加賀岬(艦これ)

登録日: 2015/07/20 Mon 12:34:56
更新日:2024/06/08 Sat 22:54:41
所要時間:約 12 分で読めます





デ デ ン !


デ デ デ デ !



 ( ゚д゚)
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/ PC /
    ̄ ̄ ̄









常は女だてらに弓執り矢射る艦艇なれど
今宵の彼女はマイクを握り

こころの激情 高らかに
海原越えて届けましょう

制空権も大トリも
ここは譲れぬ 決して揺るがぬ

永劫不滅の誇りを胸に


一航戦 加賀

唄います!








加  賀  岬(かがみさき)




 ( ゚д゚ )
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
  \/ PC /
    ̄ ̄ ̄






2015年7月17日金曜日、ブラウザゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』夏のアップデート第三弾。
既に告知されていた軽巡洋艦「阿武隈」の第二改装。期間限定の「夏真っ盛りボイス」。
「天龍」「時雨改二」「夕立改二」「明石」「Littorio/Italia」の水着グラフィック。
任務・改修工廠メニュー・母港拡張枠・家具屋の商品の更新などなど……

『艦これ』の追加コンテンツは今回も盛り沢山であった。
しかしその中に全国の提督諸氏が度肝を抜くサプライズが含まれていたことは、誰も予想だにしていなかった。




まさかのキャラソンである

正規空母 加賀のデビュー曲である


し か も 演 歌




これまでにも『華の二水戦』『暁の水平線に』『提督との絆』『鎮守府の朝』と艦娘に扮した声優の方々によるキャラクターソング『艦娘想歌』シリーズを、続いて同年の春季アニメとのタイアップで『艦娘乃歌』を世に放ち、またアニメ放送中~後におけるイベントではOP曲『海色』・ED曲『吹雪』を期間限定でゲーム内に反映してきた公式。
だが……まさか事前に何の告知もなく完全新規楽曲を原作本編にブチ込んでくるとは……一体全体何処を目指して舵を取っているんだ……?
なお、本アップデートにおいて母港サイドのジュークボックスには、この『加賀岬』の他にも新曲『浜辺の艦娘』や上記の『艦娘想歌』視聴ロングバージョンが収録される運びとなった。

そしてこの曲を全力で歌ってくれるのは一航戦・加賀ことCV担当の井口裕香女史。
女史は近年歌手としての活躍も目覚しく、『迷い猫オーバーラン!』で『はっぴぃにゅうにゃあ』、『物語シリーズ偽物語:つきひフェニックス』で『白金ディスコ』、そして『戦姫絶唱シンフォギアG』では『歪鏡・シェンショウジン』、最近では『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』のOP『Hey World』と数々のアニソン及びキャラソンを手掛けており、この勢いに伴って彼女が有するやたらとカオティックハイレベルな歌唱力は周知の事実となっていたであろう。
作曲は艦これBGMでお馴染みの大越香里氏、編曲はMHFなどで知られる若林タカツグ氏が担当。

選曲が偏っている? 気のせいだ。
気のせいだ(念押し)気のせいだ(さらにもう一発)

運営公式によると、今回実装された部分は「演歌の新曲」「先行公開版」とのこと。
つまりは今後の販促次第でまた新たな艦娘キャラソンが発表されるものと考えていい。
『加賀岬』はその先攻爆撃めいた先駆けである。更なるアップデートで全容が明かされる日も近いだろう。

運営の粋な計らいにより全国津々浦々の艦隊では今日もまた、ある時は鎮守府母港で、またある時は海域ボス戦において、井口女史こと一航戦・加賀の美声が披露されている。
もし彼女の歌全体を聴きたいのならば、これからも公式の動向を注視するべきである。
つまり艦これ運営はこう謂っている。




※艦娘は歌いながらの戦闘行為などは絶対にしません。




( ゚д゚)<発端    


「第一水雷戦隊旗艦を務めた軽巡洋艦娘の第二改装」を謳い、いつも通り提督諸氏の注目を集めていたtwitter艦これ運営アカウントに、アップデート実装当日の17日午前――奇妙な変化が発生した。
アイコンが突如加賀のイラスト*1に一時的に変更されていたのである。

本作において「改二実装」以上に大きな話題になる出来事はそうそうない。
改二とはゲーム攻略の肝心要たる艦娘の更なる強化であり、作中でも実際に多大な変化が生じる。
元々加賀が正規空母でも最強の一角に位置する艦娘だけに予想妄想が飛び交い、軽く騒然となる提督諸氏。

「今回のアップデートで一番の目玉は阿武隈改二のはず」
「加賀改二が来るのか? 確定している五航戦改二もまだなのに?」
「加賀さんの対空迷彩フィギュアがワンフェスで発売するからじゃね?」
「まあ待てよ諸君。加賀さんの胸を見ろ。俺達の帰るべき場所はあそこだ。帰ろう、帰ればまた(ry」

そうこうしているうちにしれっとメンテナンスに入る艦これ運営。
アップデートが終わる頃にはアイコンも阿武隈改二に差し替えられていた。
これまでにも意味深長なアイコン変更を繰り返し、その度に期待を裏切らないコンテンツを実装してきたがために、運営が無意味に加賀のイラストを掲示するわけがない――と、提督諸氏は胸を膨らませていた。

そして誰にとっても予想外の結果が待っていた。




(;゚д゚)<実装    


加賀さんの歌う演歌新曲【加賀岬】が実装されました。
鎮守府ジュークボックスで再生リクエスト・母港曲設定が可能です。
また、今夏期間限定で西方海域までの第4海域ボス戦に実装されました。


( 廿_廿)乙 < や り ま し た


マジかよ。マジかよ……演歌かよ……
twitterをチェックしていた提督諸氏は始めに自身の目を疑い、阿武隈関連の新要素や水着グラフィックの艦娘ら・「夏真っ盛りボイス」を確認後、ジュークボックスを起動・或いは実際に西方海域第4エリアへ出撃し――
そして自身の耳を疑った。しかし疑いようのない事実だと認めざるを得なかった。


( 廿_廿)乙 < 歌 い ま し た


マジかよ。マジかよ……加賀さんが演歌歌ってやがる。しかも超熱唱。
ジュークボックスを使えば「デデン!」と衝撃的なイントロが始まり、当該エリアのボス戦でも開幕からいきなり「デデン!」とインパクトのデカ過ぎるイントロが鞘走り、母港BGMに設定したまま何だかんだで任務を済ませて戻ってみれば「デデン!」と鼓膜揺さぶる重低イントロがヘビーローテーション。

なお、海域ボス戦ではジュークボックスのショートバージョンとは異なり、最大2番の途中まで聴くことが可能。
初見ならばボスマスに辿り着いた途端歌い出す加賀さんに困惑不可避だろう。


( 廿_廿)乙 < 心配いらないわ


鎧袖一触ですか。そうですか。そうでしょうね。開幕中破して歌しかやる事ないって?
実際『加賀岬』は、感情を表に出すことが苦手ながら、一方内心では熱く滾る激情と慕情を燃やしている加賀さんの女心を謳う内容となっており、クールビューティかつ意外に情熱的な彼女にピッタリの演歌と言える。
一度でも耳にすれば、その良曲ぶりに拍手喝采したくなるはずだ。賭けてもいい。

なお、タイトルに関する話だが、「加賀岬」という名前の土地は今は実在しない。過去にはそう称される岬が存在したのだが浸食によって削り取られてしまったらしい。
歌詞中の「加賀百万石」は旧国名の石高に由来するものである。
「加賀」は能登半島(つまり石川県)の南側より半分で、南西部には同名の市が存在する。


はいはい、そうですね。
もしかすると能登さんにもキャラソンワンチャンあるかしれませんね。
ちなみに艦これを配信している、DMM.comの創業地は何を隠そう、その石川県加賀市
現在もグループの同市事業所が美岬町に所在する。……「かがみさき」だとォ!?




( ゚д゚ )<反響    


元々『艦これ』は現在の界隈に高い影響力を持っているだけあって、また以前からも空母艦娘としての圧倒的性能やクーデレ台詞などで人気を博していたことを下地に、今回艦娘「加賀」として初のキャラソン発表と相成ってから彼女のファンはますます活気に満ち溢れるようになった。
一般の消費者のみならずイラストレーターらも、加賀と同じく古参ながら初となる新規イラスト実装となる天龍の水着姿に狂喜乱舞しながらも、ほぼ毎度のことであるものの活性化。
イラスト投稿SNSでは加賀の投稿数は前にも況して跳ね上がり、『加賀岬』の絵が続々と量産されている。
一時twitterアイコンに登場していた際のイラストもCDジャケットのように取り扱われる始末。

また加賀さんのご本家こと、一航戦を始めとして数々の艦娘を手掛けた生みの親のイラストレーター・しばふ氏も、本曲を通じて彼女を端的に分析した一言を呟くほど。どうやら氏にとっても予想外の出来事だったようだ。*2
加賀さんの性格上「一航戦の実は感情の起伏が激しい方」などと結構言われていたのに加え、このように歌う時にもそのギャップが顕著となることが判明し、「一航戦の急に歌う方」とも言われるように。言いたい放題だな。
あと、加賀さんは初夏ボイスで提督から海に遊びに行く誘いを受けていたのを何故かさらっと断っていたのだが、『加賀岬』実装後は「海に行かなかったのはレコーディングで忙しかったから」とネタにされるようになった。
赤城さんのところに水着の相談に行ってたって? 知ら管。

更には『天城越え』『津軽海峡・冬景色』を代名詞とし、日本中に知らない人はほぼいない実在の大物演歌歌手石川さゆりとの掛け合わせネタ「石加賀さゆり」が動画投稿サイトで大盛り上がりを見せている。
でも、実のところ「石加賀さゆり」は2013年10月時点(艦これサービス開始より約半年経過)というかなり早期から存在していたネタであり、これまで一介のパロディだったのが一躍脚光を浴びることになったことで、むしろ方々から困惑を集めてもいる。
あとコメントに瑞鶴湧き過ぎ。その上「五航戦の急に踊る方」なんて異名まで出来てしまった。
ズイ₍₍(ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾ズイ

ようやく石加賀さゆりの時代が来たのか。
いや、時代が石加賀さゆりに追いついた、と言うべきか。
2年掛かりの伏線回収とは畏れ入った。予言者かよ……

一応付け加えておくが、井口女史が某戦姫絶唱アニメで驚愕の熱唱を披露したこともあるとは言え、艦これとその作品は実際無関係なので、適合者諸氏は無闇に絡もうとして顰蹙を買わないようにお願いしたい。
奥ゆかしさ重点である。「今更どの口が言ってんだ」とか思ってくれて構わない。
……まぁ、女史本人も実装直後のラジオで『加賀岬』の話題が出た際に、「急に歌うよ!」とオチをつけていただけに確信犯的アトモスフィアが蔓延することにもなっている。
直前の話題がシンフォギアだったからね。仕方ないね。*3

なお、「演歌というより歌謡曲じゃね?」というツッコミは当の井口女史本人もしている。
歌ってくれた本人にそう言われてしまえばお終いだなあ……




( ゚ Д ゚ )<総括    


今回のアップデートにおいて、『加賀岬』は、そのインパクト・元からあった人気の爆発的加速・結果的な話題性など、『艦これ』を取り巻く業界と向けられる人々の注目や印象、その全部を持って行ったと言える。
これから先も『艦これ』はまだまだ積極的に活動・運営を続けてゆくことだろう。

阿武隈は泣いていい。時雨も夕立もリットリオも泣いていい。
天龍ちゃんはずっとそのままでいてください。
駄目? 絶望しました。那珂ちゃんと加賀さんのファンになります。

なお、後日談として、2015/8/27にいずも型2番艦「かが」が進水した事を受け、加賀岬が家具コインなしでジュークボックスで聴けるようになり、
2015/9/7のアップデートで新母港BGMとして歌の入っていないアレンジVerとなる「加賀岬改」が実装された。
さらにアレンジされたら「加賀岬改二」とかになったりするのだろうか

そして2015/9/28に加賀岬が「艦娘想歌vol.3」に収録されることが運営から発表され、2016/3/29に発売された(3/21の艦これ春の艦祭で先行発売)。
これも限定版には手ぬぐいが付いたり、8㎝CDの限定版が発売される事が発表されたり、ジャケットの加賀さんが何故か黒百合を髪にさしてたり*4
相も変わらず斜め上の方向へと突き進んでいる。
なお、これまでの艦娘想歌はカップリングが別の艦娘のキャラソンだったが、今回は加賀岬改の歌入りVerがカップリングになったため完全に加賀さん一色である。

公式4コマでは記念すべき第100回にて加賀が那珂ちゃんから「デデン!」とステージを奪い取り熱唱。
歌い切った後はレコード(サイン付)を手売りしていた。この加賀さん、マジノリノリである。
単行本7巻では那珂ちゃんからおまけコーナーまで「デデン!」と乗っ取り…演歌の大御所を目指している事になった
間違いなく迷走している気がするが、気にしたら負け。

そして2020/12/15、『冬の女王』広瀬香美による艦これカバーアルバム「Admiral's Good Time」にて広瀬香美が歌う「加賀岬」が収録された




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     /    /⌒)|  ヽ/`/  ))
     i    / /i. |    _(⊃E)


追記修正はフルバージョンで歌って100点満点出してからお願いします。




うるせえ!
しかも「み」まで合ってるじゃねえか!!
……とか軽い気持ちでネタにしてしまったけど、キバのママを演じたお方が「加賀美早紀」という名前だった件。

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最終更新:2024年06月08日 22:54

*1 『娘type』2014年度3月号の表紙。既出のもの

*2 氏のtwitterより:「加賀さんカラオケで自分が歌ってる時と座ってる時の差が激しいパターンの人だ」

*3 ちなみにこの回では2度目の「急に歌うよ!」だった

*4 花言葉が「恋」「呪い」。恋の方だよね?呪ってないよね?