登録日:2020/05/22 Fri 22:38:00
更新日:2025/03/15 Sat 21:00:47
所要時間:約 9 分で読めます
黒木玄斎とは『
ケンガンアシュラ』の登場人物。
通称
『魔槍』。
●目次
【プロフィール】
異名:「魔槍」
身長:185cm
体重:96kg
拳願仕合戦績:初参戦(4勝0敗)
年齢:51歳
誕生日:4月4日
好きなこと:修行
嫌いなもの:つまらないジョーク(面白ければOK)
テーマ曲:KATAMALI「KNOCK ME DOWN」
【概要】
モーターヘッドモータース代表闘技者。
呉一族と並び称される裏社会屈指の暗殺者で基本的に衆目に姿を晒すこと事態稀だが、旧友の鷹風に頼み込み
拳願絶命トーナメントに参加。
友である平良厳山の敵を討つ事が目的であると同時に、強くなりすぎた事によって生まれた自身の「孤独」を
埋める強者を探している。
風貌は筋骨隆々な体躯に黒い胴着を着る、ボサボサの黒髪に髭面、求道者や仙人を彷彿とさせる初老の男性。
ちなみに髭は登場する度に増毛しており、見方によってはライオンの鬣のようにも見える。
読者からの渾名は「黒木のおっさん」「魔槍おじさん」
【人物】
身の程を弁えない弱者の存在を嫌い、明確に見下す厳格な堅物。
果てなく強さを追い求める求道者めいた極めてストイックな性格の武人で、無益な殺しは好まず残忍な素顔すら見せない暗殺者らしからぬ男。
年齢によるものか感情の起伏も少なく、非常に淡々としている。
一方で見かけに寄らず交友関係は広く、生前の
十鬼蛇二虎と知人であり、平良とも酒を酌み交わす仲。
それ故に弟子を見誤った平良の死を惜しむなど冷酷非道な人物ではない。
また
御雷零にとっては先代雷心流当主であった父親の仇でもある。
- 参戦目的が友を殺した相手への復讐
- 一度は「弱者」と侮蔑し弟子入りを断った理人に的確なアドバイスを送り最終的に弟子扱いして指導を授ける
- 零に対して一撃でとどめをさすのではなく稽古をつけるかのように相手する
- 当初理人を弟子と認めて無かった割に最終的に弟子の試合を観戦に来る位には入れ込む
など、見た目や態度が度を超えて無愛想なだけで情は豊か。
風貌や暗殺者という肩書とは裏腹に結構面倒見がいい頼れる大人な顔を持つ。
【戦闘スタイル】
暗殺武術『怪腕流』を流儀としているがそれ以外では空手の技も操る。
空手の練度は普通の空手が健康体操に見えるほどの異常な完成度を誇り、「殺す技術」も「倒す技術」も兼ね備える優れた暗殺者。
35歳にして至近距離でのライフル射撃を防いだ事で「先読みの極意」を取得しており、おまけに彼にとっては必殺技の魔槍すらただの数多くある選択肢の一つでしかない。
彼の繰り出すあらゆる攻撃すべてが致命的なまでに重く正確であり、「奇を衒わず派手な技すら必要としない、単純明快に強いタイプ」の格闘家。
とは言え彼は断じて無敵ではない。
呉一族や超人体質のような圧倒的身体能力を持つ訳ではなく、戦えば傷つき疲弊もするため、絶対的な最強には程遠いと言えよう。
しかし黒木の最大の強みは何十年も掛けて鍛え抜かれた武の技術と不動の精神性である。
3日3晩絶えることのない大炎に囲まれ祈祷を続け、その過程で死者すら出るという「煉獄業」のような苛烈な荒行さえもやすやすと達成してしまう超人的な精神力を持ち、
- 如何なる不測の事態に陥ろうとも迷わない鋼の精神力と冷静沈着な思考回路。
- どんな重傷を負おうとも微塵も揺るがない空手の技の冴えと体捌き。
- その場における最適解の戦術を瞬時に導き出して冷徹に対処する判断力と対応力。
こそが彼の脅威。
この対応力に加えて莫大な戦闘経験値と修行により得た「敵の動きや技を短時間で見切る卓越した観察眼」が合わさることで黒木の強みは更に増す。
「使うべき瞬間に使うべき技を使う」という理論上の武の極致を実戦で難なく運用・体現する。
そのファイトスタイルは「武の理の権化」「重装歩兵」と例えられ、武術で競った場合「加納アギトですら遅れを取りかねない」と評された武の理想の体現者である。
ちなみにこの黒木、漫画にありがちな対戦相手が強敵と戦うことで成長し新境地の強さに覚醒したり新必殺技を編み出すというよくあるお約束展開に即座に対処して覚醒勝利フラグをへし折ってきたという意味でも(良くも悪くも)非常に有名。
「この黒木に付け焼き刃の技など通用せん」という彼の言葉がすべてを物語るが実際そんな無茶苦茶な事が出来るのはコイツ位なもの。なのであまり参考にならない…というか参考にしてはいけない気もする。
流派『怪腕流』
沖縄空手や琉球伝統武術、中国拳法の流れを汲む沖縄発祥の暗殺拳。
その技術は琉球王朝時代、帯刀した薩摩藩士との戦いを想定して生まれたと言われ、空手だけでなく経穴・経絡や気功の研究も行う。
この流派最大の特徴は常軌を逸したレベルで行われる徹底的な部位鍛錬。
巻き藁、砂袋、鉄砂掌など、ありとあらゆる部位鍛錬に日の大半を費やして鍛え上げる。
手足が折れようが千切れようが関係なく行われる苛烈な物で、その鍛錬はもはや自傷行為に等しいとさえ称される程。
……そうした破壊につぐ破壊による苦痛に耐え抜き、極めた者の四肢は槍に匹敵し、指が骨折した程度なら問題なく戦い続けられる。
鍛錬を終えたその四肢は
- 通常「防御」として使われる単なるパーリングを行うだけで相手の皮膚が裂け血が噴き出す。
- 肉どころかコンクリートの壁を容易く削り鉄板すら穿つ。
といった破壊力を発揮してしまう文字通りの凶器そのもの。黒木の場合余興で精緻な仁王像を素手で石壁に彫刻することすらしてみせた。
加えて、指だけでなく全身の関節を気が遠くなる年月をかけて鍛え上げるため、関節技で瞬間的に折ることはほぼ不可能。
これらの特徴から極めるには長い年月が必要とされ、黒木は「一朝一夕で身につく「技」など一つもない」と語っている。
実際、劇中黒木が見せた技術は、膨大な鍛錬によって強力になった技がほとんどである。
実は
二虎流の開発にも関わった武術であり、「抱骨」の元になったらしい技術も有している。
この為骨折程度では殆ど障害にもならない。
技
黒木及び怪腕流の代名詞的技。
狂気の部位鍛錬により鋼の如く鍛え抜かれた「槍」に等しき四肢を使った貫手や蹴りの総称。
その威力は容易く岩を削り、鉄板を穿ち、あの
加納アギトの強靭な肉体すら容易く貫き抉るほどに鋭い。
極端な話、
高度な術理も技術も糞もない只々強力な貫手や蹴りでしかなく、あらゆる状況下でも繰り出せるシンプル故に強すぎる技。
……というか、
格ゲーでいうなら単なる小パンや小足のようなものでしかない攻撃を、
それを長年の鍛錬によって必殺の領域にまで磨き上げたような代物である。
要はめちゃくちゃ強いだけの通常攻撃
黒木の場合、親指しか使えない状況下でも親指だけで魔槍を繰り出し、時には魔槍そのものをブラフに使って敵を翻弄する老獪な戦術も使いこなす。
間違いなく黒木の必殺技的な扱いを受けている技だが、この魔槍に頼らなくても非常に強い…というか
魔槍に頼らないからこそ強いのがこの黒木玄斎という男である。
怪腕流の極意。
相手が攻撃する瞬間を見極め、攻撃の「直前」に動き相手の攻撃に対処するという武術における先読みの極致。
自身の動体視力では捉えられないものに対処する場合、「撃つ」のではなく相手が来る場所へ「置く」という形で使用する。
厳密に言えば他の武術流派にも伝わる技量だが「机上の空論」とされる程に運用は困難。実戦で完璧に運用できる者は黒木ただ1人のみ。
相手が速ければ速いほど強力になるカウンターとしても機能することから、「攻めの先読み」と評される。
無動と同じ原理の先読みの極致。
無動が攻めならは此方は守りに長け、敵の気の起こりから攻撃を見切り、相手の攻撃が来る前に回避する。
「単純にして究極」とも言われる琉球空手の受けの型。
熟練した者ならばどんな攻撃にも耐えるとされ、黒木ほどの使い手ならば頑強な巌のような耐久力を発揮する。
二虎流金剛ノ型・極と同種の技術で、筋肉のコントロールにより負傷部位を動かす技。
全ての指が折れていようと筋肉を収縮させることで拳を形作り、戦闘に耐えうる状態にまで回復させられる。
劇中では
加納アギトの
必殺技「龍弾」の衝撃を一手に受け、通常であれば再起不能な状態になった右手を復元させて決勝に臨んでいる。
片手で手首の関節を極める
柔術の技。
加納アギトの新
必殺技「龍弾」に対してゼロ距離で使用し、龍弾を不発に終わらせただけでなくアギトの手首を破壊するカウンターにもなった。
ただし完全な無力化までは至らず、黒木自身も少なからずダメージが残っている。
黒木が魔槍以外の決め技として使った技。
急所目掛けて6連続で放つただの正拳突きだが、黒木レベルの達人が使うと速度・精度・威力の全てが桁違いな必殺技と化す。
【作中の活躍(以下ネタバレ)】
裏社会からの刺客がやってきた。暗殺者は呉一族だけじゃない!
沖縄発祥の殺人拳法その名も怪腕流!その怪腕でトーナメントをねじ伏せられるか!?
185㎝96㎏。拳願仕合初参戦!モーターヘッドモータース所属!
亡き友である平良厳山の敵を討つべくモーターヘッドモータースの代表として拳願絶命トーナメントに参加。
1戦目では理人こと中田一郎を地力で圧倒。切り札のレイザーズエッジも魔槍で一蹴、絶対的な実力の差を見せつけた。
とはいえこの時点では
- 大層な肩書と反比例するかのようなビジュアル的に余りに華のないデザインやファイトスタイル
- 強さの指標が当時ラスボス最有力候補だった『滅堂の牙』加納アギト
- 主人公である王馬との関係性の薄さ
から当初は読者から専ら噛ませ扱いされていた。
が、そんな下馬評を一蹴するがごとく、2戦目でなんと王馬の因縁の
ライバルである
桐生刹那を撃破。
刹那の師と交流で彼の流儀「孤影流」の技を知っていたというアドバンテージもあったが、
刹那が隠し持っていた
二虎流の技、さらには2つの流派の技を応用・融合させた新技にも対応してのける。
刹那も片腕を犠牲にして黒木の右手の指三本をへし折る等食い下がったものの地力の差は埋まらずに追い詰められ、
この激闘の中で編み出した、羅刹掌の欠点を克服した新
必殺技「真・羅刹掌」を繰り出すも、前述した彼を代表する名台詞
と共に即座に対処して返り討ちに。
次元の違いを見せつける勝利をし、右ブロックを勝ち上がるのは
ライバル刹那か最強の闘技者アギトかという多くの読者の予想をぶち抜いた。
おかげで主人公はトーナメントと全く関係ない野外試合でこの変態ライバルとの因縁を消化する必要に迫られた。
その後も3回戦で御雷零と対戦。
「愛」によって2回戦までから予測していた速度を得た御雷に先手を取られるが、
決定打をもらうことはなく、「無動」によって反撃を開始。
動きが直線的という雷心流の弱点をつき、逆に大ダメージを与えてのける。
…説明だけだと簡単そうだが、この時の御雷は現役最古参の若槻が「断トツで闘技者最速」と断言し、対峙する黒木はもちろん俯瞰している観戦者ですら目で追いきれないという、こっちはこっちでチートじみた域に達している。
目に映る物しか打てぬのは二流の武術家だ。この黒木を舐めるなよ
直後に接近戦に切り替えた御雷の猛攻をもしのぎ、4回戦へと駒を進めた。
4回戦では最強の闘技者
加納アギトと対決。
「無形」と「武」の混合戦法という新たな境地に達したアギトに、左肘を外され既に折れていた右手の指を念入りに折られ、窮地に追い込まれる。
がしかし、例え指一本でも繰り出せる魔槍への警戒を逆手に取りつつ、あっさりと左肘をはめ直し、骨折をものともしない怪腕流の真髄と何十年という鍛錬に裏打ちされた打撃で反撃。
「無形」と「武」を切り替えるコンマ数秒に満たない隙を見抜いた黒木の猛攻でそのまま終わるかと思いきや、
加納アギトも切り替え時に蹴りを繰り出すことで隙をカバーする戦法を土壇場で編み出して食い下がり、一進一退の攻防が続いた。
そして、黒木が蹴りを見切って距離を詰めることを想定して誘い込んだ加納が寸勁を発展させた必殺の「龍弾」を繰り出したが、
黒木もまたそれを見越して、骨折せずに済んでいた右手親指も犠牲にしながらも「龍弾」を仕掛けた加納の右手を完全に破壊して不発に追い込む。
加納アギトをして最大の壁と言わしめ、黒木も対等の宿敵と認め、互いに全力を尽くした激闘の末、勝利を収めたのは黒木。
そして主人公
十鬼蛇王馬との優勝争いに。
すでに満身創痍ながらも「前借り」の制御に成功した王馬に翻弄されるが、やはり決定打を受けることはなく、逆に一か八かの王馬の攻撃にたいし魔槍で反撃。
そのまま追い込み、最後の最後で王馬が放った「前借り」と「鬼鏖」の同時打ちをも受けきり……
…とまあ
ライバル補正や主人公補正などのあらゆる補正やよくある物語的テンプレをガン無視する圧倒的な強さで勝利を重ね続け、
最終的にアギトや王馬すらも打ち破って
トーナメント優勝を果たしてしまったトンデモ人物。
「ただ単純に強すぎる」という理由で人気を博すと同時に、「人気が出たから優勝させた」「読者人気補正」といった物議や
賛否両論も醸した色んな意味で問題児。
一応、初戦の時点で
「アギトに匹敵する実力者」という評価をされており、2回戦においても桐生戦での立ち回りに気付いた実況のジェリー・タイソンが「誰もあの男には勝てない」と断言しており、それをそのまま実現したということになるが
かませ犬の代名詞みたいな評価が言葉通りになるとは、当時の読者は誰も思わなかっただろう。
実は初期の方からその強さに対する伏線は仕込まれており、トーナメントの抽選では黒木が所属するモーターヘッドモータースは9番目という上から数えた方が早い順番で仕合の位置を決めている。
一回戦で当たった理人がトーナメントの位置を決めた順番は最後、つまり選択の余地が残っていなかった時である。
その間の21人が対戦を避けたことになるので、この時点で加納アギトと同等以上に警戒されていたことが分かる。
この通りの圧倒的実力者だが、トーナメント優勝を果たしたあとも本人としてはまだ理想に届いてないと感じている。
どんな境地を目指してるんだこの人……と思われていたが、
アシュラのラストからオメガにかけ、肉体的なスペックで
彼や彼を苦戦させた者たちを遥かに凌駕する怪物が登場し、
また
その男と同格の猛者も複数存在することが明らかになったため、作中
戦闘力における格上の存在の可能性が示唆されている。
果たして黒木が彼らと対峙する日は来るのか、そして己が目指す域に辿り着けるのか、今後の注目点であろう。
続編「
ケンガンオメガ」においても登場。
裏格闘技団体「
煉獄」と拳願会の対抗試合が決定し、当然ながら拳願会陣営
と多くの読者から出場を要請されるが、本人はコレを辞退。
代わりに押しかけ弟子となった理人こと
『超人』中田一郎を派遣した。
現在の一郎では怪腕流の技を学ぶ段階ではないとして、技術は一郎が自分で編み出したものを使わせつつ、2年の間、基礎を徹底的に伝授していたらしい。
黒木「いわば「中田一郎流」と怪腕流のハイブリットといったところか」
鷹風「お前、横文字使うんだな」
弟子を取らないといっていたわりには2年間ちゃんと面倒を見ており、身につけるには早いとした怪腕流の技術も知識として実演してみせたり、出場を辞退した対抗試合の当日も弟子の戦いを観戦に現れた。
「弟子が心配で観戦に来そう」と予想の声はあったが案の定である。
また『煉獄』のA級闘士
『羅亡』隼からは
「忍者マスター」というトンチキな渾名を付けられており、さらに公式からも
「弟子が心配おじさん」の異名を授かった。
流石の黒木も隼に真正面から真面目な顔で忍者マスターと呼ばれた際は困惑していた。
そして対抗戦から2年後では
案の定隼が押し掛け弟子と化してしまっており、
黒木も嘆息しつつ「アルバート」と呼んでそれなりに付き合っている模様。
【余談】
作者によるとコンセプトは「空手を使うメチャクチャ強い奴」。
当初は1回戦の対戦相手だった理人の気概を認めて敢えて棄権し、理人の師匠ポジションで理人を鍛えるという展開も考えていたが、「強者が勝ち上がるトーナメントという意義が崩れる」という理由から現在の展開になったらしい。
ケンガンと世界観を同じくする
ダンベル何キロ持てる?では直接の登場はしていないが彼が
回想シーンで修行に訪れた大山寺が登場。
黒木は「三日三晩大火に囲まれた状態で休みなく祈祷を続ける」荒行、「煉獄行」をやすやすと達成したそうだが、
住職たちはそんな修行を訪れた女子高生と女教師に勧めるのだった。……勧めんなや!
他にも110話で東京チームが図らずも三戦の構えを取った際、解説のコマで黒木が用いられた。
Netflix制作のアニメ「刃牙×
ケンガンアシュラ」では本筋の対抗戦には選出されなかったものの
あの
範馬勇次郎が「魔槍の噂は聞き及んでいる」とその存在に興味を示し、ほぼ同格の扱いとなっている。
まだ足りぬ。
求める良項目とは程遠い。
この黒木、未だ青いわ。
最終更新:2025年03月15日 21:00