登録日:2018/08/01 Wed 01:09:27
更新日:2025/03/07 Fri 20:40:24
所要時間:約 6 分で読めます
単行本は30~38巻。連載期間は2006年11月~2010年2月迄。
あらすじ
神話と自然が息づく地方、
シンオウ。
学者の家系かつ大財閥な一家のお嬢様は、家名を継ぐための儀式を行うべく旅に出る。
それは「テンガン山の山頂の石で家紋を刻んだアクセサリーを作る」こと。
当然、道中にはコトブキシティで合流するボディーガードをつけたうえで…。
一方、漫才コンビの夢を目指す
ダイヤモンドとパールの幼馴染二人は、コトブキシティで行われた漫才大会で特別賞を受賞。
その賞品として「マサゴ公園の
自転車コース一周」のチケットをもらった。
身分も目標も違う、交わるはずのない三人の運命が偶然から交わり、テンガン山への珍道中が始まったとき、シンオウ地方全体を巻き込む危機への運命も動き出した。
主な登場人物
◆図鑑所有者たち
三人ともダイヤモンド・パール版の両主人公と
ライバルの服装だが、パールとお嬢様のみ一時的に「冬服」としてプラチナ版の服装に着替えた。
●
ダイヤモンド
本章の主人公その一。
ゲームの男主人公とほぼ服装は変わらないが、目つきはより穏やか。パールからは「ダイヤ」と呼ばれる。
漫才コンビのボケ担当。その性格は極めて穏やかかつのんびりで、行動の遅さは常にパールから突っ込まれる。
しかし、決して愚かではない。バトルでは高い洞察力から相手の攻撃を受け止めて反撃する強さがある。
また、常に周囲に流されてばかり
というわけでもなく、本質はどんな状況にも動じない強いメンタルを有している。
偶然から始まったパールとお嬢様との旅を通じ、シンオウを揺るがす巨悪と対峙。芯にある強い感情で唯物的なギンガ団に立ち向かう。
●
パール
本章の主人公その二。
ゲームの
ライバルと服装は同じ。
漫才コンビのツッコミ担当。性格はせっかちかつ意志が強く、考えるよりまず行動し貫き通す。それは他者の評価にも表れ、意志が強いものを重視する。
また、父親の影響からポケモンの構えだけで相手の出す技を瞬時に見抜くことができる。このスキルとポケモンバトルへの分析力は、三人を度々助けることになる。
当初お嬢様のことを疑いながらもツアーガイドと思い込んで旅を始めたが、その勘違いと裏で動く巨悪の存在を知る。
強大な敵の存在と守るものの大きさに震えるも、強い意志を以てお嬢様を守りシンオウを救うことを決意し、ひたむきに走っていく。
●お嬢様
本章の主人公その三。
ゲームの女主人公と比べて、両手中指にはめた
ダイヤモンドとパールの指輪、そしてきつい目つきでアレンジされている。
性格は学者の家らしく勤勉かつ好奇心旺盛。だが当初は「下々の者に名前は名乗らない」として名前を二人に教えず、あまり心を開いていなかった。
また世間知らずの側面が序盤は強く、二人を護衛と勘違いした挙句、漫才の練習を「護衛の訓練」と思い込むなど、旅をみじんも疑わずに突き進んでいた。
しかし、旅を通じて世間を知っていき、また各地で挑んだジムで二人やポケモンたちとの交流を深めていく。
そして二人が本当の護衛ではないことと、シンオウに巨悪が蠢いていることを知ったとき、彼女が取った行動とは……。
◆味方勢力
●シンオウの
ジムリーダーたち
各地でお嬢様の挑戦を受ける形で戦う。原作通りの正義漢ぞろいで、
一人を除いて有事には動く使命感がある。
メリッサはダイヤに度々
フワライドを貸し、複数をまとめて運べる飛行要員を持たない三人にとっては貴重な移動手段となった。
またギンガ団が本格的に行動を始めるに際し、ナナカマド博士らの協力のもと、
一人を除いて団結してギンガ団との壮絶な決戦に挑む。
●
パカ&ウージ
お嬢様を本来護衛するはずだったボディーガードのコンビ。彼らが赤と緑のマフラーをつけていたことが誤解につながった。
三人を追いかけるがそれもまた誤解を招き、互いに互いを悪人だと思い込んでしまう。
ボディーガードとしての能力やバトルの腕前は優秀で、
山本先生がギャグチックにデザインしたことを後悔するほどの渋い活躍を見せる。
だが、トバリシティにおいてダイヤとパールと共にギンガ団の襲撃を撃退。バトルのテクニックも伝えた。
これでパールの誤解も解け、今後の旅の方針を話し合おうとしたが、ギンガ団の攻撃で「この世から」消滅してしまう。
このことは三人の心に深く残ることになる……。
●
シロナ
シンオウのチャンピオンであると同時に考古学者。原作通り冷静さと茶目っ気と実力を併せ持つ女傑。
ギンガ団の悪事を早期に察知していたが、一方で圧倒的な組織力を有する敵と正面から戦うことは出来ずにいた。
中盤、故郷のカンナギタウンが荒らされたことやギンガ団の本格的侵攻の開始に伴い、その本丸を叩こうと単身トバリシティへと乗り込む……。
◆敵勢力
●
ギンガ団
本章の敵組織。ダイレクトアタックこそ少ないが、組織力はロケット団に匹敵し、誘拐などの犯罪行為も躊躇しない。
また「SHITAPPAたち」には個々の意思がないという、ある意味恐るべき特徴がある。更に三幹部以外にも幹部はいるらしく…?
○
アカギ
ギンガ団のBOSSにして、本章の
ラスボス。
不完全な心を忌み嫌っており、その行動は合理性と狂気に満ち溢れている。そして自分に逆らういかなる障害に対しても手抜かりはしない。
ポケモンバトルの実力も非常に高く、手持ちのポケモンにひとたび指示を送れば地形を軽く破壊し、気候を激変できる程度の強さを有する。
その目的は、「完全」な世界の創造。しかし、死闘の果てに招かれたものとは……?
○マーズ
三幹部の一人。無邪気で残虐な性格をしている。
その気の赴くままに悪事を行い、自分の行為に一切の罪悪感を覚えていない。原作通り電気を奪うために発電所を襲撃し、ギンガ団の中では最初に三人と戦った。
○サターン
三幹部の黒一点。
とにかく外に出ることを嫌がり、遠隔カメラとマイク・スピーカーを搭載した小型ドローン「シャカピー」を好む。外に出ても小型カプセルに籠り切り。
子供っぽい性格をしており、一敗地に塗れたパカ&ウージを怒りに任せて「極限の恐怖」へと追い込むべく、未完成の装置を用いて二人をこの世から追放した。
○ジュピター
三幹部最強の武闘派。
その実力は自ら「真打ち」と言い放つだけあって高い。アカギへの強い忠誠心で、無慈悲に敵を排除する。「しぜんのめぐみ」を用いた多彩な攻撃が得意。
作風について
図鑑所有者三人はバトル面で何かに当初から秀でているわけではなく、特殊能力も持っていない。
唯一特別な力と言える、パールの技を見抜く能力も後天的なものであり、「普通の子供が運命に巻き込まれ成長していく」ことに拘ったようだ。
特徴的なのは、
ゲームと同じく中盤で図鑑所有者三人が別行動をとる際、三人それぞれの視点での物語が展開する点。
図鑑所有者が別々の視点から同時並行に物語を進めるのは、
第4章等と類似しているが、三人の視点が分離し二巻分以上それが続くのは、現在まで唯一の展開である。
主人公二人が漫才コンビであることから、作中でも小ゴマで漫才をする演出が入る。それ以外も「天丼」というべきコミカルな演出が多い。
それらが浮かないよう本章の雰囲気を明るく保つためか、前章までよくあったダイレクトアタックの頻度は低い。
しかし、パカ・ウージの消失など、シリアスな部分が全くない
というわけではない。終盤では互いが倒れるまで続く壮絶な戦いへと発展していく。
連載についての補足
当初は第三世代と同じく学年誌三誌でスタートし、その後プラチナの発売に伴い一部の雑誌連載を第8章へと移行…したまではよかったのだが、
もう少しで
ブラック・ホワイトが出て最終盤に入るという段に至り、2010年3月をもって「小学五年生」と「小学六年生」が休刊になってしまう。
このため二冊に連載していた第7章は打ち切りとなり、終盤の展開の一部を単行本で書き足すことになった。
前章の単行本発刊遅れと、この時の連載ストップは単行本のスケジュールに多大な影響をもたらし、後の章でも描き下ろし展開が増加することにつながった。
追記・修正をお願いします。
- 作成乙です。後々判明するけど、まさかこの三人とシンオウ以前の図鑑所有者とはかなり年が離れているとは夢にも思わなかったな -- 名無しさん (2018-08-01 01:49:39)
- ボーイミーツガール度が凄い高くて好きな章 -- 名無しさん (2018-08-01 09:59:27)
- 御三家が最終進化するのが早かったけど章自体が長いせいかコミカルな描写があるのが嬉しい、ドダイトスになっても基本的にのんびりしてるるーとかゴウカザルになっても他の人やポケモンの言動にびっくりしたり呆れるサルヒコとか -- 名無しさん (2019-11-17 22:13:18)
- DPリメイク来たら成長したシンオウトリオが見たい -- 名無しさん (2019-11-25 23:17:05)
- ポケスペの章の中で一番「子供が子供らしい扱いを受けてて大人に守られてる」章だと思う。 -- 名無しさん (2021-01-04 20:19:24)
- 悪の組織のボスと和解したのはシンオウ組だけだよね -- 名無しさん (2021-01-19 20:00:07)
- HGSS/ORAS編から何年後の時系列なのか気になる -- 名無しさん (2024-12-01 18:52:46)
最終更新:2025年03月07日 20:40