL・Rトリガーのみであり、他のボタンは全てデジタル入力である。
スティックの外縁が角ばってるので入力方向を8方向に絞りやすい(逆に細かい角度調整はコツがいる)。
PlayStationの「DUALSHOCK」が両スティックがボタンの下側にあるのに対し、Aボタンと同じ高さにコントロールスティック、Aボタン下にCスティックと点対称寄りの配置(同世代のドリームキャストXboxも同様)。このため、(個人差はあるが)スティック+ボタンのアクション操作はやりやすい一方、両スティック同時は指の感覚が合わせづらい。

十字ボタンは地味にゲームボーイアドバンスと同じ大きさ。ただし、材質と押し心地はやや固め。
裏側の丸く出っ張った部分には振動モーターが内蔵されており、振動は結構強めである。

GC本体がゲームハード史上に残る耐久性を誇るだけあってこっちも完全に壊れることは中々ないが、
個々のパーツ、特にコントロールスティックやLRトリガーは劣化しやすい。
手を放しているのにカーソルやキャラクターが微妙に動く、
ゆっくり押したいのに目いっぱい押し込まないと反応しない
という問題に遭遇したプレイヤーも多いのではないだろうか。

カラーリングは本体と同色であるバイオレット・オレンジ・ブラック・シルバーの他、
コントローラのみの配色として、バイオレット&クリア、エメラルドブルーなどがある。

●派生コントローラ
  • ウェーブバード
GC用のワイヤレスコントローラ(ただし振動機能は無し)。

  • デジタルコントローラ
ホリ製のゲームボーイプレーヤーでの仕様に特化したGCコントローラ。
スティックが無くシルエットはスーファミコントローラそっくりだが、
右面の配置は通常のGCコントローラと同じ。



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さて、本題はここからである。

このコントローラだが、ゲームキューブの登場から仕様がほとんど変えられる事が無いまま、
実に20年以上に渡って生産が続けられている異例の長寿コントローラでもある。
ゲームキューブ本体の生産が既に終了しており、据え置き機がWiiWii Uに切り替わった後だろうとお構いなしである。

まずWiiはGCの後方互換機能が備わっている都合上、GC用のコントローラポート(とメモリーカード挿入口)が搭載されており、
加えてWii用のソフトにもゲームキューブコントローラでの操作に対応したタイトルが数多く販売された。
バーチャルコンソール配信ソフトにも対応している。
ただし、ボタン配置の都合上スーパーファミコンなど一部ソフトは操作しづらい。よりにもよってマリオが該当していたりもする
そうした事情もあってか、Wii発売後もGC用のソフトが一部再販されるなどGC熱は衰えることを知らず、ゲームキューブコントローラの新色が発売されるという異例の自体も起こった。

ちなみに色はWiiに合わせたホワイトであり、ワイヤレスコントローラがハードに標準付属されるようになった時勢に合わせてか、コードの長さが1mから2mに伸びている。


WiiUではゲームキューブとの互換性はさすがに二世代前のハードという事もあり、生産はされず互換性を保つソフトもほぼ全く現れなかった。
…ただしスマブラだけは話が違った

…今日のゲームキューブコントローラの需要は、そのほぼ全てがスマブラDXからの継続プレイヤーによるものとなっており、
「いつもの操作感で遊びたい」という声に対応するためだけに周辺機器として「ゲームキューブコントローラ接続タップ」が発売されるというまさかの事態となった。
尤も、あくまでWiiU用の周辺機器という事もあり、基本的にWiiソフトには対応しておらず、WiiUでもゲームキューブコントローラに対応しているソフトでないと遊べない。

そしてWiiUでは結局、ゲームキューブコントローラ対応ソフトがスマブラだけになったため、事実上の専用コントローラと化した。
公式側もそれを踏まえたのか、コントローラの再販時のカラーリング名が「スマブラブラック」「スマブラホワイト」でありロゴもスマブラのシンボルにしたりと、スマブラ向けである事をアピールしている。

それでも、このコントローラが10年以上に渡って愛され、使われ続けている事に変わりはない。
ゲームキューブ発売当時は思いもしなかった光景であろう。

コントローラを始めとする周辺機器の老舗であるホリからゲームキューブコントローラを模した、
「ホリ クラシックコントローラ」や改良型の「for Wii U / Wii」なんてのも発売されていたりもする。


そして2018年…
Nintendo SwitchではスマブラSPの発売に伴い、 本コントローラと接続タップが再販された。
スマブラDX発売からスマブラSP発売までで17年経っているため、使われている部品の材質などは完全に同一ではなく、ボタンの押し心地などは微妙に異なっている(もちろんゲームを遊ぶ上で支障はない)。
さらにHORIを始めとする国内外の周辺機器メーカーも本コントローラを模したSwitch用コントローラを発売している。
純正品はZトリガーが一つしかないが、HORIのGCコン型Switchコントローラーは ZR、ZLを増設 。またRとLの構造も変わっており、押しやすくなっている。
しかし感触は純正品と全く同一ではないため、10年以上純正品に慣れ切ったプレイヤーは違和感を覚えることもあるらしい。
一応スマブラ以外のゲームでも使用可能だが、やはりボタン数が少ないうえABXYの配置が違うためプレイしづらくなるゲームが多い。

近年は上記の通りスマブラ専用の色合いが濃くなっていたが、2020年発売の『eBASEBALLパワフルプロ野球2020』ではなんと GCコン仕様のキー設定が登場
パワプロをGCコンで遊べるのはなんと 11年ぶり であり、意外なところからスマブラ以外の用途が追加されることになった。


なぜ未だに全く同じ仕様のコントローラに対応するかについては、海外のeスポーツシーンにおいてスマブラDXの人気がかなり高いため、競技プレイヤーの環境を維持する意味合いが大きいからと言われている。
単純に新作を買うユーザーに旧来の操作を再現させたいだけならば、GCコンの形状だけ模して、ボタンの仕様を現行機に合わせた上でワイヤレス仕様なりUSB直刺しなりで発売すればいい話だし、現に後者はHORI製コントローラーがやっている。
それをわざわざ接続タップを用意してまで当時の仕様を変えないまま再販に拘る理由は、今現在でもゲームキューブとブラウン管テレビを使って競技を行っているほどのスマブラプレイヤーが世界中に存在しているから…という説が濃厚である。

+ ここから先は深淵の話
実はこのコントローラ、昔から言われている事だが販売時期は勿論、製造過程でもいくらかの個体差が出る。
もちろんある程度の品質は確保されているので、通常のゲームプレイにおいてならこの個体差は特に支障がなく、大半のタイトル/プレイヤーにとって気にするようなものではない。
しかしスマブラDXにおいては話が別で、高品質なコントローラとそうでないコントローラではテクニックの精度や確実性に無視できないレベルの影響が出てしまう。
そのため精密なスティック操作を以て1フレーム単位の高度な駆け引きで食っているほどのプロレベルの競技プレイヤーの中には、この高品質コントローラを求めて中古や新品を買い漁ったり、既に高品質コントローラを所持している者から高価で買い取ったりする者もいる。
(ちなみに前者については、確率の低い当たりを求めて同じものを買い続ける光景になぞらえてコントローラガチャと言われていたりする)

この問題を解決するために、有志の手によりUniversal Controller Fix(UCF)と呼ばれる、どのコントローラでも高品質コントローラと同等のパフォーマンスを実現できるソフトウェアが開発され、ローカル大会ではしばし使われている。
しかしこれは言ってしまえばハックロムにあたるため、法的な問題などからEVOなどの任天堂がスポンサーについている大型大会では使用できないといった制約がある。

ちなみにDX以外のスマブラシリーズ作品においては、操作の仕様がDXとは異なるためこのような問題は起こらない。
しかし前述の通りボタンやスティックの感度や触り心地が販売時期によって微妙に違うため、感触的な面で気になる人は気になるようだ。

ついでに言えば、スマブラDXの時点でもアナログトリガー式のLRについては賛否が分かれており、LRトリガーのバネをいじるなりしてデジタルボタンとして使うような改造をする選手もいる。

そしてそして2025年6月、待望のNintendo Switch 2が発売。
公式サイトではゲームキューブコントローラ接続タップとの互換性があることがしっかり明記された他、
レトロゲームのサブスクリプションサービスである「Nintendo Classics」にてゲームキューブソフトの配信も決定し、
専用のコントローラーとしてワイヤレス版の発売も決定した(上部をよく見るとZL・HOME・キャプチャー・Cボタンが追加されている)。
スマブラDX発売からは23年半という長い歳月であるが、今後もこのコントローラーの活躍が見られるであろう。


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最終更新:2025年07月19日 20:23