登録日:2011/09/30 Fri 16:00:03
更新日:2026/06/30 Tue 16:28:09
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僕が本を書き始めたその時、幻想郷の歴史が誕生した。
本作の連載が開始された時期は
2004年1月と『
東方永夜抄』頒布よりも早く、現在数多ある東方書籍作品の中でも
最古の作品かつZUN氏が初めて執筆した小説作品である。
実は第一期は連載開始から単行本発売に至るまで
波乱万丈な経緯を辿ったこともあり、ファンの間では語り草になっている。詳細は後述を参照のこと。
その後、2015年に創刊された東方Project公式ムック『東方外來韋編』にて、第二期の連載が開始。
こちらは1冊につき1話のペースで掲載されており、2026年現在は11話まで発表されている。
【概要】
幻想郷のとある古道具屋
『香霖堂』の店主、
森近 霖之助を主人公に、彼と香霖堂を訪れる人妖によって物語が繰り広げられる。
本作は
『霖之助の日記』という体裁を取っているため、基本的に彼の一人称視点で語られる形式となる。
尤も、霖之助が日記を書き出すのは第17話以降となるので、それ以前の話では彼以外の人物の視点で語られる事もある。
第二期以降は新たな主人公格として
宇佐見 菫子が登場した事もあり、より多様な視点で物語が進むようになった。
本作のコンセプトは、幻想郷で巻き起こる
"異変"を解決するべく飛び回る少女達の活躍が主眼となるゲーム作品とは異なり、異変の起こっていない幻想郷の
"日常"を描く事にある。
香霖堂で霖之助の
蘊蓄を聞いたり駄弁ったりする
霊夢と
魔理沙や、香霖堂へ買物をしに来る
咲夜、
白いモノまみれになって涙目で震える妖夢等、ゲーム内で戦いを繰り広げる幻想少女達が普段はどのように生活しているのか、その一端を伺えるのが大きな魅力。
また、ゲームではどうしても抽象的で不明瞭な描写になりがちな幻想郷の世界観に関しても、大きく補完されているのが特徴。
本作の連載時期と発表時期が被るゲームや書籍作品がある場合、それらとリンクしたストーリーが展開される事もあり、特に不定期連載となった第二期以降はその傾向が強い。
これらの要素は後に世に出る東方書籍作品でも多く継承されており、本作がその礎になったとも言えるだろう。
【登場人物】
◇第一期
単行本に収録されているエピソードから登場するキャラクター。
連載時期の関係もあって、登場するのは概ねゲーム第6弾『
東方紅魔郷』~第9.5弾『
東方文花帖』までのキャラに限定されている。
「生き物の身体は……道具じゃない。この店では取り扱わないものだ」
本作の主人公であり、幻想郷の『魔法の森』の入口にて古道具屋『
香霖堂』を営む成人男性。
東方作品では珍しい男性キャラであるが、これは東方において異変解決は
"少女達の戯れ"というコンセプトであるが故にゲーム内には少女しか出てこないのに対し、逆に日常を描くのがコンセプトな本作に
"大人"も
"男性"も出ないのは世界観的に不自然というが理由であるらしい。
短めの銀髪と眼鏡が特徴的な青年。
見た目こそ若々しいが実は人間と妖怪のハーフである半妖で、当人曰く人間である霊夢達の何倍も長く生きているとか。
その立ち振る舞いからは常識人っぽい印象を受けるが、彼も東方キャラの例に漏れず割とアクの強めな性格。
常に物事を深く考える事を好む考察家で、幻想郷の常識を下敷きにしているとはいえその発想力はかなり奇抜。
他者には人妖問わず温和に接するが、舌が乗ると個人的な考察や蘊蓄を止め処なく話し続けてしまう悪癖がある。
顔見知りには基本的に遠慮のない態度で接する事もあり、割と図太そうな性格をしているが、霊夢曰く「ああ見えて繊細」らしい。
一応古道具屋の経営者なのだが、気に入った道具はすぐ非売品にする上、霊夢や魔理沙が勝手に持って行ってもほとんど気に留めない。
半妖故に生命維持の為の飲食を必要としない身とはいえ、商売人としての意識はかなり低いと言える。
おまけに『動かない古道具屋』という二つ名が付くほどの出不精で、定期的な道具の収集以外で店から外へ出る事は極めて少ない。
その為、本作は香霖堂の店内を舞台に店を訪れた人妖を交え、霖之助が自身の考察を披露するのが物語の基本的な流れとなる。
単行本表紙絵の彼がどう見ても悪役ポジなのは内緒。
東方作品ではお馴染み、楽園の素敵な
巫女さん。
幻想郷と外界を隔てる結界を司る
『博麗神社』の巫女。
彼女の
腋を露出させた巫女服やお祓い棒は霖之助のお手製であり、霊夢は戦闘で破れた服の修繕などで香霖堂へ頻繁に出入りしている。
だが代金はほとんど払った事がないようで、霖之助曰くツケがかなり溜まっているとか。
それでも霖之助が霊夢との関係を続けるのは、基本的に無法地帯である人里の外に店を構えている都合上、幻想郷の保安官的立場にある博麗の巫女との繋がりを維持しておく事はメリットがあると考えているのも理由と思われる。
実際、香霖堂で
幽霊が謎の大量発生した時は霊夢から幽霊除けの護符を貰うなど援助を受けている。
妖怪退治の専門家であるが故に妖怪に対しては少々厳しめなスタンスの持ち主。
道端に居ただけの小妖怪をその場の気まぐれで退治して、持ち物を強奪するくらい平然とやる。
尤も、基本的には人間も妖怪も平等に扱う性格である為、力の強い妖怪ほど彼女を慕う者は多い。
おかげで第25話では神社に人が来ず
霊夢大好き妖怪のたまり場になってしまっていることを愚痴っており、霖之助からは
「別な神様を祀ろう」(候補は酒や山の神である「浅間様」こと木花咲弥姫命)、魔理沙からは
「同人即売会博麗神社例大祭を開いて人を集めよう」などと提案されていた。
まさか作者もこの後メディアワークス作品で街を守る浅間様の巫女が登場するとは思わなかっただろう。
霊夢は霖之助を「霖之助さん」と呼び、半妖の彼に対しても親し気に接している。
…というか巫女服の修繕を待つ間に彼の服を勝手に着るわ、戸棚の煎餅は必ず一番高価なモノから手を付けるわと、その関係に遠慮は微塵も見られない。
霖之助の事は知識人であると認識しているようで、彼の知識を頼って相談事を持ちかけることもしばしば。
一方で霖之助が香霖堂で発生した小異変の首謀者だと疑った時には、彼を「アンタ」呼ばわりして「何を企んでいるの?」と厳しめに追及するなど異変解決者としての顔を覗かせる事も。
第8話扉絵の濡れいむがエロい。ちなみに朱鷺鍋は赤味噌派。
東方作品ではお馴染み、普通の
魔法使い。
霖之助は魔理沙が生まれる前に彼女の実家である人里の大手道具屋『霧雨店』で修行していた時期があり、彼女とは物心ついた時から縁のある
幼馴染という関係。
魔理沙が実家を飛び出した後は霖之助と同じ魔法の森に居を構えており、日々魔法の研究や異変解決などで幻想郷中を箒に乗って飛び回る気ままな生活を送っている。
香霖堂には幼い頃からよく出入りしていた事もあってか
「居心地の良い場所」と感じているようで、特に用が無くてもよく入り浸っている。
魔理沙は霖之助を店の屋号に因んで「香霖」というあだ名で呼ぶ。二次創作の影響もあって一時期勘違いされやすかったが、彼をこのあだ名で呼ぶのは原作だと魔理沙のみ。
幼馴染ということもあってか、霖之助が現在の魔理沙の人となりを形成する上で与えた影響は大きく、彼女が星の魔法を使うのも、泥棒蒐集癖があるのも、元を正せば霖之助の存在が関係している。
傍から見ていると2人の関係に遠慮は無さそうだが、魔理沙は自分がかつての師の娘という立場故に霖之助が多少遠慮していると思い込んでおり、それが不満の模様。
魔理沙は霖之助に対して構ってもらいたい傾向が少しあるようで、わざわざ帽子に雪や桜の花びらを乗せて来店したり、店の台所で料理を作ってあげたりする事もある。
一方で霖之助の魔理沙への扱いは割とドライであるが、彼女にはなんだかんだ言って甘いところもあり、魔理沙の代名詞的魔法道具『ミニ八卦炉』は彼女が魔法の森で1人暮らしを始めた事を心配して霖之助が与えた物である。
ちなみに朱鷺鍋は白味噌派。
第1・2話に登場した、背中から翼を生やした妖怪の少女。
本名不詳の所謂モブキャラの小妖怪であるが、第2話の扉絵と挿絵に登場している為、デザインやカラーリングは詳細に判明している。
そのデザ秀もあってファンもそれなりにおり、一部からは朱鷺色の翼に因んで『朱鷺子』という通称で呼ばれている。
道端に座って楽しく本を読んでいたところ、偶然通りかかった霊夢が何となく退治しようと不意打ちする形で襲撃。怖えぇ。
容赦なくけちょんけちょんにされた挙句、読んでいた本まで奪われてしまう羽目に。ひでぇ 。
ただ、霊夢曰く「生意気にも強かった」ようで、戦闘では背後から妖弾を喰らわす奇襲で霊夢に被弾させている。すげぇ。
倒された後も本を諦めず香霖堂までリベンジに来るが、今度は霊夢と代わった魔理沙にけちょんけちょんにされてしまう羽目になった。やべぇ。
単なるモブという事もあり、長らく香霖堂以外での公式露出に恵まれなかったが、漫画作品『東方鈴奈庵』の第6話冒頭にて人里上空を
リリーホワイトと共に飛ぶ彼女らしき後ろ姿が描かれている。
第4話より登場。
吸血鬼のお嬢様に仕える完全で瀟洒な
メイド長。
一応種族は人間なのだが、
"時を止める"という極めて特殊な能力の持ち主。
香霖堂へ来店する頻度こそ多くはないが、主人の我儘への御機嫌取りの為に色々と珍品を買ってくれる事もあって、霖之助からはお得意様の1人と認識されている。
主人が吸血鬼故か活動時間が夜に偏っているようで、夜中に来店する事も。
霖之助に対しては少々砕け気味な口調だが丁寧な態度で接しており、霖之助は彼女のメイドとしての領分をわきまえた嗜みと頭の回転の速さを高く評価している。
…のだが、如何せん頭の回転が速すぎる為か、彼女の行動に周囲の者が付いて行けなくなってしまいがち。
後に合理的な理由あっての行動だったと判るが、その場では極めて突拍子もない行動としか思えない真似をして、霖之助はおろか主人のレミリアまでも混乱させる事もしばしば。
その点について咲夜は特に気に留めている素振りもないため、彼女も極めてマイペースな性格であると言える。
咲夜が幻想郷へ来る以前の来歴は今なお謎に包まれているが、霖之助との会話からかつて海亀が泳いでいる姿を見た事があるような素振りを見せている。
ちなみに今作では大人の男性である霖之助との対比故か、ほとんどの少女が幼めなタッチで描かれている中で、咲夜だけは割と大人びた姿で描かれている。時止めの能力の使い過ぎで実年齢と肉体年齢がだいぶ剥離してるんじゃ…
第4話より登場。
咲夜の主人にして
"運命を操る"力を持つ
と自称する、永遠に紅い幼き
吸血鬼。
普段は幻想郷の『霧の湖』の湖畔に建つ、毒々しい紅色で彩られたお屋敷『
紅魔館』で暮らしている。
その姿は少女を通り越してもはや幼女であり性格も見た目相応だが、実際は
齢五百を超え、幻想郷のパワーバランスを担う強大な力を誇る
大妖怪の一角である。
好奇心旺盛で面白そうな事を思い立つと即断即決で行動に移すアグレッシブな気質の持ち主。
メイドの咲夜が香霖堂を訪れるのも概ねレミリアの命令や我儘が理由であり、時に咲夜にくっついて来る形で来店する。
咲夜に意地悪な無理難題を押し付ける事もよくあるようだが、上記の通り咲夜は頭の回転が速く、主人の意地悪を見越して思いもよらぬ行動に出る為、却ってレミリアの方が振り回されてしまう事も。
霖之助からは咲夜の行動に困惑するレミリアが予想以上に人間的な反応をするため、聡明だが奇異な行動がまま見られる咲夜よりも意志の疎通が出来そうだと思われた程である。
吸血鬼故に当然日光が弱点なのだが、レミリア当人は昼間でも咲夜を連れて幻想郷をよく散策している。
レミリア曰く、日光浴している人を観察する「日光浴見」なる趣味があるらしい。
博麗神社へもよく訪れており、家主が不在なのに勝手に上がり込んでお茶していたところ、うっかり霊夢のティーカップを”アバンギャルド”な形に変形させてしまったので、咲夜に香霖堂へ代わりを買いに行かせたのが第4・5話の発端である。
日中に行動する際は日光に肌を曝さないよう厚手の服と普段より大き目な帽子を被っている。帽子の形からファンの間での通称は烏賊レミリア。
ちなみに日光に対して完全防備な出で立ち故か、第5話の扉絵で咲夜がレミリアに掲げている日傘らしき物はよく見ると透明なビニール傘である。いいんかそれで…
●梅霖の妖精
第8話に登場。
読んで字のごとく
『梅雨の雨』を象徴する妖精。
いつもカビ臭くて埃っぽい香霖堂の居心地が良かったらしく、いつの間にか店の屋根裏に棲みついていた。
おかげで梅雨が明けたのに香霖堂の周囲だけ雨が降り続くという、日常を描く今作において数少ない
"異変"が発生する事態となった。
東方世界において妖精とは自然現象が具現化した存在であり、梅雨が明けて間もない時期柄も相まって、いざとなれば範囲は狭いが
雷混じりの大豪雨を降らせ
て霖之助に断りも無くちょっかいかけた魔理沙を退散させるだけの力は持っていた模様。
尤も本来妖精は臆病で争いを好まない性質という事もあり、異変解決に来た霊夢に直接脅されると、とっとと香霖堂から逃げて行ったとの事。
残念ながら、名無しの本読み妖怪と違って台詞もイラストもない為、詳細は不明。
第11話より登場。
幻想郷の創造にも携わった管理者
"賢者"の一角であり、
"万物の境界を弄る"力を持つ大妖怪。
空間にスキマを創って何処からともなく現れる神出鬼没な妖怪であり、付き合いの長い霊夢もその住処は把握していない。
その能力と立場故に幻想郷の結界を越えて外と行き来できる数少ない存在で、外界の事情や文化にも深く精通している。
腹の底を読ませない極めてミステリアスな雰囲気を漂わせる女性で、手放しに信用するのは少し抵抗を覚える人物。
霖之助とは外界製の
ストーブの燃料を定期的に補充し、代わりに店の道具を対価として徴収する契約を結んでいる。
実際に作中では
音楽を大量に携帯できる白い箱や、
あらゆる物を操作できる灰色の箱などを燃料代として貰っていった。
霖之助は紫に対して、その力の大きさや聡明さには敬意を抱いているものの、
「笑顔が不吉」だの
「近くに居られると居心地が悪い」だの
「知り合いになった事を早くも後悔」するだのと、かなりの苦手意識を持っている模様。
一方の紫は外の道具を集める霖之助を気にかけているようで、契約とは関係なく時たま店を訪れては彼に助言をしている。
基本的に何を考えているのか判らない胡散臭い人物ではあるが、自らが創造に携わった幻想郷への愛は明確にしており、霊夢が自分を呼び出したいが為に幻想郷の結界を緩めた時には叱りに現れている。
なお、霊夢曰く紫には冬眠する習性があるらしく、冬場にはめっきり姿を見せなくなるらしい。
ただ頻度が少ないだけで冬場でも姿を見せる場面は作中でも度々見られる為、魔理沙からは冬眠というのは方便で実際には南の島でバカンスでもしてるのではないかと疑われていた。
ちなみに紫はそのキャラクター性もあってか二次創作では年増妖艶な妙齢のお姉さんとして描かれる事が圧倒的に多い為、本作の挿絵で描かれたあまりに幼げな少女然とした姿に面食らうファンが続出したとか。
●幽霊
第13話に登場。
言うまでも無く
"死者の魂"の事。
その存在は明確に視認できるものの、すでに生前の面影は無く、実体感の薄い人魂の姿で浮遊している。
幻想郷ではありふれた存在であり、特に『春雪異変』の後は
死者の魂が成仏か輪廻転生を待つ世界である
『冥界』との境界が薄くなってしまった事も相まって、更に数を増やしつつある模様。
ちなみに幽霊の周囲は温度が低くなる性質があるらしく、夏場に肝試しがよく行われるのは幽霊で
物理的に涼を取るのが目的なのだとか。
作中では何故か突如として香霖堂内に大量発生。
当時季節は真冬という事もあって、温度の低い幽霊でごった返す店内はすっかり冷え切ってしまい、霖之助は寒さに震える羽目に。
幸いにも幽霊達に悪意は感じられず、店の中を元気よく飛び回ったり、幽霊同士で談笑しているような仕草をしていたりと小動物めいた可愛らしい挙動を見せていた。
幽霊の声を聴く事はできないものの、こちらの言葉は理解できるようで、試しに霖之助が退屈そうにしていた人魂に幽霊退治の為に霊夢を呼んでくるようお使いを頼んでみると、ちゃんと神社まで呼びに行ってくれている。
ただ、霊夢は霖之助の求めに応じて幽霊除けの護符はくれたものの、妖怪のように力づくで幽霊退治はせず。
実際、後の話によれば霊魂の類は適切な処置を怠ると怨みに染まって"怨霊"と化すなどの二次被害を招く恐れもあるらしく、悪意のない霊を迂闊に退治するのは霊夢と言えど消極的にならざるを得ない模様。
霊夢は幽霊を追っ払う事より、何故香霖堂に集まったのか原因を調べるのが先決と霖之助に忠告するが…。
第13話より登場。
閻魔から冥界の管理を任されている亡霊、
西行寺 幽々子に仕える少女。
傍らには常に巨大な人魂が付き従っている事もあってか霖之助は妖夢を幽霊使いと勘違いしたが、実は『半人半霊』という
人間と幽霊のハーフで、人魂は彼女の半身である。
普段は主人のお屋敷『
白玉楼』にて主に庭師や雑用などを務めているが、本来の立場は
祖父の代から続く幽々子の
剣術指南役。
なので彼女は背中に背丈ほどもある長刀『楼観剣』、腰には短刀『白楼剣』を常に携える剣士でもある。
刀を二本も携えた物騒な身なりとは裏腹に性格は至って真面目であるが、精神的にはあどけなさも残り、押しも弱めという事もあって会話では相手の手玉に取られやすい。
当人の未熟さも相まって少々思慮に欠ける側面も見られ、香霖堂の戸を勢いよく叩いて屋根から落ちてきた雪に埋もれるドジを踏んだり、失礼な発言を無自覚に言い放ってしまったりする事も。
それ故か、霖之助からの扱いも少々雑である。
主人から預かった幽霊を導く道具『人魂灯』をうっかり落としてしまい、それが香霖堂へと流れ着いた為、取り戻すべく来店。
店も開いていない早朝に無理矢理訪れるわ、人魂灯を求める本当の理由を隠そうとするわと無自覚に不誠実な粗相を重ねる彼女に対し、霖之助は人生の勉強を課す事に……。
ちなみに妖夢の半霊も寒さは感じるようで、彼女が"勉強"を終えた後は霊魂からニョッキリ手を出し、肉体と並んでストーブに手をくべていた。
第14話の扉絵に登場した、お騒がせな光の三妖精。
ただし、あくまで姿を描かれただけで作中本編には登場していない。
第14話が掲載された当時、彼女ら3人が主人公を務める東方project初の漫画作品『
東方三月精』が連載を開始した時期であった為、その告知も兼ねて挿絵に描かれたものと思われる。
ただ詳細は後述するが、この当時『東方香霖堂』と『東方三月精』は連載していた
出版社が異なるという
大人の事情もあり、ストーリーに絡めず扉絵内でチョロっと姿を見せる程度が許されるギリギリの塩梅であったのだろう。
ちなみに今話の扉絵は桜の木を中心にこれまで香霖堂に登場したキャラが勢ぞろいし、三妖精はその頭上を飛んでいるという構図なのだが、連載当時は扉絵の上部にデカデカと『東方香霖堂』のタイトルが入る構成であった為、ルナチャイルド(と紫)の姿だけタイトルの文字で隠されてしまうという哀しい形になってしまった。
第17話より登場。
幻想郷狭しと飛び回る、
鴉天狗の新聞記者。
天狗は幻想郷の『
妖怪の山』にて高度な社会を形成している種族で、鴉天狗を中心に新聞記者を生業にしている者も多い。
ただし、文のように住処である山の外で取材するような天狗は少数派である模様。
天狗社会全体では中堅どころの地位にいる彼女だが、これでも齢千を超える古株で、そこいらの野良妖怪とは一線を画す強大な力を持った大妖怪である。
作中では香霖堂上空を飛行中に号外記事を投下し、窓ガラスを叩き割って店内へ届けるという爆撃機さながらの新聞配達を行っていた。
文ちゃんマジ恐怖新聞。
なお、霖之助は文が執筆・発行する『文々。新聞』の定期購読者であり、その内容はともかく記事の情報を基に考察する余地があり、知識を深められると彼女の新聞に一定の評価を下している。まぁ内容はともかく(大事な事なので2回(ry。
霖之助のこの評価には、同話で話題に上った大天狗の『鞍馬皆報』という、ある事ない事面白おかしく書かれた記事をありったけ詰め込んだだけの劣悪な新聞が仲間内の新聞大会で優勝するような天狗のメディアリテラシーの低さが関係している。
ちなみに第17話にて文は台詞こそあるものの香霖堂へは来店せず、キャラ紹介はおろか名前すら作中で言及されなかった。
窓から飛び込んできたのが文々。新聞という記述で、その正体が窺い知れるだけである。
扉絵でも割れた窓の奥に、小さく薄っすらと彼女らしき姿が描かれているのみという有様。
これは当時における文の扱いにも、上記の東方三月精と同様の大人の事情が絡らんだのが理由と思われる。
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文が作中で本格的に登場するのは、第二期第3話からになる。 |
「私は真実を曝く者、記事にするなと言われてしない訳が無い」
外来人である宇佐見菫子に独占インタビューを申し込むべく、香霖堂へと来店。
なお、霖之助曰く彼女が来店するのは大抵取材か宣伝目的で、買い物はほとんどしてくれないらしい。
正直言って来るだけ邪魔だが、無下に扱うと新聞に何書かれるかわかったもんじゃないというもどかしさを抱えている等、文に対してあまりいい感情は抱いていない。
一方の文も外の世界と幻想郷とを自由に行き来する菫子の存在を内心危険視しており、彼女の来訪を積極的に幇助している霊夢や霖之助に対してもあからさまに敵対視している。
今回のインタビューも博麗神社含め一部の者達が外来人である菫子を通して外の世界の力を手に入れ、何か企んでいるのではと疑ったのが理由であった。
一般的な天狗の例に漏れず文も狡猾で口が回り、その取材態度に苦言を呈されてもああ言えばこう言うでのらりくらりと躱し、香霖堂に居合わせた霊夢と霖之助のフラストレーションを煽りまくる。
が、肝心の菫子と対面すると状況は一変。
菫子は文の取材に興味津々であり、すっかり興奮して文にとって馴染みのない外の世界の常識を押し並べ、逆に質問攻めにする始末。
この女子高生の圧倒的なノリを前に、口の上手い文も完全に気圧されてタジタジになってしまうという彼女には珍しい醜態を晒す結果に。
背後から菫子に翻弄される文を見ていた霊夢と霖之助もこの状況は小気味よかったようで口を押えて笑いをこらえる他なかった。
とりあえず文は日と場所を改めての取材を菫子に提案し、なんと彼女を本来人間の立ち入りを許さない筈の妖怪の山の会議室へ連れて行くと伝える。
が、そのまま菫子を体よく攫いかねないと危惧した霊夢は待ったをかけ、「菫子への取材は構わないが、場所は博麗神社で行う」という条件を提示し、両者にそれを呑ませるのだった。
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●パチュリー・ノーレッジ
第18話の扉絵に登場。
レミリアの友人にして、紅魔館のブレインたる
魔法使い。
魔理沙と違って人間ではなく妖怪種族としての魔法使いであり、すでに齢百を超えている模様。
友人の我儘を魔法の知識を使って色々と叶えてあげるのが彼女の役割。
喘息持ちで身体が弱く、基本的にいつも紅魔館地下の大図書館に籠っている本の虫である事から
『動かない大図書館』の異名を持つ。
月旅行に行きたいとせがむレミリアの為に、月へ行くための魔法を研究。
その過程で大きな魔法を成功させるには大きな"運"が必要という結論に至った彼女に、「縁起の良い物」を入手してくるよう命じられた咲夜が香霖堂を訪れたのが第18話の発端である。
咲夜が香霖堂で買った縁起物がパチュリーの研究の役に立ったのかは不明だが、月へ行く魔法自体は漫画作品『
東方儚月抄』にて完成を見ている。
●モブ天狗
第19話の口絵や第25話の扉絵に登場。
射命丸文の同属である鴉天狗の少女達。かわいい。
第19話では清明の日のお祝いで、天狗達が博麗神社の
花見宴会に参加した模様。
ちょうど天狗の写真機について興味を持っていた霖之助は宴会に参加して彼女らに直接聞こうかとも考えたが、天狗は
鬼に匹敵する程の大酒飲みで有名であり、結局何も聞けぬまま記憶がなくなるまで酒を呑まされるだけだろうと察し、参加を見送っている。
ちなみに彼女達が着ている天狗装束は、ネームド天狗キャラの文や
はたてが着ているラフめな服装と異なり、如何にもといった感じの天狗の神秘性を内包した佇まいがある
のと下半身の露出が多いからか、一部ファンの間で地味に人気がある。
●霧雨の親父さん
第20話にて霖之助の会話の中に登場。
人里の大手道具屋『霧雨店』の主人にして、霖之助のかつての師。
魔理沙の父親と思われるが、既に年老いているとの記述もあるので祖父という可能性もある。
高齢だが未だに壮健であるらしい。
大量発生した森の蝉がうるさすぎて香霖堂から人里へ避難した霖之助は、久しぶりに霧雨家へと来訪。
親父さんとは最後に会ってもう10年以上経つらしく、霖之助は顔を忘れられてやしないかと心配していたが杞憂に終わり、互いの商売や商品の事などの世間話で盛り上がったらしい。
半妖の身である霖之助は人間とは生きる時間が大きく異なる為、人外的存在と関わる機会が多くない里人と会うのはどうしても緊張する模様。
なお、魔理沙は現在実家とは完全に絶縁状態にあるらしく、霖之助が彼女の前で親父さんの話をすると露骨に不機嫌になる。
尤も霖之助は魔理沙に「親父さんは元気だったよ」と気軽に伝えたり、「親元へ帰ればいいのに…」などと暢気な独白をしていた事から、少なくとも事情を知っている第三者の視点から見ると、両者の確執はそこまで深刻な問題を抱えているワケでもないのかもしれない。
「全ての資料を暗記している。紙に書いてあるのは他の人に伝える為だ」
第20話にて霖之助の会話の中に登場。
人里で最も多くの資料と知識を有し、千年以上続く由緒正しき名家『稗田家』の娘。
稗田家に百年単位の周期で生まれるとされる『御阿礼の子』である。
御阿礼の子とは、稗田家の初代『稗田阿礼』の転生体で、阿求はその九代目にあたる。
一度見た物は決して忘れない完全記憶能力を持ち、彼女の頭脳には初代から続く歴代御阿礼の子の記憶が保存されている。
稗田家の資料はかつては一部を除いて門外不出の秘伝だったそうだが、近年はその規制も緩くなり、正当な理由さえあれば相手がたとえ人間でなくても資料を公開してくれるらしい。
霖之助は突如として大発生した蝉について調べるべく稗田家を訪れ、彼女からその正体を教えてもらう事となった。
ちなみに第20話が掲載された当時、阿求がメインを務める設定資料集『
東方求聞史紀』はまだ発売前であり、音楽CDシリーズ『幺樂団の歴史』のジャケットに登場する謎多き少女だった阿求が香霖堂へ登場した事は当時のファンを驚かせたとか。
なお、彼女が執筆する『幻想郷縁紀』には霖之助及び香霖堂の記述も見られる
が、評価は割とボロクソである。
◇第ニ期
『東方外來韋編』に掲載されているエピソードから登場するキャラクター。
上記の通り、ほぼ霖之助の一人称視点でストーリーが進んだ第一期と違って第二期は多様な視点で進む為、登場してもストーリー上で霖之助とは一切絡まないキャラもいる。
「何てアメージング! やっぱり幻想郷は不思議な場所ね!」
第二期第1話より、ほぼ毎話登場。
幻想郷と外の世界を行き来する
女子高生。
『東方香霖堂』第二期における
霖之助と並ぶ主人公格で、彼女の視点から物語が語られることも多くなっている。
非公認オカルトサークル『
秘封倶楽部』の初代会長を名乗り、神秘的な存在や現象を求めて幻想郷を探索する自称オカルト研究家。
幻想郷へは
夢を介してやって来るようで、彼女が外の世界で眠りにつくと幻想郷に顕現するという仕組みになっている。
それ故に外の世界の彼女は居眠りの常習犯となっているのだが、不思議と勉強の成績は落ちておらず、身体はむしろ鍛えられている気がするらしい。
好奇心旺盛で、外の世界の常識では測れない幻想郷の神秘を前にすると目を輝かせる筋金入りのオカルトマニア。
興奮したり得意分野の話になると途端に口数が多くなり、外の世界の科学用語やオカルト用語混じりの早口で鉄砲水のごとくまくし立てる癖がある。
それ故に彼女の話は
現実世界の読者ですら難解に思う時があるのに、外の世界とは理の大きく異なる幻想郷に住む霊夢や魔理沙にとっては完全にチンプンカンプンで、考察家である霖之助ですら
理解を放棄する事も珍しくない。
「宇佐見君はやっぱり宇佐見君だった」
興味本位で少々不躾な真似をするところはあるものの幻想郷の住人に対しては好意的に接しており、日々新たな出会いを楽しんでいる。
これでも幻想郷に来た当初に比べればかなり社交的になった方で、かつての彼女は自身の優秀な頭脳と非凡な能力も相まって全能感に満ちており、他者を見下し孤高であろうとする高慢な性格であった。
今でも自分の住んでる外の世界の人間(特に同級生)や社会文化に対しては見下しを通り越して
侮蔑の感情すら抱いており、それ故に外の世界に彼女の友人は1人もいない。
作中でも
「低俗」「無知蒙昧」「くだらない」と容赦ない評価で切り捨てる場面が多々見られる。
ある意味、
色々と拗らせた年頃の少女らしい尖った感性のひねくれ者と言えるかもしれない。
ちなみにその反動故か、彼女は幻想郷に対して外の世界を超越した高尚で超然的な価値観を漠然と求めている節があるようだが、期待に反して幻想郷の住人達の素朴で割と俗っぽい感覚に肩透かしを食らう事もしばしば。
霖之助の事は霊夢同様「霖之助さん」と呼ぶ。また霖之助は董子のことを当初「宇佐見君」と呼んでいたが、後に「董子君」と名前で呼ぶようになった。
元々香霖堂へは幻想郷を探索中に偶然訪れたが、外の道具フリークの霖之助と親交を深めたこともあって博麗神社と同じくらい入り浸るように。
霖之助としては外の世界の情報や現役の外来品を持って来てくれる董子との関係を何としても手放したくないらしく、その為なら店が如何わしい密会の場にされるのも黙認している。
香霖堂では主に外の世界の道具や情報と引き換えに幻想郷の通貨を調達していたが、第9話からは外来品の鑑定を受け持つ正式な香霖堂の従業員となった。霊夢「そんな閑職に……」
●霖之助の助手
第1話で霖之助の会話にのみ登場した人物。
霖之助が道具拾いのために雇ったという助手。
董子は大量の道具を背負ったこの助手の後をつけることで香霖堂に辿り着いた。
幻想郷中から変わった品を次々と持ってきてくれるそうだが何故か電化製品ばかりに偏っており、霖之助の悩みの種になっている。
読者の間では既存キャラか新規キャラかで議論の的。
「あら、長生きしたければ詮索しない方が良いって言ったでしょ」
第2話より登場。
妖怪の山に住む片腕有角の
ピンクの
仙人。
漫画作品
『東方茨歌仙』の主人公であり、今作とはストーリー上で一部リンクしている場面も。
性格は仙人らしく真面目で、物腰は柔らかく人間にも妖怪にも優しく接する。
こう書くと清廉実直な人格者のようだが、霖之助曰く明らかに"
カタギの者ではない"オーラを放っているらしく、上記のようにサラッと怖い発言をする事も。
茨歌仙では当人の真面目さ故に割と周囲に翻弄されるタイプという事もあって、あまり胡散臭さを感じさせる人物ではないのだが、何かしら腹に一物抱えてはいる模様。
香霖堂を菫子との待ち合わせ場所に使っている事から、華扇は霖之助を「待ち合わせ場所のお兄さん」と呼ぶ。「誰が待ち合わせ場所の人だ」
一方の霖之助は幻想郷において"仙人"というのはある程度敬われる存在という事もあってか、彼女を「山の仙人様」と呼んで多少丁寧に接している。
それだけに菫子が「カセンちゃん」などと、ちゃん付けで気安く呼んでいると知った時には少し面食らっていた。
博麗神社ではなく、わざわざ香霖堂で菫子と待ち合わせているのは、霊夢に知られたくない個人的な取引をしているのが理由との事だが…。
ちなみに華扇は幻想郷の結界を越えて外界へ出る事が普通にできるようで、菫子が幻想郷に長期間現れなくなった時には外の世界まで安否確認に赴いている。
本来、幻想郷の住人が結界を破って外界へ干渉する事は御法度とされているのだが、彼女はその事について特に隠す事も悪びれる様子もなく坦々と述べている。
その為、華扇は紫と同様に結界への干渉権限を持つ幻想郷の管理者"賢者"の一角である可能性が濃厚とファンの間でも考察されている。
第4話に登場。
魔法の森に住まう
魔法地蔵。
魔法の森に置かれていた笠地蔵が、森の魔力を浴び続けた事で生命を得た
ゴーレムのような妖怪。
生命力操作を得意とする魔法使いで、すでにその存在から地蔵としての要素は薄まりつつあるが、これでも一応
「無仏の時代に衆生を救済する」という
地蔵菩薩としての役割は放棄してない模様。
同じ魔法の森に住む魔理沙や霖之助とは旧知の仲で、霖之助は
「成美君」と呼ぶ。
大人しめな性格だが物はハッキリ言うタイプであり、香霖堂について
「役に立たない外の世界の道具ばっか売ってる古道具屋」とバッサリ切り捨てている。
魔理沙曰く1人でいる事を好むとされ、あまり
社交的ではないようだが、当人もその事については多少悩んでいる様子。
作中では人里まで買い出しに出かけたが、当時魔法の森は四季異変の影響が残っており、暦の上では真夏なのに猛吹雪が吹き荒れる異常気象の真っ只中。
成美は合掌しながら吹雪の中を進むもあまりの寒さに若干心が折れそうになっていたところ、ちょうど香霖堂を訪れていた菫子に呼び止められ来店した。
なお、董子ときたら出会い頭に成美の身体にベタベタ触り、彼女の身体が地蔵の様に固くなく、むしろ 柔 ら か い という事を証明した。董子GJ。
当然会ったばかりの人間に不躾な真似をされた成美は不愉快を隠そうともせず、香霖堂は外の世界の道具のみならず"珍品"の人間まで売るようになったのかと皮肉を述べている。
尤もその後はすぐ打ち解けたようで、魔理沙も加えた3人で仲良く談笑していた。
第5話に登場。
人々から富を巻き上げる疫病神。
元々は伝染病を広める神だったようだが、今では財産を散財させて不幸に陥れる存在。
憑依した人間とその周囲の人々を「お金を使うことが幸せ」と思考を誘導し、無駄遣いさせる能力を持つ。
作中では菫子に憑依。
心の中で囁く女苑の声に完全に手玉に取られてしまった董子は傍にいた霖之助や霊夢共々、ノリに乗って異様に贅沢な大宴会を催してしまう羽目に。
ただし引き際はわきまえており、菫子が学生の身故に巻き上げられる財に乏しい事もあって、宴会を楽しんだらとっとと離れていった。
この時は終始菫子に憑依した状態のまま行動していたので霖之助や霊夢の前には姿を現さず、菫子も女苑が去ってしばらくは記憶が曖昧と、彼女がいた痕跡はほとんど残らなかった。
女苑はこの後、姉の
"貧乏神"依神紫苑と組んで『完全憑依異変』と呼ばれる大異変を起こし、幻想郷中を騒がせる事となる。
なお、異変後にようやく香霖堂での出来事を思い出す事ができた菫子は、小遣いをすっからかんにされたのは口惜しいが、疫病神なのに課金制限があるとは案外良心的だとも思い返していた。
ちなみに菫子に憑依中、
煙草を要求するシーンがある事から喫煙者である模様。
「これでは目覚めた時に寝汗が凄いですよね。問題があるとすればそこです」
第6話に登場。
夢世界を統括する
夢の支配者。
その正体は悪夢を喰らう事で有名な妖怪
"獏"。
夢世界の理を悪用する者が出ないよう常に監視し、その秩序を護っている。
なお、『支配者』という仰々しい肩書ではあるが、本人曰く
「夢の住人たちが棲む動物園の管理者」程度の存在だとか。
実際その性格にも尊大さは感じられず、基本的には誰が相手でも丁寧に接し、頼み事も快く聞いてくれるなど極めて親切な人柄。
ただ現実世界の住人である霖之助らと比べると物の捉え方に少々ギャップがあり、常に笑顔であるが感情的にはどこか淡々としている側面もある。
菫子が突如として幻想郷に現れなくなり、原因を調査した結果、夢世界に閉じ込められたと見られる事が判明。
菫子と親しい霊夢・魔理沙・霖之助・華扇は香霖堂に
『宇佐見菫子失踪事件 対策本部』を設け、菫子の情報を得るべく夢世界の専門家であるドレミ―を招聘した。
当初、夢世界の住人である彼女を呼ぶのは困難かと思われたが、霊夢が就寝中に夢の中で
「出てこい!」って暴れたら簡単に出てきて、呼び出しに応じてくれたらしい。
ドレミーは4人の要求に応じ、
菫子が現在陥っている複雑怪奇な状況について説明する事となった。
●犬型ペットロボット
第8話に登場。
外の世界から流れ着いた子犬のような
ペット用四足歩行ロボット。
偶然入手した霖之助が
「無機質で堅いぬいぐるみ」と評しているように、メカメカしいロボット然とした外観が特徴。
菫子の調査によるとペットロボットとしては最初期の
量産モデルであるらしく、すでにメーカーのサポートも終了済みと幻想入りの条件は揃っている模様。
実は第8話以前にも、書籍『東方文果真報』の記事内で
「香霖堂に入荷した"相棒"なる名の小型犬に似た堅いぬいぐるみ」とその存在について文から触れられている。
…とここまでなら単なる香霖堂の一商品に過ぎなかったのだが、問題は
このロボット犬が突如として動き出し、本物の子犬のような挙動を見せるようになった事にある。
店内を勝手気ままに駆けずり回る大した暴れん坊っぷりに悩んだ霖之助は、まず菫子を呼んで何とかしてもらおうとするも、彼女が電源スイッチを切ろうがバッテリーを引き抜こうがロボット犬の動きは止まらず。
明らかに霊的な力で動いていると見られた事から、今度は霊夢を呼び出し、香霖堂に結界を張って鎮護を開始。
が、霊夢が巫女の力でロボット犬に宿る霊魂との対話を試みるもまったく意思の疎通ができず、結果として
付喪神でもなければ憑依霊が憑りついているワケでもないという事が判明。
流石の霊夢もこのロボット犬が何故動いているのかわからず、
とうとう頭を抱え込む事態に。
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+
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いったいこのロボット犬の正体とは… |
死生や魂の輪廻に詳しい 聖 白蓮の見立てにより、ようやく判明。
その正体は、これから此の世に生を受ける筈だった子犬の魂が、何らかの理由で肉体ではなくロボット犬のボディに宿った 転生体。
つまり ロボットの身体という点を除けば、まぎれもなく本物の犬と変わらぬ生命体なのである。
子犬の立場からすると、" 転生したらロボットだった犬…もとい件"という状況。これも広義の サイボーグに該当するのだろうか…。
宿った霊魂と霊夢が交信できなかったのも、人間に捨てられた恨みから生まれる付喪神や何らかの目的を持って道具に憑りつく憑依霊と異なり、 その誕生に邪な"他意"など存在しなかった為と思われる。
聖曰く、大変珍しい事例ではあるものの稀にこういう事もあるらしい。
当然ながらこのロボット犬を道具として"供養"するという事は本物の犬を殺処分する事と変わらず、無垢な犬にそんな酷い真似はできなかった霖之助はロボット犬を香霖堂で飼育する事を決断。
ロボット犬の方も霖之助を飼い主と認識したようで、だんだんと彼の言う事を聞くようになり、当初の暴れん坊っぷりも解消された模様。
霊夢はロボット犬の愛くるしい挙動に絆されてしまった事もあって霖之助の判断には同意するも、畜生界の動物霊騒ぎがあった直後という時期柄もあり、動物霊には注意するよう忠告している。
ちなみに餌に関しては、霊夢曰くこのロボット犬は付喪神と同じく"霊力"だけで生命を保っていると思われ、霊力は身近な自然や生物…つまり飼い主たる霖之助から奪う形で補給してるとの事。
なので霖之助はこれから少々疲れやすくなるらしい。
なお、菫子からロボット犬の名前はどうするのか問われた霖之助は、幻想郷という隔絶された土地で暮らすロボット犬という点を鑑み、外の世界にて最も有名で最大の孤独を味わった犬に因んで『ライカ』と名付けた。
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「で、どうしましょう。お寺に来たという事は、勿論供養を考えていたのだと思いますが……」
第8話に登場。
数百年の時を経て魔界より復活した
大魔法使いにして僧侶。
人里の近くに
『命蓮寺』という大きな仏教寺を構え、そこの住職を務めている。
人間と妖怪の平和的共存を望む慈愛に満ちた人格者であり、彼女を慕う者は人妖問わず多い。
複雑怪奇なロボット犬に完全にお手上げの状態となった霊夢が、悔しそうにしながら霖之助に彼女へ相談するよう提案。
命蓮寺へ赴いた霖之助にロボット犬を見せられた聖は、その正体について即座に見破っている。
なお、霖之助は聖の懇切丁寧な解説には感謝していたが、彼女は一応宗教家という事もあり、あまり深く関わり合いになると布教されかねないと少し警戒していた。
第10話に登場。
八雲紫に仕える
九尾の妖狐。
紫の式神として、日々幻想郷の維持に繋がる職務に携わっている。
元は地獄の『畜生界』に棲む幻獣の一体であったが、その畜生的イデオロギーに反発して脱界し、紫に仕えるようになった模様。
頭脳明晰で性格も至って真面目なのだが、頼まれた仕事は断れない生粋の
社畜属性の持ち主でもある。
作中では珍しくプライベートで活動しているらしく、昔の顔馴染みの依頼を受けて古巣である畜生界へと赴く。
実は電算機(コンピューター)弄りが得意で、システムエンジニアを務められるレベルのITスキルの持ち主であることが判明。
依頼先のコンピューターネットワークのシステム障害の原因が、何者かのハッキングによるものであると突き止めている。
一方でAI(人工知能)に関する知識は乏しい模様。
ハッカーを釣り上げるべく、畜生界のコンピューターから幻想郷の精神ネットワークに介入してメッセージをバラまいたところ、反応したのはなんと主人が要注意人物と気にしていた宇佐見菫子で…。
ちなみに上述の通り、彼女が初登場したのは第ニ期第10話なのだが、その存在については第一期第11話にて「油揚げ撒いておくと寄ってくる紫のしもべ」と霊夢からすでに言及されている。
そのため、なんと初言及から連載期間にしておよそ20年ぶりの本誌登場という形になった。
「敵がいるのなら得意分野だ。我々畜生界の若いもんに任せればいい」
第10話に登場。
畜生界に住まう極道畜生で、
"吉弔"と呼ばれる
龍と亀の相の子のような姿をした幻獣。
畜生界でトップ争いを繰り広げる有力組織の一角『
鬼傑組』の組長でもあり、智謀と策略に長けた
インテリヤクザ。
基本的に冷静沈着な策士として振舞ってはいるが、畜生の性と言うべきか明確な敵対者の存在を嗅ぎつけると興奮して喜ぶ血気盛んな気質の持ち主。
鬼傑組のコンピューターネットワークに突如として謎のシステム障害が発生。
畜生にしては頭の良い八千慧もコンピューターに関しては完全に門外漢のようで、システム障害が部下の手に負えないと判ると、対処を依頼すべく旧知の八雲藍を召喚した。
ちなみに藍は今の八千慧に対して「偉くなった」と言及している事から、藍が畜生界から脱界する以前はまだヤクザの親分ではなかった模様。
ゲーム内では他者に対して慇懃無礼かつ威圧的な態度を取る事の多い八千慧だが、藍に対してはかなりフランクな口調で気安く接している。
弱肉強食の畜生界で今や一組織のボスという責任ある立場に置かれている彼女にとって、畜生界のしがらみに囚われず付き合える旧友というのはもはや貴重な存在なのかもしれない。
●塵塚ウバメ
「誰かと思ったら、また博麗神社の巫女か。お前じゃなかったら撃ち落としてたぞ」
第11話に登場。
聖域に住まう山姥の王。
『聖域』とは妖怪の山の麓に広がる森林地帯で、遥か昔より森に満ちる厳かな神聖さに人間も妖怪も不用意に近づく事を避けるアンタッチャブルな地。
そこへ山姥のように他者や社会との繋がりを持ちたくない妖怪達が目を付けて棲みつき、外界との接触を絶ってひっそりと暮らすようになった。
ウバメは山姥の統括者として、これまで聖域全体を外界より齎される変化から護り続けてきた事もあり、聖域の住人達からの信望もすこぶる厚いのだとか。
作中において聖域は大きな問題に直面しており、その原因は聖域の地下から月の民の古代施設『浅間浄穢山』が発見された事にある。
幻想郷成立以前より存在し、聖域の神聖さの根源とも言えるこの施設が、幻想郷を容易に危機に陥れるだけの力を持つ事が判明。
この由々しき存在を看過できぬと、異変の収束後も幻想郷中から聖域へ調査に訪れる者が人妖問わず激増していたのである。
上述の理由により基本的に他所者の来訪を歓迎していない聖域の住人達からは、当然ながらこの状況への不満が蓄積。
王として仲間の不満は見過ごせないウバメは聖域への侵入者に神経を尖らせつつ、自らも浅間浄穢山の独自調査を行って解決策を模索していた。
調査の為に頻繁に聖域へと出入りする霊夢に対しては仲間の手前もあり苦言は呈すものの、異変を解決してくれた恩義もあってかウバメ個人としては信用している模様。
ウバメは自身の調査結果を踏まえ、浅間浄穢山の実態について核心を突いた鋭い推察を述べるなど智勇に優れた面を見せており、霊夢からも感心されている。
隠遁生活者故に他者に物を語って聞かせる機会も少ないからか、霊夢に個人的推察を披露した際は「どうだ」と得意げにドヤっちゃう割と可愛い面も。
●渡里ニナ
「えー?でも、現代医療を受けた人間の半分は既に遺伝子操作されているか、マイクロチップを埋め込まれて……」
第11話に登場。
情報に呑み込まれた怪物…もとい
貝物
外の世界の情報を集積し浄化して月の都へ送る情報処理施設である浅間浄穢山の内部に、偶然あった
古代の貝の化石が妖怪化した存在。
一応種族上は
"蜃"と呼ばれる蜃気楼を作り出す妖怪なのだが、誕生の過程で膨大な量の外の世界の情報を浴びたが為に
妖怪としての本質が著しく歪んでしまっている。
何より厄介なのがその性格で、生まれたてで浅間浄穢山から一歩も外へ出た事が無いにもかかわらず、情報の海に浸かりきっていたが故に
「私は全てを知るもの」と豪語する全能感に満ちた完全な
頭でっかちと化してしまっている。
挙句に世界を間違った視点で解釈しており、
"世間では隠された真実"を
識って
目覚めたと称し、根拠のない
陰謀論に傾倒する
陰謀論者へと成り果てている始末である。
霊夢と魔理沙は、こんな増上慢な危険思想の持ち主をこれ以上浅間浄穢山内に閉じ込めておくと、さらに情報を吸収して世界を脅かすとんでもない化物に変貌しかねないと判断。
そこでニナを山の外へ連れ出し、彼女に本物の世界を実際に見せて経験を積ませ、その誤った認識を矯正しようと試みる事に。
霊夢が浅間浄穢山を調査する傍ら、ニナの監督役を担った魔理沙は彼女を連れて幻想郷中をあちこち見せて回る。
が、ニナときたら空の雲を見上げてはやれ「飛行機雲だ」「ケムトレイルだ」と言い放ち、、路傍の地蔵を指差しては「お地蔵様には監視カメラが付いてて庶民を見張っている」と注意を促すなど、外でも相変わらず陰謀論に傾倒し暴走気味な有様。
実際のところ、ニナの知識を構成する情報のほとんどは幻想郷の外の世界に由来する事もあり、その話に付いて行けない魔理沙から何を言われようと「彼女が無知なだけ」とニナからは判断されてしまい、中々その認識を改めるまでに至らなかったのである。
ニナの相手をするのにだんだん疲弊してきた魔理沙は、ちょっと趣向を変えるべくニナを連れて香霖堂へと足を向ける。
すると香霖堂には偶然にもちょうど菫子が来訪しており、初対面したニナと菫子はなんと早々に意気投合。
外来人でオカルトマニアでもある菫子は、ニナの話に完全に追従できる幻想郷では数少ない存在だったのである。
だが菫子は、ニナが傾倒している陰謀論については人々を分断し人類の未来に影を落とす危険なオカルトと警鐘を鳴らす。
それと同時に、同じ隠された真実でも人間の都合で社会から隠蔽される"陰謀"より、世界に隠された"神秘"を追い求める道をニナに啓蒙するのだった。
その後、ニナの暴走はすっかり少なくなり監督役の魔理沙の肩の荷もようやく下りたとの事で、菫子という自身の理解者と生まれて初めて巡り会えた事が彼女にとって良い刺激となった模様。
ちなみに今話の展開から、ファンの間では
未来の秘封倶楽部のメリーの正体=ニナ説なるものが爆誕してしまう事に。
金髪美少女なら誰でもええんかい…
【作品の歴史】
上述の通り、本作は記念すべき東方Project初の公式書籍作品なのだが、その連載史は波乱万丈を極めた事で有名。
単行本に収録されている第一期(全27話)の連載時期は2004年1月~2007年12月の僅か4年間に過ぎなかったのだが、実はその間に雑誌の廃刊などが理由で幾度となく掲載媒体を変えているのである。
ZUN氏曰く「ある意味、奇跡の連載」で、当時よりのファンからは冗談交じりに「雑誌を廃刊に追い込む程度の能力」などと揶揄される始末である。
◇第一期連載までの経緯
2002年に、現在まで続く東方の世界観の下地となった
Windows版第1作目にしてシリーズ第6弾『
東方紅魔郷』が発表。
製作者のZUN氏によれば、その直後あたりからすでに複数の出版社より書籍・漫画化のオファーがきていたとか。
当時は同人ゲーム『
月姫』の成功や、同人界隈からサブカル業界で起業する者も相次いでいた事もあって、同人からメジャー級の作品を発掘する流れが盛んになり始めていた時期であった。
『香霖堂』を最初に連載していた
株式会社『ビブロス』も、その業界の流れの中で東方projectという作品にポテンシャルを見出した出版社の1つだったのである。
当初ビブロス側から提案された設定・企画はZUN氏にとって「ちょっとそれはないんじゃないか」という内容だったらしく、難色を示したZUN氏は自ら設定を考案する事に。
当然ながらZUN氏が小説を執筆するのはこれが初めての事であり、ビブロスの編集担当者と打ち合わせを重ね、小説を書く為の心得やプロット作成、原稿執筆までの流れなどを教わりつつ作品を作り上げていった模様。
◇掲載媒体の変遷
●『Colorful PUREGIRL』時代 (1話~9話)
2004年1月よりアダルトゲーム専門誌『Colorful PUREGIRL』2月号で連載がスタート。
ZUN氏曰く、当初は6話までで終了する短期連載の予定であったらしい。
が、第6話掲載後もビブロス側から延長や打ち切りの話は無く、結局2004年10月に雑誌が休刊になるまで連載がなし崩し的に続く事となった。
掲載誌も休刊となり、これにて香霖堂も強制的に打ち切りになったと思われたが……。
●『magazine elfics』時代 (10・11話/13~15話)
ところがビブロス編集部より掲載を他誌に移しての連載続行を打診され、ビブロス関連会社「ビブロポート」が運営する同人ショップサイト「エルフィックス」の派生雑誌「magazine elfics」で連載が再スタートした。
前の雑誌とは誌面のレイアウトが異なり、執筆する文章量も変わったため、ZUN氏は結構難儀させられたとの事。
ちなみにこの雑誌、権利的にグレーな同人誌・同人ソフトを専門に扱うキワモノだったらしく、ある意味では先鋭的な雑誌であったがZUN氏も「いやー、とにかくひどかった(笑)」と評する程の誌面だったようだ。
案の定、同誌は2005年10月に休刊となり、今度こそ終了かと思われたが……。
●『elnavi』時代 (16~18話)
なんと
ビブロポートのWebページ『elnavi』上での連載続行が決定し、2005年12月からWeb連載という形で再スタートした。
ちなみに本作の第17話「洛陽の紙価」は当時の環境から着想を得たエピソードである。
ともあれWeb連載になった以上は雑誌の廃刊による終了の心配は無くなったも同然であり、今度こそ円満な連載終了が見込まれた。
ところが、
2006年4月5日にビブロスが経営破綻。
掲載媒体が会社ごと無くなったのであった。
Webページは閉鎖されたばかりか担当者が会社に行っても中に入れず、パソコンから原稿等のデータも取り出せなくなるなど、もはや連載終了どころか『東方香霖堂』自体が
封印作品と化してもおかしくない状況となってしまった。
●『電撃萌王』時代 (19~27話)
すると、東方香霖堂の現状を憂いたビブロスの編集者が次に連載をさせてくれる会社を探してくれたらしく、置き土産の様に決めてくれた移籍先がメディアワークス (現KADOKAWA) 発行の雑誌『電撃萌王』であった。
移籍はすんなりと進み、何事もなかったかのように2006年6月から連載が再開され、2007年12月につつがなく最終回を迎えることができた。
なお、この他に2004年12月に発表された同人サークル「twirl-lock」発行の小説合同本の同人誌『霊偲志異2』にも本作第12話「神々の道具」を寄稿している。
◇単行本化の難航
単行本化の話自体はビブロス時代の末に既に存在していたとの事。
当初は文庫本サイズで出す予定で、折角だから文庫本以外の媒体にしてCDを付けようなどと話を進めていたが、ビブロスの倒産により一旦棚上げとなった。
電撃萌王での連載終了後、アスキー・メディアワークス刊行で改めて単行本を出すことになり、"2008年春発売予定"との告知が出された。
ところがその2008年春になっても発売されることはなく、同年8月にZUN氏が
「年内発売」と発言したが、その後およそ1年半もの間、何の音沙汰もない状況が続いた。
奇しくも当時、東方projectは
ニコニコ動画でのブームに乗って世間での知名度が爆発的に伸びており、それ故に本作の動向への注目も必然的に高まりつつあった時期。
ファンの中には発売を絶望視する者さえおり、当時の二次創作でもこの状況をネタにしたものがチラホラ存在する始末であった。
状況に変化が訪れたのは2010年1月の事。
電撃萌王のブログ上にて、"2010年春発売予定"との告知がついに出されたのである。
この告知により、当時のファンもようやくこの生殺し状態に終止符が打たれると安堵。
が、2010年5月になって再び発売延期の告知が出され、"年内発売予定"に変わるという嫌でも2008年の状況を彷彿させる事態になってしまう。
そのため、後に"2010年9月30日"発売予定と告知が出たが、「実際に手に取って読むまでは信用できない」とファンはすっかり疑心暗鬼に陥ってしまった。
結局この時の懸念は杞憂に終わり、単行本は予定通り発売された。
ここまで単行本化が難航した理由は、やはり掲載媒体を転々としてきたことによる弊害があったとされる。
権利の分散化もさることながら、掲載媒体により文章量も異なるためレイアウトの統一が必要になるなど、解決すべき問題があまりにも多かったのだ。
上海アリス幻樂団は基本的にZUN氏一人で運営しており、本業のゲーム開発だけでなく他の書籍作品のプロット出しや打ち合わせなど多忙であった事も要因の一つだと思われる。
◇第二期連載開始
単行本発売以降、本作は公式からもファン界隈からも特に顧みられる事もなくなり、主人公の霖之助の公式露出も皆無に近くなるなど暫く冬の時代が続いた。
が、単行本が発売されてから丁度5年の節目に当たる2015年9月30日に創刊された東方project専門の公式マガジン『東方外來韋編』にて
連載が再開。
霖之助等いつものメンバーに加え、同年5月頒布のゲーム第14.5弾『東方深秘録』に登場し、当時のファンの度肝抜いた革命児的新キャラクター"
宇佐見 菫子"を第二主人公に抜擢。
新たな視点を交えつつ、時代が平成から令和に移った現在に至るまで、最新の東方世界を描写し続けている。
なお、外來韋編での香霖堂復活に先駆け、当時連載されていた漫画『東方鈴奈庵』の第26・27話にて霖之助が久しぶりに公式作品へ登場。
以降は『
東方茨歌仙』や『東方酔蝶華』などでも度々登場する機会に恵まれている。
アニヲタWikiにアニヲタが溢れた。
Wiki籠りが追記を始めたその時、香霖堂の項目が修正された。
- 読みたい -- 名無しさん (2013-09-21 02:40:23)
- ↑買おうよ。タグにあるとおり雑誌変わりまくってて書籍化が絶望視されてたころとは違うんだ -- 名無しさん (2014-01-08 22:04:42)
- 紫の絵は確かに衝撃だった この少女は誰ぞ!? -- 名無しさん (2014-09-02 16:31:37)
- 白髪のジト目モブ天狗かわいい -- 名無しさん (2014-10-17 20:43:31)
- ジュンク堂池袋店に在庫が後一冊ある模様。 -- 名無しさん (2016-05-17 14:48:58)
- 菫子と仲良くやっておられるようで、あと助手は誰なんだろうな -- 名無しさん (2016-07-29 18:53:54)
- 紫の言う「流行りの画面が二つあるやつ」も、今やすっかり幻想入り一歩手前という事実に時の流れを感じる…… -- 名無しさん (2020-09-04 21:34:57)
- ロリ感ある挿絵がすごく好き -- 名無しさん (2024-07-27 20:18:23)
最終更新:2026年06月30日 16:28