学校の七不思議

登録日:2018/03/30 Fri 09:00:13
更新日:2024/09/14 Sat 10:27:08
所要時間:約 9 分で読めます




学校の七不思議と言えば、定番中の定番の怪談である。


概要

学校…それは昼間はとても明るい場所だが、一度夜になると、全くと言っていいほど人の気配がなくなる特異な場所。
それであるが故に、「夜の学校」で起きる怪談というものは、いつの間にか自然発生していったと考えられる。
でも普通の生徒は夜の学校に用事なんてないから、そもそも怖がる理由がない気がする

なぜか「七不思議」でありながら語られている怪談の数は六つであることが多い。
それは七つ目を知った者は消されてしまうからだとか……
逆に、先生などが興味を持って集めていくと人によって七不思議の内容が違うため、10個以上の怪談が集まってしまったということもあるらしい。

怖い話の体験談などでは5~6つは下記の「よくある七不思議系怪談」であるが、最後の1個か2個が舞台となる学校の独特の構造や施設に纏わる信憑性の高いオリジナルの話……と言うケースが結構あったりする。

主な怪談

以下、場所別に見られる代表的な怪談を語っていく。

■トイレ

独特の空気もあってか、怪談の宝庫。

トイレの花子さん

最も代表的な学校の怪談。詳細は項目にて。
もはや一つのキャラクターとして独立している節もある。
「空いているはずのトイレの個室をノックすると花子さんが返事をする」というのが定番だが、その後何が起きるかは学校によって異なっている。
花子さん以外にもその家族や友人などといったお化け仲間のバリエーションが多彩。

赤い紙、青い紙、白い紙

トイレに入っていると突然「赤い紙が欲しいか、青い紙が欲しいか、白い紙が欲しいか」と聞かれ、
「赤い紙」と答えると血まみれになって殺され
「青い紙」と答えると水に沈められて殺され
「白い紙」と答えると血を抜かれて殺されるという伝説。
「赤い紙」だけのバージョンだったり、「赤と青」だけのバージョンもある。
加えて「紫」と答えると行方不明になるというバージョンも。

似たものとして「赤いちゃんちゃんこ」というものもある。
展開は大体同じでトイレに入っていると「赤いちゃんちゃんこ着せてやろうか」と聞かれ、返事をするとやっぱり血まみれにされるというもの。
また、こちらにも青パターンがあり、青いちゃんちゃんこの場合は前身の血を抜かれて真っ青にされてしまう。

紙をくれ

突然個室の中から「紙をくれ~」という声が聞こえ、それに応じてトイレットペーパーを投げ入れると、
「これじゃない、お前の髪だ!」と頭皮ごとむしり取られる、という怪談。駄洒落かよ

三本足のリカちゃん

リカちゃん人形が現れ、しかもなぜか足が3本ある。2本はビニール製だが、追加の1本は生足のよう。
拾った相手に「わたしリカちゃん、呪われてるの…」と囁きかけ、その言葉を永久にリピートさせてノイローゼに追い込むという地味に嫌な攻撃を行う。
一説によれば、追加の1本は男性器の隠喩であるとも。

トイレで大をしたことがバレると…

以降卒業まで、果ては卒業後も馬鹿にされ続けると言う怪談
え?怪談じゃない?まぁ、そうだな。男子は特に。だが意外と女子も多い。
というか最近は鍵をかけて着替えたりトイレットペーパーで鼻をかんだりといったことの方が問題視されるとか。
前者はともかく後者は紙の種類が違うので、なんで躊躇なくできるかが不思議である

■音楽室

他の教室にはないものが多いためか、割と怪談が多い

深夜に鳴るピアノ

夜中になると誰もいない音楽室からピアノの音が聞こえる…という奴。
別に大した害はない気がする。というか、深夜に音楽室に行く奴がいるのか?
派生種として、オーケストラのようになることもあるとか。

動く肖像画

バッハやベートベンの肖像画が深夜になると動く、睨み付けられる。
それを見てしまった者は存在を消され、代わりにその人の生首の肖像画が飾られる、なんてパターンも。
やっぱり深夜に音楽室に行かないと特に害はない。
どうでもいけど、理科室に有名な科学者の肖像画が貼ってあることは滅多にないのに、どうして音楽室には音楽家の肖像画が貼ってあるのだろうか。

■美術室

音楽室と同様だが人型の物が多いため怪談のネタが多い

絵・彫像

絵画の人間が幽霊になって飛び出てきたり石膏の像が動くなんてネタが定番。特にどこぞの手フェチ快楽殺人鬼にとっては勃起モノのモナリザなんかは、普通の人間からすれば色合いや顔が不気味なせいかよく怪物にされる。
絵のモデル、レオナルド・ダヴィンチ「訴訟も辞さない」

■理科室

動く人体模型・標本

骨格標本、あるいは人体模型が夜になると動き出す怪談。
動いてどうなるかは不明。あんまり呪ったりはしてきそうにない外見だが、ひょっとしてビックリさせたいだけだろうか。
そしてよく考えれば授業ではまず使わない人体模型が全国どこの学校にもあるという事実の方がよっぽど不思議である

■体育館

誰もいないのにボールが跳ねる音が聞こえる

いわゆる幽霊部員(本物)という奴である。
ボールの代わりに、生首をついていることもある。
尚、校庭に現れる場合もあり、その場合は自分の生首でリフティングやシュート練習をやっていることが多い。
目が回ったりしないのだろうか。

剣道の面と竹刀だけが宙に浮き、そのまま剣道の試合をやっている。

そのまんま。剣道の試合に勝つことなく死を迎えた人の魂だろうか。

天井に引っかかっているバレーボール

本当にアレどうして引っかかるんだろうね。あんなに高いのに。

■その他

動く二宮金次郎像

そもそも金次郎像自体が絶滅危惧種なので、この怪談もほぼ壊滅してしまったとか。
「学校創立者の像」「象の滑り台」が動くなどのバリエーションも。
ネタが人体模型と被っているので、同時に発生することはあんまりない。

真夜中の合戦

校庭で足軽達の亡霊が合戦をしている。
学校が建っている場所は、戦国時代に合戦が行われた所だと言われている。

真夜中の行進

校舎内、或いは校庭で旧日本軍の兵士達の亡霊が行進している。

プール

溺れ死んだ人がいると高確率で発生。足を掴んで犠牲者を増やそうとしてくることが多い。

増える階段

階段の怪談。12段の階段が一段ずつ数えて上がると13段になっていて、13段目を踏んだら異世界に連れていかれる、というのが定番。
エレベーターでも似たような怪談があるらしい。学校じゃ無理だけどな!



フィクションにおける七不思議

ズッコケ三人組と学校の怪談

三人組の通う「花山第二小学校」には怪談がない→なら自分達で作っちゃえ!なんて発想で七不思議ならぬ八不思議が誕生。
…だがなぜか一部不思議が実体化しだし、しかも過去実際に小学校にあった「七不思議」と8つ中6つが被っていたことが分かり、クライマックスでは…。


帝丹小7不思議事件(名探偵コナン)

1.相手を睨みつけていた美術室の石膏像
2.夜に走る人体模型
定番の「像が動く」系。

3.マスク姿の人物
「怪人」系。
その姿を目撃した歩美は近所に住む教頭先生に相談したが、翌日から無断欠勤しているという。

4.出しっぱなしのぬいぐるみ
5.階段から流れる白い煙と赤い液体
これら二つは以前から囁かれていたものではなく、調査中に発生。

学園七不思議殺人事件(金田一少年の事件簿)

1.開かずの生物室
2.手首の這い回る印刷室
3.血に染まる井戸
4.呪われた楽器室
5.知恵の女神
6.首吊り大イチョウ

7.魔の十三階段
アニメでは「七つ目を知った者は消されてしまう」に変更。

●神さまの言うとおり弐

デスゲーム物の作品であり、純粋な(?)意味の七不思議ではない。
夜中の学校を舞台に「怪異」を討伐するクエスト形式のゲーム「学校の七×七不思議」が行われた。
総数49もあるだけに「怪談関係ないじゃん!?」と言いたくなるものも多いが
  • 顔だけの巨大なベートーベン
  • 襲ってくる人体模型
  • 音波攻撃をしてくるピアノ
など、上記の怪談を思わせる怪異は多い。

学校であった怖い話

学校の怪談を題材にしたゲームで、新聞部の主人公は「学校の七不思議特集」として集められた語り手から学校の怪談を聞いていくことになる。
同じ語り手でも何番目に話を聞いたかによって大きく怪談の内容が変化し、更に選択肢によって怪談の展開が変わるためバリエーションが多い。
語り手によって「部活動」「トイレ」「恋話」などテーマが設定されているものもあるが、それ以外の話をすることもある。
七不思議特集だが語り手は会合が始まった時点で6人しかいないため、話の展開次第では7人目が来なかったり、それどころじゃなくなって会合が続けられなくなったり(ゲームオーバー)して7話集まらなかったりする。
7話目は6話目の続きになるような内容だったりすることが多いので、どちらかというと7話集まらない事の方が多い。
そもそもまともに怪談を話してくれない人もいる。

続編的な位置にある『晦 -つきこもり』はこれと同じく7話構成なのだが七不思議の話をしている訳ではなく、そもそも学校ではない。
学校ではないが近所の七不思議の話がある。

地獄先生ぬ~べ~

作中では学校内だけでも7つなんてレベルじゃない無数の怪異が勃発しているが、
最終盤で一応「童守小七不思議」にカテゴライズされる噂話があることが判明している。
いずれも過去に作中で取り扱われたもので、唯一初出の7つ目の不思議が当該話の題材となっている。
1.魔の13階段(#19)
2.恋を成就する比翼のカラス(#40)
3.未来の姿を映す合わせ鏡(#41)
4.人食いモナリザ(#34)
5.夜校庭を走る二宮金次郎像(#46)
6.夜掃除する人体模型(#16)
7.同じ学年をやり直せる桜の木(#268~270)

ドラミ&ドラえもんズ ロボット学校七不思議!?

ドラえもんズたちの在校中に授業を担当していたが、今はしまい込まれている七体のロボット達。

●消滅!学校の七不思議(ゲゲゲの鬼太郎(第6シリーズ))

犬山まなの通う中学校における七不思議。

1.血の涙を流す、美術室のデッサン像
2.笑う人体模型
3.走る二宮金次郎像
4.渡り廊下に住み着いた人面犬
5.肖像画から抜け出して、ピアノを弾くベートーベン
6.3階の女子トイレの花子さん
7.2階の男子トイレのヨースケ君

花子さんは猫娘の友達。二宮金次郎像は、砂かけばばあとはスマホで連絡を取り合う仲で、ニノと呼ばれる。
花子さんに惚れたヨースケ君が、花子さんにストーカー行為を繰り返して恐怖に陥れ、しかも嫉妬心から他の七不思議妖怪を捕らえて体育館の天井に吊り下げてしまう事件を起こしていたが、
ヨースケ君が猫娘に成敗された事で解決、その後はヨースケ君の代わりに塗り壁が七不思議妖怪に加わったらしい。
ちなみに花子さんはその後の話にも登場している。

●名探偵VS.学校の七不思議(名探偵夢水清志郎の事件簿)

武蔵虹北小学校の七不思議。
「七不思議がすべてそろったとき、人は学校に囚われる」

1.黄泉の国につながる古井戸
2.図書室にある呪いの古文書
3.目が動く肖像画
4.呪いを封じこめたあかずのロッカー
5.夜歩く資料室の鎧武者
6.壁にうかぶ落ち武者の亡霊

7.人を喰う校舎
七つ目は調査中に判明する。






×
-------- ----
| |
| |
| |
------- ----


俺の学校はこんな感じで旧校舎と新校舎が渡り廊下で繋がっている構造をしていたんだ。
ある日の放課後、俺は新校舎の〇の部分を一人で歩いていた。
ふと旧校舎の方を見ると、この図で言う×の部分に可愛い女の子がいることに気付いたんだ。
その子は窓に腕を組んでその上に頭を乗せてじっとこっちを見ていたんだ。
「可愛い子だな、何組だろう?」
俺はそう思いながら渡り廊下の方に進んでいた。

すると……

ガタガガタガタガガタガタ!


×→
-------- ----
| |
| |
| |
------- ----
〇→

その女の子は、組んだ腕をガタガタと揺らしながら、ものすごいスピードで俺と同じだけ横に移動してきたんだ!
視線はじっと俺を見つめたままだった。
「え? え?」って俺は思いっきり混乱した。
思わず歩くスピードを速めると、その子もまた、

ガタガガタガタガガタガタ!

やっぱり同じスピードで腕を組んでじっとこっちを見つめながら動いてくるんだ。
俺はもう怖くて怖くて頭が回らなくて、とにかく前に向けて全力で走った。渡り廊下に向けて。

そして渡り廊下にたどり着き、ふと旧校舎の方に顔を向けた時、俺は見てしまったんだ。



--------× ----
|↓|
| |
| |
------- ----
      〇
ガタガガタガタガガタガタ! 

女の子が、腕を組んだ同じポーズのままこっちに向けて全力疾走してきたんだ。






学校の七不思議を信じるか信じないかは、あなた次第です。
七番目の不思議を知っている人は追記・修正お願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 学校の七不思議
  • 怪談
  • ホラー
  • 七不思議
  • トイレ
  • 理科室
  • 音楽室
  • プール
  • 体育館
  • 校庭
  • 七個以上ある
  • 小学校
  • 中学校
  • 高校
  • 学校
  • ミステリー
  • トラウマ
  • 都市伝説
最終更新:2024年09月14日 10:27