カーロス・メデル

登録日:2021/02/14 (日曜日) 02:06:00
更新日:2022/12/26 Mon 13:28:53
所要時間:約 5 分で読めます






残念。俺は、光より速いぜ


●目次


カーロス・メデルとは『ケンガンオメガ』の登場人物。

【プロフィール】

異名;「黄金帝」「アカプルコの伊達男」
所属:煉獄
身長:175cm
体重:53㎏(ヘヴィー級時は最大109㎏)*1
年齢:43歳
誕生日:1月2日
結婚:今はしていない
恋愛観:手広く、堅実に、平等に


【概要】

メキシコ出身の煉獄A級闘士。
見た目は髪を逆立て、極限まで筋肉を絞り切った痩身の肉体を持つ中年の男性。

かつて5階級制覇を達成したボクシング界の生ける伝説。
現在でも母国メキシコでは神のような存在として扱われ、格闘技に関わる人間なら知らない者はほぼいないというほどの著名人。
14年前にミドル級平均を下回る小兵でありながらボクシング主要4団体でミドル級4冠を達成したミドル級統一王者に到達。
その後はひとつづつ階級を上げ、スーパーミドル級、ライトへヴィー級、クルーザー級、ヘヴィー級まで制覇するという偉業を成し遂げ、「黄金帝伝説」と讃えられた。

おまけに階級制覇の際にはゼロから肉体改造により体形を作り変えるという狂気の沙汰により勝利を実現している。
実際体格とヘヴィー級時代の筋肉量は不釣り合いであり、「40キロ超の重りを身に着けた状態で、ボクシングヘヴィー級の頂を獲ったのだ」と実際のメデルの戦いを見た加納アギトを驚嘆させた。

しかし余りにも強過ぎたことが原因で、ボクシング界からは逆に煙たがれる羽目になってしまった。
ヘヴィー級王者の一角を倒してからは他団体のチャンプ達からさえも試合を敬遠されるようになり、加えて当時所属ジムと契約していた悪徳プロモーターのせいで次の試合が一向に決まらず、ガオラン・ウォンサワットからも「「環境」にさえ恵まれれば史上初のへヴィー級4冠王になれたはずだった」とされる不遇の男である。
その後はガオランがボクシングに転向するより以前に一線から退き表格闘技界から姿を消す。
そして南米屈指の激戦区であるブラジル裏格闘技界に身を投じた後、日本の煉獄へ移籍した。


【人物】

「伊達男」の異名通り女性に優しいキザな人物。
社交性にも富んでおり、同郷であるホセ神崎だけでなく、同じく強すぎるが故の孤独に苦しんだ嵐山とも交友関係を広げるなど人付き合いはかなり良好。
そしてギリギリの戦いで発生するスリルを好む好戦的な一面を持つ。
基本的には人格者の部類に入り、神魔の反動で死に行く飛王芳に対しては彼の傍で必死に死なないよう声をかけ続けるなど、人の死に対する忌諱感もしっかりしている。

その一方で裏格闘技に移籍せざるを得なかった過去には思う事があったようで、日の当たる場所で王者の栄光を手にしたガオラン・ウォンサワットには内心鬱屈した感情を持っており、わざわざ自分の居場所である裏の格闘技界に踏み入ってきた彼にはその憤懣を爆発させた。


読者間では試合内容こそ賛否両論ではあるが、その実力と勝利に拘るハングリー精神は本物。
拳願会チームに「拳願仕合とは全く異質な煉獄闘士の闘い方」を見せつけた執念の男である。
仕合が進む度に拳願会側の強者が順当に勝ち進むことが多い対抗戦という環境下で、拳願会側最高峰の強者相手に勝利を果たしたのは間違いなくメデルの大金星といって差し支えないだろう。


【戦闘能力】

流儀は「ボクシング」
そして劇中ではガオランがボクシングという土俵において唯一「格上」と称した人物。
また「打撃の天才」と称されるほどの逸材であり、下述のカポエイラの技術を実戦で運用可能になるまでに至ったのは一冊の参考書と累計20時間の鍛錬のみ

現在は当時のヘヴィー級の肉体からバンタム級クラスまで大幅に減量したことでヘヴィー級時代のトップスピードを最小限の力で上回ることが可能になった。
更に
  • ガオランのフラッシュを難なく回避し、打の極による猛攻すらも紙一重で致命打を回避し続けながら攻撃を仕掛けるガオランを凌駕する凄まじいスピードと機動力
  • 打撃のスペシャリストであるガオランが反応に遅れるほどの蹴りの一撃を放ち、カポエイラの動きのパターンの少なさを逆手に取って認識を惑わし翻弄する老獪な技量
  • 理人に抑え込まれていたとはいえ、作中最高峰の反射神経を持つ阿古谷清秋を一撃で昏倒させるパンチング速度
を持ち、これらの技巧と超スピードによってガオランの放つほぼ全ての攻撃を見切って捌いて見せた。
階級差が強さに直結するボクシング界において、超軽量級の肉体でありながらヘヴィー級のガオランと打撃戦で真っ向から互角に渡り合った時点で彼もまた超人と呼べる人物である。


…とここまで強い点を述べたが弱点もそれなりにある。
まず挙げられる最大の欠点は速度と技量こそ凄まじいものの、極限まで筋肉を落としたために肉体の耐久力という点では大幅に低下しており、ガオランのボディブローが直撃しただけで無視できない程のダメージを負ってしまうこと。
そして本人も自覚済みだが一撃一撃の打撃のパワーと威力もヘヴィー級時代と比べてかなり落ち込んでいるのも欠点の一つ。
ボクシングで頂点に挑戦するべく体重をヘビー級まで増量していたメデルだが、彼の身長からしてどう見ても適正体重ではなく、
多種多様な格闘技の使い手と戦う裏格闘技界では体への負荷や戦術の幅の狭さから徐々に限界を感じ始めていた。
その折により高い対応力を求めて現在のスタイルへと矯正したのだが、まだまだ最適化には至っていなかった。

例えるならばパワーと防御を捨ててスピードと手数に極振りしたファイター。
実際ガオランですら有効な攻撃を当てるのに一苦労したほどの超スピードの持ち主なので、判断自体は間違っているとは言えない。


打の完成形


俺の打撃は、神すら殺せる


裏格闘界で勝利し続ける為に見出したメデル独自の格闘術。
蹴り技中心の格闘技「カポエイラ」「中国拳法(地功拳)」の打撃技術を融合させ、自身のボクシングと噛み合うようオリジナリティを加えたもの。コレにボクシングの打撃を組み合わせている。
例えるならば『メデル版打の極』
ボクシングの枠に縛られないアクロバティックかつ変則的な攻撃が可能で、黄金帝というブランドに惑わされ流儀がボクシングだけと油断した相手に対する奇襲になる。
更に地功拳の技術要素を隠しておくことで、「通常のカポエイラ」をブラフとして「カポエイラ+地功拳」の奇襲によって翻弄する狡猾さも特色。
自ら「非力」と嘯くも、蹴りが直撃すればガオランの腕の骨にヒビを入れるほどには威力がある。
このボクシング+カポエイラ+中国拳法の複合技術を本人は「真のカーロス・メデル」と嘯く。

…とはいえ、ガオランの『打の極』と比べると完成度にはいささか劣っており、実際の所は未だ発展途上の技術。
速度とカポエイラの蹴りを繰り出し易い肉体を追求して極限まで絞ったまでは良かったが、いささかスピード重視が過ぎて軽量化し過ぎてしまったきらいもあった。
仕合後では自身もこの技術の不完全さを自覚し、技の「繋ぎ」の無駄やパンチ力の低さを再認識。強さを求め試行錯誤している。
対抗戦後は体重調整を色々試しているようだが、調整に失敗した結果一時期B級に落ちてしまう経験を味わっており、不安定さは否めない。

作者からも「戦闘スタイルを試行錯誤中でこれから先強くなっていく」と解説されており、彼はまだ進化を続けていくのだろう。


  • 先の先
敵の気の起こりから攻撃を見切り、相手の攻撃が来る前に回避する趙高等技術にして先読みの極致。
習得している者は非常に少なく、劇中で実戦披露したのは黒木玄斎加納アギトに次いで3人目。
フラッシュのラッシュを回避したのもこの技術によるもの。
流石の打撃の天才といえどもこの領域に達するのは至難だったようで、身に付けたのは四十過ぎと割と最近。


【劇中での活躍】


「ボクサーにはボクサー」だ。ガオランは俺がやる。

ガオラン・ウォンサワット。ボクサー同士拳でコミュニケーションと洒落込もうぜ。

拳願会vs煉獄の対抗戦において、意気揚々と一番手として出陣しようとした弓ヶ浜ヒカルホセ神崎(俺のダチ)を必要以上に痛めつけた分」として顔面に速攻パンチを叩き込んで出陣。
序盤は機動力で勝るカーロスが優位に立つも、徐々に動きの規則性を把握したガオランに形勢が傾き始めていく。
しかしカポエイラを織り交ぜたスタイルに移行したことでガオランは再度圧倒し、右拳の再破壊を狙ってカポエイラの蹴りを繰り出した。
ガオランが2年前のままの実力であればそのまま拳を蹴り砕いてメデルが勝利していたが、ガオランが狂的なまでの部位鍛錬で完成させた神拳に撃ち負けてしまったことで、ペースがガオラン主導に変化。
そのままガオランの鍛え上げた神拳と打の極の前に次第に圧倒され、最後は神の御光が顔面に直撃し戦闘不能となった。

……しかしメデルはこの時点で「自分が正攻法での勝機を失ったこと」を自覚しており最終局面では密かに「たとえ倒されても勝つ」という考えから勝利の為の作戦を立案していた。
ガオランの動きと意識を巧みに誘導してリング端まで誘導すると、『神の御光』を命中させ勝利の余韻に浸り油断したガオランに組み付き、一緒に場外へ転落。
ガオランに反射的に庇い手を誘発させるよう仕向け、拳願会側の場外反則負けとする形で勝利を収めた。

この試合結果は観客の中でも賛否両論であり、拳願仕合に慣れ、ガオランの強さを知っているが故に「よっしゃあ一勝確定!」と油断していた観客と読者からは総じて「茶番」だのと揶揄され客席からブーイングが飛ぶ一方、
煉獄の試合環境に慣れた観客からはブーイングを飛ばす拳願会側の観客に向け「見苦しいぞ!」と野次が飛び、この試合結果を好意的に受け止めていた。

その後はそのまま医務室へ搬送。
医務室では実質的に負けた事を踏まえて今後の路線に関して思案しており、カポエイラの一時封印を決断。
強さを求めて体重をフェザー級まで増量することを考えていた。
また第9試合が没収試合となると、ロロン・ドネアがやり過ぎないよう理人と共に医務室からリングへ駆けつけ、暴れ続ける阿古谷清秋を拘束する。
またこの時は暴走状態でなおかつ理人に抑え込まれていたとはいえ阿古谷の顔面にパンチを当てる早業を見せている。


【余談】

対抗戦までは拳願仕合闘技者の因幡良(体重62kg)が作中最小・最軽量キャラだったが、それを9kg下回っていたことで、作中最軽量キャラとなった。

単行本7巻のキャラ紹介によると、当初は「ボクシングを極限まで極めた設定で異次元の強さを見せつける」はずであり、決着までのネームすら存在していたとのこと。
しかし「あまりに強過ぎる」という理由から作者も苦慮した結果、本編のような設定・展開となったらしい。
…本当に環境に恵まれない人である。




追記・修正よろしくお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ケンガンオメガ
  • 煉獄
  • A級闘士
  • ボクシング
  • ボクサー
  • カポエイラ
  • 中国拳法
  • 地功拳
  • 打の完成形
  • 打撃の天才
  • 黄金帝
  • 統一王者
  • アカプルコの伊達男
  • 世界チャンピオン
  • 紙装甲
  • 黄金帝伝説
  • 不遇の強豪
  • メキシコ人
  • 伊達男
  • スピードキャラ
  • 紳士
  • 対抗戦メンバー

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年12月26日 13:28

*1 作中最軽量