黒子のバスケ

登録日:2010/04/10 Sat 15:31:26
更新日:2025/01/24 Fri 00:33:28
所要時間:約 6 分で読めます






勝利への道は…


僕らで、チームで切り拓く!!



概要

『黒子のバスケ』とは、藤巻忠俊により週刊少年ジャンプで2009年2号から2014年40号まで連載されていた漫画である。
単行本は全30巻。後日談である「Extra Game」が上下巻また小説も6冊出ている。
画集やらキャラブックも出ている。
話数のカウントは「第○○Q(クォーター)」。


結構トンデモなバスケ漫画で、バスケの皮を被ったバトル漫画と表現されたりもする。
担当もそれを分かっているせいか、雑誌掲載時のアオリがどう見てもバトル漫画。

雑誌内での立ち位置も忙しく変わる為に、なかなかどのポジションか定めにくい作品であり、
連載開始後暫く掲載順二桁だったり、アンケ反映の途端に5番目に載り、半年後に実質ドベになり、周年は巻頭だったり、高い頻度でカラーを貰い、
カラーの前には大概下から6番目以内に載り、本編と共に特別編が載り、直後に掲載順が底辺になり、絵文字になり、また巻頭になり、また落ちたり、
暫く低迷したと思ったら突然浮上して巻頭になったり、正にジェットコースター。

そして遂にTVアニメとなる事が発表された。
MBS、TOKYO MX、BS11での放送となる。
アニメから一気に人気に火が点いたといっても過言ではなく、ドラマCDやOVA、劇場総集編なども展開している。
アニメは3期まで放送し、1期はIH海常vs桐皇まで、2期はWC誠凛vs陽泉まで、3期はWC誠凛vs洛山(原作最終回)まで放送。
そして、番外編『EXTRA GAME』のアニメ作品として、劇場版『LAST GAME』を公開。
専ら好評を得ているが、所々で端折ったり原作と違う展開になってる部分がある*1。特に帝光編は単行本3巻分を4話で放送しており、かなり端折っている。
黄瀬の回想である特別編『Tip Off』や学力テスト前の勉強会などはOVAに、部室掃除はドラマCDに収録されている。
NG集も一部だがDVDの特典として描写されている。
なお、ジャンプのスポーツアニメの中では珍しく原作最後までTVで放送した*2

数字の間違いや描き間違いが多いので、設定などはキャラの再登場や単行本まで油断出来ない。
少し勢い任せな作風である。
単行本オマケのNG集は、ラフ画ながら黒子のバスケ好きなら必見。

ジャンプ連載のバスケ漫画といえば、既に漫画史に名を遺す金字塔『SLAM DUNK』があったため、
作者は「同じようなことをやっては決して『スラダン』を超えられない」と考えており、
かなり違うアプローチからバスケを描くことになった。

キャラクターは男臭くムサい連中があまり居らず、主要キャラは比較的ビジュアル系イケメン寄りが多いため、女子(腐含む)方面での支持も集めている。
反面、やはり男子バスケが主軸なので、女性キャラは片手で数えられる程しか出てこない。だが軒並み美人。

あらすじ


バスケの超強豪校である帝光中学で、特に最強と呼ばれた「キセキの世代」の選手達が一目置いていた幻の6人目(シックスマン)、黒子テツヤ
彼が誠凛高校バスケ部、そして火神大我と出会う事で、物語が築かれていく…



登場人物


誠凛高校バスケ部

  • 黒子テツヤ(くろこてつや)
  • 火神大我(かがみたいが)
  • 木吉鉄平(きよしてっぺい)
  • 相田リコ(あいだりこ)
  • 日向順平(ひゅうがじゅんぺい)
  • 伊月俊(いづきしゅん)
  • 水戸部凛之助(みとべりんのすけ)
  • 小金井慎二(こがねいしんじ)
  • 土田聡(つちださとし)


キセキの世代


元帝光バスケ部マネージャー、現桐皇学園マネージャー。青峰の幼馴染。
黒子に惚れていることを公言しており、自称「テツ君の彼女」。
情報収集能力と、選手の特性を見極める能力に長け
緑間をして「何度も助けられた」と語るほど、キセキの世代の躍進に貢献していた。
バスケの情熱を失い自暴自棄となっていた青峰を案じて桐皇に進学。


海常高校三年。178cm。
海常高校の主将であり、専門誌に載るぐらい有名なPG。得点能力も高く、3Pで流れを引き寄せる事も。

黄瀬に蹴りを入れたり小突いたりしていて、さながら相方。部員から慕われており、桐皇の監督からは大したキャプテンシーと評された。

ボケがやたら多い海常高校のツッコミを一身に引き受けている。
主将になった経緯が黄瀬を発奮させたが、インターハイ準々決勝で敗北。試合後、ロッカールームで一人号泣した。


秀徳高校一年。176cm。
強豪秀徳のスタメンPGで、同じ一年だからか緑間と共に行動しており、195cmの男をリヤカーに乗せて自転車をこいでいる(多分二人乗り対策)。

伊月のイーグルアイの上位互換であるホークアイの持ち主。ミスディレクションが効かない為、黒子キラーとして試合終盤まで誠凛を苦しめた。

楽しい事好きで、キセキ+火神の相席を謀ったり、火神対緑間を気付かれないように覗き見してはゲラゲラ笑っている。


陽泉高校二年。183cm。
火神がバスケを始めるきっかけとなった人物。
いわば兄弟のような関係で、その証となるリングを互いに持っているが、それは同時に勝負が果たされなかった証でもある。
東京三大王者の正邦のスタメンを、ストバスながら圧倒した実力の持ち主。


霧崎第一高校二年。179cm。
キセキの影に隠れながらも高い実力を持つと言う無冠の五将の一人で、PG。通称悪童。
ダーティーなプレイ、審判に見えない箇所での反則行為を得意とし、相手選手を壊す事も厭わない。
更に頭が天才的に良く、相手のパス…攻撃パターンを100%読み切ってスティールする。ダーティープレイもその伏線でもある。

木吉の膝を意図的に壊した張本人。しかも自分で手を下した訳では無い。

因みに、登場人物の名前の何人かは作者周辺から取られているらしく、検索するとうっかり引っ掛かる場合がある。


  • 津川智紀(つがわともき)
正邦高校一年。180cm。
DF能力だけなら黄瀬に匹敵する程長けており、笑顔でイヤらしく行うマークは三年からも信頼を置かれている。

中学時代に帝光と対戦しており、バスケを始めたばかりの時ではあるが黄瀬を止めている。しかし、黒子の事は全く覚えていなかった。
第75Qで再登場したが、ストバスながら氷室に完敗。
加えてWCで海常の控え選手*3と同等という扱いをされてしまった。
そしてその津川級のDF2人を覚醒した火神は容易くぶち抜くのであった…

  • 今吉翔一(いまよししょういち)
桐皇学園高校三年。180cm。
主将でありPG。関西弁で、スカウトに力を入れる桐皇らしく関西から東京に移って来たと思われる。

常に笑い顔だが笠松曰わく性格が悪く、桐皇の実力第一主義を完全に受け入れていたり、稀有の才能を持つ青峰と比較して謙遜でなく自らを前座や小物と称したり、
奥底が知れない。
青峰の「もう一つ上」を知っている。

作者のいい加減さが見事に現れていて、一人称がオレだったりワシだったりワイだったり、コロコロ変わっている。

  • 桜井良(さくらいりょう)
桐皇学園高校一年。175cm。
SGで、実力第一主義の桐皇にあって一年生にしてレギュラーを獲得している。
クイックシューターで、シュートモーションに入ってすぐ放たれるシュートは抑止困難。今吉曰わくの特攻隊長。

優れた実力と相反するようにかなり卑屈な性格で、何かと言えば謝ったりペコペコしたりとハッキリ言ってウザいレベル(と言うか今吉にもウザいと言われている)。
シュートを放つ時すら謝っている。
またvs誠凛2戦目では意外に負けず嫌いな一面も見せたが、そのかなり子供っぽい態度がまた相手(日向)を苛立たせた。

料理がかなり上手く、昼食の弁当も自分で作って来ている。
弁当男子。



作者もジャンプ巻末で感謝の言葉を述べた「幻の5人目(ファイブマン)」。


作中に登場する主な学校

主人公黒子テツヤとその相棒火神大我が所属する東京都にある新設校。主将は日向順平、監督は相田リコ。
詳細は項目へ(以下略)

キセキの世代の一人黄瀬涼太が所属する神奈川県にある強豪校。主将は笠松幸男、監督は武内源太。

キセキの世代の一人緑間真太郎が所属する東京都にある東京都三大王者の一角である強豪校。主将は大坪泰介、監督は中谷仁亮。

キセキの世代の一人青峰大輝とそれを支えたマネージャー桃井さつきが所属する東京都にあるインターハイ準優勝の強豪校。主将は今吉翔一、監督は原澤克徳。

無冠の五将の一人花宮真が所属する東京都にある学校。ラフプレーで相手の負傷を狙う外道な戦法が持ち味。主将と監督は花宮が兼任している。

キセキの世代の一人紫原敦が所属する秋田県にあるインターハイ3位の強豪校。火神の兄貴分である氷室辰也も所属している。主将は岡村建一、監督は荒木雅子。

キセキの世代の一人赤司征十郎が所属する京都府にあるインターハイ優勝校である超強豪校。主将は1年であるが赤司が務め、監督は白金永治。

  • 帝光中学校
中学バスケの頂点に君臨する中学校。黒子含むキセキの世代が中学時代に所属していた学校で、部員数は100人を超え、1軍から3軍まで存在する。帝光の理念は「勝つこと」で、如何なる敗北も許さない
キセキの世代がいたころは全中3連覇を果たし、その実力を全国に轟かせた*4


その他用語

  • キセキの世代
超強豪バスケ部・帝光中学校で「天才」と呼ばれた5人のプレイヤー。黄瀬涼太、緑間真太郎、青峰大輝、紫原敦、赤司征十郎の5人を指す。
一人一人が10年に1人の天才と呼ばれるほどの実力を持つ帝光バスケ部の黄金世代。
当初は他の選手より少し巧いくらいの扱いだったのだが、徐々に才能を開花させていき、他の選手では全く太刀打ちできなくなった。
が、それと同時に相手選手を見下すようになり、個人技のみに頼る独善的な性格となってしまった。
黒子は厳密にはキセキの世代ではないが、彼ら5人が一目置くほどの才能を有しており、「幻の6人目」と呼ばれている。
また、黄瀬が入部する前の5人目として灰崎祥吾がいる。

  • 無冠の五将
キセキの世代の陰に隠れた5人の逸材。木吉鉄平、花宮真、根武谷永吉、葉山小太郎、実渕玲央の5人を指す。
全中時代にキセキの世代と渡り合うことのできた選手で*5、彼らもまた「天才」と呼ばれるほどの確かな実力を有しながらも、キセキの世代の圧倒的な実力の前に霞んでしまった。そのため彼らは無冠の五将と呼ばれている。
キセキより学年は1つ上にあたり、それぞれ肩書が存在する。また、出身中学はそれぞれ別だった模様。

  • 東京三大王者
東京都で10年ほどIHに出場している3校。東西北に分かれており、東の王者「秀徳」、西の王者「泉真館」、北の王者「正邦」。
4位以下を寄せ付けない圧倒的な実力を誇り、昨年度の誠凛は三大王者にトリプルスコアで大敗を喫している*6
今年度のIHでは正邦と秀徳が予選で誠凛に敗北し出場できず、泉真館のみ出場した。
WCでは秀徳のみ出場することができ、泉真館は決勝リーグで全敗したためWCへは出場できなかった*7



◆EXTRAGAME

2014年12月発売の季刊誌・少年ジャンプNEXT2014 Vol.6から2016 Vol.1まで8話公開。
時間軸は本編の1年後になっている。
全体の大まかな内容は「キセキの世代+黒子&火神vsアメリカ人選手」というもの。
後の2017年に『黒子のバスケLASTGAME』として公開された。
内容は一部変更していて試合会場がストバスのコートからアリーナ会場になったり、ネットで試合を見ていた人達が会場で観戦し、ラストが追加したりした。

主な登場人物
Jabberwock
世界的な人気を誇るストバスのチーム。氷室曰く「キセキの世代と同等かそれ以上」という凄まじい実力をもっている。
しかしメンバーの性格は最悪の一言であり氷室(映画では木吉)は「とにかく悪い噂ばかり」と語っている。

主要メンバー
  • ナッシュ・ゴールド・Jr
『魔術師(マジシャン)』の異名を持つJabberwockのリーダー。左腕から首にかけて刺青がある金髪の男性。メンバーの中では端正な顔立ち。ポジションはPG。

紳士的で社交的な性格だったがそれはあくまで表面上のもの。本性は外道極まりない性格で日本のバスケットボールプレイヤーを「バスケごっこ」や「猿」といって露骨に見下している。
彼のことは余り取り上げなかったが、名前から見て恐らく父親はNBAプレイヤーだと思われる。


  • ジェイソン・シルバー
JabberwockのCを務める黒人の大男。210cmとこれまで作中最大だった紫原を超える体格の持ち主。体格だけでなく『青峰以上の俊敏性』『火神以上の跳躍力』『紫原以上のパワー』をもつ正真正銘の怪物で『神に選ばれた躰』と呼ばれている。ゾーンは無理だが野生は可能で、動物はティラノサウルスが用いられている。

Jabberwockの中でも特に粗暴な性格で、チームメイトにさえ当たり散らすが、ナッシュに対しては頭が上がらない。
さらに練習嫌いでもあり筋トレすらもやったことがない。何故神はこんなやつを選んだのだろうか?
しかしその為かメンタルに関してはは非常にムラが多く、少しでも予想外の事が起こると思うように動けなかったりする。


  • アレン
ヘアバンドをしている黒人。景虎が「想定以上」というくらいの高い実力をもっている。

  • ニック
ナッシュ以外で唯一の白人。試合前日、ナッシュに景虎たちが自分らの分の体育館を手配してくれた事を一応伝えたが当然一蹴された。

  • ザック
スキンヘッドの黒人。目立った活躍は無し。


◆脅迫事件


2012年10月、作者の出身大学である上智大学に脅迫文および硫化水素が送りつけられる事件が発生。
内容は「この漫画のせいで彼女に振られた上に友達2人失った」などという奇怪かつ手前勝手な文章であった。

しかし、この一度ならずもその後もイベント会場やコンビニに対しても、
「イベント参加者を殺す」「(黒バスのコラボ商品に)毒物を入れた」などの嫌がらせの脅迫状が送られた。
その数は数百通以上にも登り、コミケ等のイベントでは黒バススペースの停止などの対処を取ることとなってしまう。
この一連の事件のせいで、黒バスの同人誌を書くのをやめるサークルまで出るほどであり、TSUTAYAでも関連商品の取り扱いを中止していた。

「喪服の死に神」「怪盗801面相」などと名乗る、これらの犯人に関しては前述の文章から、警察は早くから男と断定。
しかし、ネット上では腐女子ファンの多い作品だからと、あちこちで腐女子が犯人と決めつけられていた。
例えば


といった感じで、腐女子アンチやレッテル貼りによる荒らしが横行していた。

そして2013年12月15日、とうとう大阪で犯人が逮捕。
決め手となったのは防犯カメラに写っていたリュックサックであり、特徴的なものなことからマークしていたという。
犯人は36歳のであり、動機は単純に「人気漫画を書いて儲けているのに嫉妬した」というものであった。
逮捕前にも脅迫状を投函しようとしており、また逮捕時にもリュックサックには脅迫状が20通以上入っていた。


作者は事件発生直後のジャンプの巻末コメントで何があっても連載は続けると公言し、犯人逮捕後ジャンプのウェブページで安堵のコメントをした。




「そんなに待てません……」

「今、追記・修正するんだ!」

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最終更新:2025年01月24日 00:33

*1 WCの海常戦が顕著。また、誠凛vs霧崎第一、海常vs福田総合は原作とは逆に多く盛られている

*2 というか長期連載の漫画を除き、他に原作最後まで放送した作品は暗殺教室くらいである

*3 控えとはいえ実力は全中ベスト8で日向も「DF力が有名」というほどなのだが…

*4 3連覇と明言されているため、キセキが入学する前は優勝できなかった模様

*5 渡り合えたとはいうものの、あくまで周りから見た場合の話で、実際はキセキと五将では雲泥の差があり、キセキ本人はそこまで脅威とは思っていない。事実、黄瀬は「他より少しマシ」くらいにしか思っておらず、木吉は才能が開花する前の紫原に全く歯が立たなかった

*6 木吉は霧崎第一のラフプレーで欠場しており、秀徳の大坪は「もし出ていればトリプルスコアなんて結果はおろか秀徳が負けていたかもしれない」と語っている

*7 正邦はIH予選の準決勝で敗北したため、WC予選には出場できなかった

*8 ボースハンドダンクは威力がある分高さが出ず、それをレーンアップからのウィンドミルでこなすとなると相当の跳躍力が必要となり、作中随一の跳躍力を持つ火神でも「あんな離れ業は俺にはできない」と戦慄している