スケルトン・バイス

登録日:2016/07/29 Fri 23:17:05
更新日:2022/10/19 Wed 16:33:06
所要時間:約 12 分で読めます






血も肉も魂も、死者の飢餓を癒せやしない。

勇者一人の命とは、こんなに軽い。




スケルトン・バイスとは、デュエル・マスターズの呪文である。

概要

初出はDM-08「闘魂編 第3弾 超神龍の復活(インビンシブル・レジェンド)」。レアリティはレア。
構築済みデッキであるDMC-19「ザキラ龍武(ザキラドラゴン・コマンダー)デッキ」にもイラスト違いで一枚収録されている。

スケルトン・バイス R 闇文明 (4)
呪文
相手の手札を2枚見ないで選び、捨てさせる。
すでに相手の手札を破壊する(以下ハンデス)呪文としてはDM-01で《ゴースト・タッチ》(コスト2でランダムに1枚ハンデス。S・トリガー)、DM-02で《ロスト・ソウル》(コスト7で全部ハンデス)が登場していたが、この呪文はまさにその間を埋めるカードといってもいい性能である。
コスト4で2枚ハンデス。ゴースト・タッチ2回分と考えればそのコスト設定は極めて妥当である(むしろタッチにあるS・トリガーがない分若干損しているとすら言える)。
そのため、一見するとタッチともロスソとも違う、中量級ハンデス呪文としてバランスが取れた呪文に見える。

しかし、現実はそうでなかった。《アストラル・リーフ》や《ストリーミング・シェイパー》が暴れていた時代こそそれらの影に隠れていたが、それらが殿堂入りするとこのカードは猛威を振るい始める。


というのもこのカード、コスト設定とそれに伴う使用可能なタイミング、捨てさせる枚数が絶妙に噛み合いすぎているのである。


考えてみてほしい。デュエマでは(特に4,5ターン目までは)可能な限りマナを無駄にしないようなプレイングが求められる。またマナが無ければほとんど何もできないため、毎ターン可能な限りカードをマナに置きたい。
そのため、4ターン目くらいまでは基本的にどのデッキも「カードを1枚引く→マナゾーンにカードを1枚置き、カードを1枚プレイする」という動きになる。つまり、1ターンごとに手札は1枚減る。
そのため、3~4ターン目にはたいていの場合手札は2~3枚になっている。

そこでスケルトン・バイスを唱えると…たいてい手札は0~1枚になってしまう。
こうなってしまうとデッキの動きは大幅に遅れてしまう。仮に手札が無くなってしまったら、次のターンできることは「マナを増やさず今引きしたカードをプレイする」か「マナを増やして何もせず攻撃に移る」しかない。
しかも捨てさせる手札はランダムなので、マナが溜まったら出そうとしていた切り札カードがかなり高い確率で落ちてしまう。

しかもこのカード、《フェアリー・ライフ》等を使えば3ターン目に唱えられる。
つまり、先攻ならば相手が《エナジー・ライト》を唱える前に唱えられる
最近のカードで言うならば、このカードは先行ならば2コストマナブーストを噛ませれば相手がデドダムを出す前にハンデスを撃ち込むことが出来る。

これで、いかにこのカードが凶悪かわかるのではないだろうか。特に工夫せずとも流れに任せてこのカードを早期に撃つだけで相手の手札や戦略を滅茶苦茶にしてしまえる。


そのため、イカレたパワーを持つドローカード群があるうちはまだよかったがそれら《サイバー・ブレイン》を始めとする強力ドローカード群が一斉に殿堂入り後は
闇文明のほぼ必須カードと化しその強さを発揮、2005年7月には殿堂入りするまでに至った。
その後はほぼ類似の性能を持つ《クローン・バイス》が猛威を振るったがそれが殿堂入り(後述するが、このカードは複数枚デッキに入れないと全く機能しないためほぼプレミアム殿堂と同義である)したのもあってか、依然としてパワーカードだった本カードも2008年10月にはプレミアム殿堂となった。

ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》と同様、「コスト論に沿ってるからといってバランスの取れたカードとは限らない」ことを教えてくれるカードである。

関連カード・調整版

クローン・バイス UC 闇文明 (3)
呪文
相手の手札を1枚見ないで選ぶ。その後、すべての墓地にある《クローン・バイス》1枚につき、相手の手札から他の1枚を見ないで選んでもよい。選んだ手札をすべて捨てさせる。
DM-12で登場したクローンサイクルの闇担当。墓地に同名カードがあるほど捨てさせる枚数が増えるハンデス呪文。一枚墓地に落としておくだけで1コスト軽いスケルトン・バイスになる。
そうでなくても3ターン目に一回、4ターン目にもう一回(あるいは6マナあるときに二回)打つだけで3ハンデス、バイスの強い状況に近いのでこれでも相手の手札はまずボロボロになる。むしろ状況次第ではスケルトン・バイス以上の働きを見せるといっても過言ではない。
ていうか「墓地に同名カードがいくらか落ちていないと効果を発揮しきれない」のを考慮したにしてもいくら何でも3コストは軽すぎる。恐らく他のクローン系カードを見るに「2マナ(ゴースト・タッチ)-1マナ(S・トリガー)+2マナ(クローン効果)」で3マナになったんだろうが、スケルトン・バイスが大暴れしてたんだから学べよと思わざるを得ない。

スケルトン・バイスの殿堂入りによって台頭したが、2007年11月にこちらも殿堂入りとなった。
1枚だけ入れることが出来ても全く機能しないカードなので、実質的なプレミアム殿堂といってもいい。
このカードの殿堂と本家スケルトン・バイスのプレ殿後は、ご存知《解体人形ジェニー》ちゃんが中盤におけるハンデスの主流となっている。

デモニック・バイス R 闇文明 (5)
呪文
相手は、自分自身の手札を2枚捨てる。
全方位カードファイルvol.8の付録として登場した、スケルトン・バイスの調整版。コストが1上がり、捨てるカードを選ぶのが相手になっている。

一見すると至極妥当な調整版に見えるかもしれないが、前述の通り本家スケルトン・バイスは唱えられるタイミングが評価されたカードなので、1コスト増えた影響は数値以上に大きい。
先の論でいうと4~5ターン目にはもうすでにカードは1~2枚になっており、しかもエナジー・ライトなどのドロー呪文が間に合ってしまう。
しかも捨てるカードを選ぶのが相手なので適切なカードを落とせない、場合によってはマッドネスクリーチャーが出てきてしまうといった弊害も。

以上の様なことからプレイヤーの評価は本家と比べてかなり厳しく、元が付録ゆえの集めづらさもあって採用率は低い。
元々スケルトン・バイス自体コスト論的にぶっ壊れてたカードではないので、その調整版となると慎重にいかざるを得なかったのかもしれない。

長らく再録が無かったが、DMX-22「超ブラック・ボックス・パック」にて「ウソツキ!ゴクオーくん」とのコラボカードとしてまさかの再録。
意外性はそれなりにあっただろうが、ゴクオーくんファンはともかくデュエマプレイヤーがこの再録に喜んだかどうかはかなり疑問である。
余談だが、付録カードにも関わらずなぜかカード右下にレアリティがレアであることを示すマークがある。

残虐覇王デスカール SR 闇文明 (8)
クリーチャー:ダークロード 4000
このクリーチャーで攻撃するかわりに、タップして次のTT能力を使ってもよい。
TT-相手の手札から2枚見ないで選び、捨てさせる。
DM-07で登場したみんな大好きドラゴンともゼニスとも拳で語り合えないる系ダークロード
タップ能力でスケルトン・バイスを放てる…というか登場した順番的にはこっちが先である。

1コスト増えただけのデモニック・バイスですら微妙なのに、8コストな上にタップ能力という遅さを極めたこいつが使われるわけもなく…。
そもそも1コスト下にロスト・ソウルがあるのでさらに使う理由がない。パワー4000という脆さも痛い。

恐劇人形ワラニン C 闇文明 (4)
クリーチャー:デスパペット 1000
このクリーチャーが破壊された時、相手の手札を2枚見ないで選び、捨てさせる。
DM-21で登場。某パペットでマペットな芸人を想起させるイラストが特徴的。pigでスケルトン・バイスを放てる。

起動の遅さ故テンポアドバンテージは期待できないが、破壊時効果ということで様々なコンボが考えられるクリーチャー。
破壊をトリガーとする能力のついでにハンデスが出来るのは強力。
また、相手が《ローズ・キャッスル》や《希望の親衛隊ファンク》を出していると疑似的なスケルトン・バイスとして働く。

魔弾バレット・バイス C 闇文明 (4)
呪文:ナイト
KM-相手は自分自身の手札を1枚選び捨てる。
ナイト・マジック
DM-29で登場したナイト呪文。自分のナイトがいる場合には1マナ軽いデモニック・バイスになる。

選ぶのは相手自身とはいえ、4マナで2枚捨てさせるという点ではテンポアドバンテージの面ではスケルトン・バイスと同じ。
さらに、ナイト呪文のコストを1減らす2マナナイトクリーチャー魔光ドラム・トレボールから唱えれば最速3マナで撃てたり、その他ナイトクリーチャーのサポートを受けられる。
もちろん場にナイトを保持する必要があるので注意。

余談だが、海外版で登場したスケルトン・バイスの調整版はナイト・マジックを発動したこのカードと全く同じスペックである。

時空の斬将オルゼキア P 闇文明 (7)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド 6000
W・ブレイカー
覚醒-ターン中、自分のデーモン・コマンドが破壊されていれば、そのターンの終わりにこのクリーチャーをコストの大きいほうに裏返す。(ゲーム開始時、サイキック・クリーチャーは山札には含めず、自分の超次元ゾーンに置き、バトルゾーン以外のゾーンに行った場合、そこに戻す)

魔刻の覚醒者 G(ギャラクティカ)・オルゼキア P 闇文明 (14)
サイキック・クリーチャー:デーモン・コマンド 12000
このクリーチャーが覚醒した時、相手の手札を2枚見ないで選び、捨てさせる。
T・ブレイカー
覚醒するとスケルトン・バイスを放てるサイキック・クリーチャー

このクリーチャーを出したターンに破壊されていても覚醒する。覚醒前は何の耐性も持たないので早めに進化させたい。
悪魔神グレイトフル・デッド(破壊時コスト7以下のサイキッククリーチャーを出せるコマンド進化デーモンコマンド)や、
巨骸の剣王ダーク・マゼラン(自分の他の非進化クリーチャーが出たとき破壊される5マナデーモンコマンド)などと組み合わせるのが考えられる。
あの無敵悪魔カースペインとも相性が良かったりする。
出てくるのは5コストホールからになるだろうが、スケルトン・バイスにT・ブレイカークリーチャーが出てくるのは強力。しかし、解除などの耐性を持たないので注意。

ジェラシー・ベル R 光/闇文明 (4)
呪文
マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。
S・トリガー
自分の手札を1枚捨てる。その後、相手は自身の手札を2枚選んで捨てる。
多色になり、捨てる手札を選ぶのが相手になり、自分も手札を1枚捨てるという調整が加わった代わりにS・トリガーを持つ。
アドバンテージ的には差はないが、やはり前述のように4マナ2枚ハンデスは強力である。
自分の手札を1枚捨てるのも普通に考えればデメリットではあるが、そこは墓地利用が得意な闇文明なのでどうにかメリットに転換したい。
また、S・トリガーを持っていて自分の手札を捨てることが出来るため、旧式マッドネス(相手ターン中に捨てられたときに出せるクリーチャー。自分のカードの効果にも反応する)との相性がいい。また、霊騎秘宝ヒャックメーと色が被っているためそちらとの相性もいい。

とはいえ光文明との多色というのがネックで使用率は高くない。しかも能力をよく見ると光文明の要素が全くない。闇単色だと強すぎると判断したのだろうか。

ガチンコ・ジョーカー UC 闇文明 (6)
呪文
相手の手札を2枚見ないで選び、捨てさせる。
相手とガチンコ・ジャッジする。自分が勝ったら、この呪文を唱えた後、墓地に置くかわりに手札に戻す。(ガチンコ・ジャッジ:各プレイヤーは自身の山札の上から1枚目を見せ、それを一番下に置く。そのカードのコストが相手以上であれば、自分の勝ちとする)

強襲する髑髏月(ドクロムーン) C 闇文明 (6)
呪文
相手の手札を2枚見ないで選び、捨てさせる。
自分の闇のクリーチャーを1体破壊してもよい。そうした場合、この呪文を唱えた後、墓地に置くかわりに手札に戻す。
コスト6でスケルトン・バイスと全く同じ能力を持ち、さらに条件を満たせば手札に戻すことが出来るカード。
ガチンコ・ジョーカーはガチンコ・ジャッジに勝つこと、強襲する髑髏月は自分の闇のクリーチャーを一体破壊することが条件となっている。

スケルトン・バイスから2コストも上がっているため、元と同じような使い方は期待できない。しかし、それでもロスト・ソウルに先んじて放てる複数ハンデスは強力である。知名度がそこまで高くないのはむしろ追い風。
しかも、条件を満たせば手札に戻すことが出来る。使いまわしできるという点はもちろんのこと、「相手がハンデスカードを握っている」ということを認識させることで相手の戦略を乱すことが出来るというテクニカルな一面も。

どちらがいいかはデッキ次第。
ジョーカーは運次第ではあるがアドバンテージを失わず使いまわせる。髑髏月はフィールドアドバンテージは失うが戻したいときに確実に手札に戻すことが出来、また破壊をトリガーとしたコンボも期待できる。考えて使い分けよう。

復讐 ブラックサイコ VR 闇文明 (5)
進化クリーチャー:デーモン・コマンド/侵略者 7000
進化-自分の闇のクリーチャー1体の上に置く。
侵略-闇のコマンド
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンに出た時、相手の手札を2枚見ないで選び、捨てさせる。
cip能力でスケルトン・バイスを放てる進化クリーチャー。
コスト5とそれなりの軽さで進化元の縛りも緩く、進化クリーチャーとして最低限のパワーも持ちながらこの能力という時点で既にかなり強いのだが、それに加えて侵略も持っている。
詳細は項目にて。

腐敗 スケバイ-3 C 水/闇/自然文明 (3)
クリーチャー:ゴースト/ディスタス 3000
G・ストライク(このクリーチャーを自分のシールドゾーンから手札に加える時、相手に見せ、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない)
ササゲール3(ディスペクターを召喚する時、コストを3少なくしてもよい。そうしたら、このクリーチャーを破壊する。そのディスペクターのコストは0以下にはならない)
まさかのスケルトン・バイスのディスタス。殿堂入りした呪文のディスタス化サイクルであり、各色の組み合わせで同性能のものが存在する。

だが、この色の組み合わせにはあの《天災 デドダム》がいるため、よほどの理由が無い限りあちらの枠を奪うのは厳しい。ササゲール3の活用は必須といえる。
ところで歴代クリーチャーの肉体を悪用しているのがディスタスのはずなのだが、呪文をどうやってディスタス化させたのだろうか……



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最終更新:2022年10月19日 16:33