女武闘家(ゴブリンスレイヤー)

登録日:2018/10/13 Sat 21:18:26
更新日:2025/04/16 Wed 12:06:07
所要時間:約 5 分で読めます






父さんがあたしに遺してくれたこの体術で沢山の人を助けるために…!


画像出典:アニメ「ゴブリンスレイヤー」第1話より
©蝸牛くも・SBクリエイティブ/ゴブリンスレイヤー製作委員会



女武闘家とは、『ゴブリンスレイヤー』に登場する人物。CV:石上静香

●目次

◆概要



女神官が初めてパーティーを組んだ女性の一人。他の『ゴブリンスレイヤー』のキャラ同様に職業名で呼ばれ、正式な名前は不明。

ポニーテールに束ねた黒髪と武闘着*1が特徴的な少女。
小柄な体格ではないと同時に、同パーティーだった女魔法使いほどではないが巨乳でもある。

勝気そうな雰囲気を出しているが、冒険家になった理由や作中での女神官への態度から心優しく明るく活発な女の子である事が分かる。
青年剣士に対してはやや粗暴な口調だが、これも彼との関係を考えると「ツンデレ」というところ。

幼い頃に父親から武術を学び、後に父親は亡くなったようだが、受け継いだ武術で多くの人々を救うために冒険者となった。
その武術は鍛え抜かれた鮮やかな格闘技となっており、本人も小説版では「ゴブリンに敗れるはずがない」と自信を見せていた。

パーティーを組んでいた青年剣士とは同郷であり、互いに仲良く口喧嘩する関係だった。青年剣士に対するブレーキ役のポジションだったともいえる。
小説版では青年剣士に対して「憎からず思っていた」と表現されており、彼が死んだ際には顔面蒼白になっていた。

現時点では物語の最序盤に描かれた、女神官の(冒険者としての)最初の冒険の同行者の一人として登場しただけで、
それ以降登場していないモブキャラなのだが、その悲惨すぎる体験と末路からよく話題に上がる。


◆作中での活躍



冒険者になりたての女神官に声を掛けてきた青年剣士のパーティーの一員として登場。
冒険への同行を受け容れた女神官を入れた4人のパーティーでゴブリン退治に向かう。

ダンジョン突入後は、青年剣士、女武闘家、女魔法使い、女神官の順にほとんど縦一列の隊形を取り、
女武闘家は前を行く青年剣士と仲良く口喧嘩しながら進んでいたが、おしゃべりに夢中になりすぎて後ろの二人が遅れていることに気付けず、
そこに後衛二人がゴブリンたちの壁抜きによる不意打ちを喰らい、応戦した女魔法使いはゴブリンの毒武器による攻撃で戦闘不能に陥ってしまう。
残る女神官も絶体絶命に陥ったところでようやく異変に気付いた女武闘家は、青年剣士と共に彼女たちの援護に向かうが、
青年剣士は何匹かゴブリンを殺して“血に酔った”ことで目の前のゴブリンにしか注意が向かなくなっており、
女武闘家の「協力して戦うべき」という言葉も聞こえないままに剣を振り回した結果、洞窟の壁に剣を引っ掛けて取り落としてしまう。
そして彼は武器を失って無防備になったところを瞬く間に引き倒されると、ゴブリンどもに寄ってたかって切り刻まれ、惨殺される末路を辿った*2
漫画版およびアニメ版では、青年剣士が遮二無二長剣を振り回していたため、女武闘家は援護しようにも振り回す長剣が危険で手を出せない状況になっていた。

憎からず思っていた青年剣士が惨殺される様を直視した女武闘家はかなりの衝撃を受けるが、闘志と冷静さを失うことはなく、
重傷を負った女魔法使いと彼女を奇跡で癒している女神官に撤退指示を出し、彼女らが逃げられるだけの時間を稼ぐべく、一人でゴブリンたちに立ち向かう。

女武闘家は鍛え上げた格闘技を用いて、何匹かのゴブリンを絶命させる活躍を見せるが、
ゴブリンたちの後ろから現れた体格が大きいホブゴブリンに回し蹴りを受け止められ、足首を掴まれる。
振り払おうとするもホブゴブリンの強力な握力には敵わず、軽々と持ち上げられた上に、怪力で洞窟の壁に叩き付けられて悶絶。
さらにもう一度、壁に受け身も取れない状態で叩き付けられ、身動きが取れないほどのグロッキー状態にされて敗北した。

こうして抵抗できなくなった彼女をゴブリンたちが見逃すはずもなく、群がって執拗に棍棒で打ち据える追い打ちを加えられた末、
装備や衣服を破り捨てられ、群がったゴブリン達に強姦・輪姦される最悪の結末を迎えた。*3
おぞましい凌辱に最早恐怖の悲鳴を上げるしかできなくなった彼女だったが、それでも残る仲間たちのことを考え、
悲鳴を上げつつ女神官に「はやく、にげて」と伝え、ゴブリンたちが自分への凌辱に夢中になっている隙に自分を見捨てて逃げるよう促した*4
余談だが、漫画版ではこの時の描写に乳首まで解禁されて描かれている*5

女武闘家の身を挺した時間稼ぎもあり、女神官は女魔法使いを連れてその場をなんとか離脱。
ゴブリンどもが女を見逃すはずもなく、その後しばらくして女神官たちは追っ手に捕捉されてしまうが、
同じゴブリン退治の依頼を受けて現場に来ていたゴブリンスレイヤーによって、女神官は間一髪で助けられた。
しかし、女魔法使いはゴブリンスレイヤーと合流時には既にゴブリンから受けた毒が全身に回りきっており、
容体を見たゴブリンスレイヤーに手遅れを告げられた女魔法使いは薄れる意識の中「殺して」と願い、ゴブリンスレイヤーに介錯される最期を迎えた*6
そして、女武闘家を心配した女神官は、ゴブリン退治に向かうゴブリンスレイヤーに同行を申し出、彼女が凌辱されていた現場に向かうが、
すでにそこには女武闘家どころかゴブリンどもの姿もなく、絶命後もズタズタにされて人とも思えぬ血と臓物の肉塊となった青年剣士の遺体*7
ゴブリンどもの暴虐・凌辱に晒された女武闘家が巣の奥に引きずられていったことを示唆する血の跡が残されていた。

ゴブリンの性質から考えると、女武闘家は凌辱を受けても絶命はしておらず、ゴブリンどもに虜囚として引きずられていったと推測され、
時がさほど経っていないこともあり、生きていることを願って女神官はゴブリンスレイヤーに協力し、ゴブリンたちを退治しながらついに巣の奥に到達する。
そこで女神官が見たのは、生きてはいるものの、行動不能にされた上で散々ゴブリンたちに嬲られ犯され、虚ろな目で転がされている女武闘家の姿であった。
この時、漫画版およびアニメ版ではポニーテールが解けた裸靴姿で汚液に塗れて涙を流す状態となっており、涙ながらに女神官に抱きしめられているが、
小説版では女神官がその変わり果てた様子を見て、あまりのショックに嘔吐するのみに終わっている*8

漫画版およびアニメ版では、救出された後、彼女よりも前にゴブリンに攫われて“孕み袋”兼玩具とされ、
凌辱と拷問に晒されたであろう他の娘と共に馬車で運ばれている様子が描かれている。
布に身を包んだその姿は目が虚ろとなっており、精神が完全に打ち砕かれてしまったことが見て取れる。

画像出典:アニメ「ゴブリンスレイヤー」第1話より
©蝸牛くも・SBクリエイティブ/ゴブリンスレイヤー製作委員会

仲間の死のショックもあって故郷に引き籠った様子だが、父親もいない上にゴブリンに強姦されて夢も破れた女武闘家のその後は、想像するのも苦々しい人生になるのは間違いない。
また、彼女を犯したゴブリンたちに避妊の概念などあるわけがないので、運が悪ければゴブリンの仔を孕んでいるかもしれない。
ただし、『ゴブリンスレイヤー』の世界では、ゴブリンに女性が虜囚とされ、“孕み袋”もしくは玩具にされるのは「よくあること」であり、
女武闘家のような地獄を味わった女性や、貞操のみならず命まで奪われてしまった女性は、特に珍しい存在というわけではないのだ。


一応生存しているので、今後再登場する可能性もなくはないが、完全に精神が崩壊している姿を考えると、それは低いだろう。
何せ、雑魚と思っていた魔物相手に憎からず想っていた異性の仲間を惨殺された上に、仲間を庇って単身立ち向かうも慮外の大物に返り討ちにされ、
身動きできないところを雑魚の魔物共に寄ってたかって純潔・貞操を奪われ、性玩具として嬲られる地獄を味わい、
生き残りはしても「ゴブリンに性玩具にされた」という最悪の記憶とその風聞がついて回る
という、
あまりにも凄惨すぎる末路を迎えたのだ。

想い人を喪い、冒険者として活躍するはずだった輝かしい未来まで完全に閉ざされた彼女の結末は、
たった一度の油断と失敗が招いたものとしては、あまりにも重く、救いのないものだと言わざるを得ない。

ちなみに、女神官は女武闘家(ひいては青年剣士パーティー)の末路を「忘れがたいもの」として記憶しており、
8巻では女魔法使いが埋葬された墓を訪れて近況報告などをしていたが*9、女武闘家に関しては「会いに行くことはできていない」という*10

AA版では『ダイの大冒険』のマァムのAAが割り振られて登場している。
こちらでは女神官がゴブリンスレイヤーと合流した後の登場なので*11女神官がいない3人パーティーとなっており、
失敗例としての概略程度の扱いなので特に目立った描写もない。
ちなみにAA版の初登場シーンである、ギルドでゴブリンスレイヤーとニアミスする場面は小説版以降は別のパーティが割り振られており、
そちらは小説版ではAA版と同じく未帰還だったが、アニメ版では成功例としての役割も割り振られたため無事に生還している


◆備考



上述の通り、『ゴブリンスレイヤー』と言う作品の世界観と女性から見たゴブリンの恐ろしさを示す役割を任されたと言えるキャラ。

容姿も美女の部類に入る上に、性格も完全な善人であるキャラクターが化物に汚されてしまう様子に心が痛んだ人は多いはず。
ゴブリンに襲われて再起不能になったのは女魔法使いも同じだが、こちらは強姦まではされなかった(瀕死の状態でされかけたが)ので、尚更存在感が強い。

漫画版ではレイプ描写を初めとして全体的に描写が強化されているので、救われなさが一層増している。
アニメ版でも漫画版と同様のレイプ描写が放映された上に、石上静香氏の熱演も合わさって、初見視聴者からは悲鳴が飛んだ。
メタな視点で言うと「ホラー映画とか宇宙戦争映画の冒頭のモブ」的な立場なので、救われないのは当然と言えば当然なのだが……。

実際なところ、パーティーの中では一番戦闘技術や判断力などは優れていた方だろう。
想いを寄せていた青年剣士が残虐に殺害されても泣き喚いたり冷静さを失ったりせず、気丈に振る舞って応戦しつつ状況を考えて撤退指示を出す、
身動きが取れないほどの怪我を負い、その上でゴブリン共から凌辱されながらも、自分を囮として逃げるように(ゴブリン共に気付かれないようにしつつ)仲間を促すなど、
新米ではあったが、冒険者としての素質は備わっていた。
「新米故にゴブリンを甘く見ていた」という事実は否定できないかもしれないが、それでも、女武闘家が囮としての役割を遂げたからこそ、
結果として女神官がゴブリンの手に掛からずゴブリンスレイヤーと巡り合う運命に繋がり、
その後の彼女がゴブリンスレイヤーや仲間たちと共に多くのゴブリンを退治して、ゴブリンの脅威に晒された村や街の住民たち、
虜囚とされて彼らに直接凌辱・暴虐の限りを尽くされた女性たち(全員とはいかなくとも少なくない人数)が命まで奪われる前に救われたことを加味すると、
劇中世界の住民たちや、ひいては作品全体で考えてみても、彼女は決して無視できない功労者なのは疑いようのない事実でもある。
もっとも、女武闘家本人は、救出後の精神が破壊された心境で囮となった行動と結果をどのように思っているのかは定かではないが。


また、物語の冒頭で全滅の憂き目にあったからといって、彼女たちを実力不足とするのは早計である。
というのも、後に発売されたTRPG『ゴブリンスレイヤーRPG』で彼女たちを再現した場合、
斥候不在という欠点こそあれ、真っ当に戦えていればゴブリンたちに負けるような能力ではないデータとなる。
さらに、パーティの人手が足りないことを自覚していたからこそ、追加メンバーを募集した結果が女神官の加入であり、
ゴブリン退治を優先したのも、退治が遅れればそれだけ被害が拡大してしまうことを考えれば間違ってはいない。
加えて、彼女たちが全滅する直接的な原因となったのは、知識・経験不足故に設置されていたトーテムの理由に思い至らなかったことと、
こちらの襲来を察知し、壁抜けを利用してバックアタックを狙ってきたゴブリンどもに気付けなかったことだが、
これをTRPGセッションに置き換えるなら、「GMが奇襲を示唆するために用意した判定を悉く失敗してしまった」という、
いうならば死のピタゴラスイッチが起こってしまったダイス事故の産物のようなシチュエーションとなる。
言い換えれば「実際のセッションでも十分に起こり得る事態」であり、TRPGが元となった本作の世界観においても「誰もが遭遇しかねない事故」なのだ。

原作者である蝸牛くも氏も自身のやる夫スレ等で「どこかで少し動きが変われば彼らは生き残るが、本編ではそうはならなかっただけ」という旨の言及をしており、
実際に作者自身がスレ上で行った二次創作ネタでも彼らが生き残る展開が描写されるエピソードを投稿してもいる。


◆余談



担当声優である石上静香氏は『ゴブリンスレイヤー』と同じく2018年秋に放送されたアニメ『転生したらスライムだった件』の第3話になんとゴブリン役で出演している。
ゴブリンに辱められた役を務めた石上氏が同時期にゴブリン役も務めるとはなんとも業が深い。

割とリアル寄りでシビアな世界で、徒手空拳オンリーで戦うのは大変そうだが、この世界の武闘家は極めれば邪魔する奴を指先一つでユワッシャーできるらしい。

一例として、後に発売された「ゴブリンスレイヤー外伝 イヤーワン」では元冒険者だったギルド職員の女性が登場し、
徒手空拳でツボを突いて敵を内部から破壊する、暗器として仕込んだ鎖を操って敵を蹂躙するなどの卓越した動きで、ゴブリンの群れを単騎で無双する姿が描かれている。








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最終更新:2025年04月16日 12:06

*1 余談だが、漫画版及びアニメ版の絵面だとこの武闘着が破かれる時に即座に一糸まとわぬ姿を晒してしまっており、武闘着の下にしっかりとした下着を着用していないようにも見える図になっている。某金床エルフのようにはいてないつけてないのかもしれない。

*2 青年剣士は懐事情の問題や見栄えを気にして簡素な胸当てしか装備しておらず、故に無防備な頭などへの攻撃ですぐに致命傷を負ったと推測される。全身とはいかなくとも、せめて頭や腹部にも防具を装備していれば、引き倒された後もすぐには落命せず、もしかしたら女武闘家が救援に入るまで持ちこたえられたかもしれない。

*3 そもそもゴブリンどもにそのような配慮を求める時点で間違っているが、女性の心身など斟酌しない性的暴行(前戯を省いた強制挿入)を受けた女武闘家の激痛・絶望は壮絶なものであったことは想像に難くない。ましてやこの時点まで純潔であったのなら、そのダメージは計り知れないだろう。

*4 悍ましい凌辱・拷問を受けながらも仲間を庇う、彼女の健気な姿勢に心を打たれたファンも多いことだろう。

*5 漫画版に忠実なアニメ版の描写では、放送規制の都合か乳首の描写は避けられているほか、ガンガンオンライン掲載時でも同様に乳首が消されている。

*6 原作では短い声を挙げた後に血の泡を吹いて死亡、漫画版では安楽とした死に様だが、アニメ版では最期まで苦しみ続けた形相のまま亡くなっている。

*7 漫画版およびアニメ版では腕の一部が遺されている。また、彼の遺体を見た女神官は、人間のそれとは思えないほどに無残な有様に、彼に冒険に誘われた時のことなどを遠い昔のように感じながら、その場に跪いて吐いてしまった。

*8 こちらでは挿絵一枚に「おぞましい行為を受ける」程度の簡易な描写のみで、女武闘家の状態の詳細は描写されていない。

*9 6巻にて女魔法使いの弟が登場。この弟の一件の後、とある依頼で都の方に赴いた際に、初めて彼女の墓参りをした。

*10 曰く「会う勇気が出ない」とのこと。

*11 というよりAA版は女神官とゴブリンスレイヤーが最初からパーティを組んだ状態で登場しており、そもそも当初はストーリーの繋がりが薄い小ネタのような内容だった。本格的に物語の体裁を取ったのは妖精弓手らの登場以降の話である。