嵐山十郎太

登録日:2021/03/04 (木曜日) 16:17:25
更新日:2021/04/10 Sat 21:16:06
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———参る。



嵐山(あらしやま)十郎太(じゅうろうた)とは『ケンガンオメガ』の登場人物。

【プロフィール】

異名;「柔王」「双王(そうおう)
所属:煉獄
身長:202cm
体重:134㎏
年齢:40歳


【概要】

拳願会と並ぶ日本最大規模の裏格闘技団体「煉獄」のA級最強闘士。
煉獄の絶対王者にして「ディフェンディングチャンピオン」という特別階級の最強闘士であるロロン・ドネアに比肩する実力者で、ロロンと合わせて双王(そうおう)と呼ばれ、呉雷庵から殺気を向けられても動じない胆力を持つ。

若干20歳にして柔道世界選手権100キロ超級を制するという凄まじい経歴を持つが、その後は表舞台のみならず裏からも完全に姿を消したとされる。
活動期間の短さ故に世間一般の知名度はそこまで高くないが、当時の実力でも現在の柔道100キロ超級世界王者であるテディ・ネルネールですら「勝てる保証がない」と述懐。
更には黒木玄斎が「同類」と評したほどの猛者であり、現役時代より更なる高みに到達しているとされる。

古風な雰囲気から煉獄でも人気は高く、観客からは「兄貴」とも呼ばれていた。


人物

柔道着に下駄と一見コスプレにしか見えない出で立ちをしており、古風な口調で話す。
拳願会に負けず劣らずイロモノが多い煉獄側の対抗戦メンバーの中では比較的冷静で穏当な性格であり*1、洞察力も優れている。
また「」についても噂程度に知っていた。
また山下一夫に対しては加納アギト三朝ら上位闘技者が跪いていたことから勘違いに等しい警戒感を抱き、メンバーに忠告している*2

またカーロス・メデルを「わが友」と評していたり、呂天と戦友として酒の席で親交があったりと、寡黙な割に煉獄内での人間関係自体は概ね良好。

柔道に対して非常にストイックに己を鍛え続ける典型的な求道者。
「ルールに左右される強さなどたかが知れている」という考えから一撃で決着をつけられなかったことに対して自らを「まだまだ未熟」と称して謙虚に高みを目指し続けている。
……とまあここまでは良識あるストイックな武人であるが、実態は煉獄代表選手の中でも随一のぶっ飛んだ性格。


過去には16歳で柔道日本選手権100kg超級で初優勝したことを皮切りに3連覇を成し遂げるも、あまりに強くなり過ぎたことで高みを目指す意義を見失うなど黒木玄斎カーロス・メデルと同じような状態となり、大会にも出場しなくなる。

彼が自らと同じ柔道家で、かつて「少年M」と呼ばれていたサイコキラー・目黒正樹*3を初めて認識したのは19歳の頃。
ニュースで見た当時12歳の目黒正樹が「いずれ自分を脅かす宿敵になる」と直感、それからは目黒と戦うことを目標とすることで活力を取り戻し、自ら世界王者という王座に君臨することで目黒を待つことを決意した。
そして20年前には弱冠20歳で柔道世界選手権100キロ超級を制すも、奇しくも同じ年に目黒が連続殺人犯となったと知ると、失踪した彼を追うように表舞台のみならず裏からも完全に姿を消し、以降15年間は山中に籠りひたすらに修練に没頭。5年前に対人稽古を解禁して煉獄に参戦し、闘士達との実戦を重ねて己の柔を極限まで研ぎ澄ませ現在の強さにまで辿り着いた。

…そう、実はこの男、目黒とは因縁どころか直接的な面識すらなく、たまたまテレビで見た目黒を一方的に宿命のライバル認定し、彼と戦うためだけにこれまでの栄光の全てを捨てて15年もの間山籠りをしていたのである。
その目黒への執着心は十鬼蛇王馬に異常な執着を見せていた桐生刹那に匹敵する*4


【戦闘能力】

流儀は「柔道」
加納アギトですら今まで見たことがないほどの「投げ技」の使い手。
表舞台を去ってから20年に渡って「投げ」のみを追求し続けた果てに後述する投げ技の弱点を克服した技術「振り」を発明。掴まず(組まず)に相手を投げ飛ばすという超人的な技術を会得したケンガンシリーズ最高峰の柔術家。

後述の「振り」を用いた嵐山の放つ投げ技は全て予備動作が存在せず、嵐山本人の技量も合わさった結果、「拳眼」の超人的な動体視力ですら相手が近づいた次の瞬間には相手が地に叩きつけられているようにしか知覚できない人智を超えた超速の投げを実現した。
重心の操り方も人間離れしており、同じ原理の「二虎流」の操流の使い手としては十鬼蛇王馬自身が「自分の上を行っている」と評価している。*5

一方で柔道に特化している分、柔道技から反する打撃技などは習得しておらず仕合でも一切使わないのが欠点。
ロロンからは「弱点であると同時に最大の強みでもある」と語る。
そして何よりも余りに強くなり過ぎたが故に煉獄の不殺ルールとは致命的に相性が悪い*6という悩みも抱えている。
そのため煉獄ルール下だと手加減を強要されている状態にある。


  • 振り
嵐山が20年の歳月をかけて完成させた新たなる「(とう)
技の理屈は二虎流の「操流ノ型」と同じく、力の流れ・重心を利用した投げ。
衣服を二指で挟む、一本の指先を前襟にかけるだけ、極めつけは指先の皮膚の摩擦だけで、相手を掴まず(組まず)無造作に刀を振るように投げる…というもの。
最早合気の域に片足を突っ込んでおり、端的に言えば嵐山の指先が一本でも相手の衣服の端或いは皮膚に触れただけで相手は投げ飛ばされる。
掴むという所作を不要としているため、柔道家の天敵の代表格であるノーギ*7の格闘家に対しても有効。強く投げれば投げた地面にクレーターを作り出すほどの威力がある。

柔道の投げ技には
●投げるまでの「予備動作」が必要
●組み(掴み)と投げの間に「時間差」が生じる
という2つの弱点があるが、この技術は相手を掴まない関係で予備動作がそもそも発生せずその弱点が存在しない。
先に組み付かれたとしても相手が投げの動作に移る前に投げ飛ばすことが可能で、あまりの速度に柔道の大天才であっても受け身を取ることはほぼ困難。故に殺傷力も十分に高い。
あらゆる戦闘技術を模倣できるアギトを以てしても再現は不可能と即座に断言した絶技である。


  • 一本背負い
相手の片腕を肩に背負って投げる柔道の代表的な大技。
嵐山の場合「振り」と自身の柔道の練度が合わさり、腕ではなく蹴り込んできた相手の脚を瞬時に捕らえて一本背負いを決められる。


【劇中での活躍】


見つけたぞ…少年M。


対抗戦では第8試合に出場し、速水正樹と対戦。
開始早々驚異的な力量で速水を全く寄せ付けない程の一方的な試合運びを展開する。

強くなり過ぎた事で技の威力がほぼ一撃必殺レベルになってしまった嵐山にとって煉獄の「不殺」ルールの中で相手を殺さずに倒すことは実はかなりの足枷になっていた。
速水が目黒正樹そのものであるという彼なりの確信は強まり、引き続き全力の攻撃を繰り返すが、多幸感の作用でダメージが快楽に転化されていた速水は、幾度となく投げられるうちに徐々に嵐山の投げの呼吸を掴んでいき、投げられる最中に鎖骨を肘で打つ相討ち狙いの反撃を許してしまう。

片腕を破壊されても尚技をかけようとするも、片腕では投げに移行することができず、正樹の一本背負いによりマウントポジションを取られてボコボコにされ、敗北した。

敗北を喫したものの、20年に渡る修練を重ねてまで備えていた宿願の戦いを堪能できたからか、嵐山の顔には満足気な笑みが浮かんでいた。



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最終更新:2021年04月10日 21:16

*1 呉雷庵の挑発行為をスルーしたり、試合での殺人行為に対して特に衝撃を受けたり狼狽えこそしないが「外道め」と露骨に不快感を示していたりと、落ち着いた常識的反応を見せている。

*2 実際は試合でのダメージが原因で膝をついたアギトに三朝と光我が肩を貸そうとしていただけだった。

*3 目黒は全国指名手配こそされているものの、事件を起こした当時は13歳だったため、少年法との兼ね合いから公開捜査ができず、情報を知る者は阿古谷清秋のような警察関係者に限られているが、一部週刊誌では目元に黒線を入れた状態で写真と事件への関与を疑う記事が掲載されている。

*4 ただし刹那のように性的興奮や自殺願望、精神的錯乱はなく、目黒が絡みさえしなければ真っ当な人格者でもある。

*5 なお王馬自身の操流の技量は、オメガの2年前の段階で師・十鬼蛇二虎を上回っている。

*6 投げ技は威力のコントロールが難しい上に、「振り」を用いた投げの殺傷力が高すぎるのが問題点

*7 衣服を着ていない状態。