理人(ケンガンアシュラ)

登録日:2021/02/02 Tue 09:48:00
更新日:2024/07/08 Mon 14:08:54
所要時間:約 6 分で読めます





誰にも俺を舐めさせねえッッッッ!!!!


漫画『ケンガンアシュラ』及び続編の『ケンガンオメガ』の登場人物。

CV:金子隼人


●目次

【プロフィール】

異名:「超人」「切り裂き理人(りひと)
所属:義武不動産(企業序列第22位)→SH(すごく冷えてる)冷凍株式会社(企業序列第ランク外*1)社長兼闘技者
身長:188cm
体重:102㎏
拳願仕合戦績:5勝1敗
企業獲得資産:86億650万円
年齢:26歳
誕生日:7月15日
好きな異性のタイプ:外見重視
テーマ曲:爆弾幸気圧「爆攻ハリケーン」


【概要】

主人公、十鬼蛇王馬の拳願仕合デビュー戦の対戦相手。
王馬より1回り大きな体格が特徴で、獰猛な獣を思わせる容姿と性格をしている。
理人(りひと)という名前は自分で付けた綽名*2で本名は中田(なかた) 一郎(いちろう)

【人物】

女性と見ればすぐにナンパに走るお調子者*3だが、我の強い闘技者達を纏め上げる妙なカリスマ性を持つ陽気なムードメーカーで、金田末吉曰く「我々が一緒に行動しているのは理人(さん)がいたから」とのこと。

初登場時は自分の実力を鼻にかけた傲慢な面があったが、基本的には単純で気のいい「今時の若者」であり、王馬にリベンジを誓っていながらも行動を共にしている。
また失職し行き場を失っていた駒田茂とイワン・カラエフを社員として雇用している*4
頭はお世辞にも良いとは言えず、入試で名前を書けば合格できる馬鹿田高校をして「前代未聞の馬鹿」と言われたが、なんとそこから帝都大学*5に現役合格して卒業するという凄まじい学歴の持ち主である。

マーダーミュージック所属闘技者の沢田慶三郎とは高校時代から因縁があり、当時は「馬鹿田高校番長・理人」と「華魔(カマ)高校番長・沢田」として犬猿の仲だった。
しかしなんだかんだ互いに気にかけており、沢田がユリウス・ラインホルトに足をへし折られたと聞いた時には敵を討つことを誓った。


【戦闘スタイル】

特定の流派は修得しておらず、天性の格闘センスと恵まれた身体能力で戦うストライカー。
更に断崖絶壁を身一つで楽々よじ登ることができる超人的なピンチ力の持ち主で、超指力と高い身体能力を駆使した我流による戦い方を武器とする。
キャリアはまだ浅いが、その型にはまらない戦闘スタイルから期待のホープとして名を馳せていた。
反面才能頼りのゴリ押し戦法はムラが多いという欠点があり、キャリアの浅さもあり劇中の強者達からは格下扱いだった。

しかし『ケンガンオメガ』までの2年間で黒木の元で暗殺拳・怪腕流の基礎を体得して自身の戦闘スタイルと組み合わせた「中田一郎流」を編み出し、洗練された動きをするようになっている。
何より思考面も格段に向上している。
戦鬼杯の段階では切り札のレイザーズ・エッジの使うタイミングを的確に図りながら、パンチや蹴りなどの堅実な打撃で戦い、最適なタイミングで切り札を繰り出し一撃で仕留めるという師匠譲りの戦術眼を完全に会得。技術面でも打撃技だけで無く寝技や組み技などの打撃以外の技も習得した事で攻防の幅が大きく広がっている。
更に黒木の元で一から武を本格的に学び、闘いでの実戦経験を重ねた事で守破離における「離」の境地に辿り着いた結果、下記の『こそぎ落とす十指』をフェイントにして打撃をヒットさせると師匠の魔槍を彷彿とさせる小技も使いこなしている。
また離の境地に辿り着いた時点で、戦闘スタイルは「初期のような野性的な荒々しさ」に「武を学んで会得した洗練された技巧」が組み合わさったものへと成長を遂げている。
かつて初期の頃の戦闘スタイルの理人と戦った王馬からは「型にはまってるよりも、らしいと言われるもあの時とはモノが違う」と述べており、茂吉からも「荒さだけで無く野生の暴力と武が一つになった」と言っている。


  • こそぎ落とす十指(レイザーズ・エッジ)
理人の代名詞とも言える技で、並外れたピンチ力で相手の肉を削り取る斬撃
その切れ味は鋭利な剃刀に匹敵し、手足の腱を狙えば機動力を大幅に削ぎ、動脈を狙われれば大量出血は免れない。
その威力は本人が「やろうと思えば鋼を断ち切ることも容易い」と豪語し、実際に鎧兜を縦に真っ二つに割ったことがあるかのような回想をしており、拳願会とは別団体の煉獄に所属している「鉄をバターのように抉り取る」と噂で認識しており、レイザーズ・エッジを見た煉獄の他の選手も、驚異だと認識する程、
実際胸部にクリーンヒットした場合大胸筋断裂による大量出血が発生しており、傷口は刀剣で胸を切り裂かれたような有り様と化した。

生身での格闘戦がルールの拳願試合で、自分だけ合法的に刃物を武器として持てるに等しく、おまけに皮膚を攻撃対象にする以上安易に受け技で防御すれば防御した部位の皮膚と肉が抉られるため非常に防御し辛いという特徴も持つ。
これらの特徴から、当たりさえすれば例え加納アギトが相手でも一発逆転が可能と目されている。
師である黒木玄斎ですら「(自分を含めて)誰にも真似できない」と語った正に異能である。
当初は切り裂くためには勢いが必要なため、密着あるいは手の甲を抑えるなどして距離を殺してしまえば使用できない欠点があったが、拳願絶命トーナメントの予選では猛特訓の末に弱点を克服しており、密着した状態から相手を切り裂いてみせた。

ただし強力すぎる技の宿命として「そもそも当てられないorもしくは使わせない相手」には当然通じない。逆に言えば達人にとっても「受けるわけにはいかない技」とも言えるが。
他にも不壊のように筋肉を固めて耐久力を高める技を使われた場合は威力が半減し、サーパインのような常人以上の尋常ならざる強度の骨の前では思うように威力がでないなど、完全なガード不能技というわけではない。
そしてその辺の達人相手ならば「才能頼りの完全自己流=元の流派がないから動きが読めずに全く当たらないのが逆に難しい=ちょっと当たるだけで刃物で切り裂かれるようなものなのでダメージが大きいと逆に才能頼りの動きが利点となっている部分もある。

拳眼絶命トーナメントまでの頃は良くも悪くもレイザーズ・エッジは強力だがそれ以外は疎かという自身の必殺技に頼りすぎるきらいがあったものの。
「離」の境地に辿り着いた際には上記の通りレイザーズ・エッジを主軸にしつつも他の能力も高い地力を誇る一流の格闘家へと成長を遂げた。

ケンガンオメガでの拳願会ではルール改正によって、試合で相手を死に至らしめたら反則負けのルールが追加されたことで、レイザーズ・エッジの技の性質上、出血を伴う斬撃技でもあることから、当たりどころが悪ければ相手を出血多量で死なせていまい反則負けになる面が追加されてしまっており、その点を考慮した上で戦略を練る必要が追加された。


  • フロントチョーク
『ケンガンオメガ』で披露した、これまで打撃が中心の理人の戦いではあまり見られなかった絞め技。
身長188cm、体重102kgという忘れがちだが生まれ持った恵まれた体格を生かして首を抱え絞め上げる。
自身より体格が下回っているならば、持ち前のパワーを生かして相手の身体を宙に浮かせた上で締め上げる事が可能。


  • ローキック
必殺技や決め技というわけではないが成長後はよく使用する。
元の恵まれた体格と黒木の修行による打撃力の向上により、技自体に派手さはないが喰らえば歴戦の闘技者も無視できない威力で徹底的に脚に打撃を与えて着実にダメージと機動力を奪う。
自身の必殺技である「レイザーズ・エッジ」に対戦相手が注目しがちだからこそ不意に襲いかかる下半身への打撃はヒットしやすいという合理的要素もあるだろう。


【劇中での活躍】

ケンガンアシュラ

王馬との仕合前にイワンとともに王馬の棲む廃館を襲撃し、イワンが王馬に倒されると追い縋るイワンに「制裁」を加え、「今度の拳願仕合の挨拶に来た」とあからさまな嘘をついて鉾を収めた。
仕合本番では彼にダメージを与えるものの完敗し初黒星となり、義武不動産の闘技者をクビになる。

その後は時給がいいとの理由で失業原因でもあるはずの乃木グループ系列の運送会社でアルバイトをしていたが、ある日自分の前に現れた乃木の口車に乗せられ、乃木グループが買収したものの、前社長が夜逃げしたSH冷凍の社長に就任すると同時に、拳願会史上初の社長兼任闘技者として返り咲き、拳願絶命トーナメントに出場する。
トーナメントまでの期間は仕事の合間に本気で特訓しており、予選のバトルロイヤルではレイザーズ・エッジの弱点を克服して王馬と共闘し、『獣人』下田佐治のサブミッションにしばらく締め上げられるも、なんとか振りほどいて勝利し、本戦出場を果たした。
なお抽選ルーレットの際、山下一夫共々トーナメント参加料50億円は自身の財産を担保に乃木グループが融資したものと判明している(本人がそのヤバさに気づいたかは不明)。

あの超人が帰って来た!!!

男の武器はその指!!!規格外の握力から繰り出される斬撃は肉を引き裂き骨を断ち切る!

自称拳願会史上初会員兼闘技者として堂々のカムバックだーーー!!!

188cm102㎏。拳願仕合戦績5勝1敗!企業獲得資産86億650万円!SH冷凍所属


“超人”理人こと中田一郎オオオオオオオッッッ!!!!


1回戦では作中最凶クラスの黒木と対戦。
というのも、トーナメント組み合わせ決定順を決める抽選の際に、単位が「億」まであるルーレットで「こんなもん勘と気合で楽勝だぜッ!!!!!!!」と息巻いたところ、3桁と全会員中最低得点を叩き出し、結局最後まで誰も選ばなかった黒木の対戦枠しかなくなってしまったためである。
仕合中はほとんど手加減していた黒木に手も足も出ず、かろうじて「レイザーズ・エッジ」を当てることができたものの、圧倒的な実力差は覆らず、手加減をやめた彼のわずか4発の攻撃で完敗した。

仕合後は人知れず悔し泣きをした後に自分の実力の低さを痛感して黒木に弟子入りを志願する。
黒木は弟子を取る気はなかったが、彼から経験の少なさを指摘され、より多くの戦いを見るよう助言を受け、怪腕流の型を看取り稽古するなどして実力を高めようとするようになる。
2回戦終了後の東洋電力のクーデターでは黒木と共に守護者を撃退し、トーナメント終了後も黒木の下へ押しかけて修行に励んでいる。

ケンガンオメガ

トーナメント後の2年間はアメリカで黒木から怪腕流の基礎を叩き込まれ、ファイトスタイルもムダを大きく減らし、コンビネーションをうまく使うようになった上に技の動作の無駄も無くなった。
トーナメントで瀕死の重症を負いながらも闘技者復帰した茂吉・ロビンソンとの戦いに勝利したことで、『煉獄』との対抗戦代表戦手になった。

対抗戦本番ではガオランが拳願会側にとっては場外判定などが含まれることから不慣れな「煉獄ルール」で敗北したことで第2試合に志願し、『羅亡』隼と戦う。
修行で培った洞察力と師匠の黒木の魔槍の威力を知っている事から試合の序盤で隼の忍法ミスディレクションを見破るが、忍法肩透かしとも組み合わされたことで攻撃のタイミングがズレたことで動きが読めなくなり翻弄される。


……師匠みたくスマートに決めたかったけどよォ。俺にはまだ無理だわ♪

こっからは俺流でいかせてもらうぜ。思いっきり泥臭くな❤


そして最善ではないとはいえ自力で活路を見出し、顎以外を腕でガードしわざと顎のガードを開けることで、顎への肘打ちを誘導して、レイザーズ・エッジをカウンターでクリーンヒットさせる肉を切らせて骨を断つ戦術でペースをもぎ取り、隼に出血によるタイムリミットを与え形勢逆転に成功する。
しかし隼の薬効によって序盤から蓄積していた毒で身体の自由が利かなくなっていき、それでも意地で猛攻を繰り出し、隼も非合理だと恐れる程の底力を出すが、最後は寝技に持ち込まれた際に、毒が回ったことで反応が遅れたことで組み付かれたまま毒を染み込ませた爪で刺され続けたことで毒が全身に回り、裸締めで意識を落とされ死闘の末に敗北した。
試合後も毒の後遺症で記憶の混濁が生じるなど異様な衰弱を示していたが、第6試合後には隼に軽口を叩けるまでに回復している。
そして第9試合が没収試合となるとカーロス・メデルと共に医務室からリングに駆け付け、死人が出ないように暴れる阿古谷清秋を取り押さえる。

対抗戦から2年後、拳願会と煉獄が共同で企画したトーナメント「戦鬼杯」に参加し、予選リーグではCグループに振り分けられ、煉獄B級闘士のデスカラスJrに勝利したが、調子が不調気味でペースを握られていたら逆に敗北していたらしい。
その後も勝利を重ねて本戦進出を決める。

本戦の初戦は煉獄B級闘士で、元アメリカのマフィアの用心棒で累計懲役3000年を超える刑務所に収監されていた犯罪者と言う経歴を持つ、マーク・マイアーズが相手となる。
仕合はマークの二虎流の不壊に似た筋肉を締める技によって、防御力を上げた状態での攻めに対して攻撃を見切って的確に交わし、ヒザ関節を狙ったローキックで徹底的に攻め立て、筋肉の締めが解けたのを見ると顔面へのレイザーズ・エッジでトドメを刺して終始圧倒して勝利し準決勝へと駒を進める。

準決勝は鎧塚サーパインとの闘いとなり、仕合前の実況では故事の『矛盾』に擬えて『最強の指VS最強の頭蓋』という最強の矛を比べ合う闘いとなり、序盤から互いに怒涛の猛攻を仕掛け、互いの最強の武器である、レイザーズ・エッジとビルマの鉄槌の撃ち合いをし互いに受け止めるなどの互角の闘いを見せる。
しかし徐々にサーパインが優勢となっていく。仕合を見ていた王馬からは、技術レベルに関しては相当上がっていると言われるが『技に振り回されている』感じがすると言われ、山下一夫からも前よりも確実に強くなっているが、どこかちぐはぐな印象を受けると思われていた。この事に関しては理人自身も予選の頃から、『頭と動きが噛み合わない』、『意識』と『動き』がワンテンポズレていると自身の不調の理由を実感していた。
仕合を見ていた師の黒木からは不調の原因は理人が『守破離』の『破』の段階に達しており、他の教えを取り入れ型を『破る』最も長く最も苦しい『破』の段階の、『産みの苦しみ』を乗り越える必要があると言われている。
劣勢となっていくが、仕合の中で『理』の段階に達し、能力や技術に経験などの今までのやってきたことの全てがハマって繋がったことで、頭と身体の動きのズレが無くなり、昔の様な野生が剥き出しの荒い動きに、四年間もの間『武』の道を歩んできた事で積み重ねてきた技術が加わった、「『野生の暴力』と『武』が融合した」新たなスタイルを生み出した。新たなスタイルによって仕合が徐々に有利となって行き、最後は頭を狙ったビルマの鉄槌を咄嗟に左手で挟んで防御し、右腕でのフロントチョークで首を締めてサーパインの意識を落とす事で勝利した。

決勝は成島光我との闘いとなるが、準決勝でのダメージと負傷が比較的少ない自身と、ダメージと負傷の大きい光我と言う、自身が有利な条件による状況での仕合となり、真正面からの打撃戦となり、自身が優勢なワンサイドな展開となって行き、最後は頭への左フックで勝利を収め、優勝を決めて自身にとって念願のタイトルを獲得した。

【余談】

期待のホープとして名を馳せているものの、作中で明確な勝利が描かれたのはトーナメント予選と茂吉戦の2回のみ
持ち技が強力すぎてメタ的に活躍させにくいのと、そもそも対戦相手が強すぎるという典型的な不遇パターンに陥ってしまっている。


また金田末吉氷室涼大久保直也と出会ったのは絶命トーナメントだが、
実は学生時代の沢田との喧嘩時に大久保、金田、氷室とニアミスしている*6
この時大久保は喧嘩を観戦しており、その横を通り過ぎた氷室は朝っぱらから繰り広げられていた喧嘩に呆れ、金田は喧嘩を応援している大久保を不思議そうに見ていた。



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最終更新:2024年07月08日 14:08

*1 拳願会員になって日が浅く、実績がないため(山下商事も同じ扱い)。

*2 人間の理を超えた者という意味

*3 ケンガンオメガでは成島光我から「盛りがついた大型犬」と評されていた

*4 イワンの失業原因は理人本人である。

*5 現実でいう東京大学に相当する

*6 実は乃木も現場を通り過ぎている。