劇場版 艦これ

登録日:2018/03/16 (金) 01:26:27
更新日:2019/07/06 Sat 16:54:13
所要時間:約 8 分で読めます





【注意】この項目は重大なネタバレを「多く」含みます。

未視聴の方はお手数ですが、ブラウザバックすることを強くお勧めします。

















この夜の海。その先に――。


『劇場版 艦これ』とは、艦隊型育成ゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』の劇場アニメ作品であり、同ゲームのTVアニメ版の続編。角川映画40周年記念作品。
2016年11月26日公開。

世界の全てが海色に溶けても きっと

あなたの声がする

大丈夫 還ろうって

でも

【概要】


アニメ最終回のラストで続編の制作が発表され、2015年8月9日に行われたイベント「第二回『艦これ』観艦式」において劇場版の制作が発表された。
TVアニメ版終了から1年半以上経って公開されたアニメの悲劇から戦々恐々されていた待望の劇場版で、TVアニメ版より後の時間を舞台に、主人公たちの新たな戦いが描かれる。
コミカルな場面が多かったTVアニメ版とは打って変わって終始シリアスな雰囲気となっており、視覚的にも精神的にもエグいシーンが多い。
また、深海棲艦の正体や吹雪が「特別な艦娘」である理由も判明する。
TVアニメ版の後日談なのでTVアニメ版を前以て視聴しておくことが望ましいが、最悪「如月がアニメ版3話で沈んだ」事さえ知っていればそれ以外のアニメ版の前知識がなくても話は飲み込める。
睦月のキャラ付けに面食らう可能性はあるが
脚本は花田十輝と田中謙介の2名。

主題歌は西沢幸奏の「帰還」。西沢氏はTVアニメ版EDの「吹雪」も担当していた。

ちなみに『劇場版 艦これ』とは略称ではなく正式タイトルであり、タイトルロゴにある「艦隊これくしょん」は含まれていない。

DVD/Blu-rayは2017年8月30日発売。『限定仕様』には、劇場公開版である『一六式盤』に加え、新規編集&新規カットを追加した『一七式盤』が付属する。


【あらすじ】


MI作戦成功から月日は流れ、ショートランド泊地を拠点にし、南方海域へと進出していた艦娘達。
鳥海率いる第8艦隊が、敵の輸送船団を壊滅させると、かつて轟沈したはずの如月が海面に浮上し、それと同時に謎の声が聞こえる現象にも遭遇する。
同じ頃、海が赤く変色する「変色海域」という現象が、鉄底海峡「アイアンボトム・サウンド」を中心に発生していた。
そして遂に、艦娘達は深海棲艦を殲滅するべくアイアンボトム・サウンドを目指すことに―――――。


【登場人物】


提督左遷中部海域への作戦指揮中により不在となっている。

また、基本的に公開当時実装されていた改二は一部を除いて全員に反映されている。

  • 吹雪
CV:上坂すみれ
お馴染み主人公。
TV本編最終回の後からさらに練度を重ねたようで、本作では改二となっている。
変色海域で彼女の艤装のみ、一切のダメージを受けなかった。
どういう訳か、現在の鎮守府に所属する前(=TVアニメ版1話以前)の記憶が残っていない。
また、映画が始まって早々唐突に轟沈する様子が描かれていたが……

+以下ネタバレ
「カエリタイ…カエシテ…」

実はかつて、アイアンボトム・サウンドで轟沈していた。

その時は自身の強い思いから海の上に戻ることができたが、その際に二つに分離してしまい、その片割れが悲しい記憶を背負ったまま海底に沈み、長い年月をかけて深海棲艦と化した。
変色海域の中心に飛び込んだ吹雪は、そこで深海棲艦と化した自身の片割れこと深海吹雪棲姫*1と対峙。
深海吹雪棲姫の触手に締めつけられ、自身も深海棲艦へと変化しかけるが、最後は深海吹雪棲姫を受け入れ、彼岸花の花畑の中でかつて睦月にしたように深海吹雪棲姫を強く抱きしめた。

「私、貴女の事も忘れない。私たち、歩き出せる……だから!」

それと同時に、変色海域は消滅し、周囲にいた全ての深海棲艦も一斉に消え去った。


全てが終わった後、自身はとある島に打ち上げられ、目を覚ますと艤装を解除しつつ、自分は生きていることを実感する。
そこで赤城達と合流し、文字通りの帰還を果たした。


それから月日は流れ、自身の所属していた艦隊名を思い出した吹雪は、出撃前にこう呟く。

「大丈夫だよ。私、必ず取り戻すから。静かな海を…。いつか…必ず…!」

静かな海を取り戻す為、今日も吹雪は第十一駆逐隊*2の一人として戦い続けるのだった。


なお、劇場版の展開を顧みると、アニメ版で物議をかもした提督のあれやこれやは、
「提督は吹雪の特異性を把握した上で自分の鎮守府に着任させた(特異性を知っているので優遇するのも当然)が、その特異性を言うわけにはいかなかったので苦しい嘘をつかざるを得なかった」
或いは、
「提督はかつて本当に吹雪とケッコンしていたが、吹雪の轟沈によって死別しており、ケッコンの記憶のない吹雪に直接それを告げるわけにはいかなかったのでああいう言い方になってしまった*3
と解釈できるようになり、結果登場してもいないのに提督の評価がある程度回復した。もちろんアニメ版で説明しろよとのツッコミも多かった

また、アニメ版OPの『海色』の歌詞は記憶を失った「私」が「あなた」と再び巡り会い、共に進もうとするという内容になっており、
劇場版を顧みると、その本質は吹雪と深海吹雪棲姫の対決と救済を描いた曲であった
実際、吹雪と深海吹雪棲姫の会話は『海色』の歌詞から引用したものがいくつか見受けられる。


CV:日高里菜
お馴染みアニメシリーズでは「にゃしぃ」とか言わない吹雪の親友。…というかこの映画の真の主役。
彼女もまた練度を重ねたようで、本作では改二となっている。ただし、ゲームのイラストとは違い胸の三日月のブローチが付いていない。
TVで悲劇的な別れを経験した如月と、思いがけない形で再会を果たすが……
なお、予告編では「でも吹雪ちゃんが!」と言うが、実際の本編では言ってない。

+以下ネタバレ
如月が深海凄艦になりつつある事を加賀達との会話で知り、彼女を救うには沈めるしかないという非情な現実を突き付けられ、号泣。
どうすれば如月を沈める事無く救うことができるか苦悩し続けるが、そんな中遂にアイアンボトム・サウンドへの出撃が決まる。
その際、「私が出撃メンバーに選ばれるとは思わなかった」とメタい発言をする。

変色海域での戦いでは、自身もまた轟沈寸前のダメージを負い、ネ級にトドメを刺されそうになる。だがそこへ、深海凄艦になっても自我を保ち続けた如月が駆け付け、窮地を救われた。
そして、変色海域の中心部へ向かおうとする吹雪をアシストしつつ、如月と共に深海凄艦に立ち向かった。

やがて全てが終わり、次々と消滅する深海凄艦と共に消えていく如月を看取り、かつての約束を果たす事を涙ながらに誓い合った。
しばらくはその場にいたようで、他の面々と異なり吹雪と合流することは無かった。
なお、如月との別離の場面では睦月が放り投げた12cm単装砲と如月が手放した12cm単装砲が寄り添うように並ぶ描写があり、
ゲーム中最弱主砲が涙腺崩壊を演出するというまさかの展開になった。むしろこの決戦で12cm単装砲で戦い抜いた睦月と如月に突っ込むべきなのか、それともアーケードみたいにガワだけで中身は別の主砲だったのか


それから月日は流れ、出撃する吹雪に自身の作った戦闘糧食おにぎりの包みを手渡して見送った後、別に取っておいたおにぎりの包みを携えて、海岸へ向かう。
そして、そこで彼女を待っていたのは……

  • 夕立
CV:タニベユミ
お馴染み吹雪の友人。彼女はTV本編の第9話で既に改二になっている。
マイペースで呑気なところは相変わらずだが、アイアンボトム・サウンドでの戦いでは無双する。

CV:藤田咲
お馴染み大食いおっとり一航戦にして吹雪の憧れの人。本来の憧れの人は今回も出番なし
加賀と共に艦娘と深海棲艦の戦いの真実を吹雪達に語る。

  • 加賀
CV:井口裕香
お馴染みクールな一航戦急に歌う方にして赤城の相棒。
今回は彼女の意外かつ壮絶な過去が明かされる。
また、今回初めて瑞鶴を名前で呼んだ。あと、アニメ版ではさん付けしていた吹雪を呼び捨てするようになった。
声帯の妖精さん曰く瑞鶴にデレた

+以下ネタバレ
「それはとても…悲しくて辛い事だから」

実は一度轟沈したが深海凄艦化した過去がある。
深海棲艦時代はヲ級として、「カエリタイ」という心に残った未練のままにかつての仲間たちと交戦し、そして……
しかし、回想場面だけだからって鬼とか姫じゃなくてヲ級っていくら何でも酷すぎませんかね
当時の記憶が残っており、「轟沈した艦娘は深海凄艦へと変化し、それが倒されることで艦娘として戻ることが出来る」という事実を吹雪達に語った。
同時に、深海凄艦となりつつある如月を救うには沈めるしかない事を睦月に伝える。
瑞鶴自身も忘れている彼女の過去を知っている節があり、吹雪の過去も大体は察していた模様。

瑞鶴を何かと叱責するが、どう見ても「後輩が心配で仕方ないがために、ついキツく言ってしまう先輩」である。
実際、瑞鶴が己の軽率な言動を反省したり、瑞鶴が赤城のピンチを救った時は物凄く嬉しそうにしている。
この先輩、ツンデレ過ぎる。

CV:野水伊織
お馴染みツンデレ五航戦。姉の翔鶴も登場する。
加賀との関係はTVシリーズよりは良好になったものの、まだ若干ギクシャクした雰囲気の様子。

+以下ネタバレ
彼女もまた、一度轟沈し深海凄艦化していたらしい描写があるが、自身は既に記憶が残っていない模様。
この伏線回収は一年以上後に別の世界線で行われることになる

CV:東山奈央
お馴染み提督LOVEな戦艦。妹たち(比叡、榛名、霧島)も登場する。というか今回の金剛型のメイン格は比叡と霧島である。
龍驤二航戦と共に変色海域を調査し、最終決戦にも妹たちと参戦。
何故比叡を旗艦にしたし

CV:竹達彩奈
お馴染みドカ食いホテル支配人大和撫子な戦艦。
映画の序盤ではコック姿を披露し、ローストビーフを振る舞った。
終盤の戦いでは大破してしまうが、それでも変色海域の中心部へ向かう吹雪をアシストした。
旗艦なのに吹雪を庇ったりもする。アーケード版仕様なのかもしれない
彼女が吹雪に語ったある言葉が吹雪の勝利のきっかけとなった。

CV:佐倉綾音
お馴染み夜戦バカ。本作では改二となっている。また、アニメシリーズでは本作で三水戦旗艦になった。
妹の神通、那珂も改二となって登場するが、那珂はまともな台詞が「はい!」しかない。

+以下ネタバレ
「夜はいいよねぇ……また夜に逝くのも」

後半の戦闘では三水戦を率いていたが途中で中破してしまい、合流した神通に後を託して同じく中・大破した比叡、霧島や弾薬切れを起こした北上、大井達と共に撤退することになるが
直後に深海棲艦に取り囲まれてしまう。
深海棲艦に追い詰められた状況に彼女は魚雷を片手に上記の台詞を不敵に呟くと、勝ち目のない夜戦へと挑んでいった……

という、川内提督真っ青の死亡フラグバリバリな描写だったが別行動中の金剛・榛名が救援に駆けつけた*4事により無事生還。
赤城達と共に帰還した吹雪を迎えた。

なお、上記の台詞を見直すと川内は自分が一度轟沈している事を認識しているため、
特に何も語られなかったが、川内もかつて深海棲艦化していた上にその記憶を保持している可能性がある
軽巡水鬼のフラグが回収される日はいつになることやら

CV:佐倉綾音
お馴染み提督の秘書艦。妹の陸奥も登場する。
提督不在の中、自ら作戦を指揮する。
艤装が損傷しない吹雪に、アイアンボトム・サウンド最深部に突入して謎の声の正体を突き止めるよう命じる。

  • 間宮
CV:堀江由衣
お馴染み給糧艦。
映画の序盤では吹雪達に新作の餡蜜を振る舞った。
その後、アイアンボトム・サウンドへ向けて出撃する艦娘達を見送った。

CV:東山奈央
第8艦隊の旗艦として初登場し、青葉、衣笠、加古、古鷹、天龍を率いる。
なお、姉である高雄と愛宕はテレビシリーズから引き続き登場するも、摩耶は登場せず。
ちなみに青葉もしれっと改二になっているしかし1年以上経ってもゲームに実装される気配なし

CV:井口裕香
今回初登場のフフ怖さん。龍田も登場する。
第8艦隊の一人として、冒頭の戦闘では大活躍した。

CV:小倉唯(天津風)、藤田咲(時津風)
吹雪から如月の容態を聞いていた。
時津風は「体の具合を調べる」と言って吹雪の服を脱がそうとした。 そこ変われ

  • 如月
CV:日高里菜
TVシリーズで轟沈した睦月の姉妹艦。
冒頭での戦いで全裸でドロップされ、睦月と感動の再会を果たす。
しかし、睦月以外の者に関する記憶が無かったり、突然意識を失ったかと思いきや無意識に港湾施設に砲撃してしまうなど、どこか情緒不安定な所が目立つ。
そして左腕にある謎の痣が広がりつつあり、これが後々彼女の運命を左右することに。
また、途中から睦月が着ていたのと同じパーカーを着用し、如月改二を思わせる姿になる。あと髪飾りを失くしている。
ある意味本作のトラウマ要員。

+以下ネタバレ
「嫌ぁぁぁっ!?どうして落ちないのぉぉぉっ!?」

実は深海凄艦になりつつあった。
加賀が睦月達にその事を告げていたのをこっそり聞いてしまったこと、そして左腕の痣が徐々に広がっていくことで自らの変質に恐怖した彼女は水道へ駆け込み、何とかこすり落とそうとするも、当然ながら落ちることは無かった。
そして痣は遂に顔の半分にまで及び、頭から角が生え、髪の色も白く変化。その姿はまさに「深海凄艦」と呼べる姿だった。
やがて、出撃していった睦月を見送るが、直後に深海棲艦として完全覚醒*5
それでも艦娘としての意識を保ち続けた如月は仲間たちを救うために睦月型の艤装を身に着けてアイアンボトム・サウンドに突入し、睦月の窮地を救う。
深海凄艦と化している故に変色海域のダメージを受けず、変色海域の中心部へ向かう吹雪をアシストしつつ、睦月と共に深海凄艦と戦う。
どうやら姫級に覚醒していた*6らしく、睦月にトドメを刺そうとしたネ級を軽々と撃破。
皮肉にも、今回の彼女がすべてのメディアミックス作品で最強の如月と思われる。
また、結果論ではあるがアニメ第3話で如月が沈まなかったら、深海如月の参戦がなくなるので劇場版はバッドエンドに終わっていた可能性が高い。つまり認めたくないが例のヌ級は吹雪達の命の恩人になってしまう。

そして、吹雪が全てを解決した後は、次々と消滅する深海凄艦と共に、自身もまた睦月に看取られる形で消滅する。
だがその際、生前に交わした「戦闘後に話を聞く」という約束を果たすため、必ず戻ってくることを誓った。



それから月日は流れ、おにぎりの包みを携えて海岸を走る睦月を待っていたのは…

【設定】


  • 変色海域
時間の経過によってどんどん拡大していく、真っ赤に変色した海域。
深海棲艦以外の生物は死滅し、艦娘でも徐々に艤装が損傷していくという死の場所。
この設定がゲームで使われなくてよかったと提督一同が安心した。
吹雪がショートランド泊地に到着した日を境に鉄底海峡「アイアンボトム・サウンド」にそれが発生していた。

  • ポイント・リコリス
変色海域の中心に位置するポイント。
ここに変色海域を発生させる「何か」が存在すると思われる。

  • 深海凄艦化
轟沈した艦娘が辿る末路。
この世界では、轟沈した艦娘は深海凄艦へと変化し、それが倒されることで艦娘として戻ることが出来る。
が、同士討ちになった場合はそれが延々と繰り返されてしまう。
それを防ぐために、艦娘を一人も轟沈させずに深海凄艦を倒す事が、艦娘達の目標となる。
稀に深海凄艦だった頃の記憶が残っている者が存在する。
なお、この事は情報規制されており、少なくとも駆逐艦には完全に伏せられている。
逆に空母の間では「深海棲艦だった記憶を持つ空母」の噂が流れていた模様。


大切なあなたが生まれてくるなら そう

私は歩き出せる

最後にね この願い

今乗り越え 未来へと Weigh Anchor!



追記修正は、深海凄艦化した方にお願いします。

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