ケンガンオメガ

登録日:2020/08/28 Fri 02:58:37
更新日:2025/03/10 Mon 17:52:17
所要時間:約 31 分で読めます





ケンガンオメガとは小学館のWebサイト「裏サンデー」とコミックアプリ「マンガワン」で連載中の漫画作品。
原作:サンドロビッチ・ヤバ子、作画:だろめおん

●目次

【概要】

前作『ケンガンアシュラ』の続編であり、拳願絶命トーナメントより2年後を描いた物語で、148話以降は更に2年が経過している。
原作のヤバ子氏がWEB連載していた「求道の拳」の登場人物の多くが登場しているのも特徴である*1


【あらすじ】

拳願絶命トーナメントより2年後。
強さを求めて一人の男が山下一夫(やましたかずお)の元を訪れる。
男の名は成島(なるしま)光我(こうが)
同じ頃、死んだはずの十鬼蛇王馬(ときたおうま)と同じ顔を持つ男が拳願会に現れた。
男の名は臥王(がおう)龍鬼(りゅうき)
この二人の登場が、拳願試合に新たな旋風を巻き起こす。

【登場人物】

前作から続投する人物は『ケンガンアシュラ』の項目を参照ください。

本作の主人公。
物心ついた頃からグレており、様々な格闘技道場に入門するも直ぐに問題を起こして破門されている。
良くも悪くも田舎のヤンキー気質であり、身内には優しい反面、敵と認識した相手には敵意を剥き出しにするが、一夫達との出会いで性質が少しずつ変化している。軟派で喧嘩っ早いが、意外に義理堅いところもある。
物語開始の3年前(『ケンガンアシュラ』の開始1年前)に王馬に惨敗しており、恨みを持っている。
王馬の足跡を辿り裏格闘技界の情報を集めていたところ、拳願絶命トーナメントで彼が戦っている静止画を発見したことで、彼が拳願仕合に参戦していたことを知る。友人に頼んで拳願仕合について調べてもらい、山下商事に接触する。
そして一夫に連れられて見学した拳願仕合でレベルの差を痛感するも、誰より強くなるという野心を捨てられなかったため、見習い闘技者として山下家に居候しながら山下商事で働くことになる。
因みに原作のヤバ子氏がWEB連載していた「求道の拳」の登場人物である成島丈二は父親のはとこにあたり、彼の紹介でフルコンタクト空手団体「六真会館」の地方支部に入門するも支部長や兄弟子を半殺しにしたため破門されており、丈二の顔に泥を塗る形になったため、彼には頭が上がらない*2

もう一人の主人公。
王馬の師匠である二虎の師匠にあたる臥王鵡角の血族と思われる青年。王馬と瓜二つの顔立ちをしているが、体格はやや小柄で、年齢も20歳ほど。
かなりの数を殺しているためか実戦経験は豊富で、二階堂を圧倒するほどの実力者であるものの、登場時点では仕合の経験はない。
実力は申し分ないが、殺人に対する「罪悪感」が欠落しており、試験であることを忘れて対戦相手を殺害しようとするなど、欠けている部分も多い*3
「蟲」と敵対しており、「爺ちゃん」から「蟲は悪なので、皆殺しにしなければならない」と教えられて育ち、臥王流を伝授された。滅堂に接触して拳願仕合に参加したのも彼らをおびき出すためである。
一方で「蟲」のナイダンからは「オメガ」「最後の子」と呼ばれている。


◆拳願仕合闘技者

詳細は個別項目を参照。


◆煉獄

詳細は個別項目を参照。


◆蟲

詳細は個別項目を参照。


◆対蟲連合軍

  • 綾部高雄(あやべたかお)
珍民党総裁(内閣総理大臣)。

  • 小野澤一期(おのざわいっき)
民主人権党党首。

  • 布田直行(ぬのだなおゆき)
共産社会党代表。

  • 北浜金之助(きたはまきんのすけ)
大政義勇会会長。拳願会の存在も知っており、滅堂とも旧知。

  • 柳 坤(リウ クン)
チャイニーズマフィア「青華会」三代目。

  • 李 昭信(リ あきのぶ)
指定暴力団「仁和組」若頭。
本作と世界観を共有する『一勝千金』にて本格的に登場している。

  • ファーザー
アフリカ系ギャングの顔役。本名不明。

  • エスコルピオ
ブラジル系ギャング「ルタ」ヘッド。
超新星のレオナルドとは兄弟分。

  • トニー・レイエス
フィリピン系マフィア「アンダーグラウンド」首領。
ベトナム系ギャングとのパイプを持っている。

  • 大竹友松(おおたけともまつ)
カルト宗教団体「天命の導き」広報部長。

  • 諏訪智博(すわともひろ)
鮮血革命軍代表。

  • 奥野時政(おくのときまさ)
半グレ集団「憂国連盟」リーダー。

  • セルゲイ・プーシキン
ロシアンマフィア「モスクワの血」メンバー。


◆リアルチャンピオンシップ参加者

  • 『ザ・パンサー』喜多川(きたがわ)ジャスティン
身長:191cm
体重:128kg

大阪の裏格闘技団体『UNDER GROUND-1』代表。
ニューヨーク生まれ大阪育ちの黒人で言動はバリバリの関西弁。
関西出身らしく非常にノリが軽く、大久保を先輩として慕っている。
言動はチャラいが資質は間違いなく本物で、山下一夫も「荒削りだけどとんでもない逸材」と太鼓判を推している。

流儀は「総合格闘技」。ボクシングとレスリングを主体とした北米スタイルを得意とする。
加えて並外れて強靭な首の筋肉を持ち、ヘビー級格闘家5人が乗っても揺るぎもしない安定感と大抵の打撃のダメージを吸収する防御性能がある。

  • 『バウンディハンター』(さきがけ)比楽(ひらく)
身長:193cm
体重:119kg
年齢:28歳
誕生日:10月7日
モットー:強く美しく

名古屋の裏格闘技団体『伊勢龍』代表。
ヤクザの組長の隠し子という出生で、端正な美貌を持つオネエキャラ。
二か月前の伊勢龍タイトルマッチの時点では言動が普通の男性のものであるため、そこからここまでの間に彼を大きく変える何かがあったと思われるが現時点では不明。
不自然なほど筋肉を付けるウェイトトーレニングや手足の形が変わるまで追い込む部位鍛錬を華がない*4とし、美しく強くありたいと思っている。
美しさとは究極の合理性、一切無駄のない機能美と考え「必要な分の力を必要な時に奮う」ことを「美の本質」としている。

流儀は「伝統派空手」。ただし通常の伝統派空手ではなく、自分流にかなりカスタムしている。

  • 『終末の使者』羅門(らもん)悠光(ゆうこう)
身長:192cm
体重:140kg
年齢:61歳
誕生日:12月22日
Q.良し?:A.()

暴力団・仁和組運営の裏格闘技団体「殺戮武闘会」代表。
長髪と髭を蓄えたいかにも武人然とした外観。元自衛隊員で、除隊後は実戦を求め傭兵として各地を点々としてきた経歴の持ち主。
口癖は「良し」「()し」
言動自体は古風な武人然としているが「優れた敵は確実に葬るのが戦場の礼儀」という信念を持ち、試合中の殺人を全く躊躇わない危険人物。

流儀はイスラエル発祥の戦場格闘技「クラヴマガ」。ただし一般的に普及している方ではなく、昔からある殺人術としてのクラヴマガを用いる。
派手さはないが着実に相手を破壊する実戦的なスタイルを取り、「掴んでからの崩し」が本領らしい。しかし派手さはないため興行向きではなく、胴元の仁和組からはちょっと苦言を呈されている。
単行本27巻のプロフィールによると、現時点でリアルチャンピオンシップに参加した新キャラ3人の中では一番強いとの事で、事実ロロン相手に善戦。彼に奥の手を披露させたことをロロン本人から賞賛されている。


◆その他

  • 浅利孝介(あさりこうすけ)
光我の友人の大学生。
コンピュータに詳しく、ダークウェブから拳願仕合の情報を調べあげた。

  • 爺ちゃん
龍鬼を育て、臥王流を教えたとされる人物。
「蟲」と敵対しているらしく、龍鬼には「蟲は悪なので、皆殺しにしなければならない」と教えてきた。最強の蟲とりおじいちゃん。

  • テディ・ネルネール
身長:204cm
体重:119kg
年齢:27歳
誕生日:4月7日
得意技:内股

ニース在住の柔道100kg超級世界王者。
フランス格闘界の「顔」的存在で、ガオランとは友人。
拳願仕合でもトップ戦線に食い込む程の実力があり、串田から闘技者としてスカウトを受けた。
フランスには裏格闘技団体がないことから、自らは「裏の世界」に入ることはないと言いつつも、拳願仕合に興味を持つ者も多いと予想し、「筋を通すべき相手」に話を通す。

  • ギローム・レ・バンナ
身長:190cm
体重:120kg
年齢:36歳
誕生日:12月26日
得意技:右ストレート

フランスキックボクシング界の重鎮。
伝説的キックボクサーであり、拳願仕合でもトップ戦線に食い込む実力がある。
テディとは実家が近所のため子供の頃から付き合いがあり、現在ではを始め政財界にも友人が多く、ある程度の国家機密なら手に入れられる立場にある。
煉獄A級闘士のニコラ・レ・バンナの兄だが、6年前に彼が民間人の虐殺を行って追われる身となったこともあり、弟はまともではなくなったものだと考え、自分が殺すべきだったとまで思い詰めていた。

◆他作品からの登場人物

◆ケンガンアシュラ

闘技者および拳願会員は個別項目も参照。

  • 秋山楓(あきやまかえで)
山下商事秘書。
前作までは乃木グループ秘書だったが、山下商事設立に伴い同社の秘書となる。

  • 山下健蔵(やましたけんぞう)
山下一夫の長男で、アンダーマウント社の影の社長。
引きこもりで十年近く一切部屋から出てこないが、実は引きこもっている間にネットを通じて事業を興し、アンダーマウント社を一流企業へと育て上げていた。
表向きの社長は太田正彦に任せており、自身は表に出るつもりは一切ない。
拳願絶命トーナメントの代表闘技者に呉一族を雇うが、影武者を立てていた点が呉一族の逆鱗に触れ、呉一族に命を狙われてしまうが、王馬が雷庵に勝利したことと一夫の奔走で命拾いする。
その後は父と話し合ったことでわだかまりも解け、トーナメント後はアンダーマウント社の会長となっている。
今作では一夫が王馬と龍鬼のDNA鑑定を行ったことを聞き、一夫にかつて「蟲」が自身のスポンサーだったことを明かし、「禁忌」に触れてしまったことを警告した。

  • 山下康夫(やましたやすお)
山下一夫の次男。
高校を中退して夜遊び仲間と暴走族に入り、上納金のために一夫の財布から度々金を抜いていた。
その後王馬が暴走族100人以上を一人で倒した姿を目の当たりにし、自分とは住む世界が違うことを痛感して更正する。
今作では建設作業員として働いており、拳願会の存在およびある程度の事情を把握していた。


求道の拳

  • 蔵地(くらち)駆吾(かるご)
身長:184cm
体重:110kg
年齢:48歳
誕生日:10月25日

超日本プロレス社長で関林の師匠。「ファンタスティック」が口癖。
プロレスラーとしても現役で、春男とコンビでリーグ戦にも出場しているが、彼の大食いには頭を悩ませている。

コスモの師匠。鳥取県出身。
格闘技の天才であるコスモが一度も勝てたことがないと言うほどの格闘技の達人。
自分の格闘道場を経営する傍ら「六真会館」でも柔術の指導を行っている。
実は昔本当に金欠だった頃に「煉獄」に参加していたことがある。
ランクは不明だが、ファイトマネーを得ていたことからB級もしくはA級の可能性がある*6
ケンガンシリーズだけだと単に面倒見の良い兄貴分に見えるが、その実態は人の骨をバキバキに折ることに快感を覚える異常者刹那や目黒に匹敵するイカレ野郎である。
事実対抗戦終盤では光我を襲った「蟲」へ報復を行うために丈二と行動を開始し、対抗戦終了時には逃走していた夏忌を襲撃し、一方的にボコボコにしている。

  • 成島丈二(なるしまじょうじ)
身長:184cm
体重:96kg
年齢:42歳
誕生日:6月2日

フルコンタクト空手団体「六真会館」師範。
光我の失踪した父親のはとこ。
「六真三強」と呼ばれた内の一人で、その中でも随一とされる当て感を誇る。
山ごもりでヒグマと戦い左目を負傷、視力が大きく低下したがその代わりに広い視野を獲得した。
ちなみに左目には三本傷が走っているが、クマと戦ってできたものではなく夫婦喧嘩による産物である。
対抗戦にも観戦に訪れており、終了後には暮石とともに夏忌をボコボコにしている。

  • 青賢二(あおけんじ)
フルコンタクト空手団体「六真会館」館長。
「館長」としての立場があるため、裏格闘技に関わっている光我への全面協力、贔屓は出来ないが、火の粉を振り払った「だけ」の光我を破門にした判断が間違っていたことを認め、何か埋め合わせが出来ないかと気にかけている。


【用語】

【拳願仕合】

詳細は個別項目を参照。


【煉獄】

拳願会と双璧を成す裏格闘技団体。
詳細は個別項目を参照。


【蟲】

古代中国に存在した秘密結社。
詳細は個別項目を参照。


【「中」】

前作でも設定が登場した、東京近郊に形成された総人口10万〜20万人、総面積48.77㎢*7に及ぶ要塞化された不法占拠地区。
内部は計10の地区に分かれており、それぞれ地名があるが各区の仲は最悪。
出身者は十鬼蛇王馬、十鬼蛇二虎、もう一人の十鬼蛇二虎、桐生刹那、氷室涼、串田凛、臥王龍鬼、臥王鵡角。
現在は狼弎西端の土地を狙い、その土地に隣接する一龍・四亀・五熊・六蟲が狼弎に戦争を仕掛けているため、そのエリアは紛争状態に陥っている。

詳細は個別項目を参照。


【裏格闘技団体】

  • 毘沙門(ビシャモン)
  • 英雄故事
  • デスファイト
  • 餓狼
  • UNDER GROUND-1
  • 伊勢龍(いせりゅう)
  • D4
  • 殺戮武闘会
  • その他裏格闘技団体
変わった所だと東京ドームの地下を本拠地にしている団体もある模様。

各々の団体詳細は関連項目を参照。


【その他】

  • 超日本プロレス
毎年ドーム大会を行なっている有名プロレス団体。名前自体は求道の拳から出ている。知名度こそ高いものの、インディーズ団体なので、経費節約で大会のリング設営なども基本的に自分たちで行う。他団体のリーグ戦にも参加する他、毎年約1か月かけて日本中でデスマッチ部門とストロングスタイル部門のリーグ戦を行う「全国巡業」を興行している。
非科学的とも思えるスパルタトレーニングが伝統で、準備運動という名の厳しい基礎トレーニング*8を行った後、「粘りのある筋肉」をつけるために時間無制限でスパーリングを失神するまで続け、体を作るために肉と米メインの大量に食事を摂らせ、体が受け付けなければミキサーで液状化させて流し込む。

  • 六真会館
世界最大のフルコンタクト空手団体。会員は約200万人で、現館長は二代目にあたる青賢二。
門下生にはクレイシ道場へ出稽古に来ている者もいるが、裏社会と関わったら破門という掟があり、現役の門下生では裏格闘技などに参加している者はおらず、かつて門下生だった若槻も拳願仕合参加にあたり形式上は破門されている。

  • 対蟲連合軍
拳願会と煉獄の対抗戦から2年の間に各国でテロ活動を激化させた「蟲」に対抗するために滅堂の発案で結成された連合軍。
集められたメンバーはいずれも極右、極左、不良、ヤクザ、ギャング、カルト宗教、呉一族と表社会・裏社会の有力者や危険人物ばかりだが、同盟に参加する見返りとして「今後一切呉一族の標的にはならない」「他の暗殺者に狙われた際には呉一族による身辺警護」が約束される。





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最終更新:2025年03月10日 17:52

*1 前作では暮石光世と蔵地駆吾の2名が登場しているが、今作ではその2名に加え、成島丈二やホセ神崎、青賢二などが登場している。

*2 ただしこの件は支部長や兄弟子達が先に仕掛けてきたらしく、事件後に関係者は全員館長の青賢二によって破門されている。

*3 一方で独善的な基準で殺人を正当化している阿古谷には強い嫌悪感を示しており、モラルが無いと言うよりも一般人とは違う彼なりの線引きを順守して生きているのだと思われる

*4 しかし、他の人間がそう言うルートを選ぶ事に関しては否定していない

*5 あるいは頭・肘・膝など

*6 煉獄でファイトマネーが支払われるのはA級及び一部のB級闘士のみ。

*7 江東区や江戸川区に匹敵する広さ

*8 5mのロープ登り20往復、プッシュアップ1000回×3セット、ブリッジ1時間、ヒンズースクワット10000回。