ドラえもんの算数おもしろ攻略 続・文章題がわかる

登録日:2020/02/22 Sat 20:41:38
更新日:2023/06/23 Fri 23:59:32
所要時間:約 6 分で読めます




『ドラえもんの算数おもしろ攻略 続・文章題がわかる』とは、小学館から刊行されている算数漫画である。著者は小林敢治郎。作画は村田ヒロシ。

タイトルでわかる通り『ドラえもんの算数おもしろ攻略 文章題がわかる』の続編にあたるが、
引き続き算数の文章題を扱っているというだけでストーリー上の繋がりはない*1
そもそも作画も違うし(前作は『ザ☆ドラえもんズ スペシャル』の三谷幸広)。

ストーリーはドラえもんとのび太が恐竜目当てに古代にタイムスリップする内容だが、後半からは大長編ばりのストーリーが展開される。
ドラえもんとのび太以外のレギュラーキャラは登場しない。
学習漫画である都合上、恐竜時代の買い物の会計は算数の問題、後半での対決は頭脳戦*2、という独自設定がなされている。
なお本作ではジュラ紀と白亜紀の恐竜がかなりごっちゃになっているが、後半の展開を踏まえればもはや大した問題ではない。

作中で扱われる文章題は前作のものと比べて全体的に難易度が高く小学生高学年向けの内容となっている。
高校・大学生の読者諸君も、もしかしたらSPIや公務員試験にも役立つ…かもよ。

◇扱う問題

  • 方陣算 (一番外側の一列が10個、列の厚さが3列の中空方陣を作るのに石は何個必要か?)
  • 還元算(未知数xに行った加減乗除の結果からxを求める問題)
  • 過不足算(●人に×個配ったら余り、▲個配ったら不足する…という問題。面積図で出せる)
  • 差集算(過不足算の基礎、毎回5個差がつくのを7回繰り返したら…という問題)
  • 集合算(所謂ベン図を使うとわかりやすい問題。たとえばクラスの生徒にアンケートを取りサッカーと野球を両方好き、サッカーだけ好き、野球だけ好き、両方嫌いと四分割するような問題。問題なので当然一部の情報が隠されている。)
  • 倍数算(比の変化から数量を求める問題。元々1:3だったのが●個づつ加わったので1:2になりました、というような問題)
  • 相当算(個別的数量が全体の●%だったので、全体はどのくらいあるでしょうか、という問題)
  • 仕事算(一人当たりの仕事量から全体の労働量を計算する問題)
  • のべ算・帰一算(具体的数量Aを●で割ったら×になるので、Aを▲で割った商■はいくつでしょう、という問題)
  • ニュートン算(穴の開いた水槽に水を入れたり、一定の比率で草が伸びる牧場で牛を飼う問題)

◇あらすじ

映画「ジュラシックワールド*3を鑑賞したのび太はいつも通り大昔の恐竜に会いに行きたいと言い出す。
タイムマシンが(のび太があの時代に行きたいこの時代に行きたいと何度も使わせたから)故障中だったので、古代遺跡の方陣を利用してタイムスリップした二人。
ほんやくコンニャクにより現地の恐竜と仲良くなり、学校に行ったり買い物に連れて行ってもらったりと恐竜時代を満喫するが……?


【登場人物】

◆メインキャラ
いつも通りナビゲーション兼解説役。
寝ぼけたのび太とキャンプにボコボコにされるなど災難な場面も。
首都ドラゴンシティで伝説上の存在であるバハムートが王として崇められていることや、後述の謎の恐竜に疑問を抱く。

相変わらずすぐ調子に乗る。
恐竜への憧れは強く、タイムスリップするための難問も一度は音を上げつつも下心込みでクリアしてみせた。
キャンプにビビッて泣きながらスペシウム光線を撃とうとした。


◆本作オリジナルキャラクター
  • 時空神
時の門番。巨大な目覚まし時計に目鼻と手足がついたキャラクター。
方陣でタイムスリップしようとしたのび太たちが「時空パスポート」を持っていない*4ことを知ると追い返そうとする。
時空神の癖に時計算が苦手で、その場でパスポートを取得するためのテストを受けたのび太に還元算の問題を出した。
なお、原作ではパスポートというものがないにも関わらず普通にタイムスリップできるため、本作オリジナルの設定である。

  • キャンプ
キャンプトサウルスの子供。のび太たちが出会った第一村人恐竜。家族がものすごく多い。
のび太たちに懐き、自分の家を紹介しただけでなく、学校やデパートの案内もしてくれた。
ねぼすけで学校には遅刻しアロくんにイジメられるなど、のび太そっくりのダメダメっぷりを見せる*5

  • アロくん
アロサウルス。学校のガキ大将。
キャンプに「アロくん」と呼ばれると「アロサウルス様といえ」とキレる。(ドラえもん曰く「何処の世界にもジャイアンみたいなのがいるのね」)
なおこの世界の肉食恐竜は何を食っているのかよくわからない(のび太たちは単なる動物だと思っているようで食べようとしている事を考えると、ただ単に恐竜以外の動物を食べているだけなのかもしれないが。)。

  • モノクロニウス
通学バスを兼ねて背中に載せてくれる恐竜。しかし文字通り道草を食ってしまう。

キャンプの家の近所の奥様方。

  • イグアノドン
顔つきはめちゃくちゃおっかないがおとなしい性格のオジサン。キャンプの知り合い。

  • ゴルゴサウルス
イグアノドンと外見が少し似ているがこちらは本物の肉食恐竜。

タクシー代わりに空を飛んでくれる翼竜

  • アパトサウルス
ドラゴンデパートのエレベーターをしてくれる大型恐竜。

  • イクチオサウルス
イルカに似た魚竜。最後の問題で登場した。
ちなみにイクチオサウルスは、世界で最初に全身化石が発見された中生代の爬虫類である(恐竜より早かった)。

  • ザウくん&ルスくん
首都ドラゴンシティで喧嘩していた2頭の恐竜。
のび太たちに仲裁された後も懲りずに喧嘩を繰り返し、諦めて立ち去ろうとしたのび太を「困ってるのに見捨てる気か」と責めるなどかなり迷惑な存在。
なぜか口から火を吐けることをドラえもんは怪しむが……


【主な舞台】

  • 方陣
古代に作られた大量の円盤状の石で造られた巨大な方陣の遺跡。
タイムマシンのような機構があり、方陣の近くの石板に書かれた方陣算の問題を正解すると方陣の上に時空への扉が開きタイムスリップ出来るようになっている。
ただし、問題に間違えたり問題をきちんと理解した上で正答しないと天罰として雷が落ちる
石板は2枚あり、2問とも正解しなければならない。
のび太によれば石板には「のび太くんは頭も顔もいいモテモテボーイ」と書かれているらしい。

  • ドラゴンスクール
キャンプやアロくんたちが通う学校。
肉食恐竜と草食恐竜が一緒に在籍している。
ちなみに遅刻すると問題を出され、問題を解くまで学校には入れない。

  • ドラゴンデパート
生活雑貨を売っているデパート。
商品を入手するには問題を(ry

  • 肉屋
のび太とドラえもんがすき焼きの材料を買いに行った店。
もちろん肉食恐竜の溜まり場。何の肉を売っているのだろうか?

  • ドラゴンシティ
首都である大都市。
竜王バハムートの像が建てられている。



以下、ネタバレ注意

















「勇者さま、我々をお救いください。このままでは地球は滅亡してしまいます。」



ザウ&ルスの正体は竜王バハムートの部下だった。地球を救う勇者を探し求めてわざとドラゴンシティで揉め事を起こしていたのである。
部下に連れられて王都に向かったのび太たちはそこで伝説とされていた竜王バハムートに出会う。
伝説上の存在とされているバハムートが実在したことに驚きを隠せないドラえもんに対しバハムートは衝撃の事実を告げる。
実はバハムートたちは故郷の星が寿命を迎えたため地球への移住を求めて宇宙を旅してきた宇宙人であった。
バハムートはあくまで地球の生物との共存を求めていたが、
同胞のダークバハムートは地球が自分たちが住むには狭すぎると知り、移住の邪魔になる地球の生物を滅亡させることを計画。そのための軍隊を地球に送り込もうとしていた。
計画を知ったバハムートは恐竜たちを守るため、難問を解くことが出来る伝説の勇者としてのび太たちをスカウトしたのである。
かくしてのび太とドラえもんとダークバハムート軍による戦いが始まった……。




移住を求めて地球に辿りついた宇宙難民にして地球の竜王。
地球の生物と共生しようとする穏健派であり、宇宙人でありながら恐竜から竜王と慕われ崇められるなど絶大なカリスマ性を発揮している。
作中ではあくまでも軍隊の司令官であり実際に戦うシーンはない。
地球に降り立ったダークバハムートに対して説得を試みたが、「裏切り者」呼ばわりされ聞き入れられなかった。

  • ワイバーン
バハムートに仕える空の竜。

  • サラマンダー
バハムートに仕える陸の竜。見た目は恐竜とそんなに変わらない。

バハムートに仕える海の竜。海では無類の強さを発揮するが、陸上では干上がってヨレヨレになってしまう。
後に映画に出てくる奴とは別と思われる


  • ダークバハムート
「あ~ ぼう力はんたい~!!」
地球を気に入り既に地球に住んでいる生物を滅ぼさんとする本作のラスボス。
最初は地球を見下ろす位置に存在するデス・スタードラゴンスターから部下を送り込み様子を見守っていたが、のび太たちによって軍隊が壊滅させられ自ら地球に赴いた。
一度はのび太たちに倒されるものの「うっそピョーン。」と気力で復活し、ドラえもんもオーバーヒートするほどの超難問を出題する。

  • ダークワイバーン
ダークバハムートの手下。隊長は後頭部にトサカがある。
思いっきり宇宙空間を翼で飛んでいる

  • クラーケン
海竜部隊を率いるダークバハムートの手下。どう見てもただのデカいタコだが、タコ呼ばわりされると怒る。

  • ドラえもん
バハムートの部下によって城に案内されたときは「話が面白くなってきたぞ」とメタ発言し、
バハムートに対して「地球は僕たちが守ります」と啖呵を切るなど大長編のび太さながらの雄姿を披露した。もうコイツ1人でいいんじゃね?
本作ではヘタレのび太を引っ張っていく強いリーダーシップも発揮。
戦いから逃げようとするのび太を投げ縄で連行するシーンはもはや完全にコントである。

  • のび太
ドラえもんに何度も美味しいところを持っていかれ、戦いでもすぐ逃げようとするなどかなり情けない。
それでも恐竜を守ろうとする意志は非常に強く、恐竜を滅ぼすと宣言するダークバハムート相手にまさかの大砲を持ち出し、ダークバハムートに暴力反対と言わせた。
最終問題ではドラえもん同様に混乱に陥るも、ドラえもんとの共闘で見事にダークバハムートを撃破する。













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最終更新:2023年06月23日 23:59

*1 作中でものび太たちが過去に時計算を学習したことに触れるのみ。

*2 敵の出題した問題を解くと敵を撃破。

*3 発行から22年後に同名の映画が公開されたが、特に修正はされていない。

*4 ドラえもんはこんな時に限って忘れてきていた。もっとも、いつもタイムマシンに置いているのかもしれないし、1台しか持っていない事を考えるとそもそもタイムマシン上から持ち出していないのかもしれない。

*5 もっともねぼすけな理由は遅刻したときに先生に出される問題を解くために遅くまで勉強しているからで、ドラえもんには「それなら早く起きればいいのに・・・」とツッコまれている

*6 ただ単に引っ越すための星を探していただけのはずなのに、なぜそんな設計をしたのだろうか?