第4章 ルビー・サファイア編(ポケットモンスターSPECIAL)

登録日:2018/07/23 Mon 00:25:11
更新日:2025/03/24 Mon 21:48:38
所要時間:約 5 分で読めます





漫画ポケットモンスターSPECIALの第4章。ゲームのルビー・サファイア版の世界をベースにしている。
単行本は15~22巻。連載期間は2002年12月~2006年8月迄。

あらすじ

自然豊かな地方、ホウエン。そこに引っ越してきた少年ルビーは、引っ越し初日にして自分の誕生日という日に家出してしまう。
彼はバトルを追い求める父・センリへの反発から、美しさを追い求めポケモンコンテストを制覇して認めさせようと考えたのだ。
だが、旅が始まって早々強さを追い求める野生児の少女サファイアと出会い、喧嘩の挙句「80日間でお互いにコンテストとジムを制覇する」という冒険競争をすることになってしまう。
かくしてバラバラに旅を始めた二人だが、同時にホウエンでは二つの組織が蠢いていた。
二つの組織によりもたらされる危機の中、二人の旅と戦いが交差した時、本当の価値とは何かが問われる。

主な登場人物

その他脇役は「ポケットモンスターSPECIALの脇役」の項目を参照。

◆図鑑所有者たち

二人とも当初はルビー・サファイア版の主人公の服装だが、後半でエメラルド版の服装に着替える。

ルビー
本章の主人公。ゲーム版の男主人公とは、時たま掛ける眼鏡で容姿上の差別化がなされている。あと初登場時のまつげ
このころはとても頑固な性分で、明白な危機に晒されていても人前では戦いたがらなかった。
そして素直な正義感を持ってはいるが、戦いを見せたくないあまり薄情な態度をとり、周囲に誤解される。
また「美しさ」を追い求めているものの、それ故に手持ちに加わったポケモンの容姿に対し酷評することも。
旅自体はコンテスト制覇を目指すはずであったが、いつしか超古代ポケモンを巡る二大組織の活動に巻き込まれていく。
一方、戦闘能力はとても高い。なぜそこまで戦いを見られたくないのか、それは彼の忘れられない過去に理由があった……。

サファイア
本章のもう一人の主人公。ゲーム版の女主人公とは、容姿では八重歯で差別化されている。
縦断連載という形式を生かし、一部の学年誌では彼女視点の回が連載されていった。
この時期では野生児としての感覚が全開で、初登場時は葉っぱとツタしか身に着けていなかった。
オダマキ博士の娘なのでポケモンの知識は豊富で、その知識とパワフルな身体能力で道を切り開き、ジムリーダーや敵との戦いに挑む。
性分としては隠し立てがとても苦手で、口調は筑肥方言に近い。都会育ちのルビーとは行動や口調がまるで真逆である。
そんなサファイアもまた、二大組織との戦いに巻き込まれ、ホウエンの危機を救おうとするが、彼女だけの力では太刀打ちできず……。

◆味方勢力

センリ
ルビーの父にしてトウカジムリーダー。
高い実力を誇り、そのストイックさは度々周囲の誤解を招く。
物語の前半では家出したルビーを自力で探し出そうとしており、彼からは恐怖の存在として扱われていた。
その厳しさの奥に秘められた思い、そして高い実力にもかかわらずジムリーダーとして新米な理由とは……?

ダイゴ
ホウエンポケモンリーグチャンピオンであると同時に、大企業「デボンコーポレーション」社長の御曹司。
来るべき危機に備えて父と協力して行動を開始しており、ホウエンの壊滅を阻止するべく自らの命を賭けて戦う。

●ホウエンのジムリーダーたち
ジム制覇を目指すサファイアとそれぞれ戦っていた。またミクリナギはそれぞれルビーとサファイアに師事された。
しかし、二大組織による危機が明白となり団結する必要に迫られ、ナギがリーダーとしてまとめようとする。
だが、超古代ポケモンと二大組織の力に大苦戦を強いられる……。

ミツル
トウカシティにて、ルビーにポケモンの捕獲に協力するよう頼んできた少年。
だがカクレオンを捕獲した直後、ルビーが地割れに巻き込まれてはぐれてしまう。
このときルビーの手持ちであるRURU(ラルトス)を預かったままになっており、そのままルビーとは再会できないままキナギタウンに住んでいた。
しかしホウエンが危機に陥る中、彼は漂流するカバンから図鑑とキモリを手にする。
所有者ではないにせよ図鑑を手にしたことで、彼もまた運命へと巻き込まれていく……。

◆敵勢力

マグマ団・アクア団
本章の二つの敵組織。それぞれ三人の幹部を有する。
やはりゲーム版と比べて犯罪行為が過激化しており、多くの人々を傷つけながらそれぞれの野望を実現しようとする。

●マグマ団
目的は大地の拡大のためグラードンを目覚めさせること。
そのために大地の活動を活発化させ、また超古代ポケモンを操る「宝珠」を探していた。組織の統率はないに等しく、気ままに破壊活動を行う。
制服のツノには「記憶を記録できるライター」という仕掛けがある。これで情報共有し組織としての体を保っているようだ。

マツブサ
マグマ団の頭領。
組織の活動を体現したかの如く、豪快な性分で自由気ままに部下に任せている。
しかし、グラードンを復活させたのちにその力に飲み込まれ、理性を失っていく。

マグマ団三頭火
ゲームと同じ名前の幹部二人と、オリジナルデザインの幹部が一人で構成。

カガリはとにかく焼き尽くす攻撃を得意とし、きのみの知識にも精通している。ルビーに興味を抱き、その過去を調べていく……。
ホムラは煙で相手を昏倒させる戦術が得意。その煙の後遺症はかなり長引く。えんとつ山停止時はアスナと共闘した。
オリジナルデザインのホカゲは、炎の高熱による幻覚攻撃を得意とする。この幻覚はジムリーダーすら手玉に取るほどの強さを誇る。


●アクア団
目的は海洋の拡大のためカイオーガを目覚めさせること。
そのために大地の活動を抑えようとしており、またテレビ局に入りこんでマグマ団の活動を抑制させていた。
組織の規律は厳しく、失敗したものは切り捨てられる運命にある。

アオギリ
アクア団の総帥。
その気質は冷酷の一言。目的のために不要と判断すれば誰であれ切り捨てる。
そしてそのままカイオーガの暴走に飲み込まれていき……。

○SSS(スリーエス)
ゲームと同じ名前の幹部二人と、オリジナルデザインの幹部が一人で構成される。

イズミは「しぜんのちから」を生かした変幻自在の戦術が得意。自信家な性格でアクア団の中では最初にサファイアと戦った。
ウシオは理詰めで相手を嵌める戦法をとる…が、肝心なところで詰めが甘くアオギリには真っ先に切り捨てられた。
オリジナルデザインのシズクは独自の戦法が描かれていない。忠誠心に厚く、自分たちがマグマ団に出し抜かれていることを見抜くが……。


作風について

後の章と比べても、ダイレクトアタックの激しさと流血の多さが際立つ。

前の章で述べた通り、ジムリーダーや四天王といったゲームでの善なる立ち位置のキャラクターが悪に立つことはない。
その代わり、主人公二人のキャラ付けがとても濃い。
以降の章でも図鑑所有者たちのキャラ付けがストーリーを動かす、「群像劇」としての作劇がメインとなっていく。

またこれまでの三つの章では互いのつながりがはっきりしており、多くのキャラクターが章をまたいで登場していたが、この章からは再登場のケースが減った。
ただ互換性が切られてしまった原作ゲームと違い、第4章も以前の章とのつながりがうっすらと示されており、
後に二人の主人公は第6章で先輩たちと対面することになる。


連載についての補足

雑誌掲載時のタイトルは当初「ルビー・サファイア編」だったが、主人公二人の衣装チェンジに合わせて「ルビー・サファイア・エメラルド編」となっていた。
当初は今まで通り三誌縦断連載であったが、途中でゲーム新作発売に伴い第5章・第6章がそれぞれの学年でスタート。
いわば「縦断連載」から「並行連載」へと変わったのである。
この形態になったことで、「最新の章は既に単行本分のストックがあるのに、前の章を単行本化し終わるまで単行本にできない」というジレンマが発生する。
また、これに伴いこれまでの章で恒例であった「各学年の最終回」
(第1章でいえば、「シルフカンパニーでの決戦」「ミュウツーとの対決」「ポケモンリーグでの最終決戦」がそれぞれ各学年の最終回であった)という構成がなくなる。
ただし、学年誌という形態ゆえの「3月号で一旦締める」という構成はそのまま。



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