登録日:2019/03/25 Mon 01:44:00
更新日:2024/07/11 Thu 18:17:58
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二童子とは、
東方Project第16作『東方天空璋』の登場人物である
丁礼田 舞 と
爾子田 里乃 の総称である。
同作ではSTAGE 5ボス及びRevenging Stage (エクストラステージ)
中ボスを務める。
なお、舞のみ同作のSTAGE 4中ボスも務めている。
両者の登場自体はないものの、書籍作品
『東方香霖堂』、
『東方三月精』、
『東方茨歌仙』では主人とともにその存在について言及されている。
【概要】
英語表記 |
Teireida Mai |
|
Nishida Satono |
種族 |
人間 (?) |
二つ名 |
危険すぎるバックダンサーズ |
能力 |
後ろで踊る事で生命力を引き出す程度の能力 (舞) |
|
後ろで踊る事で精神力を引き出す程度の能力 (里乃) |
テーマ曲 |
クレイジーバックダンサーズ |
後戸の秘神・
摩多羅 隠岐奈に仕える二人の少女。
元は普通の人間の子供だったが、隠岐奈の魔力により既に人間では無くなってしまっている。
人間だった頃の記憶は殆ど残っていないため、日々を楽しく踊り狂っているという。
彼女からあらゆるものの潜在能力を無限に引き出すための能力を授けられており、『天空璋』ではこの能力を使って文字通り“暗躍”する事で幻想郷の四季を狂わせた。
つまりはこの
“四季異変”の実行犯なのだが、元来軽い性格の当人達には自分達が異変を起こしたという自覚はないようだ。
二人から見て隠岐奈は上司にあたるのだが、彼女の事はなぜか
“お師匠様”と呼ぶ。
【生命力担当・丁礼田 舞】
予想外は人生の最高のスパイスさ。君もそう思うだろ?
深緑のエプロンドレスに身を包んだ、左手に竹を持った少女。
頭には風折烏帽子を被っていて、サイドヘアを腰まで伸ばす一方で後ろは短く揃えている。
一人称は「僕」 (ここ重要) で、中性的な口調で話す。ただ、発言の端々に子供じみた面が見られ、日焼けした
チルノと
矢田寺 成美の両者を暴走させて争わせた際には
「ぷぷぷー」と思わず笑みをこぼしている。
竹を割ったようなスパッとした性格で、行動力があるが脇が甘い点が見受けられる。。
実際に『天空璋』では里乃や隠岐奈に先立って自機勢と交戦しているが、その時に自らの能力で暴走させた成美の背中の“扉”を残しておいた事で自機勢が
後戸の国と呼ばれる異界に突入する結果を招いている。
さらに今回は幻想郷の維持に欠かせないため代替が利かない
博麗の巫女や、度胸はあるが力が絶対的に足りないおもしろ妖精、仕舞いには
種族ぐるみで敵対関係にある天狗まで本拠地に引き込んでしまっている。そのことから里乃からは
「おっちょこちょい」とぼやかれ、隠岐奈に至っては
(里乃ともども) 「ポンコツ二人組」と称されている。
隠岐奈に
洗脳されているが前述の通り性格はそのままのため、誤ってチルノや文を隠岐奈の元に通してしまった舞は隠岐奈に怒られるだろうことを聞くと
「げー!嫌だなぁ」と素の感情らしきものを示している。
なお“丁礼田”というのは厳密には苗字というよりは生命力を司る舞の役職名としての性格が強いようだ。
【精神力担当・爾子田 里乃】
鮮やかなマゼンタのエプロンドレスを身に纏った、右手に茗荷を手にした少女。
彼女も風折烏帽子を被っているが髪型が少し違い、里乃はサイドヘアこそ腰まで伸ばしているが後ろはセミショートにしている。
一人称は「私」で、『天空璋』では先走ってドジをする舞を諫める言動が目立った。
このように舞に比べると落ち着いた性格ではあるが自信過剰なところがあるという。2019年現在は里乃に関する描写がまだ少ないため詳細は不明瞭だが、東方公式ムックの『東方外來韋編』では
ZUN氏が彼女の性格を
「訳の分からないおっとり系」と表している。
飄々とした掴みどころがない物言いをするが暗黒
テストの不合格者や天狗には辛辣な言葉を返す。また手段は不明ながら離れた場所にいる隠岐奈と通信する事が可能で、舞がおもしろ妖精や天愚の記者を隠岐奈のもとへ向かわせた事でお叱りを受けている。
“爾子田”という呼称もまた厳密には里乃の役職を示しているようだ。
【能力】
どちらも他者の潜在能力を開放する、いわば
バッファーとしての能力を持つ。
これらの能力は本来隠岐奈の持つ多彩な力の一つに過ぎないが、舞と里乃は与えられた力をフルに活用して幻想郷全体の妖精や精霊、神霊を暴走状態にした。自然その物の化身たる妖精達がこぞって暴れ出した事により、
博麗神社では梅雨明けに桜が満開になるような異常事態が起こった。同時期に魔法の森は雪が降り積もり妖怪の山では紅葉が散ったが、人間の里や太陽の畑は例年以上の猛暑に見舞われた。これが四季異変の全容である。
作中の
ラルバや成美の様子からすると、背中に扉を作られた者は後ろで二童子が踊っている事や
そもそも自分の背中に扉が生じている事にすら気付かないようだ。これは扉からとめどなく放出される膨大な魔力の影響を受けた対象者のテンションが上がっているためだと思われる。ただし、その状態でも背中から発生する熱は吹雪の中でも熱く感じられる。
舞と里乃がそれぞれ使うスペルカードは以下の通り。
舞 里乃
竹符「バンブースピアダンス」 |
茗荷「フォゲットユアネーム」 |
竹符「バンブークレイジーダンス」 |
冥加「ビハインドユー」 |
笹符「タナバタスターフェスティバル」 |
茗荷「メスメリズムダンス」 |
竹符「バンブーラビリンス」 |
冥加「ビハインドナイトメア」 |
笹符「タナバタスタードリーム」 |
- |
二童子の合同スペルカードは以下の通り。
舞符「ビハインドフェスティバル」 |
狂舞「テングオドシ」 |
狂舞「狂乱天狗怖し」 |
鼓舞「パワフルチアーズ」 |
狂舞「クレイジーバックダンス」 |
弾舞「二つ目の台風」 |
【二童子の境遇】
舞と里乃は隠岐奈に決して逆らう事が出来ない。
なぜなら、二人は隠岐奈の強い洗脳によって
「隠岐奈の言う事に逆らうこと等考えられない」からだ。
前述の通り隠岐奈の部下になる前の記憶を失っている事も併せて、二人は
隠岐奈のためにただひたすらに奉仕し続ける傀儡のような存在でしかないと言える。
彼女達と交戦した者の中でも
魔理沙は露骨に嫌悪感を表しており
「さっきの二人みたいになるなんてまっぴら御免」とよりによって二人の主人に告げている。
後には『香霖堂』で二人を
「クレイジーな部下」と表現している。
冷酷な扱いが目立つ隠岐奈だが彼女なりに二童子を大事に思っているのか「大切な両腕」と語っている。……大切なのが“舞と里乃”だとは一言も言っていないのだが。
【二童子の仕事】
普段は隠岐奈の身辺で雑用をこなす舞と里乃だが、二人の仕事は他にもあるようだ。
まず、重要な仕事が「踊る」事だ。
といっても彼女達の踊りは常軌を逸しているため人を楽しませるような物ではない。
全ては主である隠岐奈のためだけに捧げられる物である。
隠岐奈は能楽の祖たる秦河勝と同一視される神であり、彼女にとって踊りは重要な意味を持っているからだ。
その他にも上司が幻想郷を管理する賢者の一人であるため、隠岐奈とともに
幻想郷の裏から物事のバランスを調整するフィクサーとしての役割もある。
ちょうど霊夢達がやっている事に通じるものがあるため、二童子はさしずめ隠岐奈にとっての“博麗の巫女”なのかも知れない。
主人に都合のいいように洗脳されている点を意識してしまうと
スキマ妖怪の
式神の方が立場は近いが。
さらに彼女達には宿敵である天狗を調伏するという仕事もある。
元々は隠岐奈達“障碍の民”と天狗は同じ“河原者”と呼ばれる集団を源流としているが、隠岐奈の神性の一つ“障碍の神”は“天狗除けの神”としての面がある事から隠岐奈の配下である舞と里乃もまた天狗を強く敵視している。
作中でもスペルカードとして使用する「天狗怖し」は天狗を調伏するための二童子の秘儀である。
【二童子の後継者問題】
『天空璋』において二童子を従える隠岐奈が異変を起こした動機の一つが、この後継者問題である。
隠岐奈は定期的に別の人物を二童子にしているらしく、この異変を起こす過程で普段隠れていた者たちの可能性を見つけ出す事を狙っていた。さらに、アグレッシブな人材が見つかるとその者に暗黒テストを受けさせて実力を測り、隠岐奈の期待に応えた者をスカウトしている。
隠岐奈が魔理沙に「誰を部下にするかは私が決める。お前に是非なぞ聞いておらん」と語っているが、その後の様子を見るに最終的に二童子になるのを選ぶ事は候補者の意思に任されるようだ。さらに少なくとも魔理沙にアプローチをした時には丁礼田と爾子田のどちらの役割を志願しても構わない様子だった。もっとも、実際に二童子になってしまったら最後、本人の意思もへったくれもなくなってしまうのだが……。
こうした経緯からか二童子の後継者は簡単には見つからないため、舞と里乃はかなり長い年月隠岐奈に仕えているようでZUN氏曰く
「両親はもう亡くなっている」との事。
ちなみに二童子を引退した者は普通の人間に戻してから解放されるという。
身寄りのなくなった少女達を着の身着のままで放り出す方がひどい気がするが、隠岐奈さんは
そこんとこどうなんです?
とはいえ隠岐奈からしても今回の異変を起こした真意は別にあるため後継者探しはさほど重視しておらず、後継者が見つからなければ舞と里乃にそのままやらせるつもりでいる。
本人達は隠岐奈から真の目的はおろか
建前上の目的であるはずの後継者探し自体を知らされていないため、四季異変に関しても自分達の仲間を増やすためという以上の意識は持っていなかった。
【元ネタ】
隠岐奈の元ネタが摩多羅神であるのと同様、部下である舞と里乃の元ネタは摩多羅神の傍に控える二童子・
丁禮多と
爾子多である。
原点では二童子は二人とも右手に笹を、左手に茗荷を持っているが、キャラ分けを明確にしたいという
ZUN氏の意向で竹担当と茗荷担当に分けている。
摩多羅神と二童子を合わせた三尊は仏教における貪・瞋・癡の三毒をはじめとした煩悩の象徴とされるが、それは同時に人々の煩悩その物が人間の覚り (
妖怪に非ず) に直結している事を示すという。
また、東方関係では旧作に登場したキャラクターの
ユキ&マイと共通点が見られる。
こちらも
二人組で一ステージのボスを務めているが、ユキが相棒思いなのに対して
マイはユキが先に倒されるや否や彼女を足手まとい呼ばわりしている。
どこのスタンド使いだ。
さらに同人サークル『瞬殺サレ道?』制作の東方の姉妹作品『西方Project』三作品全てにめい&まいという双子のキャラクターが登場している。
例によって二人一組でステージボスを務めていた。
東方における“マイ”のコンビ率とは一体。
お師匠様が私達を呼んでるわ。多分追記・修正させられると思う
- ⑨「妖精の仕事って、奴隷の様にこき使わされてるのしか見た事無いしねぇ」 人間も人権喪失してこき使われてました・・・ -- 名無しさん (2019-03-25 11:06:54)
- ギャグ系の二次創作では普通に隠岐奈に逆らったりボコったりしている -- 名無しさん (2021-11-22 00:12:29)
最終更新:2024年07月11日 18:17