装動(仮面ライダーエグゼイド)

登録日:2017/09/25 MON 03:00:00
更新日:2025/06/24 Tue 08:48:37
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アーマーを装着(クロスアップ)!!


装動とは『仮面ライダーエグゼイド』の食玩フィギュアシリーズである。


【概要】


バンダイ キャンディ事業部から毎年発売される仮面ライダーのアクションフィギュア。
ゴースト』以前のシリーズもそれなりに支持はあったのだが、
それはあくまでDX玩具が発売されるまでの繋ぎとしての役割が強く、実際のクオリティに関しては価格にたいしてまぁそこそこというレベルに留まっていた。
しかし近年のミニプラのクオリティアップ、また過去のライダーを高いクオリティで立体化する掌動に影響されたのか、エグゼイド放映開始後の食玩ページでは

今年のアクションフィギュアは本気だ!

と大々的に意気込みを掲げ、大幅な変革が行われることとなった。


最初の変革は価格の実質的な値上げとそれに伴う高品質化。
それまでの食玩ライダーフィギュアはだいたい毎年1箱完結することが求められた結果クオリティも価格相応なものになっていたところ、
装動では「アクションボディとアーマーを別々に発売する」という発売形式をとることで実質的に2倍の価格となった*1

これによって造型と塗装と可動に十分な原価を割くことができるようになり、ゲーマの装着は差し替え方式にすることで劇中に近いプロポーションが実現。
さらにフィギュア単体だけでなく特定のシーンを再現できるボーナスパーツやボーナスシールを付属させることができるようにもなった。
その結果、食玩でありながら食玩とは思えないクオリティを叩き出すことが可能になったのである。


次の変革はキャンディ事業部からの積極的な情報開示&宣伝。装動の発売に合わせてキャンディ事業部では「装動STATION」という特設ブログを開設し、
装動がこれまでとどう違うか、どうクオリティアップしたのかや次弾以降の展開の宣伝を行うことになった。
最初の担当者であったN野氏の冴えた筆致もあってこのブログは注目を集め、装動の売上と知名度の向上に大きく繋がることとなった。


そしてもう一つの変革はラインナップの充実。これは食玩フィギュアに限ったことではないのだが近年のライダーは人数もフォーム数も多く、
特に後半にかけて登場したライダー・フォーム、また劇場版やVシネマ、超バトルDVDに登場した形態は未立体化となることが多かった。

対して装動はリリースの途中から「エグゼイド全ライダー補完計画」を掲げる*2

これは「番組内で映像化されたすべてのライダーを立体化する」という無茶な計画だったが、
ほぼほぼ毎月新弾を出すという「月刊仮面ライダーエグゼイド」と言うべき発売ペース、
そしてプレミアムバンダイやSUPERてれびくんGOLDといった使える媒体は何でも使うという裏技によって、
最終的にテレビ版最終話までに登場した全ライダーの立体化を行うという最大級のパワフル成功例となった*3


これらの「質×情報×量」にこだわり抜いた販売戦略が功を奏し、番組自体も平成ライダー屈指の盛り上がりを見せた事による相乗効果で装動は食玩史上に残るヒット商品となった。
ヒットしすぎてDX玩具だった筈のLVURが完全に霞んでしまったのは仕方ない

そしてそのクオリティは後に引き継がれ、創動(『仮面ライダービルド』)や勇動(『スーパー戦隊シリーズ』)へと繋がっていったのである。


【担当者(N野氏とT男氏)】


前述したように装動は積極的に情報を開示・提供することで宣伝を行っていったが、その原動力となったのが初期の担当・N野氏と後期担当のT男氏である。

N野氏の頃はまだ装動が争奪戦になるほどではなかったこともあって他のライダー食玩の宣伝もしつつ、
装動の魅力についてしっかりとアピールする方向で人気を博した。

T男氏が担当を引き継いだ頃にはだいぶ争奪戦が過熱してきたこともあり、
装動を集中的に宣伝しつつ全ライダー補完計画に向けての取り組みをしっかりアピールした。

現在N野氏はオーラチェンジャーの失態で地に落ちたブランドイメージを回復すべく戦隊職人の担当へと異動。
異動後は徹底的にこだわり抜いた仕様で戦隊ファンを唸らせている。

T男氏はその後も創動仮面ライダービルドシリーズを担当し、特設ページ「創動BUILD LABO」で
解説・宣伝しつつ装動を越えるべく日々仕様のクオリティアップに励んでいたが、N野氏に続いて異動となった。


この2人の熱意がなければ装動がここまでヒットすることも、その路線が引き継がれることもなかったであろう。


【無理している枠】


通常ラインナップを分割販売することで原価に余裕ができたことによって生まれた、いわゆるレアアソート。「無理してる枠」とも。
他のラインナップとは違い「単体で完成する」「1ボックス内の数が少なめ」といった特徴があるものの、クオリティの低下などはないためお買い得である。
ただこの枠が実現できたのは通常ラインナップが売れたからこそなので、財布に余裕のある大きいお友達はちゃんと他のラインナップも買って売上に貢献しよう。
本体で無理しているぶん武器は付属しない事が多いので、より再現度を高めたいなら武器が付属した他のラインナップも買う必要はある。

【ラインナップ】

  • 一般販売
  • 一部店舗及びプレミアムバンダイ限定
  • 書籍付録





そして…… Are you Ready?



お菓子売場(火星)で発見された『装動』(パンドラボックス)が引き起こした、
購入者達の多々買い(スカイウォールの惨劇)から1年……
『創動』(我が国)『A-SIDE』(東都)『B-SIDE』(西都)『無理している枠』(北都)の3つに分かれ、
混沌を極めていた……!

次回作の『仮面ライダービルド』からは「創動」と名を変えて再スタート。詳細は別項目で。

また、装動のヒットはキャンディ事業部全体に影響を与えたようで、後にスーパー戦隊シリーズ・ガンダムシリーズでも似たコンセプトの食玩「勇動」と「Gフレーム」が発売された。


追×修!

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最終更新:2025年06月24日 08:48

*1 ただし基本は子ども向けなのでアクションボディには最低限の造型を施されたダミーパーツが付き、単品でも遊べるようになっている

*2 当初はネットムービー内の「レジェンドライダーゲーマー補完計画」を掲げていたがN野氏がそれを甘いと撤回し、「スピンオフ『仮面ライダーゲンム』補完計画」へと改め、さらにそのハードルを飛び越えるとし、全ライダー補完計画へとランクアップしていった

*3 その後も裏技パラドクスの新フォームを仮面ライダーエグゼイド超全集に付属させ、Vシネマの新フォームも創動枠で立体化。凄まじい熱意と執念である。