登録日:2020/10/10 Sat 15:11:00
更新日:2025/04/17 Thu 15:49:23
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俺の踏み台。拳願会御一行が何しに来た?
●目次
【プロフィール】
通称:「元・六代目滅堂の牙」「裏切りの牙」「コレクター」
所属企業:大日本銀行(企業序列1位)→なし
身長:201cn
体重:148kg
年齢:23歳
誕生日:10月3日
趣味:試し斬り
マジ切れした一言:「え? 年下?」
【概要】
拳願会と並ぶ日本最大規模の裏格闘技団体
「煉獄」のA級闘士。
外見は筋骨隆々の大男で、ボサボサの髪と歯を剥き出しにしてニヤニヤ笑う下衆さを微塵も隠そうとしない
強者感皆無の醜悪な笑みが特徴。
また
高級感の欠片もないUNIQLOや無印良品で買えそうな安っぽい長袖スウェットに身を包む。
なお平常時も逆上している際も基本、口角が吊り上った笑い顔である。
かつては大日本銀行に所属する若手の
護衛者で、
加納アギトの引退後に平隊員から一気に『六代目滅堂の牙』となるが、
実はかなり前から煉獄と内通しており、最初から『滅堂の牙』の肩書を煉獄で多額の金を得る為に利用するだけのつもりだった。
そして『牙』就任から間も無く滅堂を裏切り、出奔の際に護衛者1名を殺害してよりファイトマネーが高額な煉獄に移籍する。
ちなみに護衛者は身寄りのない所を滅堂に拾われた者と外部からスカウトされた者で構成されるが、弓ヶ浜がどちらなのかは不明。
また高名な武芸者に取り入っては奥義を盗んで我が物にしてきたことから悪名はあちこちで轟いているらしく、「コレクター」という蔑称が広まっている。
様々な武芸者に奥義を教わって習得すること自体は間違ってはいないが、恐らく今回の拳願会から煉獄への移籍のようなムーブを只管繰り返し続けたが故の悪名および蔑称と考えられる。
なお、この設定が明らかになった瞬間ファンから速攻で「悪質な千葉」というあだ名が付いた。
【人物】
端的に言えば
傲岸不遜で自意識過剰の下衆。
自らを絶対強者と嘯き、己以外の全てを
「雑魚」「踏み台」と呼んでドヤ顔で見下し威張り散らす、極めてガラの悪いチンピラめいた性格の俗物。
移籍して2年も経っていないにも拘らず煉獄でもトップクラスの実力を誇るが、スポンサーの豊田が直々に招待した来賓である
光我に暴行するなど、品性下劣が服を着て歩いているような振る舞いからホセには
「糞」呼ばわりされており、普段は温厚で社交性も高い山下一夫すら彼の顔を見た途端に
苦虫を噛み潰したような顔で怒りと嫌悪感を露にする。
…というように、強者ほど基本自身の武術・信念に誇りを持った武術家や格闘家が大多数を占めるケンガンシリーズに於いて、現状唯一無二ともいうべきテンプレみたいな小物系の三下キャラ。
誇りや矜持の様なものは微塵もなく、余りに素行も言動も悪いことから作中の登場人物全員から反感・不快感を憶えられており、同じ仲間である煉獄内ですら評価がボロクソに悪い。
それどころか「雑魚=弓ヶ浜」という認識が煉獄内でも共有されている傾向にある。
おまけに他人を見下して舐め腐った態度を取るプライドの高さに比例して煽り耐性が異様に低く、雑魚呼ばわりされた瞬間沸騰したヤカンのようにマジギレするシーンもあった。
因みにヒカル本人は移籍するまで周囲を騙しきれていたと思っているが、実際には雇用主の滅堂や『四代目滅堂の牙』の王森、牙候補の鷹山らには裏切りを勘付かれていた。
滅堂が
「反骨心のある若者が好き」という意向で
見逃されていただけであり、将来的に裏切る可能性のある者を『牙』に任命するべきではないという忠告を押し切って滅堂に指名された。
後に裏切りを知ったアギトは自身にとって特別崇高な意味を持つ滅堂の牙の称号を蔑にしたということで強烈な敵意を抱くが、ヒカル当人は相手にするつもりはなくアギトの怒りを嘲笑っている。
【戦闘スタイル】
巨体と体格に見合ったパワーと巨躯に見合わない俊敏さを有しており、腐っても元滅堂の牙らしい身体スペックの持ち主。
だがヒカルの戦闘における最大の特徴は
卑劣ともいえる姑息な思考回路。
「楽して勝ちたい」という精神の顕れなのか、対戦相手との正々堂々としたぶつかり合い・技の競い合いよりも
簡単で確実な勝利を得ることに腐心する傾向にあり、対抗戦では真っ向からの戦いを捨てて積極的にリングアウト勝ちを狙おうとするなど、卑劣極まりない戦術を駆使。
その戦術を見た
大久保からは速攻で
「あの糞野郎ッ!!!!」と罵倒された。
滅堂が彼を牙に抜擢したのは成長性と野心を買ったからであり、牙になった時点の年齢は21歳。本作の主人公の1人である光我が20歳、
絶命トーナメントで善戦した今井コスモが当時19歳、と同世代のその後の目覚ましい活躍や成長ぶりを考えればまだまだ伸びしろがあり、就任当時であれば滅堂の牙の名に恥じない実力者となる芽もあった。
だが、煉獄へ移籍した時点で慢心して成長は止まっているとのこと。
一応、拳願仕合における最弱グループの闘技者とは天地の差があり、歴代牙クラスの相手であっても対等な条件であれば多少は善戦出来る、と作者が
プロフィール紹介でコメントしている。
ただし、実際にヒカルの戦闘を見た
王馬からは
「動きが無駄だらけ」「素人か?」と酷評もされたばかりか、作者直々に
「歴代牙では最弱」と評価されてしまった。
トップクラスを自称出来る域には達しているものの、その中でも最高峰たる滅堂の牙に相応しい力量は備わず終いとなっている。
全身を武器に見立て様々な武器術を素手に応用する武身一体の独自の戦法。
この戦法故に「武芸百般」を自称しており、状況に応じて習得した武器術を自在に切り替える変幻自在の攻撃を得意している。
技
強奪した武器術を素手に落とし込んだもの。後に最も得意とする技であることが判明。
槍に見立てた貫手を高速で放つ技で、手首の返しによって軌道を自在に曲げられるトリッキーな攻撃になっている。
掠めただけで肌が切り裂かれる威力だが、劇中には
貫手を極めた作中最強の達人がいるので案の定、読者からは
「超絶劣化版魔槍」だのと呼ばれた。
上条流槍術の技。両手で槍を構えた姿勢から左親指の第一関節で突きを放つ。
超低空の構えから放つ二刀流の斬撃の様な脛打ち。
居合に見立てた構えから放つ超高速の手刀の斬撃。
居合なので初撃こそ強いが連発には向かないのが欠点で、向き不向きを理解せず何度も繰り出す様をロロンから酷評されている。
武器術以外にも強奪したと思わしき格闘術。
強烈な蹴り技のラッシュで敵を攻撃する。試合では組みで三朝を捕まえるための布石として用いたが、三朝はそれすらも読み切って迎撃した。
【劇中での活躍】
初登場は31話。
物語開始時点で拳願会との対抗戦では煉獄側の代表選手として参加が内定しており、煉獄の見学に訪れた山下商事の面々と遭遇。
他人を舐め腐った態度は初期から変わらず、平然と山下商事の面々を挑発し続けたりホセ神崎に喧嘩を売ったりと、主催者の豊田からマジ顔で制止されるまで只管小物ムーブを貫き異様な存在感を示した。
なおこの時ホセへの挑発も込めて光我にレバーブローを叩き込んでおり、この行為が光我の
必殺技開発のヒントとなった。
その後対抗戦3ヶ月前に行われたホセと試合で一方的に試合を運び勝利するも、反撃で右腕の骨を折られて全治2ヶ月の重傷を負う。
そして対抗戦本番。
他人を舐め切った態度はそのままながらアギトや
三朝との「牙」同士による対決を避けて相手の思惑を潰そうと画策していたが、初っ端から思惑は
カーロスによって頓挫。
以後観客席で高みの見物をしゃれこんでいたが……
(馬鹿が! わざわざ先に出てきて俺を誘ってるつもりか? 行かねえよボケ。)
(滅堂の腰巾着共。俺とテメーらじゃ格が違うんだよ。)
に げ る な よ 雑~魚♪
あらま! 言われてるヨ、弓ヶ浜? 挑発するね~>
ヒカルをご指名か~。そろそろ俺も出たかったのに>
俺が代わりに出てやろうか?>
結果、現「牙」の三朝から挑発されて一瞬でブチ切れ、第4試合へ出場することになる。
試合の序盤では恵まれた体格に根差した立ち回りと武器術で一時優勢となるも、三朝自身が完全な舐めプで当初は相対していたこともあり、本気を出した瞬間簡単に自身の形勢が揺らいでしまう。
調子こいてんじゃねえぞ糞雑魚ッッッ!!!!!
蚤が、象に勝てるかよッッッ!!!!!
(!? 効かされた!!? この俺が!!?)
スペシャルマッチの「時間経過でリングが狭くなっていく」という特殊ルールと、シラットを駆使する三朝の強さに苦戦。
閉所での戦闘を得意とする三朝の思惑にまんまと嵌められた形となり、徐々に劣勢となる。
どこまでムカつかせてくれんだよ……
ああ!?
踏み台踏み台…踏み台が逆らうんじゃねえッッッ!!!
搾取する側は俺なんだよオッッ!!!
ロロン・ドネア曰く
「リングアウトを意識せざるを得ない状況で、大柄な弓ヶ浜が実力を発揮できるはずがない」とフォローされているものの、同時に「教えてやる義理はない」「自滅」と吐き捨てられていた。
不利な状況においても多彩な武器術を使い分ける奮戦を見せ、三朝が勝負を決めにくることを予期して組技による奇襲を行うも捌かれてしまい、最後は顎関節脱臼・頚椎捻挫から顔面陥没にまで及ぶ猛攻を受け遂に倒れる。
滅堂への裏切り、三朝の部下を殺害した罪、試合中でさえ変わらぬ罵倒の連続、己の実力への過信……それら全ての報いを受ける形で、完膚なきまでに叩きのめされ敗北した。
…と常人なら死んでもおかしくないほどの重傷を負ったヒカルだったが、ここまでやられてもしぶとく生きていた。
次話の冒頭で、三朝がリングから立ち去ってしばらくした後に意識を取り戻し、開口一番
殺してやるァアアアーーーーッッッッ!!!!
逃げんな三朝アアアアァァァッッ!!!
と三朝への恨み節を叫びながら、その場で暴れまわった。
このせいで煉獄のスタッフ達は彼を運ぶのに一苦労した。
ヒカルも負けちゃった~
いいやつだったのにね~>
いや? いい奴だったか?>
しかしいくら性格が悪いとはいえ、仮にも『滅堂の牙』にまで上り詰めた男が何故ここまでボロクソな扱いかというのも、実は弓ヶ浜の煉獄での戦績は9勝5敗とお世辞にも良いとは言えない戦績だったからである。
だか、この戦績は裏を返せば「『滅堂の牙』にまで上り詰めた実力者ですらトップに立てないほどに煉獄の選手層が厚い」ということになる。
また、戦績を聞いた速水正樹からは、「煉獄ルールに慣れてない内に負けを重ねたかもしれない」と、比較的冷静な分析をされている。
また煉獄側のトップであるロロンからは、「欲張って無節操に武術を取り込みすぎたこと」が敗因の一つとして挙げられている。
そのまま対抗戦編での出番は終了。
その後はなんの音沙汰もなかったが、4年と43日を経て、待望(?)の再登場を果たす。
成島光我の故郷の町に潜伏していた。
対抗戦で潰された鼻は治りきっていないのか、
パンツ鼻あてを付けている。
この時点で既に煉獄から脱退していたことが判明した。
暴対法で表だった活動が難しくなった暴力団に代わり汚れ仕事を請け負う『
代理暴力業』を営んでいた。
リベンジの機会を狙っていた光我に現在の居場所を突き止められ交戦するが、様々な経験を経て成長した光我の拳眼による先手から潰していく戦法に一蹴される。
その際に『代理暴行業』も金次第で敵味方関係なく立場をコロコロ変えるため信用はなく、ヤクザ社会でも排除の動きが出ており、もう居場所はなくなっていたことが光我から告げられた。
【余談】
この様に本来ならば一切好感度が得られないであろうヒールキャラであったが…
- ケンガンシリーズの強者枠では中々見られなかった下衆なチンピラにしか見えない言動と模範的な三下ムーブ
- 女性アイドルやグラビアモデル、イケメン俳優のような可愛らしい名前
- 名前に反したイケメンとは程遠い
凌辱エロゲやエロ同人誌の竿役みたいな醜悪で凶悪な風貌やニヤニヤした笑み
- 止むことのない挑発的なビックマウス
かませに最適な最低限の強さが保証された大層な肩書と前歴
- 言動が銭ゲバキャラの割に高級感ゼロの部屋着感丸出しなクソダサファッション
- 拳願会・煉獄両陣営どころか直接の面識がない金田末吉にすら嫌われている性格
- 対抗戦で意気揚々と第1試合に出場しようとしたらカーロスの速攻を顔面に喰らって出番を奪われる
- 観戦席でも相変わらずの悪態をついていたら仲間のロロンの機嫌を損ね、借りてきた猫のように罰が悪そうな顔で引き下がる
- 高みの見物をしてた所で三朝に
メスガキっぽく煽られ簡単にブチ切れてリングイン
- ナレーションでヒカルの強さの引き合いに出された人物が『ケンガンアシュラ』1巻のおまけに描かれた拳願会発足後初めての仕合で後の将軍徳川吉宗に完敗した闘技者・山田浅右衛門
- 追い詰められてからの猛攻で、「キャイイイイ」「キャキィィ」「キャウッッッ」と
子犬みたいな奇声を叫ぶ
- 散々イキリ倒しておきながら、試合本番では戦略面も含めて
読者の期待通り三朝にボロ負けする
- 自信満々にイキってた割に煉獄での戦績が9勝5敗と微妙にパッとしない
- 裏サンデーに掲載された単行本8巻のPR漫画でもネタキャラと化す。
- 単行本8巻に掲載されたプロフィール紹介で作者直々に「歴代牙でも最弱」と評価。
- ニコラとの戦闘スタイルの共通点は煉獄内でも指摘されているが、煉獄絶対王者のロロン・ドネアからは「あの馬鹿(弓ヶ浜)と(ニコラを)一緒にしてやるな」と一蹴される。赫「……アンタ、弓ヶ浜が本当に嫌いなんだな」
- 退場後もネタにされる。
など、あらゆる面で強烈なネタとインパクトを残しており、これらの要素が合体事故と言わんばかりに噛み合わさった結果何故か大量のファンが発生。
戦ってすらない段階にも関わらず読者から人気と注目を集めた『ケンガンオメガ』屈指のネタキャラであり、一部では「ケンガンオメガのアイドル」だのというトンチキな渾名までついている。
煉獄への移籍について
拳願会での彼の悪行とされる「煉獄への移籍」だが、実はこれって本当によくないことなの?と捉える読者は多い。
実際、他団体への移籍は野球やサッカーといったプロスポーツでもよくあることで、移籍とは若干違うが修行中の成島光我をホセが気に入り煉獄への加入を勧めた際、
同席していた関林は「煉獄とは競合関係であっても対立はしてないから特に問題はない」と咎めたりはしなかった。
ここでの一番の問題点は、裏稼業である拳願会において移籍のために滅堂の牙という地位を利用したことにある。
400社を超える企業の集合体であり、仕合結果が企業の面子や利益にダイレクトに反映され、敗北した闘技者はその場で解雇されることも当たり前な拳願会において、長らくその頂点に君臨し続けた大日本銀行での最強の闘技者に与えられる「滅堂の牙」の地位を、よりファイトマネーが高額な団体への移籍のためだけに利用したとあれば、大問題になるのも必然であろう。
弓ヶ浜の一件は企業の名前を利用した移籍が横行してしまうきっかけとなる危険性も孕んでいる行為なので、大企業が運営を取り仕切る立場にある拳願会としては、決して無視してはいけない死活問題なのである。
ケンガンアシュラ序盤にて乃木が山下一夫に「商人の見る目と信用」について語っている場面があるが、企業が『信用』という名の面子に泥を塗られるのは、一生笑い者にされるレベルの赤っ恥をかくのと同義なのだ。
『拳願会』が発足したそもそもの理由も、商人達の面子と利権が複雑に絡んだ末に血みどろの殺し合いが止まらなくなったためであり、殺し合いの応酬を止めてくれた徳川家継の発案とその初志を嘲笑う行為など言語道断と言えるだろう。
護衛者殺害事件
煉獄への移籍の際、護衛者をひとり(五番隊所属で三朝の部下)殺害して出奔したとあるが、ここだけ妙に謎が多い。
- なぜわざわざ殺したのか?
- 殺した三朝の部下は一体どのような男だったのか?
- どうやって殺したのか?
これらの詳細が当の三朝・弓ヶ浜ヒカル戦になった時でさえちょっとした回想と言った形ですら何一つ明かされていない。
(唯一判明したのは名前くらいで『安長』とのこと)
また弓ヶ浜ヒカルの日頃の挙動からすれば、自ら殺したのならば日頃から煽りや自身の強さ・残虐性の誇示にでもペラペラと喋って扱いそうなものだが、
実際に三朝から部下の殺害を追及された際に彼は顔を暗くし不快そうな顔になった直後「ゴミ処分したことなんて忘れた」と言うなど、傲岸不遜ながら明らかにお茶を濁すような回答をしている。
どのようなことがあったにせよ、安長殺害における前後の詳細はいまだ不明のままである。ヒカル君のことだし、特に明かすほどの意味も事情も無い突発的犯行の可能性もあるが……
ヒカルくんのため追記修正をお願いします。
最終更新:2025年04月17日 15:49