うちの弟子がいつの間にか人類最強になっていて、なんの才能もない師匠の俺が、それを超える宇宙最強に誤認定されている件について

登録日:2020/09/20 Sun 11:29:00
更新日:2024/04/06 Sat 01:25:37
所要時間:約 15 分で読めます




よくわかったな。その通りだ


「うちの弟子がいつのまにか人類最強になっていて、なんの才能もない師匠の俺が、それを超える宇宙最強に誤認定されている件について」とは、小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿されているオンライン小説。及び秋田書店によるweb漫画サイト「マンガクロス」にて連載中の漫画。

小説版 1、2巻
出版社:一二三書房
レーベル:サーガフォレスト
著者:アキライズン
イラスト:toi8

漫画版 1巻
出版社:秋田書店
レーベル:少年チャンピオンコミック
原作:アキライズン
漫画:内々けやき
キャラクター原案:toi8


概要

かつて世話をした世界最強の少女アリスによって宇宙最強の師匠ということにされてしまった世界最弱の男タクミが、周囲の過大評価に振り回される勘違い系コメディ作品。しかし、タクミがそんな事態に陥った裏にはシリアスな背景が隠されており、それが少しずつ明かされながら物語は進んでいく。
ハーレム、パーティ追放、周囲の称賛、成り上がりなどなどファンタジー系ライトノベルの定番要素を取り入れつつも、少し捻りを入れた味付けによって独特の面白さを生み出している。


あらすじ

冒険者を引退後、山中で一人のんびりと暮らしていたタクミ。そんな生活が10年目を迎えたある日、彼のもとにレイアと名乗る少女が訪れた。聞けば彼女はタクミがかつて世話をしていた少女「剣聖アリス」の弟子であり、教えるのが不得手なアリスの代わりにアリスの師匠「大剣聖タクミ」に師事したいのだという。
平凡な冒険者として引退したはずの自分の社会的評価が異様に持ち上げられていることに困惑したタクミは断ろうとしたが、レイアの並々ならぬ覚悟に負けてなし崩し的に弟子入りを許す羽目になってしまう。この日を境にタクミは勘違いした人々が持ち込むゴタゴタに巻き込まれ、全く望んでいない名声と悪名を次々と得ることになっていくのだった。


登場人物(第一部)

「よくわかったな。その通りだ」
  • タクミ
主人公。かつては平凡な冒険者だったが、パーティを追放されて冒険者を引退。その後は小動物を狩ったりして山の中で静かに暮らしていた。現役時代の冒険者ランキングはパーティ全員で500位くらいだったが、なぜか10年後の現在では彼単独で1位になっている*1

弟子入りを志願してきたレイアに真実を教えて断ろうとするも、彼女が断られたら切腹すると宣言したために断念。結果、真実を明かすことができなくなってしまった。その後はレイアの勘違いに上記の台詞で答える癖がつき、勘違いを加速させていく。

この世界の生物は力を溜める器のようなものを生まれたときから体に持っていてその大きさで実力が左右される。タクミは生まれつき器を持っていない特異体質で、事実上の世界最弱の男である。*2
しかし、相手の器の大きさを量ることができる実力者達には測定不能の相手だと認識されるため、得体の知れない力の持ち主だと誤解されてしまう。
さらに内心をあまり表に出さない性格なのが災いして、実際にはビビったりパニックになったりしていても周囲からは平然としているように見えてしまい、それも実力を勘違いされる一因になっている。

実は、自分より遥かに強い相手を目の前にしても嫉妬や畏怖をしないという希少な精神の持ち主。さすがに命の危機になれば恐怖はするが、それでも排除しようとは思いもしない*3。この精神にレイアやヌルハチのような規格外の実力を持つ女性達が惹かれて集まってきてしまうのだが、本人は自覚していない。

+ 周囲の認識と真実
●冒険者ランキング単独1位
前述のとおり、現役時代はパーティ込みで500位くらい。何者かに記録を改竄された。

●大剣聖
「剣聖アリス」の師匠ということでいつの間にかついていた異名。タクミ自身の剣の腕は凡庸の域を出ない。

●宇宙最強の男
タクミの実力を誤解しているアリスの認識。人類最強と謳われるアリスが言うことで妙な信憑性を持ってしまい、世間にも広まった。

●父は世界を創造した全知全能たる神、母は自然界を守る大精霊
同じくアリスの認識。タクミが食前の祈りとして捧げていた「天におられる我が父、創造の神よ。地におられる我が母、大精霊よ。数多の命の恩恵を今日も賜りますことを奉謝致します」という言葉を勘違いした。本当の両親は宿屋の親父とそこの女将。

●復活した魔王
タクミの規格外の実績の数々を理由に冒険者ギルドに疑われていたが、四天王が来たことで確定扱いになってしまった。



「アリス様はどうやってそこまで強くなられたのですか?」
「すべて師のおかげだ。タクミがいなければワタシは今の強さの百万分の一もなかっただろう」
  • アリス
メインヒロイン(?)。タクミの所属していたパーティがとある遺跡で保護した少女。冒険者ランキング2位。

人間でありながら規格外の力を持っている名実ともに世界最強の女。タクミが残していった安物の大剣*4を肌身離さず持っているため「剣聖」と呼ばれているが、本人は剣術など知らず徒手空拳で戦う。

保護されたころ、自分の力を制御できず周囲を破壊してしまう彼女が普通に暮らせるようにタクミによって手加減を教えられた。その際、小動物を綺麗に仕留めるタクミは巨大な動物を木端微塵にしてしまう自分よりも圧倒的に力の制御が上手いのだと勘違い。その後、アリスが自分の力を暴走させてしまったときにタクミが解決したように見えた*5ことで、タクミは自分より遥かに強いと思い込んでしまったのだった。

成長した現在でもその思い込みは直っておらず、タクミの隣に並び立てる日を夢見て世界を旅しながら日々修行に励んでいる。その過程でタクミの実力を周囲に吹聴して回ったことがタクミに起きた災難の一因となった。

タクミへの強すぎる想い*6によって千里眼のような能力に目覚めており、目を閉じてタクミのことを考えるだけでタクミの現在の様子を鮮明な映像として見ることができる。この能力でタクミの周囲に女性が集まりつつあることを認識して嫉妬に燃えている。
また、誰にも住んでいる場所を教えていなかったはずのタクミのもとにレイアが訪れることができたのも、この能力によって教えられたからである。


「無礼なっ!タクミさんは力を隠しておられるのだ。本気を出せば貴様など秒殺されるぞ」
(いや、常に本気全開だよっ。こっちが秒殺されるわっ)
  • レイア
タクミに弟子入りを志願してきた女性剣士。冒険者ランキング9位。非常に思い込みの強い性格で、初対面時にタクミが雑魚にしか思えなかったにもかかわらず、圧倒的な力を巧妙に隠していると解釈して納得してしまった。弟子入り後はタクミのやることなすことを都合よく解釈して尊敬を深めており、その思い込みを周囲に吹聴して噂を補強している。

東方の隠れ里に暮らし、八百万の神の力をその身に宿す神降ろしの一族出身。本来宿せる神は一人一柱なのだが、レイアはその身に宿した『亜璃波刃(アリババ)』という神の力で里の皆から神の力を強奪。忌子として里を追われた過去を持つ。

初対面時のやり取りの中でタクミに惹かれ始め、弟子入り後にその気持ちは急速に恋心に成長。自分の気持ちの正体が当初は分かっておらず、タクミの力を間近で感じた影響だと思い込んでいた。気持ちを自覚した後はタクミの前に現れる女性たちと恋のさや当てを演じることになる。

+ カットヒロイン
重要な戦闘シーンや過去回想が省略されることからカットヒロインの異名を持つ。漫画版では、さらにその力が加速し、小説版で書かれていたヌルハチとの戦闘シーンが丸々カットされた。合掌。


+ 亜璃波刃と48の神々
●亜璃波刃
他の者が降ろした神を奪う能力を持つ神。
レイアが身体を鍛え、二体の神をその身に宿すことができるようになった時、ようやく発動した。
強くなればなるほど、多くの神を強奪できることを知ったレイアは、一族全員の神を奪う為、更なる修行に明け暮れる。
そして、僅か二年ほどで、レイアは一族48人、すべての神を奪うことに成功し、神降ろしの里を壊滅させた。

●千本阿修羅
レイアが最初に奪った神。
闘神であり、戦闘能力特化型。
まるで腕が千本あるかのような剣技を使用することから、阿修羅の前に千本がつくようになったと言われている。
ヌルハチと最初に戦った時に、レイアが使っており、それ以降も頻繁に使っていることから、剣技を得意とするレイアのお気に入りのようだ。

●韋駄天
超高速移動型。
一瞬で千里を駆け抜けると言われる神であり、そのスピードは他の追随を許さない。
レイアがはじめてのおつかいで、使用しようとするも、タクミに普通に行って来てと言われたため、本編では使われていない。

●沙ノ王(スサノオ)
集団特化型。
全身を紅く染め、筋力を倍増させる鬼神。
攻撃、防御ともに優れているが細かい動きはできず、一直線にしか動けない猪タイプ。
ゴブリンなどの雑魚を大量に相手にするのには、たいへん便利。

●破壊神シヴァ
神降ろし究極奥義。
全方位破壊型。
額に真っ赤な第三の目ができ、その目に映るもの、すべてを破壊すると言われている。
一度降ろしてしまうと甚大な被害が出るため、滅多に使うことはないが、タクミのキス事件により、レイアはあっさりと降ろしてしまう。
しかし、タクミとキスをした女性の「貴女もキスをすればいいじゃない」という衝撃発言により、憑依が解けたため、破壊神シヴァの力が発動されることはなかった。

●金剛夜叉明王
48の神々の中でも最高位の神。
万能型。
攻撃、防御、特殊能力、その全てが特化した神であり、代々、神降ろしの里の長が引き継いできた。
書籍1巻の書き下ろし、裏章「アリスとレイア」にて使用される。
web版には載ってないエピソードなので、是非とも書籍版を確認してほしい。



「じいちゃんを圧倒するほどの力を持ちながら、その力を誇示せず、謙虚に慎ましく生きるタクミ殿に、我はドラゴン族の未来を見たのです」
(いや、それ、絶望の未来だから)
  • クロエ
古代龍の孫娘にして黒龍の王の娘。数千年間無敗だった古代龍を倒し恐怖心を植え付けたというタクミ*7に興味を抱き、色黒の少女に変身して挑戦に来た。
しかし、夕食を作っていたタクミが現実逃避しながら調理を続けたのを見て平然としているのだと誤解し、レイアの勘違い発言も相まってタクミの実力を盛大に勘違い。それを父に報告した結果、タクミに王の座を譲った上でドラゴン族全てが配下に下ることになり、その証として嫁入りにやってきた。

本作のドラゴン族は素の口調が関西弁*8っぽいという設定で、彼女も普段は真面目な口調だが時々地が出てしまう。


「言ったではないか。ヌルハチはもう二度とタクミを離さない、と」
  • ヌ・ルシア・ハシュタル・チルト
自称ヌルハチ*9。アリスとタクミに抜かされるまでは冒険者ランク不動の1位だったエルフの大賢者。タクミの元パーティーメンバー。現在は冒険者ランキング3位。

タクミを冒険者にしてくれた恩人にして、タクミがパーティーを追放された元凶。タクミに対してヤンデレじみた執着心を持っており、他のパーティーメンバーたちはタクミを守るために彼を追放。その後、ヌルハチは10年間タクミを探し続けていた。他の女性陣と違って彼女はタクミの実力をちゃんと把握した上で惚れている。

タクミと再会した直後、嫉妬したアリスと戦うことになり敗北。消息不明になってしまう。


「チハル、タクミとレイアがパパとママでもいいよっ」
「ほらっ、チハルが認めたっ」
「認めてないっ!この話お終いっ!」
  • チハル
記憶喪失のエルフの少女。麓の街で困っていたところを買い物に来たレイアに保護された。その後、断片的に覚えていた言葉からチハルという名前を与えられる。

初対面のはずのタクミやレイアのことを何故か知っており、特にタクミのことが大好き。レイアはその事実と何故か感じる既視感から、タクミと自分の未来の娘なのではないかと考えたが、種族が違うということでタクミにあっさり否定された。

姿を消したヌルハチと何らかの関係があるらしく、しばしば彼女の人格や力の片鱗を見せている。タクミも勘付いてはいるものの、あまりの変わりように確信が持てずにいる。


『いや、ほんまにありえへんわ。長いこと魔剣やらせてもらってるけど、チカラがゼロの人間なんてはじめてやわ』
  • 魔剣カルナ(ソウルイーター)
持つ者の力を吸い取り、魂を喰らうと言われている魔剣。おつかいを頼まれたレイアがタクミのために買ってきた。自分の意志を持っているが、彼女の言葉は持ち主にしか聞こえない。
力を持たず吸収することができないタクミに使われることを一度は拒否するも、レイアの力を定期的に吸わせるという契約を結んでタクミのものとなった。タクミが修行と称して一日一回レイアにソウルイーターを触らせるようにした結果、本当に修業として成立してレイアを成長させることになる。

関西弁からも分かる通り、実はドラゴン族。かつて天才と称えられながらも力に溺れて一族から追放され、それを逆恨みして暴れた結果、魔剣に封じ込められた邪龍カルナがその正体である。クロエの姉でもあり、再会したときにはタクミがカルナの声を伝えることで和解することができた。

意外とちょろい性格で、ゴブリン王の襲撃からチハルを守ろうとしたタクミに惚れてしまい、その後は周囲に他の女性がいなくなると嬉しそうにするようになった。しかし当のタクミからは全く女性として見られておらず、憤慨することになる。


「君はなかなか面白いね、タクミ君。ずっと気になっていたんだ。冒険者ランキング1位にして、宇宙最強がどんな男か、と」
「いやぁ、大したことないですよ、ほんと」
  • ゴブリン王(ジャスラック)
最弱の魔物ゴブリンの中でも、さらに飛び抜けて弱いゴブリンだったが、最弱ゆえに他のゴブリンよりも遥かに臆病で、危険に対する察知能力がずば抜けていた。
悠久とも思えるほどの時間の中で、少しずつ、少しずつ、知識と力を身につけていき、人間から逃げ、ドラゴンから逃げ、勇者から逃げ、逃げる度になにかを学び、やがて何者にも負けぬ知識と魔術を身に付けて、最強のゴブリン王へとなる。

村を襲っていた配下のゴブリンたち*10が、レイア一人に撲滅されたため、タクミの住む洞窟を強襲する。
あらゆるものに変化する能力や、身体を膨らませて針を出すニードルシャワー、脱皮による逃亡など多彩な魔術を持つ。

タクミたちとの戦いから逃走するも、アリスに追われ完敗。その後はアリスの部下として付き従うことになる。


「純粋な強さだけなら古代龍やアリスのほうが遥かに強いだろう。だが、一番戦いたくないのはバルバロイだ」
「では、これより十豪会を開会するっ! 」
  • バルバロイ会長
冒険者ギルドの会長。
相手の力をすべて吸い尽くす暗黒吸収陣や、神を柱に降ろし、様々な効果をもたらす四神柱を作り出す。
あらゆる手段を使って相手の不意をつくことを得意とし、大賢者ヌルハチをもって、最も戦いたくないと言われる老人。

突如、ギルドランキングの一位に君臨し、宇宙最強と呼ばれるようになったタクミを蘇った魔王と疑う。
十豪会と呼ばれるギルド強者が集まる会議により、タクミを魔王と断定。討伐するためにギルド大武会を開催する。
その一回戦で、タクミと戦うことになるのだが……

+ 四神柱
● 四神柱
読み方は、ししんちゅう。
神降ろしに似た術式を人間ではなく、柱に宿らせ、その場を神聖な場へと昇華させる秘術。
宿らせるのは、神ではなく、神に仕える玄武、白虎、青龍、朱雀の四体の神獣で、四方に宿すことにより、結界を張ることができる。
四神の効果は様々で、玄武は致命傷となるダメージを肩代わりし、白虎は不正を見抜き、青龍は欠損した部位を治療し、朱雀は死んだものを蘇生させる。
練習試合や訓練に最適なのだが、現在、この秘術を使えるものは、東方最強の仙人とその弟子だったギルド会長のバルバロイだけだと言われている。


+ 十豪会
● 十豪会
読み方は、じゅうごうかい。
ギルドランキング上位十名と会長と秘書の十二人で行われるギルド最高会議。最重要案件が発生した場合に、ギルド会長の判断で開催される。
会議は毎回、ギルド協会本部で行われていたが、タクミがギルドランキング一位になってからは、タクミ洞窟前で行われるようになった。

会議で使われる巨大な円卓は、豪華な装飾の入った直径5メートル程のものであり、時計と同じ0から11の数字が刻まれている。

ちなみに代役を立てずに欠席した場合は、ランキングが下がるなどのペナルティーもあることから、代役なしの完全欠席者は長い歴史の中、一人もいない。

●出席者名簿
本作第一回目のメンバー十二人。
作中、何度か行われ、頻繁に順位は入れ替わっている。

 ランキング零位 会長 「バルバロイ・サウザ」

 ランキング一位 宇宙最強 「タクミ」

 ランキング二位 人類最強 「アリス」
(代理人)ゴブリン王 「ジャスラック」

 ランキング三位 大賢者 「ヌルハチ」
(代理人)幼女 「チハル」

 ランキング四位 勇者 「エンド」

 ランキング五位 半機械 「マキナ」

 ランキング六位 狂戦士 「ザッハ」

 ランキング七位 超狩人 「ダガン」

 ランキング八位 隠密 「ヨル」

 ランキング九位 神降ろし 「レイア」

 ランキング十位 沈黙の盾 「リック」

 ランキング外 司会進行 「リンデン・リンドバーグ」



「魔王様は優しいし、ご飯も美味しいし、吾輩、ここの子になりたいにゃ」
「断固拒否する」
  • 獣人王ミアキス
魔王に仕える四天王の一人。他の四天王は不死王ドグマ、吸血王カミラ、闇王アザトース。

本作における魔王は精神体となって人の器に入り込む存在であり、故に四天王ですら真の姿を知らない。アリスに遭遇して規格外の力を見せつけられた四天王達は、彼女を育てたというタクミこそが魔王なのではないかと考えた。さらに、タクミのいる場所から魔王の気配を感じたことで疑惑は確信に変わり、四天王全員で彼に仕えることを決断する。

後に魔王本人がタクミの前に出現したことで誤解は解けたものの、魔王がタクミを必要としているらしいということから気付かないふりをすることになる。


「なんでそんなところで力を入れるにゃ。バランスが崩れて逆に威力がなくなるにゃ」
「うるせえっ、黙って見ていろっ。俺様は誰にも教わらないっ。これまでも一人で強くなってきた」
  • 狂戦士ザッハ
冒険者ランキング6位の大柄な男。
大雑把で好戦的。善悪に頓着はなく細かいことは気にしない性格。

戦争孤児で幼い頃に傭兵経験がある。冒険者になってからは、入門試験の勘違いからトントン拍子でSランク冒険者となり、上位ランキング入りを果たすも、十豪会での獣人王ミアキスとの戦闘で、実力がバレてからは、一気に最低のFランクまで転落した。
逆主人公とも言うべき存在で、登場時からどんどんと地位が転落していく。
だが、追い込まれると暴走し、十倍以上の力を発揮する能力や、自爆する盾「魔盾キングボム」の爆発に耐え、使いこなしたりと、秘めたポテンシャルはかなり高い。

獣人王ミアキスとは気が合うようで、常に行動を共にしている。


「見事だ、アリス。まさに個の極地。人間が修練の末、到達できる限界を遥かに超えている。だが、それでも、だ。ドラゴンの頂点に立つわしを倒すことはできんぞ」
「逃げないよね」
「う、うん。逃げないよ」
  • 古代竜(エンシェントドラゴン)
クロエとカルナの祖父。
黄金の鱗を持ち、ドラゴン形態は250メートルにも及ぶ。
普段は穏やかだが敵対するものには容赦しない。
秩序を重んじるが故に、身内にも厳しく、無法を繰り返す孫カルナですら剣に封じ込めた。
アリスに敗れるまでは、ドラゴンの王として生態系の頂点に君臨していた。

数千年もの間、毎日欠かさず溜め続けた力を放出する必殺技を持っていたが、アリスに気合だけでかき消された。こっそりとまた1から力を貯めてリベンジに燃えているが、今はアリスの乗り物として、こき使われている。

+ 漫画版
漫画版では戦いそのものがカットされ、いきなりアリスに倒された。



「……王手飛車取りだ」
「うっ、その手、待ったはできませんか? リッ君」
「……待ったなしだ。ジャスラッ君」
  • リック
沈黙の盾と呼ばれる寡黙な騎士で、タクミが昔所属していたパーティーの元リーダー。現在はルシア王国の騎士団長。冒険者ランキング10位。
全身黒の顔まで隠れるフルフェイス型の鎧に身を包み、肌が見えている箇所はなく、その素顔は誰も見たことがない。

十豪会で10年ぶりにタクミと再会したが、特に大きな反応はなく、変わらぬ冷静ぶりを見せていた。
盾を使った防御術に優れており、大武会では勇者エンドとも互角に戦う。

将棋が趣味で、同じ趣味を持つゴブリン王と、リッ君、ジャスラッ君と呼び合うくらい仲良しになり、タクミを嫉妬させた。


「いらないのなら、余が頂く。お主らは指を咥えて見ておればよいっ」
  • 魔王
まだ地上に人類が存在しない頃、混沌より、生まれる。
強すぎる力のため、自らの身体をダンジョンに封印し、精神体となり、長らく魔王の大迷宮に引きこもっていた。

精神体のまま、人間の中に入り、共存を試みたこともあるが、何度も失敗している。魔王が入った人間は、精神体に引っ張られ魔王本体の姿と酷似していく上、不死に近い肉体と強大な魔力を帯び、通常の人間ではいられなくなってしまう。それゆえ、かなりの強者であっても、長期間、魔王の器ではいられない。

現在は十豪会に参加した者たちの誰かに入っているのだが、ある目的のため正体を秘密にしている。


「よろしければお茶などは如何でしょうか? こちら西方の香り豊かなブルーローズを使用した特製ハーブティーでございます」
  • リンデン・リンドバーグ
ギルド協会の秘書を務めるメイド服を着たメガネの女の子。
細かいことに気がつく几帳面な性格で冷静な判断力を持つ。

空間を操る魔法を操り、タクミ洞窟前に十豪会の会場を設営し、司会進行も担当した。
バルバロイ会長からの信頼も厚く、冒険者としてもかなりの実力者。

ザッハが冒険者ランキングを100位落とした時に、冒険者ランキング10位に昇格し、ギルド大武会へ出場した。


「貴様っ、タクミさんに近づいて何をするつもりだ。まさか、弟子になろうとしてるんじゃないだろうなっ」
「ち、違うっ。ボクは勇者として、魔王の疑いがある者を監視するだけだっ」
  • 勇者エンド
冒険者ランキング4位。
聖剣エクスカリバーを持ち、青いマントを羽織り、いかにも勇者です、みたいな格好をしている。

勇者の一族として、北方地方に生まれたが、これまで勇者の一族には男児しか生まれてこなかった為、女に生まれながら男として育てられた。
父である一族の長からは、女として生まれてきたのは、きっと意味があると告げられ、勇者と魔王の戦いを終わらせる者、終わり(エンド)と名付けられる。

胸は結構あるのだが、サラシを巻いているので外見上は女とわからず、甘いマスクの美青年に見える。
男のように振る舞っているが、実は結構純情な乙女。
タクミに胸を触られただけで、責任を取らせようとするぐらいである。


「最終決戦モード発動。活動限界マデ残リ一分」
  • 半機械マキナ
冒険者ランキング5位。
右半身は鉄のような機械で、生身の左半身は薄手の布を巻いていて人肌が垣間見える。顔の下部分は機械のマスクで覆われて上半分しか見えず、前髪が右目部分を覆っており、閉じたような細い左目しか見えない。たまに呼吸するかのように、機械部分が点灯し、空気が漏れるような音がしている。

冷静沈着に見えて実は激情型。
人間を心の底から嫌悪しており、残った醜い人間部分を切除し、感情を持たない完全なる機械の身体となることを望んでいる。

大武会で、タクミの戦闘データを測る依頼を受けるが、その実力を激しく勘違い。
登場人物の中でも、一、ニを争うほどタクミを恐れることになってしまう。


「一撃で仕留める。狙った獲物は逃がさない」
「奇遇だにゃ。同じ事を考えてたにゃ」
  • 超狩人ダガン
冒険者ランキング7位。
この作品では珍しい真面目な常識人。
獣の皮で作られた装備を身に纏い、長い猟銃を装備する狩人。
初老に差し掛かろうという年にもかかわらず、その身体からは重厚なオーラが溢れ出ており、その気配は、獣を狩る側でなく、獣そのものと見間違う。

ハンターの家系に生まれ、幼い頃から父親に狩りを教わってきた。野生のモンスターの討伐数では、彼の右に出るものはいないとされている。
ザッハとは長年の友人。


「……出て行け、忌子。私達は神降ろしを捨てる。だが、いつか必ずお前を超えてみせる」
  • 隠密ヨル
冒険者ランキング8位。
全身黒装束の隠密。
隙間から覗くのは目元だけだが、鋭い吊り目が印象的。笑うと可愛くなるという噂はあるが見た者はいない。

東方出身で、レイアと同じ神降ろしの里で生まれた。
幼い頃よりあらゆる痛みに耐え、神降ろしをマスターするが、レイアによってその神を奪われる。その後、東方最強の仙人の元で修行し、隠密の技術を学んだ。

自分の信じるものしか見えなくなる直情型。
レイアに神を奪われるまでは、里の掟に従うことが全てだと思っていた。
十豪会にてレイアと再会を果たし、大武会で対決する。


「……ソノ闇ハ、ドコマデ深イ?」
「昼の光に、夜の闇の深さは分かりはしない。……まだ続けるか?」
「イヤ、全終了(オールエンド)ダ」
  • 闇王アザトース
謎の多い四天王最強の男。
全身が暗闇で覆われ、その正体を見た者は存在しない。

ニーチェの言葉をよく引用するが、この世界にはもちろんニーチェは存在しない。どこで、その言葉を知ったのかは、不明*11

すべての攻撃を吸収する闇纏いを持ち、魔王とも互角に渡り合えると言われているが、アリス相手にはあっさり惨敗。ワンパンKOを喰らう。


「人間よ。棄権するなら今しかないぞ。このドグマ、手加減出来る程、甘くはない……」
「ご機嫌よう。さようなら」
  • 不死王ドグマ
四天王最弱の魔族。
元は人間だったが、死後、骨の魔物として再生し、やがて魔族へと進化する。無限再生の力を持っているため、死という概念が存在せず、恐怖を感じることがない。
……はずだが、アリスにはかなりビビっていた。

傲慢な態度をとっているが、実は繊細で四天王最弱ということを気にしている。いつか、みんなに認められようと影で特訓している。しかし、その努力は報われず、四天王(?)、四天王(から外そうかと迷っている)、四天王(ただしドグマは除く)など四天王の後に必ず不名誉な肩書きを添えられるようになった。


「あれが今の魔王様の器か。どう思う、カミラ?」
「うん、結構、いい男だと思うわ。ちょっとタイプよ」
  • 吸血王カミラ
魔王四天王の一人でお色気担当。
吸血鬼の真祖で鋭い牙と蝙蝠コウモリのような翼を持つ。
エロいお姉さんを演じているが、実は恋愛面での経験はあまりなく純情である。

夜はハイテンションだが、朝は低血圧でダルく、昼間は夜の半分くらいの力しか出せない。
常に大きな黒い日傘を差しており、日除けだけではなく、攻撃などを弾き返す。
四天王の中で一番の判別能力を持ち、巨大な蝙蝠に変化し、噛んだ者を逆らうことの出来ない傀儡にするなど、かなり多彩な能力を持っている。


登場人物(第二部)

「私のものになりなさい、タクミ」
  • サシャ
始まりのパーティーと呼ばれるタクミの元パーティーメンバー。実はルシア王国の王女。雪のように白い肌を持ち、滅多に笑わないことから断崖の王女と呼ばれる。

王女として生まれるがおてんばな性格の為、寺院に入れられ、僧侶の修行を積む。ルシア王国とヌルハチには深い関係があり、タクミの回復係としてパーティーにスカウトされた。

真っ直ぐな性格で、母性本能が強い。
一度決めたことは、何があっても曲げない信念を持っている。ヌルハチやアリスといった自分より強い者にでも、しっかりと自分の意見を押し通す。

宇宙最強として有名になったタクミを利用すべく、世界規模の争奪戦が始まったため、それを阻止するため偽装結婚を持ちかけた。
女王である母のかわりに国事を任されていたが、タクミの元に来てからは完全に職務を放棄して、洞窟生活を楽しんでいる。


「なんだ、サシャ、かしこまって、らしくねえ。ちょっとは色っぽくなったじゃねえか。どうだ? もうタクミとやっちまったのか?」
「やってないわよっ!」
「やってないよっ!」
  • バッツ
大盗賊として、世界をまたにかけていたが、ルシア王国に盗みに入ったところをリックに捉えられる。
何年かルシア王国の地下牢に入っていたようが、ヌルハチにスカウトされ、始まりのパーティーの一員となった。
一見、いいかげんに見えるが実はいつも仲間のことを考えている兄貴のような存在。
それを周りに知られるのは恥ずかしいようで、わざとふざけている。

盗賊としての能力はかなり高く、第二部における黒幕の存在を誰よりも早く見つけていたが、ギャンブル好きの性格が災いし、それを生かすことができなかった。


五大国家

世界の大陸には大きく分けて五つの国がある。
蛮族地帯、北方ノースカントリー。
神倭ノ地、東方イーストグラウンド。
魔法王国、西方ウェストランド。
機械都市、南方サウスシティ。
総合国家、中央センターワールド。
海の描写がないことから、恐らく地続きで東西南北に分かれている。
五大国家以外にも、ガベル王都などの小さな国があるが、総合国家の中に統一されているようだ。

+ 世界の真実
他の大陸から様々な人物が来訪するが、舞台はタクミが住む中央センターワールドからほとんど動かない。
タクミが住むボルト山、麓のタクミ村(元ナット村)、ギルド協会本部、魔王の大迷宮、ルシア王城、古代龍の洞窟など、ごく身近な限られた場所で物語が進行している。
web版第四部にて、世界の謎が明かされるのだが、そこから推測するに、もしかしたら他の大陸など最初から存在しないのかもしれない。


蛮族地帯、北方ノースカントリー

勇者の一族がいる地域。
北方の者は、他の国へ行くこともなく、他国の侵入を許さないため謎に包まれている。
素手で魔物を倒すような蛮族がいる無法地帯で、ドラゴンも住めないような恐ろしい国として恐れられている。

神倭ノ地、東方イーストグラウンド

隠密や侍がおり、他の国にない「倭」と呼ばれる独特の雰囲気を持った地域。
レイアの故郷は、その中でも神降ろしを伝えてきた特殊な隠し里で、イーストパークと呼ばれている。
生で魚を食べる習慣があるのはこの国だけで、食文化もかなり異質な国である。

魔法王国、西方ウェストランド

魔法中心の国で、魔力により、その地位が決まる。
魔法が得意なエルフの一族が多く住んでいるが、人間とは共存しておらず、森で静かに暮らしている。
国のトップは、六老導と言われる六人の老人達で、表舞台にはほとんど顔を出さず、裏から全てを仕切っている。

機械都市、南方サウスシティ

科学が発達した国で、肉体よりも知能が発達したものが多い。
ドワーフと呼ばれる機械に強い一族が住んでおり、こちらは人間達と共存している。
南方の王は、非常に好戦的で、銃や戦車、究極兵器ダムガリオンなど、数多くの兵器を開発させ、世界征服を目論んでいた。

総合国家、中央センターワールド

その名の通り、五大国家の中心に存在し、最も大きな力を持っている。
世界最大の騎士団を持つルシア王国が統括し、ギルド協会本部もあるこの国が、大陸の中心にあることで、長きにわたり、大きな戦争は起こらなかった。
大陸の中心である為、様々な文化が入り乱れ、この国特有の文化はない。
人種や種族の差別もあまりなく、五大国家の中で最も住みやすい国と言われている。



「タクミ様の追記、修正は過去現在未来において人類史上最高と言われております」
「いや、全然知らんわっ!俺、ずっとwikiにいたよっ!毎日、のんびり記事を読んでいただけだよっ!」

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最終更新:2024年04月06日 01:25

*1 この事実から、自分の実力が誤解されているのはアリスのせいばかりではなく、情報を改竄した黒幕がいるとタクミは悟ることになる

*2 本人もそのことは自覚しており、現役時代にパーティ追放の話が出たときは実力不足が原因だと思って納得していた

*3 自分の実力ではやりたくてもできないという諦念もある

*4 聖剣タクミカリバーなる名前を付けられて世界三大聖剣の一振りに数えられており、それを知ったタクミを悶絶させた

*5 アリスに暴走中の記憶はなかった

*6 彼女の思考を読んだヌルハチが「人がこんな感情を持つことができるのかっ」と戦慄するほどヤバいらしい

*7 本当は倒したのはアリスだが、アリスが自分よりも強い師匠としてタクミの名を出したため、畏怖の対象がタクミになった。

*8 こちらの世界ではドラゴ弁ということになっており、web版第四部では、なぜドラゴン族がその方言を話すのか、という謎がついに明かされた。

*9 1,000年以上前から生存しているため名前が増え、正式な肩書きはヌ族、ルシア領、第372代目ハシュタル家当主、大賢者チルトである。

*10 実際はゴブリン王が作り出した劣化分身体。純粋なゴブリン族は遥か昔、人間たちによって絶滅させられている。

*11 判明するのはweb版の第四部。大武会でのタクミとの会話は何気ないものだったが、真実を知った後だと意味深なものとなる。