ガイア(バキシリーズ)

登録日:2021/04/05 Mon 21:28:39
更新日:2023/09/08 Fri 14:14:31
所要時間:約 11 分で読めます




ガイアは『バキシリーズ』の登場人物。
短編のスピンオフでは主人公を務めている。

CV:遊佐浩二(グラップラー刃牙)/村瀬歩(バキ)

●目次

【概要】

『大地の神』を自称する超軍人。ガイアって『地母神』だけどね…
自衛隊特殊部隊5人衆の指揮官(班長)。
原作では日本の自衛隊に所属しているが、TVアニメ版では諸般の事情から部下達も含めて5名とも『傭兵』という扱い。

外見はスキンヘッドで、体格は幼年期の刃牙と殆ど変わらない程とかなり小柄。

全世界の戦場で戦う兵士にオーガと並んで絶対視される最強のビッグネーム。
傭兵時代はその卓越した戦闘力から、「ミスター・ウォーズ」と呼ばれ、オーガに並ぶ強者として評価されていた。

【人物】

その正体は臆病な衛生兵・ノムラの『もうひとつの人格』
ノムラからガイアに人格が交代すると、体格に変化は無いものの、表情が厳しく引き締まり別人のような覇気を身に纏う。なんとなくフリーザ最終形態っぽくも見える

軍人としての自覚と矜持を持っているがゆえにオーガの強さこそ認めてはいるものの、
愉悦の為だけに戦場で殺戮を行う彼の在り方はプロではないと軽蔑している。

一方、人間の域を超えた己の能力に対する自負心ゆえにその言動は驕慢で御託が多い。
ただし、後々ガイアのままでも割と剽軽で親しみやすそうな振る舞いをすることも多いので、VS刃牙戦の雄弁さは脳内化学物質の影響でハイになってるだけかも?とも考えられる。

現部隊に編入される以前は傭兵だったが、ウガンダ内戦で捕虜として捕らえられ、処刑されかけた。
僅かな差で味方が救助してくれたものの、100個の銃口と共に自分に向けられた殺気をリアルに感じ取って以来、
ガイアとしての人格が覚醒し、身に危険が迫った時には人格が交代するようになったらしい。
ちなみにバンダナの下の頭はスキンヘッドだが、これは剃っているのではなく処刑されかけた時の精神的ショックで頭髪が全て抜け落ちてしまったため。

また、捕虜になったのは殺戮の愉悦を覚えて敵陣に深入りしたことが原因であり、ガイア覚醒前は頭に血の昇ったトリガーハッピーだったらしい。

実戦を初めて体験したのが15年前と語っており、外見からは判りにくいが刃牙と会った時点でとうに三十路は越しているようである。



【戦闘能力】

上記の経験を通し、人が行動を起こす際の『念』に対する機知能力
(連載当時のチャンピオンのアオリでは『闘気読破』と呼称されたりもした)が異常発達し、
『意志を伴う自分への攻撃』を予め察知し最低限の回避動作によって紙一重で回避することが可能となっている。

体格的には小兵で筋量も必要最低限のものしか備えていないものの体内で分泌されるアドレナリンの量を意識して操作でき、それによって肉体を適切に強化・人体の潜在能力をスムーズに引き出すことで
その気になればあらゆるスポーツの記録を塗り替えることすら容易な程の超人的運動能力を発揮することができる。
本編でも10mはある沼を軽々と飛び越え、時速80㎞のボディスラムをかますなどの猛攻で刃牙を圧倒した。
本人いわく「慈愛に満ちた肉体」
それでも刃牙のキャラであるから「それで最低限かよッッッ!?」と読者からつっこまれる程度にはマッチョ。

さらに『環境利用闘法』という周囲の自然環境すべてを己の味方に付け武器化する戦闘スタイルの達人でもあり、
  • 掬った水を目などを狙って叩きつける水弾(すいだん)
  • 笹の葉を刃物に見立てての斬撃
  • 植物の蔓を使って相手を捕縛する蔓技(つるぎ)
  • 形無き『大気』を利用した技として特殊な呼吸法で常人の呼吸一日分の空気を一瞬で吐き出し爆音を生む『鼓膜破り』
  • 体表に砂を塗して、保護色による擬似的な透明化
  • 掬い取った砂(闘士たちの折れた歯や爪が混入している!)をショットガンの如く高速で叩きつける
といった多彩で強力な技を保持。
劇中では魔術じみた技の数々で刃牙を翻弄し、後年、地下闘技場での闘いにおいてすら闇社会のダーティな戦いに長けていたはずのシコルスキーを翻弄し一方的に封殺した。

なお、ストライダムが歴戦の老将(Sirとだけ呼ばれており本名は不明)に聴かされたガイアの戦闘スタイルの特色に
偽装術・ナイフ術・精神性の欠片もない戦場格闘技といったものがある。実際にそれらを見せたのは彼の部下だったが、
ガイア本人も部下以上の熟練度でそれらの技術を行使可能なのは言うまでもない。


【本編中の活躍】

◆グラップラー刃牙

5名の特殊部隊員全員を倒したと思われた刃牙の目の前でノムラから人格を交代し、その人間離れした能力を解説も交えて次々と披露、
一方的に刃牙を打ちのめしたうえ、「不自然に強化された肉体が悲鳴をあげている」と精神面でも刃牙の闘志が折れる一歩手前まで追い詰める。
しかし、その酷使され鍛え上げられた肉体が敗北を受け入れることを拒否したことで自信を取り戻した刃牙に反撃を当てられ、環境利用闘法を解禁。
蔓技による絞首刑で刃牙を仮死状態にし勝利を確信したが、「オーガの息子などこんなもの」という挑発で闘争本能に火が点いた刃牙の逆襲に遭う。
あくまで己のタフネスを信じぶつける刃牙の肉体信仰がガイアのペースを狂わせたのか、
渾身の打撃を次々と喰らったうえ最後は頸動脈を両指で塞がれて絶息・敗北した。

気絶から目覚めると「我々は敗北した」と潔く状況終了を告げ、穏やかな面持ちで刃牙に食事を勧めるのだった。
この時、刃牙に鍋の中身をよそって寄越したボコボコに凹んだ金属食器は戦友の形見。

刃牙とは部下共々確かな絆を結んで別れた後、しばらくして刃牙VS勇次郎の親子喧嘩の場に再登場するが
その姿は闘いを挑んだうえで返り討ちに遭った結果満身創痍。まるで従者のようにオーガの足下にひれ伏すというショッキングなものだった。
ちなみにこのシーンは主に『余計なことをしたガイアを勇次郎が制裁する』形で愚地独歩の「なんだァ?てめェ・・・・・・」と同じくらい性癖関連のコラ素材として人気。


◆バキ

以降はフェードアウトしたものと思われたが、第2部・『バキ』最凶死刑囚編にて再登場。
捕獲した野良シコルスキーを地下闘技場まで搬送、スゲエもん好きの観客の面前で嬲り者にするという
徳川&猪狩プロデュースの悪趣味ショーにて、シコルスキーとは格が違いすぎて勝負にならないジャック・ハンマーに代わり
環境利用闘法・師範として参戦。軍人でなく純粋なグラップラーとして闘うのはこれが初となる。

表社会での知名度は無いため観客には不評だったがブーイングを鼓膜破りで黙らせ、いきなりナイフや拳銃を取り出してシコルスキーを死ぬほどビビらせる。
さらに闘技場の砂を利用した散弾と偽装でイニシアチブを握り、「暴力の真の恐怖をプレゼントする」という言葉と共に本格的にシコルスキーを仕留めにかかる。

それは見えない攻撃を10秒おきに当てることで「いつでもお前を殺せる」というメッセージを対戦相手の意識に刻み込むというもの。
目潰し金的顔面や脇腹を狙ってぶち込まれる軍靴の蹴り…

「確実に来る幸福…その待つ時間の中にこそ幸福があるように 確実に来る恐怖…人はその待つ時間にこそ恐怖する」

結果、恐怖心に押しつぶされたシコルスキーは泣き叫びながら許しを請い、敗北を認めた。

このガイアvsシコルスキー戦は、この作品において
「過去に敗れた者が必ずしも弱いわけではなく、また勝敗による単純な三段論法は必ずしも通用しない」
ということを象徴する意味深い一戦であった。超軍人ガイア、未だ強し!公園の本部は天下無双!!
なお、待つ時間にこそ恐怖云々~というネタの初出は
夢枕獏原作・板垣が作画を担当する『餓狼伝』のクライベイビー・サクラの台詞だったりする。


◆範馬刃牙

第3部・『範馬刃牙』のピクル編にもほんの少し登場しており、ジュラ紀からやってきたレイプ原人ピクル一目惚れして、
彼が暮らす米軍基地内の保育施設『ぴくる☆ハウス』まで夜這いにやって来てニンジャごっこに興じるガチホモ格闘家7名と共に秘密裏に侵入し、誰からも感知されず状況を静観していた。
恐ろしいことにホモほぼ事実である。

しかし、最後に乱入してきたオーガには自分の存在がバレてしまっていると悟り、全員が撤収した後結局ピクルには手を出さずに自らもこっそりと撤収。
やはりオーガには現在も苦手意識があるらしく、いつもの尊大な態度は完全に吹っ飛んでいそいそと帰り支度をしていた。
何らかの任務を帯びていたのか、それとも個人的な興味から侵入したのかは不明。


◆刃牙道

第4部・『刃牙道』では、刃牙の想像上にライバルの一人として描かれた程度の出演だった。
それからしばらくして、刃牙道の事実上の主人公である本部以蔵が勇次郎と武蔵の激突を『守護る』との名目で妨害し、勇次郎と読者の怒りを買ったあげく気絶した89話。
気絶状態から回復した後に自身と武蔵の激突を宣言し、本部は徳川邸から立ち去る……が、そんな本部の前に現れたのは

「ご無沙汰してます 先生」
「よくぞ申しあげてくれました」

本部の事を「先生」と呼びながら現れた男はガイアだった。
本部はそんな彼に「やはり君だったのか ガイアくん」と親しげに話しかけた。
徳川邸での本部のやり取りを天井裏からこっそりと聞き盗んでおり、本部もそれに気が付いていた様子である。

しかし本部曰く『硫酸入りのカプセルを吹きかける』という行為が彼の教えた技らしいが、
かつて刃牙に対し実際にこの技を使ったのはガイアではなくノムラである。このことから
  • 実はガイアではなくノムラ人格の方が本部の弟子だったのではないか?
あるいはガイア自身の言動の推移から
  • ガイアとノムラの精神は安定し融和しつつあるのではないか?*1
といった読者視点での更なる疑惑も出てきたのだが、全ては仮説の域を出ない。
そもそも現時点でのガイアの詳細な精神状態や、かつてどういう経緯・心理状態でガイア(ノムラ?)が本部の弟子になったのかはその一切が謎に満ちている。

第4部にして明かされる本部とガイアの関係に、多くの読者が混乱と期待を持ちながら注目している。その辺は殆ど掘り下げられませんでした…。
そしてガイアと武蔵が対決に至るのかにも要注目の事態となっている。結果はまたしても醜態を晒すことに…。




【バキ外伝GaiA】

チャンピオン本誌の袋とじ企画でかかれた10ページたらずの短編漫画。板垣は原作名義で作画協力は富沢ひとし。
単行本未収録だが上記の『戦場の詩』に収録されている。現在出ているのは#2まで。

#1~偽ガイア編~

ガイアの名を騙る『偽ガイア』秘術・トンネルで抹殺する。
トンネルとは、
あらかじめ中身をくりぬいたソファに身を潜め、ターゲットが腰かけた瞬間ナイフで肛門を切り裂き、
そのまま敵の体内に潜り込み通過、口を引き裂いて脱出するという極めて残虐上使い道の限られた暗殺技術。

…もう袋とじに相応しいグロっぷりでカラーなのでそこらじゅう真っ赤っかである。
ガイアは「俺は小柄だから可能なんだよね…♥」とか言ってるが明らかに人間業じゃない。
一連の映像は偽ガイアがマスコミのインタビューに応じている最中だったので録画されてしまっているが、
本物のガイアの顔は返り血に塗れていたため判別不能、無論映像は放送コードに抵触したため世には出なかった。
ちなみにインタビュアーの女性記者が異様にカワイイ。トンネルの返り血が顔にぶっかかってマグロ目失禁するところが特に。


#2~大統領就任編~

刃牙本編でも登場するボッシュの次代大統領、バラク・オズマの大統領就任直前の時期のエピソード。
ジョギング中に大統領に襲い掛かる銃・ナイフ・爆薬をガイアが持ち前の戦技で次々と無効化し、
その技量を認めたオズマが就任までの26日間自身の護衛を依頼するというもので
内容そのものはクリントン似の大統領をガードする天内悠のそれとさして変わらないが、
アラミド繊維の覆膜を用いて爆破を防ぐテクニックJ・ゲバルの操る『無隠流忍術』の対爆薬技術に酷似していたり、
刃牙との対戦後ガイアが(おそらく部下たちと共に)激戦地イラクに渡り、
自衛隊員に1人の犠牲者も出さなかった実績を作ったことが語られている。


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最終更新:2023年09月08日 14:14

*1 解離性同一性障害の症例からすると実はそちらの方が現実的な治癒経過ではある。いつまでも綺麗に人格が二つに分かれている方が稀有