摩多羅 隠岐奈

登録日:2019/03/26 Tue 22:28:50
更新日:2024/05/03 Fri 23:03:25
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6面ボス EXボス あらゆるものの背中に扉を作る程度の能力 オーラ カイコ ツンデレ トリックスター ドア バックドア バランサー フィクサー マターラ マーラ ミシャグジ様 ラスボス 丁礼田舞 三浦小季 二童子 冨岡美沙子 創造者 北斗七星 四季 四季異変 地母神 大物 大黒天 天狗 天空璋 季節 宿神 差別 常世神 幻想郷 幻想郷の賢者 後戸 後戸の国 摩多羅 摩多羅神 摩多羅隠岐奈 摩羅 暗躍 最初から全てを見せているタグ欄 東方 東方Project 東方天空璋 東方茨歌仙 椅子 河原者 爾子田里乃 物部守屋 狂言 猿楽 甲斐田裕子 目立ちたがり 真言立川流 矢作紗友里 石原夏織 破壊者 神様 秘匿されたフォーシーズンズ 秘神 秘神マターラ ~Hidden Star in All Seasons. 秦河勝 聖徳太子 能楽 茅原実里 茨歌仙 被差別民 賢者 車椅子 過激派 邪神 闇の摩多羅神 障碍 障碍の民 面霊気 養蚕 黒幕



【はじめに】


この記事を、見てはいけない。

聞いてはいけない。

語ってはいけない。





それでも貴方は、この記事を読みますか?































見よ!聞け!語れ!秘神の真なる魔力がお前の障碍となろう!


摩多羅(またら) 隠岐奈(おきな) とは、東方Project第16作『東方天空璋』のラスボスを務める人物である。
同作ではSTAGE 6ボスとして登場した後、Revenging Stage (エクストラステージ) ボスとして再登場する。
東方の整数タイトルにおいて一作品の一キャラクターが複数のステージの大ボスを兼任するのはWindows版では初めてである。


なおPC-98版 (いわゆる“旧作”) では一度前例があり、Windows版でも一つ前の整数タイトルタッグを組んでから再登場した者がいる。
同作以外ではゲーム第16.5作『秘封ナイトメアダイアリー』及びコミカライズ『東方茨歌仙』に登場しており、隠岐奈自身は登場しないものの『東方香霖堂』『東方三月精』でもその存在について言及されている。



【概要】

種族 秘神
二つ名 究極の絶対秘神 (『天空璋』)
威風堂々たる神秘 (『茨歌仙』)
能力 あらゆるものの背中に扉を作る程度の能力
テーマ曲 秘匿されたフォーシーズンズ
秘神マターラ ~Hidden Star in All Seasons.


万物の背中に潜む秘神。
丁礼田舞と爾子田里乃の主人であり、彼女達“二童子”からは“お師匠様”と呼ばれている。
表向きの神性は極めて多様であり、公式で語られた物だけでも後戸の神、地母神、宿神、能楽の神、星の神、養蚕の神、障碍の神、被差別民の神といくつもの表情を備える。さらに、”オキナ”という名は能の”翁”を示すのだが、ZUN氏曰く「女体化ではない」ようだ。
つまりこの秘神は男性と女性の両方の性質を備える存在という事になる。
加えて彼女は八雲 紫と同様に幻想郷を造った賢者の一人でもある。
しかし隠岐奈は本当の正体を決して知ってはならない存在だという。
見てはいけない。聞いてはいけない。語ってはいけない。
二つ名にもあるように、“絶対の秘神”というのが彼女の本質である。



【容姿】

冠を被ったセミロングの金髪と、同じく金色の瞳を持った少女。
胸元からは北斗七星をあしらった前掛けを垂らしていて、彼女が星を司る神である事を分かりやすく示している。なお『天空璋』のタイトル自体が“大空の柄杓”、つまり北斗七星を表す物。
この前掛けは東方においては幻想郷の成立と維持に密接な関わりを持つ“賢者”ないしはそれに類する者が共通して身に着けている衣装で、隠岐奈は自身と同様前掛けのついた服を身に纏う紫や茨木 華扇とは旧知の仲のようだ。
上着が黄土色なのに対してスカートは緑色のため、服装の配色は見えないサトリ妖怪に見えなくもない。


『天空璋』における主人公との初戦では椅子に座ったまま戦闘を行っている。*1
この椅子は背もたれと肘当てが付いた快適そうな物で、作中では椅子ごとゲーム画面内を縦横無尽に動き回った。また同作の隠岐奈の背後からは四季をイメージしたのか桃色黄緑色橙色水色のオーラが立ちのぼっている。
なお、車椅子自体は『三月精』で登場しているが、特に歩けないというわけではないらしい。



【性格】

秘神と呼ばれる存在でありながら目立ちたがり屋な性格の持ち主。
そもそも四季異変を起こした理由の一つが、自らの力を幻想郷に誇示するためである。
幻想郷の四季が狂ったのにもかかわらず、異変を起こした者の正体や真意が掴めないであろう多くの人間や妖怪は異変の首謀者に対して驚きや畏れ、さらには称賛といった感情を抱いた。ごく一部の異変解決に携わった者と、彼女達から異変の詳細を耳にした者達は事実を知る事でかえって隠岐奈へさらに強い感情を抱いている。これを懸念した魔理沙は当初異変の詳細を語りたがらず、「天狗にとって不利な情報が含まれていた」として四季異変の真相を記事にしなかった。


『天空璋』や『秘封ナイトメアダイアリー』では仰々しい男性的な話し方をしている。
これは後述の事情を鑑みるに神子のようにTPOに合わせて態度を切り替えているとみられる。
背中の扉を利用して後戸の国から追い出した相手に対して「自分から逃げた」と批判する陰湿な面も見受けられるが、日焼けしたチルノ相手には初対面時から暴走が進んでいるのを危惧してその身を案じていた。また自らの土俵における勝負であっても、自身が敗れた際には素直に負けを認める潔さも持つ。『ナイトメアダイアリー』の菫子に対する対応を見ても、物事には公平さを求める性分のようだ。


そして『天空璋』での再戦で敗れた後や『茨歌仙』では女性的でフランクな話し方をした。
あまりにも急に口調が変わったため、魔理沙は「突然口調が変わって気持ち悪い」と素直な反応を示している。この時はノリのいい面を見せており、自身にツッコミを入れた魔理沙に合いの手を入れる一幕がある。「よっ!現代風!」
だがこの話し方をしていても、霊夢「やろうと思えば幻想郷を造り直す事だって出来る」と宣言する辺り、どうにも油断ならない人物である事は確かなようだ。


総じて傲慢ではあるものの弱者には慈悲深く、フォローやアフターケアを怠らない管理者としての性格が強い。自身をぞんざいに扱う者には容赦がないが、逆に恭しく扱う者には慈悲深い辺りは良くも悪くも神様らしい神様である。
ちなみに、神様である事に誇りを持っているのか妖怪扱いされると朗らかに訂正する。



【能力】

数多の神性を持つ事から多数の能力を持っていると考えられるが、隠岐奈を最も特徴づける能力はやはり“背中の扉”*2を生成する能力だろう。これはただの出入り口ではなく、隠岐奈がその能力を最大限に発揮するために欠かせない物である。普段は扉の中に広がる異界”後戸の国”に二童子とともに潜み、幻想郷の裏で文字通り暗躍している。
普段は自身の力を分け与えた舞と里乃に雑用をさせている物の、相手の気付かないうちに生命力と精神力を思いのままにする事が出来る。
この能力を利用すれば、高麗野あうんのような新しい妖怪を生み出すことも容易い


『天空璋』では二童子を操り幻想郷中の妖精等を暴走させていたが、この時発生させた背中の扉から放出された魔力は隠岐奈の元に還元されていたようだ。また自機勢には“季節装備”と呼ばれる四季に因んだ特殊な力を授けていたが、こちらも隠岐奈の意思一つで手元に回収する事が可能だった。そのため同作の隠岐奈との一戦目では最後のスペルカードとして自機勢から奪い取った季節装備を使用している。さらに背中の扉を持った者であれば仮に後戸の国まで来られたところですぐに追い出す事が出来るため防御面もぬかりない。
ただし万能に思われるこの能力にも制限があり、季節の変わり目である“土用”は最も生命力が失われる時期であるがために扉を魔力の回収や外敵の排除に使う事が出来なくなる。この性質を見抜いた自機勢はそれぞれの手段で隠岐奈の罠を逆利用する事に成功し、彼女達を見直した隠岐奈は再戦の申し出を快く了承した。


また、『秘封ナイトメアダイアリー』では自身の与えた試練を乗り越えた菫子に背中の扉を開放する事で本来は持ち得ない超能力を発現させている。その後の様子から、これまた隠岐奈の任意で扉を閉める事で能力を封印する事も出来ることが判明している。


後戸の神であるためか自機の後方から弾幕が現れる攻撃が多い。また、スペルカードの名前を見てみると“暗黒猿楽”というどこか似た名前に聞き覚えのある名詞が……。


隠岐奈の使用するスペルカードは以下の通り。

後符「秘神の後光」   秘儀「マターラスッカ」
後符「秘神の絶対後光」   秘儀「背面の邪炎」
裏夏「スコーチ・バイ・ホットサマー」   秘儀「秘神の暗躍弾幕」
裏夏「異常猛暑の焦土」   秘儀「神秘の玉繭」
裏秋「ダイ・オブ・ファミン」   「神秘結界」※(夢) 紫との合同技
裏秋「異常枯死の餓鬼」   「背後からの盗撮者調伏」※夢霊夢との合同技
裏冬「ブラックスノーマン」   「卑怯者マスタースパーク」※夢魔理沙との合同技
裏冬「異常降雪の雪だるま」
裏春「エイプリルウィザード」
裏春「異常落花の魔術使い」
「裏・ブリージーチェリーブロッサム」
「裏・パーフェクトサマーアイス」
「裏・クレイジーフォールウィンド」
「裏・エクストリームウィンター」
秘儀「リバースインヴォーカー」
秘儀「裏切りの後方射撃」
秘儀「弾幕の玉繭」
秘儀「穢那の火」
秘儀「後戸の狂言」
秘儀「マターラドゥッカ」
秘儀「七星の剣」
秘儀「無縁の芸能者」
「背面の暗黒猿楽」
「アナーキーバレットヘル」



【四季異変の真意】

隠岐奈は二童子を使って幻想郷の四季を乱したが、あくまでもそれ自体は生命力が漲った妖精達の暴走による副作用でしかなかった
彼女が異変を起こしてまでしたかったことは大きく分けて三つある。


まずは自機勢に初対面から話していたように、舞と里乃の後継者を見つける事だ。
隠岐奈は定期的に別の者を二童子にしていると話していて、『天空璋』では魔理沙とチルノに後継者としての可能性を認めている。もっとも二童子の境遇が境遇なので両者ともにべもなく断られているが、少なくとも魔理沙に関してはまだ自分の部下にするのを諦めていないようだ。
しかし、後継者候補は見つかったとは言え元々後継者探しは「嘘の口実」に過ぎないようで、舞と里乃についても後継ぎがいなければそのまま二童子を続けさせる気でいる。


次なる目的として、前述したように自らの力を幻想郷に知らしめる事がある。
これは単に隠岐奈に対する畏敬を集める以外にも、幻想郷における主導権を握ろうと活動する一部の妖怪達に警鐘を鳴らす意図があったようだ。隠岐奈との戦いを経た文は話の内容を記事にしようとしなかったのはこの辺の事情もあるようだ。
多くの人妖にその存在が知れ渡る事で他の賢者に自身の存在をアピールする事にも繋がっており、紫が霊夢に季節の境界=土用を使った作戦を伝授したらしき事を聞くと一人静かにほくそ笑んでいた。


だが最大の目的はもっと単純な、それでいて幻想郷を管理する賢者らしい物である。
それは先の大異変に見舞われた幻想郷が無事に機能しているかを確認する事であった。
深秘異変や月の侵攻といった幻想郷その物を揺るがしかねない危機が立て続けに訪れたため、この二つの異変に付随して発生した都市伝説異変完全憑依異変の影響が落ち着いたのを見計らって“幻想郷全域に一目でわかる影響をもたらすが、幻想郷の結界には一切影響しない”四季異変を起こしたのだ。
上述の他の賢者に対する自己アピールについても、おそらくは自分が幻想郷の現状を観測している事を知らしめる事で発破をかける意図があったものと思われる。
こちらの目論見は見事に成功しており、隠岐奈は「機能しすぎて、もはや誰にも制御出来ないようだが。それも賢者達が望んだこと」と語っている。



一つの行動によっていくつもの目的を同時に達成する点はまさしく賢者の称号を名乗るのに相応しいと言えよう。


【幻想郷の賢者として】

普段は扉を作り出す能力と生命力と精神力を操作する能力を利用し、幻想郷内の監視と(おそらく)パワーバランスの調整を行なっている。

そして、必要とあらば自ら異変を起こして幻想郷を掻き乱す事も厭わないバリバリの過激派。
実際『天空璋』の四季異変、『三月精』の妖精消滅異変、『剛欲異聞』の黒い水異変という大規模な異変を3度に渡って起こしている。(妖精消滅異変に関しては四季異変の余波という側面もあるが)
更に『秘封ナイトメアダイアリー』『The Grimoire of Usami』でも裏で暗躍しており、黒幕を張った回数は全キャラでもトップクラス。

一方で幻想郷の管理については、管轄外の事については直接口は出さず間接的な干渉に止めるという一歩退いたスタンスを取っている。
どちらかと言えば穏健派で事なかれ主義なところがあり、時には異変解決のために率先して介入する事もある紫とはまさに対極のスタンスと言える。


【元ネタ】

隠岐奈の元ネタはその名の通り摩多羅神と呼ばれる不思議な神である。
摩多羅神その物は神道ではなく仏教寄りの存在で、日本には天台宗の一派が持ち込んだとされている。二童子を合わせた三位一体の姿で表されることが多い。
宗教において複数の存在が一つのものにまとめられる“習合”はままみられるが摩多羅神の場合はそれが尋常ではない範囲に広がっており、東方において隠岐奈が多数の神性を持つ事に繋がっている。
その同一視される存在の一つに秦河勝がいる。
彼は飛鳥時代の豪族だが、聖徳太子の側近として物部守屋の討伐や常世神を崇める宗教団体の征伐などの武功を挙げた。死後は能楽の神として大避(おおよけ)神社に祀られている。
なおこの大避神社、その名が『東方外來韋編』によると“大酒”の神社にして“大きく避ける”神社と読めるとしてZUN氏のお気に入りだそうだ。



つまり自分の力凄いぞアピールか。さもしい奴だなー

神様には追記・修正が必要なのよ。判ってくれる?























そういえば、秘神ではあるが彼女は隠れているわけでは無いのだ。
最初から、全てを見せている秘神なのだ。



この項目が面白かったなら……\神様ですよー/

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最終更新:2024年05月03日 23:03

*1 当初は”障碍の神”である事を表現するために車椅子に乗って登場する予定だったようだが事情あって現在の形となった。デリケートな問題のため本記事に記す事は避けるが、詳細は『東方外來韋編 肆』のZUN氏インタビューに詳しい

*2 作中の曲名から”バックドア”というコンピュータプログラムに例えられることもしばしば。バックドアは正規の手続きを踏まずにプログラムに侵入するための入口の事